13/10/12 20:26:23.70 .net
ノルウェイは村上春樹本人にとっても自伝的な内容だ、という話を方々で見るけれども
(本人がそれを認めるようなコメントはしてないと思うけど)、
若い頃に親しかった友人や恋人に「自殺」という形で関係を断ち切られてしまった、という経験を、
作者自身にも容易に答の出せない傷として抱え込んでしまっているのではなかろうかと思う。
初期の「僕」3部作でもずっとその周囲を巡るような書きっぷりだったし、
ノルウェイではもっと直接的に踏み込んで書いている。
ノルウェイを書いたことである程度は吹っ切ったのかもしれないけれど、
その後も短編集「神の子供たちはみな踊る」に所収の「蜂蜜パイ」でも
「僕」とその友人と、その彼女、という3者の関係を描いている。
作者にとってこの辺は永遠のテーマになってしまってるのかもしれない。