2ch厨房が新書等のベスト 5冊目at BOOKS
2ch厨房が新書等のベスト 5冊目 - 暇つぶし2ch208:無名草子さん
11/02/06 23:07:21 .net
>>192 山口仲美『日本語の歴史』(岩波新書)読みました。バランスよく読みやすく書かれた日本語の歴史概説。
まず奈良時代については、万葉仮名の発明、そして現代より発音の数が多かった事が述べられる。
平安時代は文章に関して、「漢式和文」「万葉仮名文」「草仮名文」「ひらがな文」「宣命体」「漢字カタカナ交じり文」の成立と使われ方を説明。
鎌倉・室町時代では、係り結びの衰退・連体形と終止形の同一化といった古代語の変容に焦点を当てる。
中世には早くも現代語に連なる言葉の変化が現れたというのは驚き。江戸時代は、洒落本や人情本の会話部分に注目し、当時の話し言葉を復元する。
町人言葉に関しては現在の話し言葉とかなりの共通性が見られるようになってくる。
明治以降では、言文一致体に向けての苦闘の歴史をたどる。これは日本近代文学の歴史とも重なってくる。
特に難しいところもなく、知りたいことはだいたい網羅されていて、高校古文の副読本としてもお薦めできる良書。
ただ序文で語られる著者の言語観が素朴すぎる感じがするのがちょっと不満なところ。(ここには現代言語学と日本語学との乖離という問題が潜んでいるような気がする)
それと、著者は言文一致を無条件で支持しているようだが、個人的には文語体の良さというのもある程度残して欲しい気もする。
たとえば、聖書の句を引用するときなどは文語体の方がいいと思うのだが、どうでしょうか。


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