☆こうなったら読書マラソンしません? ★第八戦目 at BOOKS
☆こうなったら読書マラソンしません? ★第八戦目 - 暇つぶし2ch663:touka(2☆3622)
16/01/11 10:59:24.15 .net
『性のタブーのない日本』 橋本治 集英社新書 238p 【B】
平安、江戸を中心に、古代から近代までこれまで著者が扱ってきたネタを寄せ集めて、一冊の新書にしたもの。
あれもこれもみな見覚えのあるネタだけれども、過去作とは少しずつ切り口を変えており、著者の入門書であると同時にファンサービスになっている。
あちこちつまみ食いして書き散らしているだけに見えるが、ひとつひとつ原典に当たり、深く考察した故に、自家薬籠中のものとして自由に出し入れできるのだ。
キャリアの最初に書かれた『ロバート本』と対を成す一冊か。

664:テタ(20☆6395)
16/01/12 20:53:42.80 .net
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫 450p
不穏。【C】

665:touka(2☆3823)
16/01/18 15:36:20.93 .net
『義太夫を聴こう』 橋本治 河出書房新社 201p 【B】
『浄瑠璃を読もう』の次は『義太夫を聴こう』。ここまで来るとさすがに売れんのか、装丁も安いものになっている。
女流義太夫の人から相談を受けて、まずは音楽として観客の身に染み込ませることが必要だと、比較的音楽的な「道行」の部分だけを抜き出して演奏する「道行の会」というものを提案し、その会場でしゃべったことに書き足しをして作った本らしい。
古典をたのしく紹介するのは著者の手馴れたところでさすがに面白いが、読み終わると雲のように「なにが書いてあったっけ?」と記憶が霧散するのも著者の特徴。いずれ本当に必要になった時に読み返せば、するすると身に染み込んでいくはずだ。
たまたま見ていたNHKの日本の古典という番組に、この女流義太夫の人が出演して忠臣蔵を演奏していたが、実際に聴き続けるのはなかなか厳しいものがある…。

666:テタ(20☆6647)
16/01/19 07:05:58.62 .net
『神と肉』原田信男 平凡社新書 252p
東アジアで動物を贄にするということ。【B】

667:テタ(20☆6879)
16/01/26 21:14:41.56 .net
『高木貞治』高瀬正仁 岩波新書 232p
評伝。【C】

668:touka(2☆4036)
16/01/30 16:34:37.33 .net
『最貧困女子』 鈴木大介 幻冬舎新書(kindle版) 213p 【C】
転がり落ちて、ではなく、生育環境の劣悪さから、まともな性風俗にも就けないような女性たちのルポルタージュ。
ほとんど不可視であった彼女たちに、スポットライトの光を当てた点に意義がある。光が当たれば、間違えてぶつかるということも無くなるし…。
著者は熱意ある善意の人だが、最終章の改善のための提言が理想論で終わっているので、読者の中で終わったことにされてしまうのではないか。
読者に異物を投げつけるときは、下手に磨いたりせず、異物は異物のまま飲み込ませる方が引っかかりやすいのに。

669:touka(2☆4394)
16/02/01 21:25:17.21 .net
『55歳からのハローライフ』 村上龍 幻冬舎文庫 358p 【B】
「ハローワーク」ではなく「ハローライフ」。作者の村上龍は、お前は鶴太郎かってほどのマルチタレントぶりだったが、本業の小説家であることにこれほど誠実だったとは。
それぞれの中篇に投入されている、普通の人々のなんでもない、けれども独自に積み上げられた生活のディティールの描写の物量がすごい。イキオイで書き流していると感じられる部分がほとんど無かった。
それなりに普通の人生を歩んできていた人たちが、55歳を過ぎて、個人的な老いや経済的困窮、孤独に追いつかれ、立ちすくんでしまう。
カタルシスあふれる解決に向かうのではなく、取り囲む状況はほとんど変わってはいないけれど、それでももう一度歩き出そうとするところで話は終わる采配に、作者の小説に対するモラルの高さを見た。犬も歩けば棒に当たる。良くも悪くも。

670:テタ(20☆7124)
16/02/02 21:57:57.91 .net
『ある首斬り役人の日記』フランツ・シュミット 白水uブックス 245p
1600年頃のニュルンベルグでの記録。【C】

671:テタ(20☆7362)
16/02/09 21:04:33.41 .net
『日本語の科学が世界を変える』松尾義之 筑摩選書 238p
準結晶の裏話が面白い。【B】

672:touka(2☆4631)
16/02/11 09:00:08.25 .net
『すべてはモテるためである』 二村ヒトシ 文庫ぎんが堂 237p 【C】
なぜモテないかというと、それはあなたがキモチワルいからでしょう。から始まるモテるための(脱)マニュアル本。
まずは趣味を持ち、それを人に押し付けず、常に謙虚で相手の話をよく聞くこと。そして人工的な釣堀であるキャバクラに行って、女の子と会話の訓練をしよう(釣堀なんだから、あくまでキャッチアンドリリースの精神で)。
相手が自分と同じ趣味を持っていることがわかっても、ソレッとばかりにあなたの研究成果をまくしたててはいけません。趣味はあくまで人格の深みとして。
人と出会った時に、その出会いで自分が変われる余地を持っておけること。イラスト担当の青木光江と解説の上野千鶴子の気色悪さは他山の石として役立てよう。

673:テタ(20☆7655)
16/02/16 21:16:31.84 .net
『紫苑物語』石川淳 講談社文芸文庫 293p
時代物三編。【C】

674:テタ(20☆7790)
16/02/23 19:34:10.41 .net
『宗教と性の民俗学』赤松啓介 明石書店 135p
エッセイみたいなもの。【C】

675:touka(2☆4903)
16/02/27 00:45:56.33 .net
『蘇我氏 ―古代豪族の興亡』 倉本一宏 中公新書 272p 【C】
大化の改新(乙巳の変)で蝦夷・入鹿が討たれた後も、蘇我の本宗家が断絶したというだけで、蝦夷の弟筋にあたる蘇我倉氏やその他同族の家系は続いていた。
蘇我連子の娘媼子が不比等に嫁いで四兄弟のうち三兄弟を産んでんだよねってことは知っていたが、大化以前唯一の大臣(オオマヘツキミ)を出す氏族であった蘇我氏の血を入れて、
いまだ基盤が脆弱だった藤原氏の家格を底上げすることで、天皇家とスムーズに姻戚関係を結べるようになったという知見は新鮮だった。
奈良時代も半分を過ぎると、あたかも1200年前の市役所課長の人事記録集の様相を呈してくる。没落とはつまりこういうことなのか。

676:テタ(20☆8070)
16/03/08 21:21:00.04 .net
『英国に就て』吉田健一 ちくま文庫 280p
エッセイ。【C】

677:無名草子さん
16/03/12 12:29:18.76 .net
ちくま文芸文庫の言海
講談社の京極作品
角川のエベレスト
どれも読み応えある厚さだw

678:テタ(20☆8403)
16/03/15 21:03:49.50 .net
『お伽草子』福永武彦 円地文子 永井龍男 谷崎潤一郎訳 ちくま文庫 333p
現代語訳。【C】

679:テタ(20☆8766)
16/03/22 20:53:07.88 .net
『朝永振一郎著作集3 物理学の周辺』みすず書房 363p
鼎談、講演など。【C】

680:touka(2☆5308)
16/03/24 17:35:00.30 .net
『ドキュメント 戦争広告代理店』 高木徹 講談社文庫 405p 【B】
ボスニア紛争に関する世論を裏で操作したアメリカのPR会社の話。
世界の世論とはアメリカの世論でもある。アメリカ人の琴線に触れる単語を織り交ぜてあることないこと情報を発信し続けていれば、
関係者以外本質的にはどうでもいいと思っている事柄については、裏取りもろくにせず、勝手に正義感に燃え上がってスピーカーになってくれるというノウハウ。慰安婦南京調査捕鯨、どれもおなじ仕組みか。
取材前に一筆書かされたのかと思うほど、肝心のPR会社の描写だけがヒロイックで平板なものになっている。最初は面白く読めるが、読み進めていく内にだんだんうんざりしてくる。

681:テタ(20☆8966)
16/03/29 20:19:05.25 .net
『最暗黒の東京』松原岩五郎 岩波文庫 200p
1892年頃の東京の貧民窟潜入記。【C】

682:テタ(20☆9169)
16/04/05 21:13:03.94 .net
『周期と実数の0-認識問題』吉永正彦 数学書房 203p
新感覚の本だと思う。【B】

683:テタ(20☆9554)
16/04/12 21:03:15.41 .net
『朝鮮・琉球航海記』ベイジル・ホール 岩波文庫 385p
1816年、イギリス使節団を中国に送り届けた軍艦による朝鮮西海岸、琉球の探検航海の記録。
美しい誤解に基づく物語。【B】


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