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★『枕草子』
▽宿駅
律令制の「駅制」と中近世の「宿駅」は全く違うものです。混同しないように。
宿駅は律令制の駅制が崩れた後にそれに代わって生まれ整備されたものです。宿駅とは、旅行者や物品、書状などを輸送するために、駅または宿とよばれる集落をつくり、そこの住民に輸送を義務づけたものです。
駅制では駅がある地域の住民は物品や書状を運ぶことは義務付けられていません。というかしてはいけません。
地域の住民はその駅で飼われている官馬の世話や、施設・馬具などの維持管理、使者の世話などをすることになっていました。
また、この駅を使用できるのは「駅鈴」もしくは「伝符」を持っている者、つまり朝廷や、国府などの地方行政組織が派遣する公式の使者のみに限られていました。つまり一般人は利用してはいけなかったんです。
これが宿駅との最大の違いです。