2ch厨房が新書等のベスト 5冊目at BOOKS
2ch厨房が新書等のベスト 5冊目 - 暇つぶし2ch150:無名草子さん
10/12/25 05:01:31 .net
>>144
すごく個人的な興味から読んだのであまり参考にならないかもしれないけれど、
清水克行『日本神判史』はすごく面白かった。

151:無名草子さん
10/12/25 14:07:38 .net
年末年始をワクワクして過ごしたいから、知的なワクワクできるような本を教えて。
もちろん、新書じゃなくてもいいから。

152:無名草子さん
10/12/25 14:33:09 .net
知的なワクワクというのは、本人にとって簡単すぎてもダメだし理解不能すぎてもダメな絶妙なところにあるもの。
それは本人にしかわからない。

153:無名草子さん
10/12/25 15:19:23 .net
大学生だしどの本も簡単ってことはないと思う。
だから難しすぎない本でなければ何でもいいからおすすめ教えてください。

154:無名草子さん
10/12/25 15:37:02 .net
もうちょっと縛りがないと薦めらんない

155:無名草子さん
10/12/25 22:21:54 .net
こういう自信がある奴は高校生用の入門書読んどけよ。
岩波ジュニア新書かちくまプリマー新書で面白そうな本を買ってこい。

156:無名草子さん
10/12/25 23:54:08 .net
自信?なにいってんだ、こいつは。

157:無名草子さん
10/12/26 12:06:53 .net
おまえら喧嘩するならお菓子やらないぞ

158:無名草子さん
10/12/29 17:34:14 .net
今年の甥へのクリスマスプレゼントは新書20冊

159:無名草子さん
10/12/29 20:39:47 .net
俺の甥へのプレゼントはAV20本だった

160:無名草子さん
10/12/29 21:35:18 .net
それはマジで感謝されるな

161:無名草子さん
10/12/30 14:09:12 .net
今年もありがとな、おまえら。
もっと、来年は書き込めよ

162:無名草子さん
10/12/31 23:24:02 .net
ああ

163:無名草子さん
11/01/01 00:27:26 .net
年明けてもうた…

164:無名草子さん
11/01/03 02:16:47 .net
あけおめ、ことよろ

165:無名草子さん
11/01/08 13:38:22 .net
>>162
おい、うそつき。書きこんでないじゃねーかよ

166:無名草子さん
11/01/09 01:07:38 .net
書きこむことがないからな

167:無名草子さん
11/01/09 03:13:15 .net
オレ、宮台の『日本の難点』を遅まきながら読んだので後で感想書くよ。
ちゃんとしたレビューじゃなくて、チラ裏的なことをだらだら書くと思うけど。

168:無名草子さん
11/01/09 09:47:58 .net
どんどんかきやがれ。

169:無名草子さん
11/01/09 09:51:33 .net
2010の新書ランキングってどこかにない?

170:無名草子さん
11/01/09 12:21:37 .net
佐藤信夫の国家神道って本をベストに入れようぜ。

171:無名草子さん
11/01/10 22:11:37 .net
>>170
佐藤信夫の?いくらググってもそんな本出てこないんだけど…

172:無名草子さん
11/01/11 17:40:47 .net
神国日本 (ちくま新書) 佐藤 弘夫 (新書 - 2006/4) でしたわ

173:無名草子さん
11/01/12 00:00:09 .net
>>172
それかなり前に買ったけど読まずに積んであるわ。今度読もう。

174:無名草子さん
11/01/12 16:42:29 .net
日本語について扱った本でおすすめの本教えて

175:無名草子さん
11/01/15 13:56:41 .net
ベストって古い本ばっかりじゃね。
2010年、2009年のベストとかを考慮しながら新しくどんどんいれていこうぜ

176:無名草子さん
11/01/15 14:19:03 .net
新書の積ん読だけでも300冊ぐらいあるので、とても2010年出版までたどり着けません

177:無名草子さん
11/01/15 19:06:30 .net
とっとと読めよ。何やってるんだよ

178:無名草子さん
11/01/22 18:38:30 .net
おすすめの経済学の本教えてください

179:無名草子さん
11/01/22 22:51:20 .net
全くの初心者なら大竹文雄『経済学的思考のセンス』(中公新書)が無難か。
ゲーム理論方面から入るのもひとつの手なので、梶井厚志『戦略的思考の技術』(中公新書)でもいいかも。
岩田規久男はせっかちな人には読みにくいのではないかと思う。
因果関係を一歩一歩踏みしめるように地道に説明していく文章なので、粘り強い人じゃないと退屈するはず。
正直、経済学が面白いと思える人ってどれくらいいるのか疑問。
経済学って独特の難しさとつまんなさと陰鬱さと冷酷さがある。
だからエコノミストと言われている人でさえ、あまり理解していないことが多い。

180:無名草子さん
11/01/22 23:10:00 .net
>>174
日本語についての本ってたくさん出てるけど、どれがいいのかわからんね。
言語学とか国語学とかいろんなアプローチがあるだろうしね。
新書では金田一京助とか外山滋比古あたりから読めばいいんじゃないすか。
俺は去年くらいに、文章読本の類(谷崎・三島・井上ひさし・丸谷才一等々)をまとめて読んでみたが、
結局、斎藤美奈子の『文章読本さん江』が一番面白かったわ。新書じゃないけど参考まで。

181:無名草子さん
11/01/22 23:15:18 .net
見てわかるように、文章読本を何十冊よんでも別に文章なんて上手くならん。
しょせん本人の才能だわな。

182:無名草子さん
11/01/23 05:01:36 .net
ハウツー本系全て(会話,勉強法etc)に言えることだけど
何冊読んでも自分の能力は上がらないのが鉄則。

183:無名草子さん
11/01/23 05:57:51 .net
2、3冊読むぐらいなら効果はあるのだろうけど、そこをいきすぎて自己啓発マニアとか受験術マニアになるとどうしようもないw

184:無名草子さん
11/01/23 10:36:22 .net
新書じゃなくても大歓迎だよ、ここは。

185:無名草子さん
11/01/23 19:16:59 .net
新書は分量も手ごろで読みやすいけど、ゴミみたいな内容のものが
増えたな。そのうち新書の出版が下火にならないか心配

186:無名草子さん
11/01/23 22:19:24 .net
新書出版は、自転車操業状態。
数打ち当たるだから、ゴミ本がほとんど。
内容よりもタイトルでいかに買わすかが勝負。
衝動買いにささえられているのが新書である。

187:無名草子さん
11/01/23 22:48:31 .net
内容水増しが多くて疲れる。光文社とかさ。


188:無名草子さん
11/01/24 10:24:50 .net
>>180
新書以外ではどんなんがあるの?

189:無名草子さん
11/01/25 20:11:13 .net
知らん。言語学・日本語学関係は見通し悪くて、素人としてはうかつなことは言えんな。

190:無名草子さん
11/01/25 22:00:22 .net
学術的な責任は持たないけど、一応
井上ひさし『私家版 日本語文法』 (新潮文庫)をお勧めしておくか。

191:無名草子さん
11/01/25 22:25:52 .net
>>190
井上ひさしだと・・・

192:無名草子さん
11/01/26 09:05:13 .net
日本語なら山口仲美の岩波から出てる日本語の歴史なんていいんじゃねぇの。

193:無名草子さん
11/01/26 22:01:00 .net
>>192
ああそれブックオフで買って積んである。そのうち読むわ。

194:無名草子さん
11/01/27 01:55:08 .net
>>172でお薦めされた佐藤弘夫『神国日本』(ちくま新書)を読んでみました。
森喜朗の「神の国」発言事件を受けて、改めて日本の神国思想についてイデオロギー的レッテルを外して考えてみようという本。
Wikiの宗教系新書のベストには既に、末木文美士『日本宗教史』(岩波新書)、井上順孝『神道入門』(平凡社新書)、
菅野覚明 『神道の逆襲』 (講談社現代新書)の三冊が入っている。自分は一応三冊とも読んでいるが、内容はあまり覚えていない。
が、末法辺土たる辺境の小国日本に仏が神の姿を借りて顕現するという「本地垂迹」をもって「神国思想」の元とする説は、
末木文美士『日本宗教史』とほぼ同じだと思う。つまり本来「神国」とは日本の優越を誇る思想ではない、と。
この本では、古代から中世にかけての神観念の変容を分析しながら、神仏習合の成立を追う。

195:つづき
11/01/27 01:57:53 .net
後半では、蒙古襲来及びナショナリズム高揚と神国思想を単純に結びつける通念が批判される。
蒙古襲来の前に、院政時代における寺社勢力関の紛争による権力秩序の危機を鎮めるために神国思想が説かれ、
また念仏などの新仏教弾圧の論理として神国思想が説かれていることが指摘される。
神国思想は蒙古襲来という外的要因よりも、国内秩序の危機に際して、権門内部の融和と協調を促すイデオロギーとして浮上した。
最後の天皇の権威の変遷と神仏との関係が述べられる。中世になると天皇の存在は神国の目的ではなく神国が存続していくための手段となる。
近世から近代にかけて、神国思想は自国中心主義へと旋回するが、その過程については軽く触れるにとどまっている。
全体的に「神国思想=自国中心主義」という通念に対する批判だが、根底から覆すというほどではなく、修正程度のものだろう。
菅野覚明『神道の逆襲』のような強い思想性もないし、癖がなくて読みやすいと思う。

196:無名草子さん
11/01/27 02:02:04 .net
『神国日本』のついでと言ってはなんですが、自分は背景となる日本の中世に関する歴史を全然知らないので、
補う意味で今谷明『室町の王権』(中公新書)というのも読んでみました。副題「足利義満の王権簒奪計画」。
まず、院政の成立から世俗権力喪失に至るまで、ざっと天皇家権威の変遷を概観した後、
足利義満が天皇の権力と権威を簒奪していく政治的策謀を追っていく。後円融院がじわじわと精神的に追い詰められていく過程で、
ドメスティックバイオレンスに至ったり、自殺未遂事件を起こしたりして、自ら権威を失っていく様を生々しく描き出している。
実質的な権力を奪うだけではなく、祭祀権・国家祈祷権を得ることが権威の獲得のために重要であることがよくわかる。
結局、義満は、乗っ取り完遂目前で急死してしまい、計画は頓挫する。その後は紛争の調停者の役割を負うことなどによって天皇の権威は回復していく。
信長・秀吉の時代になっても、皇室の権威を無視することはできず、秀吉などは積極的にその権威を利用していくわけである。
徳川体制では天皇の力を封じ込めることに意を尽くすことになる。中世における政治の本質を明快に描き出した名著。
文章は無駄のない名文なのだが、難しい漢語や歴史的用語が頻出するので、読みやすいとは言えない。
自分も歴史に疎くてちょっとハードルが高かったが、たぶん日本史好きの間では夙に評価が高い本だと思うので、お薦めしておきます。

197:無名草子さん
11/01/27 23:55:26 .net
>>196さん、レビューありがとうございます。
いつもあなたのレビューに元気づけられております。
あなたのレビューは僕の心の支えです。

198:無名草子さん
11/01/28 01:38:13 .net
>>193
その本いいぜ。面白い。

俺も日本語とか漢字とか言語学とかに造詣が深い人におすすめの本とか聞きたいんだけど、誰かいないのかな。

199:無名草子さん
11/01/28 22:28:58 .net
高島俊男でいいんじゃないの?

200:無名草子さん
11/01/29 00:48:41 .net
>>198じゃないが、高島俊男は有名すぎて結構知ってるんじゃない。

201:無名草子さん
11/01/29 13:18:04 .net
『漢字と日本人』がベストに入ってるしな

202:無名草子さん
11/02/01 13:31:11 .net
日本語でいったら金田一とかはどうなの?
それとか大野晋とかさ。

203:無名草子さん
11/02/02 00:35:31 .net
金田一の三代目も何か新書を出してたな。三代目っつっても推理漫画のあれじゃなくて。

204:無名草子さん
11/02/02 08:46:04 .net
殺人日記でも出してるの金田一はじめは?
なぜ僕が行くところ行くところで必ず殺人事件が起きるんでしょう?って。

205:無名草子さん
11/02/03 23:47:03 .net
今日は神保町にいってきた。

206:無名草子さん
11/02/05 15:11:42 .net
>>203
山口仲美ってテレビに出てたのか。知らなかった。

207:無名草子さん
11/02/06 02:14:00 .net
平凡社から日本語の歴史シリーズとかってなかったけ?
殆ど何も知らないけど

208:無名草子さん
11/02/06 23:07:21 .net
>>192 山口仲美『日本語の歴史』(岩波新書)読みました。バランスよく読みやすく書かれた日本語の歴史概説。
まず奈良時代については、万葉仮名の発明、そして現代より発音の数が多かった事が述べられる。
平安時代は文章に関して、「漢式和文」「万葉仮名文」「草仮名文」「ひらがな文」「宣命体」「漢字カタカナ交じり文」の成立と使われ方を説明。
鎌倉・室町時代では、係り結びの衰退・連体形と終止形の同一化といった古代語の変容に焦点を当てる。
中世には早くも現代語に連なる言葉の変化が現れたというのは驚き。江戸時代は、洒落本や人情本の会話部分に注目し、当時の話し言葉を復元する。
町人言葉に関しては現在の話し言葉とかなりの共通性が見られるようになってくる。
明治以降では、言文一致体に向けての苦闘の歴史をたどる。これは日本近代文学の歴史とも重なってくる。
特に難しいところもなく、知りたいことはだいたい網羅されていて、高校古文の副読本としてもお薦めできる良書。
ただ序文で語られる著者の言語観が素朴すぎる感じがするのがちょっと不満なところ。(ここには現代言語学と日本語学との乖離という問題が潜んでいるような気がする)
それと、著者は言文一致を無条件で支持しているようだが、個人的には文語体の良さというのもある程度残して欲しい気もする。
たとえば、聖書の句を引用するときなどは文語体の方がいいと思うのだが、どうでしょうか。

209:無名草子さん
11/02/06 23:14:44 .net
言語繋がりで、去年評判になった、今井むつみ『ことばと思考』(岩波新書)も読んでみた。
「異なる言語の話者は、世界を異なる仕方で見ているか?」という問いに対して、心理学的にアプローチする。
地道な実験と実証を積み重ね、言語が思考に与える影響について納得できる知見が得られる良書なのでお薦めしておく。
自分はスティーブン・ピンカーの『思考する言語』を読んだ時、言語と思考の共通性・普遍性を強調し差異を軽視しすぎる
少し独断的な分析に釈然としなかったので、『ことばと思考』の後半で軽くピンカーが批判されているのには納得した。
(自分はNHKブックスで出ているピンカーの本は全部読んでいるので、ピンカーの主張も一応理解できるのだが)
もちろん、一方では極端な社会構築主義を採る社会学者とか実証性を軽視する精神分析学もあるので、
そういったものへの批判としてもこの本は有効だろう。

あと言語関係では、白井恭弘『外国語学習の科学』(岩波新書)もお薦めしておく。
世の中には個人的経験と独断に頼った英語学習法がいっぱい流通しているわけだが、
そういったものに騙されないためにも読んでおいたほうがいいかも。

210:無名草子さん
11/02/07 00:56:28 .net
>>209
もっと日本語、言語学系でお勧めの本教えてよ

211:無名草子さん
11/02/07 17:04:42 .net
>>208
知ったか乙。お前は現代言語学について何も知らないのによく言えるな。

212:無名草子さん
11/02/08 19:28:52 .net
>>211
知ったかじゃないならお薦めの新書を書け。さもなくば消えて首でも吊れ

213:無名草子さん
11/02/08 19:34:57 .net
>>212
は?調子にのるなよ?

214:無名草子さん
11/02/08 20:53:28 .net
まぁまぁ、知ったかぐらい許してやれよ

215:無名草子さん
11/02/08 21:41:31 .net
まぁただ知ったか扱いしても代わりとなる良書でも紹介してくれないと批判の意味ないよね

216:無名草子さん
11/02/08 22:28:53 .net
まぁ確かに、知ったかもいい加減痛いから批判してもいいんじゃないかな。
言わないと本人も気づかないし。

217:無名草子さん
11/02/08 23:37:56 .net
言語の専門家にそんな上から目線で論じられるなんてさすがっす

218:無名草子さん
11/02/09 19:25:20 .net
じゃあ自分の著作でも宣伝しろよ、専門家

219:無名草子さん
11/02/09 21:36:04 .net
あんまりイライラすんなよ仲良くしろ

220:無名草子さん
11/02/09 22:01:07 .net
長文けなされたくらいでイラッとするなら最初から書くな

221:無名草子さん
11/02/10 17:35:52 .net
>>220
おまえ思い込みが激しいって周りのひとに言われね?

222:無名草子さん
11/02/10 23:07:54 .net
中公ヴィーコ後半部ワケワカンネw

223:無名草子さん
11/02/12 12:40:05 .net
【芸能】AKB48とモーニング娘。に見る人気アイドルグループの悩みとは?~『グループアイドル進化論』
スレリンク(mnewsplus板)

224:無名草子さん
11/02/13 22:06:49 .net
>>198
漢字なら大島正二の新書は外せまい。『漢字伝来』『漢字と中国人』。
藤堂明保『漢字の過去と未来』もおすすめ。

225:無名草子さん
11/02/13 23:09:14 .net
>>224
大島正二の本は結構前に挙がってたぞ。

226:無名草子さん
11/02/15 23:47:18 .net
>>224
高島俊男と大島正二辺りはすでに定番じゃね

227:無名草子さん
11/02/16 00:19:01 .net
今週の本棚・情報:新書大賞に村山斉さん

 書店員や書評家らの投票で選ぶ「新書大賞2011」(中央公論新社主催)が、村山斉(ひとし)さん
の『宇宙は何でできているのか--素粒子物理学で解く宇宙の謎』(幻冬舎新書)に決まった。2010
年に刊行された新書の中から「最高の一冊」を選ぶ賞で、今回が4回目。
 以下の順位は(2)藻谷浩介著『デフレの正体』(角川oneテーマ21)(3)内田樹(たつる)著
『街場のメディア論』(光文社新書)(4)大竹文雄著『競争と公平感』(中公新書)(5)瀧井一博著
『伊藤博文』(同)。詳細は、同社刊行の『中央公論』3月号に発表されている。贈賞式と記念講演は3
月8日に東京・八重洲の八重洲ブックセンター本店で。

毎日新聞 2011年2月13日 東京朝刊
URLリンク(mainichi.jp)

228:無名草子さん
11/02/16 00:44:45 .net
一位はともかく二位が藻谷か…
日本の人文系インテリのレベルがわかるな。
内田樹あたりをチヤホヤしててくれた方がまだ無害なんだが。

229:無名草子さん
11/02/16 00:46:03 .net
藻谷と同列の風下に置かれてる大竹涙目w

230:無名草子さん
11/02/16 05:50:55 .net
ウィキが全然更新されないんだけど、どうなってるの?

231:無名草子さん
11/02/16 09:06:10 .net
>>227
これって、去年までみたいに新書大賞の本が出るんじゃなくて
雑誌の中央公論の発表だけになるのかな?
もし、そうなら非常に残念だけど、今の新書の粗製濫造状態なら
仕方がないでしょうね。
中央公論のサイトから、新書大賞の記事のごく一部
URLリンク(www.chuokoron.jp)

ちなみに、前スレが終わった新書スレ
新スレが建っていないようですが、需要がないのかな?

232:無名草子さん
11/02/16 10:45:40 .net
新書大賞の過去のやつが見れるサイトない?
てかそういう受賞作品が見れる一覧ないかな?
日経の経済書ベストとかさ。

233:無名草子さん
11/02/17 10:22:34 .net
テス

234:無名草子さん
11/02/17 21:29:13 .net
>>231
書き込み制限で建てれない

235:無名草子さん
11/02/17 22:15:41 .net
>>231
何かの陰謀ですよ、きっと

236:無名草子さん
11/02/18 12:35:57 .net
もうたってますよ。

237:無名草子さん
11/02/18 13:22:55 .net
新書 30
スレリンク(books板)

238:無名草子さん
11/02/20 15:05:46.18 .net
漢字だったら日本の漢字とかがいいような気がするな。
岩波新書のね。

239:無名草子さん
11/02/21 15:48:02.15 .net
新書30か。

240:sage
11/02/21 22:24:42.25 .net
森島恒雄の『魔女狩り』が面白かったんだけど、ここでの評判はどんな感じなんだろ
構成がきちんとしてて、キリスト圏に馴染みのない俺でも読めるくらいには面白かったんだが

241:無名草子さん
11/02/22 00:32:12.39 .net
>>238
笹原宏之ね。この↓レビューを見る限り面白そうだな。
URLリンク(www.iwanami.co.jp)

>>240
買って積んである。そのうち読むつもり。

242:無名草子さん
11/02/22 11:33:29.55 .net
>>240
それよんだことあるよ。

243:無名草子さん
11/03/02 13:18:37.60 .net
僕はないお!


244:無名草子さん
11/03/02 17:43:03.55 .net
「YES」と会社に宣言したら、欲しかった人生がおとずれた! (「ドリームスキル・クラブ」シリーズ) [単行本]
後藤 克也 (著)

245:無名草子さん
11/03/02 20:36:11.81 .net
>>240
森島恒雄『魔女狩り』(岩波新書)読んだ。欧州中世の異端審問から魔女裁判の歴史について詳細に書かれた新書。
ほぼ同じ題材が論じられている、浜本隆志『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)と比べてみると、
浜本の方では社会心理学的・民俗学的な分析が主体だが、森島の方では全体的に宗教的な狂信と欺瞞の悪を糾弾する姿勢がが強い。
拷問と処刑の詳細など残酷なエピソードが目白押しなので、読む側としては感情を刺激され、
「キリスト教って最低」「中世って暗黒すぎる」という感想に収斂しがちになってしまう。
それはそれで仕方ないと思うが、偏った歴史観になってしまうので、中世の他の面を綴った歴史本も読んだ方がいいのかもしれない。

246:無名草子さん
11/03/02 22:53:37.11 .net
第二次世界大戦物でおすすめ教えて。
日本に関してね

247:無名草子さん
11/03/04 13:18:39.12 .net
図解雑学 太平洋戦争

248:無名草子さん
11/03/07 12:47:00.28 .net
>>246
探せば腐るほどあるよ?

加藤聖文『大日本帝国崩壊』中公
入江昭『日本の外交』中公
戸部良一『外務省革新派』中公
大江志乃夫『日本の参謀本部』中公
池田清『海軍と日本』中公
山室信一『キメラー満州国の肖像』中公
遠山茂樹『昭和史』岩波
東郷和彦『歴史と外交』講談社

もう後ろの、同じレーベルの本の名前が列挙されてるところを見てくれ……



249:無名草子さん
11/03/07 12:48:52.14 .net
あ、おすすめか……


250:無名草子さん
11/03/07 14:10:17.14 .net
>>249
やっちまったな。

251:無名草子さん
11/03/07 20:41:36.26 .net
太平洋戦争 決定版 (歴史群像シリーズ)1~10
新書じゃないけど

252:無名草子さん
11/03/08 01:40:03.70 .net
日本語論って言ったら素人目からしたら金田一春彦が有名な気がするんだけど、実際のところ評判とかはどうなの?

253:無名草子さん
11/03/13 09:55:06.20 .net
地震すごいな

254:無名草子さん
11/03/13 10:08:14.85 .net
とりあえず生きてる俺

255:無名草子さん
11/03/13 14:19:25.88 .net
何で生きてるんだよ

256:無名草子さん
11/03/18 18:38:02.58 .net
生存&保守

257:無名草子さん
11/03/18 18:49:58.56 .net
ちっ。

258:無名草子さん
11/03/25 01:19:07.12 .net
ファーストインパクトから早二週間か…

259:無名草子さん
11/03/25 01:19:19.56 .net
早いよね

260:無名草子さん
11/03/25 01:36:09.42 .net
初日は本棚から本が全部飛び出し、新書の積ん読タワーも崩れた。
家にいたら本に潰されていた。

261:無名草子さん
11/03/25 13:29:47.28 .net
>>260
潰されてしねばよかったのに。
蔵書は俺が全部もらったのに、残念。

262:無名草子さん
11/03/28 11:55:43.88 .net
復興age

263:無名草子さん
11/03/31 13:39:23.09 .net
失われる半世紀sage

264:無名草子さん
11/03/31 16:12:35.98 .net
のんのん

265:無名草子さん
11/03/31 20:51:26.99 .net
核兵器のしくみ (講談社現代新書)

原発事故で原子力に興味を持った人にオススメです

266:無名草子さん
11/04/03 15:20:27.29 .net
復興無理age

267:無名草子さん
11/04/07 00:31:48.28 .net
闘う言語学者、小島剛一

URLリンク(d.hatena.ne.jp)

知らなかったけど、この新書は隠れた名著っぽいね。絶版ではないようだ。

268:無名草子さん
11/04/08 14:17:42.42 .net
昨日の余震も生き延びた俺

269:無名草子さん
11/04/08 15:04:06.24 .net
宮城県民かい?


270:無名草子さん
11/04/22 02:25:41.88 .net
このスレ落ちそうだから何か書き込んどく。
今読んでるのは小林正弥『サンデルの政治哲学』(平凡社新書)
まだ半分だが、それなりに掘り下げられてるしよくまとまってると思う。引っかかるところはいくつかあるが。
面白いかというと、この手の話はもう飽きたかなというのが正直なところ。

271:無名草子さん
11/04/24 02:29:56.70 .net
積み本を読んでます。

272:無名草子さん
11/05/04 13:52:06.17 .net
この板でもスレ落ちることなんであるのか?

273:無名草子さん
11/05/04 14:15:46.32 .net
前スレは773で落ちてるな

274:無名草子さん
11/05/04 23:10:37.41 .net
新書でもコツコツ真面目に読んでると頭は良くなるな。
数年前の事を思い出すと本当に馬鹿だったもんな俺。
もちろん今も馬鹿かもしれんけど、馬鹿かもしれんと反省できる程度には頭良くなったのは確かだな。

275:無名草子さん
11/05/05 14:17:40.89 .net
新書ってバカにされるけど、バカにされてるのは勝間とかそういう類の本だろ

276: 忍法帖【Lv=30,xxxPT】
11/05/05 16:00:43.80 .net
新書ブームはホントひどかったわ。

277:無名草子さん
11/05/05 19:03:25.34 .net
確かにゴミ本が爆発的に増えたから選択眼は必要。

278:無名草子さん
11/05/05 22:00:24.43 .net
入り口は読みやすい物から入っていくのはかまわんと思う。
最初からハードなのに挑むと挫折するおそれがある。
まず読書を習慣化する必要がある。
俺も最初は新潮新書とかPHPのを読んでた。脳に負担が少ないからな。
慣れてきたら意識的に選んでいかなければいけない。
ゴミ本を速読多読してる奴がいるけど、あれはオススメできない。
批判するためにあえて変な本を読むというのはアリだが。

279:無名草子さん
11/05/06 00:27:16.61 .net
微妙なのはどう考えてもひどいタイトルなのに、
じつは良書だったりするやつは本当に損

280:無名草子さん
11/05/06 01:31:51.67 .net
パンツをはいたサルか?

281:無名草子さん
11/05/06 09:20:10.42 .net
募金したら「自分勝手」「偽善者」と批判された女性

5月05日17時25分 提供:アメーバニュース/国内

質問サイト・ヤフー!知恵袋で、地震の募金をして批判を受けた女性の質問が話題となっている。5月5日9:00現在、閲覧数23万件以上というアクセス数を記録している。

その質問は「地震の募金で偽善者といわれましたが・・。」というものだ。
その女性は職場の年上女性と買い物に行った際、おつりを募金箱に入れようとしたら「なんで500円玉まで入れるの???」と、
質問攻めにあい、その後もしつこく募金金額について聞かれたようだ。

そのため女性が軽自動車を買おうとしていたお金を全て募金したことを話すと、
「それって自己満足じゃない???募金する人って偽善者だと思うんだよねーーー」
「それで貯金なくて老後に生活保護うけたりしたら一緒じゃん!!!!」
「自分勝手じゃない!!」とスーパーで言われたと言う。女性は話してしまったことを後悔していると共に、ストレスがたまり、知恵袋に投稿した模様だ。

これに対して「あなたのように誰にも言わず自分の気持ちだけで募金される事は素晴らしいと思いますね」
「ただの募金を偽善扱いすれば、何をしたって誰もが偽善者でしょう」「貴女の事を悪く言う人はいませんよ。安心してくださいね」
「あなたは間違っていません!!」などの回答が寄せられた。
URLリンク(news.ameba.jp)


282:無名草子さん
11/05/09 21:57:10.40 .net
>>281
意味が分からないよ

283:無名草子さん
11/05/09 23:34:41.73 .net
ぱんつをはいたサルは名著だよな。

284:無名草子さん
11/05/10 16:11:27.49 .net

【社会】 敦賀原発で、放射性物質漏れ
スレリンク(newsplus板)



285:無名草子さん
11/05/10 21:07:03.08 .net

漏れたのか

286:無名草子さん
11/05/10 21:48:10.69 .net
つまり尿漏れ用パンツをはけということか

287:無名草子さん
11/05/10 22:38:18.95 .net
森島と浜本の魔女狩りの本はいずれも文章が良質で読みやすい。魔女狩りはきわもの的な興味しか持たれてないようだが、
ヨーロッパ人の精神構造を理解する上で糸口になると思う。反捕鯨運動のエキセントリックさと魔女狩りには通底するものが
あると感じる。必読だよ

288:無名草子さん
11/05/11 00:37:24.63 .net
またか…末木文美士・国際日本文化研究センター教授が東日本大震災を「天罰」と主張
URLリンク(togetter.com)

一部で「まさか末木氏がなあ…」という感じで叩かれている天罰発言ですが、自分は発言の是非はともかく、全く意外という感じは受けませんでした。
というのは、以前この人の『日本宗教史』(岩波新書)を読んだ時、「割と原理主義に好意的な人だな」というちょっと嫌な印象を持ったから。
その時書いたレビュー↓
URLリンク(www6.atwiki.jp)

「一神教より多神教の方が寛容だというのは嘘だ」というのが末木先生の主張だが、
やっぱり一神教が原理主義化すると怖いよ。魔女狩り然り反捕鯨然り。

289:無名草子さん
11/05/11 10:26:38.26 .net
原理主義の意味をわかってない人はさすがにバカすぎる

290:無名草子さん
11/05/12 01:53:53.18 .net
いわゆる名著を教えてよ。
お前ら一杯知ってるんでしょ?

291:無名草子さん
11/05/12 02:55:29.08 .net
>>290
世界の名著全66巻
URLリンク(ameblo.jp)

日本の名著全50巻
URLリンク(ameblo.jp)

292:無名草子さん
11/05/14 12:39:52.47 .net
>>291
全66巻もあるのか?

293:無名草子さん
11/05/17 19:30:36.39 .net
福田歓一『近代の政治思想』岩波新書、1970、
梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波新書、1969、
の2冊を買ったから、読む。
まだ新大学生だからね。
本ばかり買ってると、満足に昼メシすら買えやしない!


294:無名草子さん
11/05/17 21:16:52.63 .net
>>293
岩波くらいなら図書館でかりたらいいのに

295:無名草子さん
11/05/21 01:04:09.20 .net
仏教を理解する上でこの本ってどうですか?
仏教に詳しい人っているかな?
URLリンク(www.amazon.co.jp)

296:無名草子さん
11/05/21 03:57:11.90 .net
>>295
読んではないけど
ひろさちやが書いてて悪質ってことはないと思うよ

297:無名草子さん
11/05/21 04:00:38.88 .net
と、人物を間違えた
わかんないです。すいません

298:無名草子さん
11/05/21 07:23:49.85 .net
初期仏教から上座部→大乗→密教と歴史的な変遷をたどりながら、
それぞれの違いを明確にしてて、とてもわかりやすい本だったと記憶してます。出家と在家の違いを入院患者と通院患者に喩えたり、
どこから菩薩になるのかを図で説明してたり。
手にとってみるのが吉。

299:無名草子さん
11/05/21 12:39:11.91 .net
>>297
誰と何を勘違いしたの?

300:無名草子さん
11/05/21 13:34:09.30 .net
>>299
いやーかんべんしてくさいw

301:無名草子さん
11/05/21 13:59:44.20 .net
>>295はひろさちやっていう作者であってるから間違ってないんじゃないの

302:無名草子さん
11/05/21 14:02:04.74 .net
某ひらがなの作家を混同してたと予想

303:無名草子さん
11/05/21 19:44:22.68 .net
『ふしぎなキリスト教』良いなぁ。


304:無名草子さん
11/05/21 21:20:54.35 .net
>>289にバカと言われたので、小川忠『原理主義とは何か』(講談社現代新書)を読んでみたが、
これは意外に良かった。全体像をザックリと概観できる。

305:無名草子さん
11/05/22 09:32:17.15 .net
>>303
良書?

306:無名草子さん
11/05/24 10:56:31.35 .net
>>304
Amazonでの評価も高いね。

307:無名草子さん
11/05/24 21:40:08.34 .net
>>305
この分野については全く判らないから買ったんだけど、
扱う守備範囲も広めで、それ故に浅くなりすぎてないと言えるかな。

テーマはキリスト教の思想・考え方。
高校で世界史をやった人なら、楽しめるかと。
一応は、対談方式になってるから、読みやすいね。



308:無名草子さん
11/05/25 00:35:34.43 .net
他にもキリスト教系の本でいいのないの?

講談社学術文庫から出てる「キリスト教の歴史」ってやつどうなのか気になってる。

309:無名草子さん
11/05/28 01:45:40.59 .net
◆岡崎勝世『聖書vs.世界史』講談社現代新書(1996)

史学史におけるキリスト教の立ち位置を記述。
聖書の内容そのものを説明するのではなく、
「聖書の内容が真実だと信じられたために従来の歴史学でどのような珍妙な説が唱えられてきたか」を主題に設定している。
視点はおおむね客観的で、毒舌的な文言は皆無。
史学史だけでなく、哲学史に興味がある人も読んでおいた方がよい。
各章が各時代区分(古代・中世・近世・近代)に対応しており、
1つの章につきそれぞれ5人くらいの学者が紹介されている(古代と中世は少なめ)。
1人に割かれるページは2ページから7ページほど。
俺はこの本を読んで初めてリシャール・シモン(旧約聖書は嘘ばかりという説を確立した人)を知った。

◆飯山雅史『アメリカの宗教右派』中公新書ラクレ(2008)

ブッシュ政権の末期に書かれた本。
アメリカの宗教右派についての概要が分かる。
色々な有名人や団体の名前が出てくるので、憶えたければメモが必要。
存命の者も含めて既に歴史的な評価が定まった人物の紹介が多いので、時論的な割には情報の消費期限は長い。
宗教学よりも政治学的なものを求める人に向く。思想の内面に踏み込んだ記述は少ない。
(図書館コードでいうなら100ではなく300に置かれるべき本)
類書に中公新書の『アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ』があるが、こちらは内容を忘れた。

310:無名草子さん
11/05/28 02:24:50.73 .net
>>309
素晴らしいレビューに感動した

311:無名草子さん
11/05/30 11:49:52.91 .net
>>309
どっちも有名な本ですね。

312:無名草子さん
11/05/31 15:43:18.51 .net
今年のベスト新書は?

313:無名草子さん
11/05/31 18:22:41.98 .net
今年はまだ半分も終わってないし

314:無名草子さん
11/06/01 22:34:08.60 .net
今のところの候補は?


315:無名草子さん
11/06/02 08:01:44.18 .net
>>314
まず自分が挙げれば?

316:無名草子さん
11/06/02 12:32:50.31 .net
>>315
お前が挙げろよ。

317:無名草子さん
11/06/02 14:30:00.45 .net
>>316
お前が挙げろ。

318:無名草子さん
11/06/02 19:23:41.68 .net
じゃあ俺が。

319:無名草子さん
11/06/02 22:10:45.78 .net
>>318
どうぞどうぞ

320:無名草子さん
11/06/03 00:24:13.11 .net
去年の冬頃から新書の質が一気にガクッと落ちたよな
本当にこれといって印象に残るモノも感銘を受けたモノもない
だからこそ、そろそろ何か凄いヤツが出そうな気がしてる

321:無名草子さん
11/06/03 00:29:32.22 .net
去年の新書ベストって何だったの?

322:無名草子さん
11/06/03 02:36:40.39 .net
最近は岩波と平凡社が頑張ってる印象があるけどな。
個人的に積ん読がMaxに達してるので最近のは全然買ってないが。
去年出たのでも欲しいけどどうせ読みきれないから買ってないのが結構あるわ。
あわてて買わなくてもそのうちブックオフに出てくるかもしれないしね。
というかここ数年、新書の8割はブックオフで買ってるわw

323:無名草子さん
11/06/03 03:03:28.95 .net
そうですか。どうでもいい わ

324:無名草子さん
11/06/03 08:04:43.83 .net
>>321
「新書がベスト」

325:無名草子さん
11/06/03 10:22:47.47 .net
>>323
どうでもよくないわ。

326:無名草子さん
11/06/03 21:49:53.99 .net
うざ

327:無名草子さん
11/06/03 22:32:44.22 .net
>>321
宇宙はなにでできているか

328:無名草子さん
11/06/05 12:17:32.03 .net
>>327
それ売れたみたいだね。

329:無名草子さん
11/06/05 18:36:26.28 .net
>>328
あ、新書大賞とまちがえたw

330:無名草子さん
11/06/06 01:49:52.53 .net
>>329
何を間違えたの?

331:無名草子さん
11/06/06 07:21:07.20 .net
教えて君うざいで賞

332:無名草子さん
11/06/06 08:11:53.23 .net
>>331
そのレスをする時、面白いと思った?

333:無名草子さん
11/06/07 01:31:29.55 .net
日本語に関する本が読みたいんですが、新書文庫単行本でおすすめの本はないでしょうか?
岩波の「日本語の歴史」は読みました

334:無名草子さん
11/06/07 09:29:11.23 .net
個人的には、フランス・ドルヌ&小林康夫『日本語の森を歩いて』(講談社現代新書)
が内容が濃くてびっくりした。ただし割と本格的な内容なので難解。
もう少し気軽なものが読みたければ、高島俊男の『お言葉ですが…』シリーズが10巻以上出てるから、それ読めば?

335:無名草子さん
11/06/07 10:06:26.13 .net
『日本語の21世紀のために』丸谷才一 山崎正和

336:無名草子さん
11/06/07 22:59:51.00 .net
>>333
俺のおすすめは、

井上ひさし『國語元年』(中公文庫)

ぜんぜん学力なくても読めるしね。
これで面白いなぁ、と思ったら、言語学からのアプローチでも、
国語学(日本語学)からのアプローチでも、いかようにも。

337:無名草子さん
11/06/08 00:24:45.84 .net
井上ひさし(笑)

338:無名草子さん
11/06/08 00:31:34.53 .net
なんか井上ひさしアンチがいるようだな。
あの人の資料収集の徹底ぶりはすごいよ。
晩年の政治的振る舞いは嫌いだけどな。

339:無名草子さん
11/06/08 08:41:18.34 .net
井上ひさしを叩く奴は低学歴・不勉強な人が多い

340:無名草子さん
11/06/08 09:02:33.51 .net
自作自演乙。

341:無名草子さん
11/06/08 09:31:46.81 .net
井上ひさしって最近やっと死んだんだろ?

342:無名草子さん
11/06/08 12:45:09.31 .net
まぁリアルでは品性下劣な奴だったらしいけどな。
平和とか言ってる一方で奥さん殴って離婚したりしたんじゃなかったっけ。
だがそれと個々の書いた物の評価は別。

343:無名草子さん
11/06/08 12:51:25.78 .net
DVワロタwww
真性のクズだな。

344:無名草子さん
11/06/08 14:36:48.38 .net
井上の生前にDVは違法じゃなかったからねぇ

345:無名草子さん
11/06/08 20:51:44.22 .net
>>344
頭大丈夫か?

346:無名草子さん
11/06/08 21:24:38.05 .net
ゴリゴリの嫌煙主義者だって「100年前のナントカ大統領は煙草を吸っていたから悪人だ!」とは言わないよ
当時はそれが当たり前の習慣だったんだから

347:無名草子さん
11/06/08 22:03:23.80 .net
>>346
頭の中がお花畑だね、君。

348:無名草子さん
11/06/09 18:38:25.19 .net
ホットケーキ。


349:無名草子さん
11/06/13 00:30:11.47 .net
>>334>>335
小林康夫の日本語の森を歩いてと初耳です。はじめてききました。
ちょっと本屋に行ったときにでも拝読してみます。
高島俊男の「お言葉はですが」は定番ということもあってほとんど読んでしまいました。
他に何かおすすめとかってありますかね?

350:無名草子さん
11/06/13 01:09:42.49 .net
外山滋比古は?っていうか高島俊男を全部読んでるくらいなら、こっちが教えて欲しいくらいだわw

351:無名草子さん
11/06/17 13:02:34.32 .net
おいなんか語れや

352:無名草子さん
11/06/17 19:35:50.40 .net
う~ん……


353:無名草子さん
11/06/17 22:47:49.93 .net
ぼちぼち読んでますわ、いろいろと。本読むの遅いから積ん読が減らなくて大変。
日本語関連エッセイでは林望の『日本語の磨きかた』『日本語へそまがり講義』(PHP新書)というやつ。
そつはないけど、これといった特徴もない軽い読み物だったな。
あと川北稔『イギリス近代史講義』(講談社現代新書)も読んだ。
岩波ジュニアの名著『砂糖の世界史』の著者。
これあちこちで評価が高いので、読むのが楽しみだったんだけど、
自分的には引っかかるところが結構多くて微妙でした。
詳しくは論じませんが、要するに経済史を記述する上で世界システム論と標準的な国際経済学とのズレをどう考えるかという問題ですね。
まぁ面白いところも多いので一般的にはオススメの新書だと思います。

354:無名草子さん
11/06/18 01:13:55.03 .net
PHP新書(笑)

355:無名草子さん
11/06/18 06:00:15.94 .net
今年出た中で面白かったの…何だろうなあ

356:無名草子さん
11/06/18 14:51:40.32 .net
もう新書は全部電子書籍にして欲しい。家に本の形で置いておく気にならない。1冊200円くらいで。ブックオフで100円で転売されるよりマシだろ

357:無名草子さん
11/06/18 21:08:12.85 .net
俺は割と全体をパラパラ見てから買うので電子化はちょっと嫌。
冒頭の2,3ページだけサンプルにされてもよくわからない。

358:無名草子さん
11/06/19 05:25:40.02 .net
俺も電子化は困るな
本の形で置きたくないなら図書館で読めよ

359:無名草子さん
11/06/19 13:44:10.62 .net
社会科学の本だと、まず終章を読んで作者の価値観やイデオロギーの偏向を知る、
自分が最も詳しいテーマの節を読み、どこまで事実や用語法に誤りがないかを確認する(ここに間違いがあれば本の全文が信頼できない)
という読み方がデフォだから、小説と違って積極的にネタバレしてもらわないと買えない。

360:無名草子さん
11/06/19 13:53:17.17 .net
全部の電子化はダメだけど、電子化が主流になってもいい気がする。
検索できるのは大きいわ。

361:無名草子さん
11/06/19 17:19:55.49 .net
クソ本はみんな電子化でおk


362:無名草子さん
11/06/19 20:33:20.06 .net
まぁ両方出せばいいかもね。

363:無名草子さん
11/06/22 20:51:33.30 .net
最近出版された本で評判がいい本ってある?

364:無名草子さん
11/06/24 12:21:09.58 .net
おいまた落ちるぞー

365:無名草子さん
11/06/24 13:02:02.55 .net
ここはもうあれだろ、本スレが荒れた時の避難所くらいの意味しかないだろ。

366:無名草子さん
11/06/24 14:41:31.56 .net
このスレのアクティブユーザーは何人なんだろうか?

367:無名草子さん
11/07/02 05:03:22.08 .net
いないから、こうなんだろね。


368:無名草子さん
11/07/02 07:40:14.57 .net
いるよ、ここに。

369:無名草子さん
11/07/05 01:05:19.35 .net
もう落としちゃえ

370:無名草子さん
11/07/05 15:33:51.66 .net
age

371:無名草子さん
11/07/05 15:34:16.09 .net
サゲ

372:無名草子さん
11/07/11 11:23:34.17 .net
最近面白い本を読んだんだがレビューしていいか?

373:無名草子さん
11/07/11 13:47:06.58 .net
どうぞ。

374:無名草子さん
11/07/11 17:18:17.43 .net
レビュー書いても、内容について具体的に批判してくれるならいいけど、
ただ意味なく叩くだけの奴が多いんだよなこのスレw

375:無名草子さん
11/07/12 02:34:35.97 .net
それはオマエが論評にすら値しないものを書くからだ

376:無名草子さん
11/07/13 19:06:33.92 .net
いや、ほんとに意味もない書き込みもあるだろ
文面からそれが信用できる書き込みか、個々人が判断するしかないね

377:無名草子さん
11/07/14 20:52:59.67 .net
合田正人『吉本隆明と柄谷行人』(PHP新書)読了した。
ちゃんとしたレビューは書けないし書く気ないので、意味ない感想だけ書き殴っとく。
これ知的高級連想ゲームだね。関連する哲学者や現代思想家の名前が芋づる式にだらだら出てくる。
あと複雑系とか科学の断片的な話題など。この人のレヴィナスの入門書もそんな感じで散漫だった。
それだけに参照すべきものはだいたい網羅されてる感じはする。
割とわかりやすく書かれてるけど、やっぱり吉本と柄谷の本をある程度読んでないと意味不明だろうなと思う。
俺は吉本の『共同幻想論』は通読したけど、『心的現象論序説』は半分で挫折、
『言語にとって美とはなにか』は20ページで挫折しました。あと『最後の親鸞』とかは読んだ。
柄谷の本は10冊ぐらいは読んでいる。
で、結論としては、この手のインテリが何を考えてるのかだいたいわかったからまぁよかったかな。
俺にはあんまり関係ないけどな。

378:無名草子さん
11/07/15 10:36:06.54 .net
ふむ、長文のくせに内容がない。

379:無名草子さん
11/07/15 10:46:54.65 .net
吉本や柄谷がそういう芸風だから、どうしても真似しちゃうだろうね。
読んでる本の影響は大きいよ。

380:無名草子さん
11/07/16 02:50:35.83 .net
吉本とか柄谷とかオワコンにこだわるやつの気が知れないよ ´・ω・`;

381:無名草子さん
11/07/17 10:47:00.35 .net
俺は終わってないからこそ問題だと思うけど。
現代思想や現代哲学というか人文系全体で共有されているある種の価値観、
たとえば市場経済に対する紋切り型の敵意とか、実証性の軽視とかが、
思想全体を貧しくしている。
しかし彼らがそういう思想を持つのはそれなりの理由があるわけで、
そのあたりを内在的に検討しないといけないと思う。

382:無名草子さん
11/07/17 10:50:44.12 .net
ただ吉本なんかは80年代に高度消費社会を肯定的に評価していたわけだが、
これも単に右肩上がりの経済に無自覚に乗っかっただけの薄っぺらなもんだよな。

383:無名草子さん
11/07/19 15:55:30.39 .net
東とかは「市場経済に対する紋切り型の敵意」を批判してるでしょ?
徐々に終わりつつあるんじゃないの

384:無名草子さん
11/07/19 18:20:33.93 .net
先日、内田樹の『街場のメディア論』読んだけど、終わる気配はなかったがなw
左翼・右翼・ポストモダンを問わず、思弁的な事をやってる知識人はみんなそっち系の感じ。
もちろん、一方には紋切り型の市場原理主義は厳然としてあるのも確かだけどね。池田信夫とかね。
ま、どっちもどっちではなかろうか。

385:無名草子さん
11/07/19 18:36:44.30 .net
広井良典『コミュニティーを問いなおす』(ちくま新書)が09年の大佛次郎論壇賞、
内田樹『街場のメディア論』(光文社新書)が2011年の新書大賞で3位。
そして昨年のサンデルブーム。311の大震災も相俟って論壇の主流は共同体主義に傾いてる感がある。
その中でも保守主義的なものから左翼的なものまでいろいろあるんだろうけど。

386:無名草子さん
11/07/20 18:12:06.14 .net
古川隆久『昭和天皇』はどうなの? 評判良いみたいだけど

387:無名草子さん
11/07/21 07:54:12.27 .net
そういう評判の良い本があるなら何でもっとはやく書き込まない。

388:無名草子さん
11/07/21 18:46:51.63 .net
自分で調べなさいな。


389:無名草子さん
11/07/21 20:47:25.90 .net
原武史の『昭和天皇』(岩波新書)がそこそこ面白かったから、もういいやって感じ。
古川先生のは何か斬新な視点でもあるの?

390:無名草子さん
11/08/02 21:07:45.83 .net
積ん読をちょっとずつ消化中だが、正直あまり推薦したいような本はない。

391:無名草子さん
11/08/03 15:32:39.36 .net
原たけしって有名?

392:無名草子さん
11/08/04 18:30:12.50 .net
有名かどうかは知らんけど、岩波新書の昭和天皇が出た時はそこそこ話題にはなったな。

393:無名草子さん
11/08/04 19:43:09.17 .net
そこそこって微妙だな。

394:無名草子さん
11/08/08 19:15:47.28 .net
思想史の人だからな。

395:無名草子さん
11/08/09 12:56:04.61 .net
最近のなかでおすすめの新書ないの?

396:無名草子さん
11/08/09 12:59:00.63 .net
最近の動向は本スレの方に行った方がいいだろう

397:無名草子さん
11/08/09 13:22:26.61 .net
岩波の日本の漢字って本いいよ。、

398:無名草子さん
11/08/10 01:38:03.99 .net
移民について書かれた新書ってないですか?
「移民と現代フランス」は翻訳がひどいそうで


399:無名草子さん
11/08/10 02:18:13.45 .net
移民か~…面白いネタのはずだが、新書では見かけないな。
なんかあったかな?

400:無名草子さん
11/08/10 02:28:41.73 .net
>>399
どうやら新書では上記の「移民と現代フランス」以外は無いっぽい

401:無名草子さん
11/08/10 03:59:24.39 .net
古いけど、中公のこれはどう?

林瑞枝 フランスの異邦人―移民・難民・少数者の苦悩
URLリンク(www.amazon.co.jp)

402:無名草子さん
11/08/11 00:25:03.19 .net
>>401
ありがとう。しかし確かに古いですなw
30年も経てばまた状況が変わってきていそうですが。
いちおう図書館で目を通してみます

403:無名草子さん
11/08/11 11:17:56.93 .net
じゃあ、新書じゃなくても良いから何か良い移民の本教えて

404:無名草子さん
11/08/11 11:58:50.15 .net
レッド・ツェッペリン「移民の歌」

405:無名草子さん
11/08/11 12:25:49.83 .net
「物理学とは何だろうか 上・下」(朝永振一郎)
敗戦後日本の散文の最も美しいものの一つ。
「私の万葉集 一~四」(大岡信)
日本語詩歌の源泉。

406:無名草子さん
11/08/14 15:26:24.72 .net
ここで聞くことじゃないけど、半藤一利の本ってどうなの?
有名すぎて一冊も読んだことないんだけど。

407:無名草子さん
11/08/26 08:04:54.83 .net
>>404
ツッコミ待ちなんだろうか

408:無名草子さん
11/08/27 09:10:46.77 .net
半藤一利ってまだ生きてんの?

409:無名草子さん
11/09/29 13:01:52.98 .net
落ちちゃうぞ。

410:無名草子さん
11/09/30 11:12:03.07 .net
では落ちる前に読んだ本の感想を

鈴木眞哉『刀と首取り』(平凡社新書)

日本刀の歴史における実際の使われ方を実証的に明らかにし、日本刀にまつわる神話を解体する。
また日本刀の主な使いどころであった「首取り」の実態に関して史料を引きながら詳述している。
戦場において日本刀の武器としての重要度は高くなく、初期には弓矢、鉄砲伝来以降は鉄砲が主体で、日本の戦争は元々遠戦志向だった。
接近戦においても槍が主体であって、刀は脇役であった。そして戦場における刀の用途は主に「首取り」であった。
論旨明晰でわかりやすいが、繰り返しが多くややクドい。武術や軍事に興味がある人なら面白く読めると思う。

411:無名草子さん
11/09/30 11:13:29.94 .net
田中圭一『百姓の江戸時代』(ちくま新書)

上の『刀と首取り』以上に、既成の歴史学の通念に対する批判が辛辣であり、近世史学の根本的見直しを提言する姿勢が強い。
講談社現代新書で『貧農史観を見直す』というのがあったが、その流れにある歴史啓蒙書だろう。
今までの近世史学では、支配者側からの視点で法や制度の建前的な表面だけを見ているようなものであって、百姓の活き活きとした実態を取り逃がしているという。
たとえば、「定免制」という数年間分の作量の平均を基準とした年貢の固定化について、
通説だと幕府の方が年貢の増額と安定化を意図して百姓に強制した制度であったかのごとくだが、実際は百姓の方から検見制よりは定免制の方を要望したのである。
ちょっと考えてみれば、年貢が固定していた方が、努力して豊作を目指すインセンティブが生じるのは理の当然かもしれない。
検見制で、豊作の時はその分年貢を増額されていたら、努力する気が失せる。他にも百姓が主体となって制度を変えさせたり、勘定奉行を罷免させたりした例が紹介される。
身分についても、農工商に関しては、身分の上下は建前であって、実際は職分に過ぎなかった。
侍も含めて、身分間の移動は少なくなかったという。それに百姓は文字通り「百姓」であって、農業だけではなく、ものづくりをやり、商売もやった。
また田畑永代売りの禁止についても、ほとんど有名無実で、実際には売買は盛んであった。
村から村への人の移動、商品の流通も盛んで、江戸時代というのは資本主義が芽生え育った時代である。
百姓一揆の関しても、従来は追い詰められた貧農のやぶれかぶれの暴動というイメージが強いが、実際はもっと理性的で秩序があり目的の明確な抗議の方法だったと言う。
近世史学における経済史的見地の欠如を痛烈に批判していて自分には面白かった。

412:無名草子さん
11/09/30 11:17:43.89 .net
南川高志『ローマ五賢帝』(講談社現代新書)

一般には「平和と安定の時代」とされる五賢帝時代の陰の部分を実証的に明らかにしている。
また一般に世襲より優れたものだと言われる、優秀な者を選んで皇位を継がせる「養子皇帝制」も、実質的なものではなかった事が暴かれている。
後世では賢帝という評価が定着したハドリアヌスにしても、政治的勢力の均衡に苦慮し、即位の際には元老院議員の処刑、
後継者決定の際には姪の息子のフスクスと義兄のセルウィアヌスを処刑するなど、血なまぐさい事件を起こしていて、古代では暴君との評価だったという。
これらも政治力学的均衡を取るためのやむを得ぬ措置であったことが、婚姻や血縁関係・諸勢力の繋がり方を
「プロソポグラフィー的研究法」で実証的に調べていくことで明らかにされる。特に後継者騒動の際のいくつかの謎は鮮やかに解決されているようだ。
哲人皇帝のマルクス・アレニウスも、帝国内を統めるために、パルティア戦争やマルコマンニ戦争を戦わなくてはならなかった。
本来は政治や戦争より、静かに哲学をしていたかった学者肌の人物だったということで、人間的には非常に興味深い人である。
五賢帝時代に対して、既にあるイメージを持っている人には目からウロコの内容かもしれない。
ただ、俺のように「五賢帝って誰?」レベルのゆとり君にはとっつきにくい。もっと初心者向けかと思っていた。
そもそもシーザーが大活躍する時代や、カリグラやネロのような暴君が大暴れする時代に比べても地味な時代である。
先に高校世界史レベルのローマ史をおさらいしておくか、モンタネッリ『ローマの歴史』(中公文庫)のような気楽に読める入門書を併読するといいかもしれない。

413:無名草子さん
11/09/30 11:21:39.78 .net
H.G.ウェルズ『世界史概観』上(岩波新書)

約220ページ×上下巻で世界通史を詰め込んでいるので、かなりスカスカの内容かもと思っていたが、結構中身は濃い。
最初の三分の一は、地球の誕生から人類の誕生・石器時代という先史時代を扱っていて、狭義の歴史の叙述はその後に始まる。
1944年という時代に書かれた本(65年に改訂・66年に邦訳出版)なので、60年以上前の知見であり、古生物や原始人類に関する情報などはかなり古くなっていると思われる。
しかし当時の科学の水準に依拠した、それなりに緻密な叙述で、ほとんど違和感はない。
ヨーロッパ中心史観・白人中心史観も退けられているが、やはり今読むとその残滓がそこはかとなく感じられる。
ギリシア史とローマ史に関して、もう少し詳しくわかりやすく書いてあることを期待していたが、さすがにこのスペースでは厳しかったようだ。
インド・中国、アラブにもちゃんと目を配っており、構成は見事だと感じた。歴史観としては、知の歴史・理性の歴史という観点をとっているように見受けられた。
宗教も科学も理性の進歩という価値観で評価されているようだ。もっとも、精神分析や文化人類学の知見も取り入れられていて、単純な進歩史観は薄まっている。
こうした観点からなのか、ローマの時代についての著者の評価は低い。知的にはあまり進歩しなかったという見方をしている。
それに対して、哲学・数学・科学の進歩に寄与したアラブに対して賛辞を惜しまない。十字軍と教会の権勢の高まりと退廃について述べて上巻は終わる。

414:無名草子さん
11/09/30 11:23:24.54 .net
H.G.ウェルズ『世界史概観』上(岩波新書)

約220ページ×上下巻で世界通史を詰め込んでいるので、かなりスカスカの内容かもと思っていたが、結構中身は濃い。
最初の三分の一は、地球の誕生から人類の誕生・石器時代という先史時代を扱っていて、狭義の歴史の叙述はその後に始まる。
1944年という時代に書かれた本(65年に改訂・66年に邦訳出版)なので、60年以上前の知見であり、古生物や原始人類に関する情報などはかなり古くなっていると思われる。
しかし当時の科学の水準に依拠した、それなりに緻密な叙述で、ほとんど違和感はない。
ヨーロッパ中心史観・白人中心史観も退けられているが、やはり今読むとその残滓がそこはかとなく感じられる。
ギリシア史とローマ史に関して、もう少し詳しくわかりやすく書いてあることを期待していたが、さすがにこのスペースでは厳しかったようだ。
インド・中国、アラブにもちゃんと目を配っており、構成は見事だと感じた。歴史観としては、知の歴史・理性の歴史という観点をとっているように見受けられた。
宗教も科学も理性の進歩という価値観で評価されているようだ。もっとも、精神分析や文化人類学の知見も取り入れられていて、単純な進歩史観は薄まっている。
こうした観点からなのか、ローマの時代についての著者の評価は低い。知的にはあまり進歩しなかったという見方をしている。
それに対して、哲学・数学・科学の進歩に寄与したアラブに対して賛辞を惜しまない。十字軍と教会の権勢の高まりと退廃について述べて上巻は終わる。

415:無名草子さん
11/09/30 11:24:39.13 .net
H.G.ウェルズ『世界史概観』下(岩波新書)

絶対王政の時代から第二次大戦まで(付録では60年代に出た改訂部分が載っていて、そちらは戦後の冷戦時代まで記述されている)
この下巻のほとんどが近代と現代の記述に割かれていて、著者の同時代の問題意識からか、両世界大戦(特に第二次)については詳細に述べられている。
旧版のラストでは、なぜかまた生命の誕生について再論していて、妙に悲観的なムードで終わる。
改訂版では第一次世界大戦後の状況から書き直されている。スターリンや毛沢東に対する評価は辛辣であり、またアメリカのマッカーシズムの赤狩りについても批判している。
近代から現代に近づくに従って、政治家や国家の愚行に対する批判的口調が熱を帯びてくる。
通史と言うには近現代史の比率がバランス的に多めではあるが、名著と言っていいと思う。

以上はすべて既にベストに入っているもの

あと二重投稿してしまいました本当にごめんなさい

416:無名草子さん
11/09/30 18:39:53.64 .net
>>415
おつ。なかなか熱が入ってていいね!

417:無名草子さん
11/10/01 06:55:50.40 .net
レビューのお手本みたいな文章だな。
読んだことないけど内容が想像できるし読みたくなってくる。

418:無名草子さん
11/10/26 22:23:16.69 .net
ほめてんだかけなしてんだか。
落ちちゃうのであげ!

419:無名草子さん
11/10/26 22:46:33.45 .net
>>418
明らかにほめてると思うぞw

420:無名草子さん
11/10/29 02:21:57.87 .net
test

421:無名草子さん
11/10/31 14:42:05.53 .net
age

422:無名草子さん
11/11/15 14:12:41.53 .net
保守

423:無名草子さん
11/11/15 23:49:44.37 .net
小林登志子『シュメル-人類最古の文明』(中公新書)「シュメル」という古代文明の名については、自分の記憶の中に全く存在しておらず、
こんなの世界史で習ったっけ?などと思っていたが、メソポタミア文明の中でも最古のものということである。
考古学的要素も強く、遺跡や遺物の図版が豊富である。最初に三笠宮崇仁による推薦文が載っている。
序章ではメソポタミア史とその風土について、ざっと概観している。
第一章は世界初の文字の発明について詳論していて、この章がもっとも興味深い。
文字の前身としてトークンとブッラという物が存在していた事や、交易の記録の必要から文字が発明されていったことなど。
文字よりも経済の方が先なのかという驚きがある。そして粘土板に書かれた文字だったからこそ長い時の試練に耐えて残ったという点にある種の感動がある。
紙だったら残っていなかったであろうし、現代の電子メディアの情報は後世に残せるのかという思いもよぎる。
第二章では食と農について。シュメル人はビールやパンやなつめやしなどを食していた。
第三章ではハンコについて。最初はスタンプ印だったが、後に円筒印章が一般化する。
第四章では「ウルのスタンダード」と称するモザイクパネルに描かれた像や王碑を手がかりに当時の戦争の実態を推測。

424:つづき
11/11/15 23:50:40.61 .net
第五章では王が弱者救済のために行った徳政について。また法の起原を探る。現存する最古の法典として「ウル・ナンム法典」が紹介される。
ただしこれは厳密には法典とは言い難い要素があるらしい。
第六章ではアッカドとの関係を始めとする当時の国際情勢を叙述。この辺から少しわかりにくくなる。
第七章では当時の教育・学問・文学について書かれている。学校の実態なども結構くわしくわかっているようだ。
第八章では宗教について。このあたりもゴチャゴチャしていて、あまり面白くないし頭に入りにくい。
キメラ的な怪獣ムシュフシュや霊鳥アンズーは印象に残る。
第九章では旧約聖書に出てくるバベルの塔のモデルになった「ジグラト」という塔について述べられる。
そしてウル第三王朝の滅亡へと時代が進む。滅亡の原因は、異民族の侵入に加えて、土壌の塩化による大麦の収穫減、飢饉による国力の減退だったとのこと。
最後にシュメル文化の継承について語って終わる。個々の文化や文物についての解説は面白く読めるのだが、歴史の流れはちょっとわかりにくい。
あと、この著者が女性であることは読み終わってから改めて名前を読んで気づいた。本文を読んでいる間は女性っぽい感じは受けなかったのだが。

425:無名草子さん
11/11/15 23:52:04.77 .net
林健太郎『ワイマル共和国』(中公新書)。第一次世界大戦後からナチスが政権をとるまでのドイツの歴史。
史上最大の民主主義憲法と言われたワイマル憲法を持った共和国がなぜ長続きしなかったのか、そしてなぜナチスの台頭を許したのか、その経緯を詳細に描く。
左翼政党と右翼政党が複雑に入り乱れ鬩ぎ合う政治的混沌、ヴェルサイユ条約による過酷な賠償金の重荷、
ソ連との関係、ようやく経済復興がなりつつあるところに襲来した世界恐慌、右翼陰謀家達の失敗、これらがナチス台頭の前提条件となった。
分けても、恐慌に対して財政緊縮政策を取った点を経済政策上最大の失敗として指摘しているのは見事。
(知られているとおり、ナチスによる政権奪取後、ヒトラーはアウトバーンなどへの公共投資により失業を解決し景気を回復させた)
63年初版の割と古い本だが、左派に対しても容赦なく厳しい評価をしているので、おそらく当時は左翼からの批判は多かったであろう。
しかし、今読むとバランスもとれており明らかに妥当な分析と感じる。むしろ今こそ読むべき名著だと思う。

以上2冊は既にベストに入っているもの。

426:無名草子さん
11/11/15 23:55:28.77 .net
芝健介『ホロコースト』(中公新書)。先に『ワイマル共和国』を読んだので、その流れで長らく積ん読だった本書を手に取った。
ホロコーストについては『夜と霧』などを読んで「知ってるつもり」なのだが、まとまった歴史書は一冊も読んだことはなかった。
ナチス関係の新書は今までにもたくさん出ているようだが、ホロコーストについての新書はこれが決定版か。
冷静な筆致でユダヤ人に対する迫害と大量虐殺の過程が淡々と記述されている。
序章では、ヨーロッパの歴史上に伏在した反ユダヤ主義の潮流をざっとたどり、第Ⅰ章から第Ⅴ章まで、ナチスのユダヤ人政策の変遷を追っていく。
まずユダヤ人の追放→次にゲットーへの隔離→ソ連侵攻の際の行動部隊による大量射殺→強制収容所・絶滅収容所と進んでいく。
追放やゲットー政策が行き詰まることによって、絶滅政策が場当たり的に採用されていったということらしい。
収容所というとアウシュビッツが有名だが、その前段階の「ラインハルト作戦」におけるいくつかの絶滅収容所での犠牲者は、アウシュビッツより多い。
しかし、証拠隠滅と生存者が少ないことから、その全貌はなかなか明らかにならず知名度が低かったが、近年やっと研究が進んできたとのこと。
終章では歴史学におけるホロコースト研究の歴史と現状を述べている。犠牲者数については約600万という数字に充分な根拠があることが示されている。
また外交と戦争を中心とした国家史を記述する伝統的な歴史学ではホロコースト研究は軽視された、と述べられており、これはちょっと意外であった。
実証は困難であろうが、それだけに歴史家はその解明に全力を尽くしていたのだと思っていた。
ドイツの伝統的歴史家フリードリヒ・マイネッケの『ドイツの悲劇』という戦後すぐ出版された現代史書ではホロコーストに全く言及されてないそうである。
戦後すぐでは不明のことが多かったとは言え、完全無視とはひどい話だと思った。
人間悪の極致と言えるこの残虐行為がたかだか80年前の出来事であったこと、この一見異常な行為が反面、凡庸なありふれた悪でしかなかったことに今更ながら恐怖する。
そして現在イスラエルがパレスチナに対して行なっていることを考えるとさらに複雑な気分にもなる。
ナチスに関しては、もう一冊まとまったものを読んだほうがいいかもしれない。

427:無名草子さん
11/11/16 00:38:30.02 .net
他に最近読んだものを列挙しておく↓

蟹澤聡史『石と人間の歴史』(中公新書)→地質学の権威が書いた、石の文化の歴史。ちょっとマニアック。鉱物オタ向け。

日端康雄『都市計画の世界史』(講談社現代新書)→自分には読みこなせなかった。都市計画図は豊富なので、そういうのを見るのが楽しい人向け。

長谷川英祐『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)→中身が濃く平易で丁寧な説明。科学啓蒙書のお手本。

阿部彩『子どもの貧困』(岩波新書)→良書だとは思うが、少し引っかかるところも(もしかしたら後で詳しく書く鴨)

428:無名草子さん
11/11/16 00:53:10.35 .net
>>426
>たかだか80年前の出来事?

すまん70年前だったか



429:無名草子さん
11/11/16 23:26:46.29 .net
宮本太郎『生活保障・排除しない社会へ』(岩波新書)読了。
これは良書。福祉・社会保障関連新書の決定版か?
ただ、一点引っかかる点が…(詳しく書く気はないが、マクロ経済政策の軽視がどうしても気になる)

430:無名草子さん
11/11/16 23:35:04.00 .net
スウェーデン型福祉社会政策に興味ある人は上の『生活保障』と共に
岡沢憲芙『スウェーデンの挑戦』(岩波新書)も読んでみてください。

431:無名草子さん
11/11/24 21:05:10.28 .net
氏家幹人『かたき討ち』(中公新書)読了。この人は新書をたくさん出しているが、自分が読んだのはこれが初めて。
主に江戸時代の仇討ちの諸相をたどっっているが、正攻法ではなく絡め手というか、ややひねった角度からアプローチしている。
一章では室町時代に始まった「うわなり打」という習俗が取り上げられる。本妻や先妻が後妻を妬んで打つというもの。
殺すわけではなく、先妻が親しい女どもをかたらって後妻の家に押しかけて暴れる。これが習俗化することによって、深刻な紛争を防止するガス抜きになった。
本来の仇討ちとはかなり距離があるが、めちゃくちゃ面白いのは確か。二章は「さし腹」。これは恨む相手を名指しした上で自ら切腹することによって、
その相手も切腹に追い込まれるということである。これも普通の仇討ちとは違う復讐だが、面白すぎる。現代では、いじめられっ子の自殺がしばしば問題になり
「自殺するくらいなら戦え」などと言われたりするが、復讐のための自殺というのは案外日本の伝統から来ているのかもしれない、などと思った。
三章は「太刀取」。これは敵(かたき)が逮捕されて死刑が決まった時に、犠牲者の遺族が自分の手で処刑させてくれということ。
四章以降でも、衆道がらみの仇討ちや、女の仇討ちなど、正統からちょっと外れた事例が紹介される。特に衆道ネタは実に濃い。
七章の「狙われている者に頼まれたら、必ずかくまうのが武士の作法だった」という話も面白い。

432:つづき
11/11/24 21:05:55.33 .net
九章・十章では、仇討ちに関する制度と法について論じられる。
十一章では「妻敵討」という、姦夫姦婦つまり間男と不貞妻を寝取られ夫が討つという、これまた周辺的な事例が検討される。
十二章では仇討ちを当時の人々がどう受容していたのかに触れて、その演劇性が指摘される。
十三章では再び手続き論で「帳付」について。最後に敵討ちと武士道のあり方・考え方の歴史的変遷をざっと素描する。
よく言われるように、江戸時代初期には荒々しい戦士のリアリズムとしての武士道がまだ残っているが、後期では武士道は美学化し観念化するわけだ。
全体的に読みやすく、史料の引用もすべて現代語訳されており、サービス満点で娯楽性も高い。
ただ紹介されている諸エピソードが、当時の典型的な事例なのか特殊な事例なのかは注意して判別しながら読む必要があるだろう。
復讐と倫理・法の関係や、現代の死刑問題を考えるのにも役立つかもしれない。

433:無名草子さん
11/12/10 20:36:57.39 .net
久しぶりに来たら、良レビューが。


434:無名草子さん
11/12/14 20:17:11.07 .net
小島剛一『トルコのもう一つの顔』(中公新書)
名著であるとのネット上の評判を読んで買ったもので、結論から言うとやはり名著だった。
著者は言語学者で、トルコの少数民族言語の調査のため、トルコを何度も旅している。
一章では、自転車やヒッチハイクでトルコを旅した時の、トルコ人の人情豊かな歓待ぶりが綴られている。
二章からは「トルコのもう一つの顔」すなわち陰の部分を掘り起こしていく。
まず大きなものとしてはクルド人問題だが、トルコ当局はクルド人の存在自体すら公式には認めていないらしい。
そしてクルド語やその他の少数民族言語もトルコ語の方言だとして、独立した言語だとは認めていないと言う。
(言語学的には方言とは言えないほどかけ離れているとのこと)
著者は学問的良心に従って、少数民族と言語の調査を進めていくが、当局の妨害やトルコの知識人らの無理解に阻まれ苦闘する。
また、外国人である著者を歓待する親切でお人好しのトルコ人が、同時に少数民族や異端の宗教を露骨に差別するのである。
それが人間というもんだと言えば身も蓋もないが悲しい事実。

435:つづき
11/12/14 20:17:46.44 .net
最後にトルコ政府は、著者を懐柔しコントロールしようとする。
著者はこれに対して大人の対応をし、妥協しつつ監視されながらも最大限に機会を利用して研究を敢行する。
このあたりの駆け引きはスリリングである。そして最終的には国外退去命令を受けてしまう。
内容も興味深いが、特に驚くべきは著者のコミュニケーション能力である。
短期間で様々な少数民族言語をマスターしてしまう語学力もさることながら、
民謡を歌っては現地の人々の心に溶け込み(著者は音楽好き)、折り紙で子供の心を捉える。
外国どころか日本中を旅しても友達ひとりすらできるかどうかわからない自分には羨ましい限り。
91年出版の本で、20年前の事情であるから、その後のトルコの状況については新たに情報を得なくてはならない。
これの続編も単行本で出ていて、より本音剥き出しで書かれていてさらに面白いらしい。
名著と言っていいと思うが、ちょっと気になるのは「できすぎ」感。
著者の行動や会話を著者自身が再現し構成していて、後半は小説みたいになっている。
もう一つの名著『ルワンダ中央銀行総裁日記 』もそうだったが、著者がかっこよく描かれすぎてる感はある。
もっとも著者が言うには、謙譲の美徳などトルコでは通用しないとのこと。

436:無名草子さん
11/12/23 00:25:16.02 .net
モース研究会『マルセル・モースの世界』(平凡社新書)読了。複数の研究者による、一応入門を意識して書かれた概説書。
第一部では、モースの弟子でもあった岡本太郎との関わりを導入として、モースの人類学的直観がどのようなものであったのかを描き出している。
第二部の第一章では、レヴィ=ストロースに連なる思想的系譜を考える上で、モースにとっての「フィールド」として社会主義協同組合運動があったことが指摘される。
二章では、モースの学問的師として、母方の叔父であるデュルケムと並ぶ影響を与えた、シルヴァン・レヴィというインド学者が紹介される。
ヴェーダなどの文献を読むことによって、最初の主著『供犠論』が準備された。
第三章ではその『供犠論』と同時期に出筆された「社会主義的行動」という論文について。モースの宗教論と社会主義的思想に共通するものは何か。
第四章では、モースが従来の宗教論に対して、どのように認識論的枠組みを修正したかが検証される。
第五章は未完の『ナシオン』という著作について。しかし、この「ナシオン」なるものが(英語で言えばネイションなのだろうが)
モースにとってどのようなものなのかわかりやすくまとめられているわけではない。

437:つづき
11/12/23 00:26:16.18 .net
次の第六章はよく知られている『贈与論』についてであり、これだけはわかりやすかった。文章も他のよりわかりやすい(筆者は佐久間寛)
ただしこれも、従来の交換・所有の面から『贈与論』を見る一般的な見方とは異なり、
モースの社会主義思想や当時の経済学批判と連動した生産面についての考え方に焦点を当てた、一段階レベルの高い議論をしている。
いずれにしろ、現代の左派・右派・ポストモダン問わず「市場主義批判」的思想全般の大元締めと言っていいのではないか(柄谷行人・内田樹・中沢新一・広井良典・佐伯啓思etc…)
第七章ではモースの芸術論・音楽論での影響と「全体性」ということについて。(近代西欧的な「芸術のための芸術」ではなく、社会や人間の生活全体に関わる芸術、というようなこと)
正直、第六章以外は文章も生硬なものが多く、内容も初心者にはハードルが高い。少し歯ごたえがある方が好きな人にはいいだろう。
そういえば平凡社新書の『闘うレヴィ=ストロース』も難しくて初心者向けではなかった。
自分はモースの本は一冊も読んだことがないので、ちくま学芸文庫から出ている『贈与論』くらいはそのうち読もうかと思う。

評価 ★★★

438:無名草子さん
11/12/23 00:30:48.12 .net
今回から五段階で★を付けてみた。もちろん私の独断なので気にしないでください。

★★★★★=名著・新書ベストに推薦
★★★★ =良書・オススメ
★★★  =まぁまぁ
★★   =いろいろ不満 
★    =読まなきゃよかった

ちなみに小島剛一『トルコのもう一つの顔』(中公新書) は★★★★★です。

439:無名草子さん
11/12/23 00:49:50.34 .net
きだみのる『気違い部落周游紀行』(冨山房百科文庫)きだみのるは上の『マルセル・モースの世界』でも、モースの弟子としてチラッと言及されている。
じつは岩波新書の『にっぽん部落』がベストに入っているのだが、これは絶版なので自分は読んでいない。このまま復刊したら岩波をほめてあげたいが。
『気違い部落周游紀行』の方が絶版ではないし手に入りやすいと思う。
ちょっと事前のイメージと違い、著者は教養を前面に出し、最後までインテリとしてのアイデンティティーを捨てない。
村民とは一定の距離を取り、その知識人と民衆との微妙な距離感から一種のユーモアを引き出している。
ある意味、上から目線とも言えようが、決して蔑んでいるわけではない。文化人類学的な参与観察といった趣。
「気違い」というのは、村民の前近代性を表象しているようだが、それほど不合理な行動をしているようには見えず、やはり「気違い」というのは失礼だろうと思う。
部落は助け合い共同体ではあるのだが、人々の示す本性はむしろ、利己的で小狡く嫉妬深い。
近代的都会の感覚からは不合理に見える行動も、部落の中で生きるにはそれなりに理にかなっている。
教養も近代性もないが、彼らなりに筋の通った生活の知恵や土着の倫理を、著者は少しの揶揄を交えつつ愛情込めて描き出している。
著者はこの本を出したことで、結局村には居づらくなったらしい。さもありなんというところだが、ちょっと悲しい顛末ではある。

名著 ★★★★★

440:無名草子さん
11/12/24 00:32:01.41 .net
ヨーロッパや中東あたりの近現代史の新書でおすすめある?

441:無名草子さん
11/12/24 03:54:08.35 .net
ゲーム理論入門 武藤滋夫
★★★★

442:無名草子さん
11/12/29 16:06:01.52 .net
ニュースに騙されるな 椎名健次郎
★★★★★
テレビ局や記者クラブの実情を体験者が
ここまで大胆に書いた本はなかったと思う


443:無名草子さん
11/12/29 17:32:28.38 .net
厨房ではないが
情報提供

■下山の思想(五木寛之)(200Pくらい) 

評価 ☆☆☆☆

文字数少なめ、サクサク読めた
世代が違うと理解し辛い場所がある、戦争の時代を生きた人なら共感できるそう
現代社会を下山の時代に例えてる点が面白かった

444:無名草子さん
12/01/02 15:41:35.19 .net
適菜収が公式サイトでこのスレで選ばれたことを宣伝文句に使用しているんだけどどう思う?
俺は匿名スレでこういうことをされると自演し放題になっちゃうから、
商業利用ないしは本人の公的な使用が発覚した段階でスレから外すべきだと思う。
あまりにも評価が高いものはまた別だが、適菜収の新書がそれに該当するとも思えないし。

445:無名草子さん
12/01/02 16:39:43.30 .net
>>444
こんな場末のスレの宣伝効果なんて微々たるもんだし気にすることはないんじゃないの?
ニーチェの超訳だって、ネタとして面白い程度の評価だったし。

446:無名草子さん
12/01/02 18:52:30.73 .net
だからその程度の評価なのに
本人が公式のサイトに引用しとるのが問題なのよ
まあこのスレで紹介されたという一文を見て
はたして宣伝効果があるのかというのは俺も思うけど
こういう例があると自演して自分のサイトに載せる奴が出てくるかもしれんし
単純にスレの議論の中立性を守る意味で厭だな~と思うわけです

447:無名草子さん
12/01/03 09:13:12.21 .net
> 本人が公式のサイトに引用しとるのが問題なのよ
どういうふうに問題があるの?

448:無名草子さん
12/01/03 09:43:32.36 .net
匿名スレという設計上、自演を排除できないからな。
しかし所詮2chだし、「2ch厨房が選ぶ」と銘打ってあるし、
権威を帯びるおそれはないけどなw

449:無名草子さん
12/01/04 00:23:41.52 .net
>>444
自己愛が強そうで、一般大衆を見下してる様なところが
2ch厨房と同類だよな。だから選ばれて嬉しかったんだろうw








450:無名草子さん
12/01/09 12:17:48.37 .net
そういや、ステマって言葉をよく見かけるようになったな。
この過疎スレでやっても意味ないだろうけど。

451:無名草子さん
12/01/13 08:03:11.74 .net
新書初心者です。
新書は、一冊でザックリその分野が理解出来るものと理解してるのですが、合ってますか?

452:無名草子さん
12/01/13 08:06:37.13 .net
どう理解しようとも君の自由だよ

453:無名草子さん
12/01/13 10:59:34.80 .net
>>451
入門書や概説書みたいなタイトルなのに、中身はそうじゃない、というのも結構多いので注意。

454:無名草子さん
12/01/19 18:12:42.55 .net
人間関係を上手くやっていく本、神経図太くなる本、
対人関係のストレスを解消する本などありますでしょうか?

対人恐怖症の本はいくつか読んだけどいづれも一般論の域を出ない感じでした。

455:無名草子さん
12/01/19 21:50:48.88 .net
新書はだいたい一般論だからねぇ
自己啓発的なことを期待するのはお門違い

456:無名草子さん
12/01/21 01:23:58.62 .net
古川隆久も原武史も両方とも
大正天皇、昭和天皇という題の著書があるね(全部が新書ではないが。)
大正は古川<原、昭和は古川>原 かな?

457:無名草子さん
12/01/28 02:58:57.04 .net
>>451
遅レスですが、新書一冊ってこんなもんかもね。 つ

私は昔から「異業種の人から、業界話を聞く」のがたいへん好きなのである。
あまりに熱心に話を聞くので、相手がふと真顔になって「こんな話、面白いですか?」
と訊ねられることがあるほどである。
私が読書量が少なく、新聞もテレビもろくに見ないわりに世間の動向に何とかついて
いけるのは、「現場の人」の話を直接聞くことが好きだからである。
新書一冊の内容は、「現場の人」の話5分と等しい、というのが私の実感である。
(さよならアメリカ、さよなら中国、内田樹ブログ)

458:無名草子さん
12/01/30 17:29:02.16 .net
新書じゃなくてもいいからもっと教えて

459:無名草子さん
12/01/30 17:31:00.32 .net
>>444
このスレで選ばれたことを書いてるの?
すごいな。こんな場末のスレまでチェックしてるんだ

460:無名草子さん
12/02/04 21:06:59.73 .net
磯部潮『発達障害かもしれない』(光文社新書)読了。医学博士・臨床心理士の著者による、発達障害に関する基礎知識。
ここではあまり重症ではない軽度発達障害…高機能自閉症、アスペルガーを中心に、LD(学習障害)とADHD(注意欠陥多動性障害)にも言及する。
まずは、現代の精神医学の定説では、自閉症とは生得的な脳の障害だということを強調し、世間の無理解に警笛を発する。
著者は、医者でさえ「社会的ひきこもり」と「自閉症」の区別がついていなかった例を挙げているが、いまだに知識人の間ですら無知がまかり通っていると思われる。
(吉本隆明・上野千鶴子・養老孟司らが、自閉症に関する偏見に満ちた俗説を垂れ流していたのは、そう古いことではない)
診断に際しては、アメリカ精神医学会の診断基準「DSM-Ⅳ」か、WHOの「UCD-10」が用いられる。
また、自閉症やアスペルガーやその周辺も包含した「自閉症スペクトル」という概念も場合に応じて用いられる。
先天的な脳の疾患*であるため、基本的に根治は不可能なので、可能な限りで社会に適応できるように「療育」するということになる。

461:つづき
12/02/04 21:07:35.73 .net
学会の定説だけでなく、著者独自の考えを述べた部分も多く、中には憶測レベルのものも見られた。
精神疾患については依然としてわからない事だらけであり、著者もわからないことについては「わからない」とはっきり書いている。
しかし、わからないからと言って何もしないわけにはいかないので、臨床の現場では、経験と勘によって仮説を立て試行錯誤していくしかない事はあるだろう。
その限りで仮説だと断った上で「こうではなかろうか」と書くことは許されると思う。
ただ、「環境ホルモンや食品添加物の影響も少なからずあるのでは」などと書くのは、あまりにも根拠薄弱なのでまずいと思う。
(一応「確たる証拠はみつかっていない」と断ってはいるのだが)
こうした憶測を安易に書いてしまうと、発達障害に対する世間の俗論を批判できなくなってしまうのではないか。
若干の不満はあるが(重症の場合には言及されていないなど)こうした知識が広まる事は重要だと思うので、評価高めの星4つ★★★★。

*最近では「環境要因」も大きいという研究結果が出されている。ただし、この場合の「環境」とは「母胎内環境」などが主だと思われる。
以下参照↓
URLリンク(d.hatena.ne.jp)

462:無名草子さん
12/02/08 11:30:15.13 .net
>>460
レビュー乙です。
感動しました

463:無名草子さん
12/02/08 23:35:19.47 .net
おすすめの漢字の本教えてください。

464:無名草子さん
12/02/09 01:02:49.05 .net
>>463
白川静

465:無名草子さん
12/02/20 21:06:57.52 .net
福田歓一『近代民主主義とその展望』(岩波新書)。1977年第一刷発行の岩波黄版。序章では現代史についてザッと触れる。
第一章は民主主義の歴史、第二章は民主主義の理論を検討、第三章・終章では民主主義の現状と展望、という構成になっている。
歴史編では、まず古代ギリシアのデモクラシーを検討する。これは近代民主主義に影響を及ぼしたものの基本的には別物である。
古代ギリシアでは自由民の共同体としてのポリスは初めから与えられたものであるのに対して、
近代民主主義は理論上は「社会を構成する原理」として我々が立てるものである。
この「主義」としての近代民主主義の直接の起原は、一つはアメリカ独立と憲法、もうひとつはフランス革命であった。
民主主義思想の祖と言われるロックやルソーも民主主義という語の近代的用法を確立したわけではない。
実質的な政治運動として起こったのはイギリス・ピューリタン革命である。
ここで「民主主義とは長い歴史の中で直線的に成長してきたのだ」というような通念が批判される。
英国で長い歴史を持っていたのは「立憲主義」であって、民主主義とは異なる。
この立憲主義がいかにして議会制民主制を確立し近代民主主義に繋がっていくのかが詳細に述べられる。
イギリスとフランスの革命やアメリカの独立、その他少数者の抵抗運動といった複数の契機が、法や制度や思想の変革につながり、
構成原理としての民主主義が生じた。さらに共産主義の流れも民主主義と合流する。

466:つづき
12/02/20 21:08:25.04 .net
第二章の理論編では「自由と平等」という価値原理、「代表」と「多数決」という機構原理、「討論と説得」「参加と抵抗」という方法原理がそれぞれ検討される。
第三章では、大衆化の問題、管理社会の問題、共産主義社会の問題、非西欧社会(インドや中国)の民主主義などについて。
終章では、民主主義の条件として近代的な人間個人の人格の自立(の歴史性)や、国家・ナショナリズムの問題、冷戦や軍備競争の問題などを指摘している。
この本が発行された当時の時代による制約は若干ある。当時はまだ冷戦が続いている時代。
著者はソ連に対してはかなり厳しい見方をしているが、中国の「下からの民主化」についてはかなり楽観的である。
文革の惨状がまだ伝わっていなかったのだろうか?自分が感じた違和感は僅かにそれだけであった。
正直、自分は政治学とかあまり興味が持てない方なのだが、これは文句なしの名著★★★★★
難しい言葉は使われていないが、これはまさにフーコー的な系譜学であり、正確な理解のためには精読が要求される。
新書としては品切れ絶版?であるのは解せない。岩波青版の『近代の政治思想』の方は在庫があるようだ。

467:無名草子さん
12/02/24 23:45:07.45 .net
>>464
高島俊男の本とかおすすめ。

468:無名草子さん
12/03/17 16:23:54.26 .net
>>465
乙です

469:無名草子さん
12/03/23 19:36:50.58 .net
乙です

470:無名草子さん
12/04/24 13:55:10.54 .net
乙です

471:無名草子さん
12/04/24 14:21:17.89 .net
丙です

472:無名草子さん
12/04/24 15:25:46.45 .net
誰か、働き方の教科書の感想文を宜しく。

473:無名草子さん
12/04/24 16:41:24.82 .net
丙です

474:無名草子さん
12/04/26 09:18:05.44 .net
働き方の教科書って何新書だよと思ってググったらどうやら新書じゃないようだな

475:無名草子さん
12/04/27 01:42:39.91 .net
朝永振一郎『物理学とは何だろうか・上』(岩波新書・黄版)。近代科学史を辿りながら、物理学とは、どのような学問なのかを考察する。
第Ⅰ章では、天動説から地動説への移行と、ケプラー、ガリレオ、ニュートンの業績を辿る。科学における、実験・観察・仮説演繹法の意義など。
第Ⅱ章ではワットの蒸気機関の改良から始まって、熱力学の誕生を語る。カルノー機関について詳しく説明されている。
比較的わかりやすい説明だとは思うが、やはり図があった方がよかったと思う。
カルノー、トムソン、クラウジウスなどによって誕生した熱力学から、エントロピーの概念も作り出され、これについても説明されている。
数理的な仮説演繹法によって、理論体系が整備されていくのだが、こうした科学的な思考法というのは、我々一般人には、なかなか実感レベルまで降りてこない。
明晰な文章で書かれた理系啓蒙書の名著なのだが、一般の人に勧めるのは躊躇する。理系脳を持っていない限りは、理解するのにそれなりの訓練が必要。

476:無名草子さん
12/04/27 01:43:43.25 .net
朝永振一郎『物理学とは何だろうか・下』(岩波新書・黄版)。上の後半では熱力学の歴史が詳しく書かれていたが、下巻ではそれに引き続いて、統計力学の産みの苦しみを描いている。
マクスウェルとボルツマンが熱力学に確率論を導入したわけだが、そうなると、古典力学と確率論の整合性が理論的な問題となってくる。
統計力学というのは、とうの昔に完成されきっていたものだと自分は思っていたのだが、これが書かれた時点でもまだ理論的な問題が残されているというのは意外であった。
マッハやツェルメロがボルツマンの理論を厳しく批判していたというのは初めて知った。分子の運動は力学的に決定論的であるにもかかわらず確率論を導入するのは矛盾ではないか、
とい疑問が出てくるのだが、これは結局、確率論を分子の運動の側ではなく、人間が測定する過程に導入するのだという理屈によって整合化される。
この結論に至るまで紆余曲折があるのだが、かなり難しく、説明不足の部分もあるので、素人には理解しがたい部分が多い。
思っていたより専門的なトピックに踏み込んだ内容であった。

477:つづき
12/04/27 01:45:22.53 .net
最後の「科学と文明」は科学論の講演であり、倫理的社会的な概論。
ここではゲーテによる近代科学批判が取り上げられている。実験によって「自然のベールを剥ぎとる」ような物理学のあり方とは違う科学の可能性を「地球物理学」の成果に見ている。
全体として名著だとは思うが、統計力学の話題については、ちょっと難しすぎて、文系の人に勧めるのは躊躇する。
逆に理系の人のとっては数式が省略されすぎているために却ってわかりにくい面もあるかもしれない。学部生向けの熱力学・統計力学の教科書や入門書と併読するといいだろう。
新書では、竹内淳『高校数学でわかるボルツマンの原理』、竹内薫『熱とはなんだろう』(両方ともブルーバックス)がある。後者は既にベストに入っている。
名著だけどいまいち一般性がないし自分の学力では難しかったので星4つ★★★★

478:無名草子さん
12/04/27 01:46:30.97 .net
青山拓夫『分析哲学講義』(講談社現代新書)。分析哲学の入門書的な体裁ではあるが、途中から著者が自分の哲学を実践し始めるために、
初心者には付いて行くのが大変な部分もある。永井均などと同様に、哲学においては「実技」が重要だという考え方の人のようだ。(この人は永井均らと一緒に本も出している)。
ただ基礎もできていない者にとって、いきなり実技はきつい気もする。この本ではフレーゲ・ラッセルから説き起こしているが、
分析哲学の基礎たる論理学の中身についてはほとんど解説していないし、論理式も使っていない。
講義1では分析哲学の歴史・対象・手法について、ザッと概観。述語論理学の確立と言語の分析への転回を指摘する。
講義2から5までは、フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタイン、クワインなどの理論を追いながら、意味とは何かについて言語の分析を中心にして考察する。
講義6では「意味の貨幣」という比喩を使い、「原初的自然」や哲学的自然主義との関係から「意味」について探求する。

479:つづき
12/04/27 01:47:34.70 .net
講義7ではクリプキが登場し、固有名についての理論を検討。様相論理学・可能世界意味論について解説される。
講義8では「心の哲学」についてザッと駆け足で概観する。講義9では時間論について、マクタガートやダメットや入不二基義らの論を踏まえながら、
著者自身の思考を展開している。著者の研究者としての目下の興味は時間論にあるそうで、やや突っ込んだ考察となっており、なかなか難しい。
エントロピー増大をもって時間の矢とすることにも色々な問題があるらしく、一筋縄ではいかない。
哲学的な問題というのは、そもそも問題の意味を理解するのも難しいことが多いし、しかも哲学的な問題を自分なりに考えたことがあまりない人にとっては、
たとえば哲学的パラドックスが提出されても、それのどこがパラドックスなのかわからないことも多い。
そういう意味では読者を選ぶだろう。巻末の文献案内は非常に充実。文献リストを眺めているだけでワクワクする。読めるかどうかは別にして。★★★★

480:無名草子さん
12/04/27 01:53:08.12 .net
大庭健『「責任」てなに?』(講談社現代新書)。分析哲学系の倫理学。
この人は、永井均との独在性をめぐる論争で見かけて、その際にいささかの反感を覚えたので、ずっと敬遠していた。
この本も買ってから数年間、積ん読のまま放置。先に分析哲学の入門書を読んだので、その流れでついでに読んでしまおうと手に取る。
第一章では、倫理的責任の概念について、法的・政治的な責任概念や宗教的責任と区別しながら、規定していく。
ここでは「リスポンシビリティ」という原義から出発して、人と人との共生を前提とした、応答・呼応可能性、信頼関係の維持にコミットメントし引き受けていく態度と規定される。
レヴィナスの思想から拝借したと思しき考え方だが、レヴィナスは人間の無限責任を主張して宗教的な領域に踏み込んでいるのに対し、
著者はあくまで人間の有限性を前提としていて、宗教的な責任までは論じていない。しかし、冒頭でこのように責任を規定してしまうと、最初に結論ありきの議論に見えなくもない。
「人間には責任を負う責任がある!以上!」みたいな感じ。

481:つづき
12/04/27 01:54:06.36 .net
第二章では、決定論と因果性、自由・意志の問題という、カント的な問題系が検討されるが、ここではカントの名は出てこないで分析哲学的に論じられる。
責任倫理の問題を考える上で、この辺の問題から考えるのは順当であろう。ムーアやフランクフルトの説が紹介され、このあたりの話が個人的には一番面白かった。
ところが、この章の終わりに著者の見解が早足で開陳されるのだが、これは正直よくわからないものであった。
著者は、複雑系の科学で扱われる「自己組織化」の局面では因果的決定論が成立していないと言い、そこに自由意志の余地があると言うのだが、
なぜ「自己組織化」では決定論的ではないのか、たとえ非決定論的だとしてもなぜ自由意志が存在すると言えるのか、全く意味不明である。
このあたりは先日読んだ朝永振一郎『物理学とは何だろうか』の統計力学における古典力学的決定論と確率論の整合性を論じた部分や、
青山拓夫『分析哲学講義』のエントロピーと時間論の部分ともリンクするので、興味のある人は合わせて読んで考えてみてほしい。
第三章では、行為と無為の非対称性などについて論じられている。ここで経済学から「機会費用」の概念が持ち出されるのだが、その扱いに混乱が見られる。
「機会費用」の概念が「行為と無為の非対称性」の根拠になりうるかのように書いてある。これはむしろ逆だろう。
普通「機会費用」の概念は「行為と無為の原理的な非対称」(何かをすることが、しないことよりも常にコストが高いということ)が錯覚であることを言うために参照される。
行為と無為のどちらを選ぶのが経済的に合理的であるかは、両者の(機会費用を含めた)コストとベネフィットを勘案して決めるわけだが、
どちらを選ぶべきかは当然ながら場合によって違うとしか言えないはずである。そして著者は結局は「行為と無為の非対称性」を否定しているのだから脱力してしまう。
このあたりは単純に思考の混乱を呈しているとしか思えない。

482:つづき
12/04/27 01:55:15.67 .net
第四章では「責任の主体」と題して、主に集団の責任について論じている。
第五、六章は「役割と自己」「解離傾向」と題して、要するにある種の独我論(厳密に言えばメタ独我論か)が批判されている。
つまり社会の中の自己とは別に「本当の自分」がいるかのような考え方が、責任の放棄につながるという議論。
実際に槍玉に挙げられているのはネーゲルだが、暗に永井均が批判されているようである。
確かに、社会や他者から完全に切り離された「この私」を想定してしまうと、他者への倫理的責任という思想は意味を失い、
何をしても許されるという「善悪の彼岸」が現出する。(酒鬼薔薇の事件を想起)。
最初に結論ありきで倫理的責任の実在を確信している著者にしてみれば、こうした独我論に怒りを覚えるのは当然だろう。
個人的には「善悪の彼岸」を直視しない哲学は不徹底だと思うが、こうした倫理的な怒りもある意味合理的なものだとは思う。
第七、八章では、戦争責任や右翼テロについて。このあたりはウヨサヨ抗争を煽り立てるようなネタだが、とりあえずスルー(責任放棄w)。
終章では、責任の呼応可能性を社会システム論的モデルで基礎づけている。著者に対する印象としては、
まじめで誠実でちょっと怒りっぽいめんどくさいおっさんという感じ。長々と書いたが評価はどっちつかずの星3つ★★★

483:無名草子さん
12/04/27 04:51:09.76 .net
大庭健か。岩波だったかの新書でニーチェは弱いものいじめの哲学だとかいうふうに悪意的に曲解して
意味不明な批判をやってたキチガイという印象しかない。
この人、哲学やってるくせに、ニーチェ的による近代の倫理観j批判に対して何も応答しないところがダメダな。
『はじめての分析哲学』も分析哲学としてはわりといい本なんだが、変なウヨサヨネタを入れないで欲しい。
真っ当な左翼と言うより奴隷道徳的左翼って感じがして、本業の分析哲学分野の業績が霞んでしまう。

484:無名草子さん
12/04/27 10:28:40.31 .net
丙です

485:無名草子さん
12/05/05 19:35:54.63 .net
ブルマ&A.マルガリート『反西洋思想』(新潮新書)。これはなかなか要点が把握しにくく、感想を書くのに苦慮した。
内容をある程度要約しようと思ったのだが、まとめきれず挫折したので、細かい中身については実際に読んでみてください。
ブルマはオランダ生まれのジャーナリストで、マルガリートはイスラエル生まれの哲学者。後者は当然ユダヤ人であろう。
ここではイスラム過激派などが持つ西洋文明に対する敵意に満ちた偏見を「反西洋思想=オクシデンタリズム」と呼んでいる。
「オリエンタリズム」が西洋による東洋への善意の偏見というか余裕のある上から目線であるのに対して、
オクシデンタリズムには被害者意識と激しい憎悪がこもっている。オクシデンタリズムの系譜のルーツに遡ると、実はヨーロッパの中で生まれたものだという。
脱宗教=世俗化、近代化、都市化、資本主義化が最初に進んだのは西洋なので、それに対する反感・反動が起こったのも西洋が最初だということだろう。
日本においては戦前の「近代の超克」論がその典型として言及されている。

486:つづき
12/05/05 19:36:49.45 .net
マルクス主義も自由主義同様に進歩主義の一種だからオクシデンタリストの攻撃の的になるが、一方で毛沢東やポルポトの中にもオクシデンタリズムが見出される。
著者らは、反合理主義・反近代主義一般と狭義のオクシデンタリズムを一応区別しており、宗教的原理主義などとの同一視も慎重に避けているが、
どこに境界を置いているのかは、やや恣意的でわかりにくい。拡大解釈すれば、アダムとイヴが知恵の実食った原罪にまで遡れるんじゃないの?とも思う。
古今東西の思想史を広範に分析していて、その教養の深さには圧倒されるが、ぶっちゃければ、ユダヤ人・イスラエル人としての問題意識や政治的スタンスが、
問題の範囲を規定しているようにも見える。これは極論かも知れないが、イスラエルの安全保障に資する事を最大の目的とした思想史分析ではなかろうか。
ルース・ベネディクトの『菊と刀』同様に「敵を知るため」の戦略的分析という印象。
イスラエル寄りだからと言って分析自体にバイアスがあるわけではなく、むしろ敵を知るためだからこそバイアスを排し、冷静で客観的だと言える。
この新書はどうやら品切れ・絶版らしい。古書店で安く見つけたら買っておいて損はないと思う。★★★★

487:無名草子さん
12/05/05 19:37:49.59 .net
山井教雄『まんがパレスチナ問題』(講談社現代新書)。『反西洋思想』との関連で、パレスチナ問題を簡単に知っておこうと思って読む。
ベストに入っている、広河隆一『パレスチナ・新板』(岩波新書)はだいぶ前に読んだが、ほとんど頭に残っていないので。
イラスト部分が多いため、文章による情報量は少ない。細かいところまで詳しく書かれているとは言えないが、パレスチナ紛争全体の流れをザッと概観するには適している。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という一神教三兄弟の由来から、一応、911とイラク戦争まで。
こうした難しい国際政治的な問題に、完全に中立的・客観的立場を貫くのは不可能に近いと思われる。
が、ここではユダヤ人少年とパレスチナ人少年のキャラを登場させ、双方からの視点で意見を言わせることによって、ある程度の客観性を保つことに成功している。
著者は、サダトの現実主義を高く評価しており、それに対してアラファトに対する評価はかなり厳しい。
イスラエルのシャミルやシャロンはいかにも憎々しげに描かれているが、まぁこれは人情として仕方ないかというところ。
最後に二人の少年が、ネルソン・マンデラを見習って「融和」を目指そう、と誓い合う結末はなかなか泣けるが、やはり甘いかな~とも思う。
既に知識のある人には物足りないだろうが、無知な自分には丁度良い入門書だったので星4つ★★★★

488:無名草子さん
12/05/05 19:39:45.38 .net
臼杵陽『イスラエル』(岩波新書)。
イスラエル建国前夜から2009年現在までの歴史をたどりながら、多文化社会としての現実と国家統合の理念との鬩ぎ合い及び政治の変遷を描き出している。
ごく単純なイメージとしては「イスラエル=ユダヤ国家」であるが、何世紀も世界中に離散していたユダヤ人が移民してできた国だから、
当然、多文化・多民族で、人種すら多様であり、たとえ同じユダヤ教徒であっても一枚岩とは言えないのである。
またイスラエル国民はユダヤ教徒だけではない。アラブ人ムスリム、ドルーズ教徒、ギリシア正教徒、カトリック教徒もいる。
第一章では、この複雑極まる多文化・多民族社会の現状についての基礎知識が書かれている。
宗教的・政治的な立場も細かく分かれており、さらに社会的・経済的な階層性もあって、一読しただけではとても把握しきれないし、要約も不可能。
宗教と政治の関係もなかなか複雑。たとえば「超正統派」と呼ばれる最も厳格なユダヤ教徒は国から特別扱いされているが、
これは国家が宗教の上位に立つことを許さないので、シオニズムとは対立する。
第二章ではシオニズムの歴史をたどる。このシオニズムにも様々な潮流がある。
第三・四章では建国の経緯。第五章では第三次中東戦争と領土拡大。
第六・七章では、テロ・紛争と和平の試みの経緯。政治的には次第に右派が優勢になっていく。

489:つづき
12/05/05 19:40:32.65 .net
どちらかと言うと、複雑な社会や内政についての叙述に力が入れられていて、中東戦争の経緯などはあまり詳しくは書かれていない。
しかし、アラブ・パレスチナとの対立関係の中で、イスラエルを一枚岩の国家だと錯覚しがちだった無知な自分にとっては啓蒙的な内容だった。
シオニズムの思想についても自分の知らなかったことがたくさん書かれていた。
たとえば、ホロコーストの犠牲者に対して、当初シオニストは冷淡であった(無抵抗で殺されるのは英雄的ではない、抵抗して死ぬのが名誉という価値観)
が、その後シオニズムが国家統合の理念として弱体化してくると、ホロコーストの犠牲を統合の象徴として祭りあげていったという話などは興味深い。
あまり読みやすいとは言えないが内容の濃い良書。★★★★。
先に読んだ『まんがパレスチナ問題』と比べてみると、細かい点だが、第一次中東戦争に関する見解に違いが見られる。
『まんが』の方では、戦力はアラブ側の方が圧倒的に強く当初はイスラエルが劣勢だったが、一時停戦によって武器の調達や体制の立て直しを得てきわどい勝利を得たと書いてある。
これに対して、この『イスラエル』の方では最初からイスラエル側の方が戦力優勢で、停戦前に趨勢は決していたとしている。どっちが正しいのか

490:無名草子さん
12/05/11 10:32:54.31 .net
乙です。感動しました

491:無名草子さん
12/05/11 15:19:10.66 .net
余計なお世話かもしれないが、こういうしっかりしたレビューは2chのレスなんかではなくて
ご自身でブログか何かをやられてそちらに記載された方がいいのではないかと思う。
何というか、ほとんど誰も見ないスレできちんとした内容のレビューが朽ち果てていくのは勿体無い気がするので。

492:無名草子さん
12/05/11 20:06:51.07 .net
何言ってるんですか、ROM数も知らないんですか?
ざっと計算しただけでも1000万人ぐらいはこのスレみてますよ。

493:無名草子さん
12/05/11 22:54:35.44 .net
>>491
いや、このスレに愛着あるし、Wikiの方にスレは保存しとけばいいしね。

>>492


494:無名草子さん
12/05/11 22:56:26.73 .net
まぁ過疎スレだから恥ずかしげもなく長文書けるってのもあるし。
もし何万人も見てたら逃げるわ。

495:無名草子さん
12/05/11 23:03:13.91 .net
何万人も見てますよ。自信持ってください!!

496:無名草子さん
12/05/14 21:05:31.04 .net
イスラエル、パレスチナ関係の割と最近のものでは、
中公新書から高橋正男『物語・イスラエルの歴史』と船津靖 『パレスチナ - 聖地の紛争』が出てるな。
買おうと思ったけど、ちょっとしんどくなったのでやめた。

497:無名草子さん
12/05/15 20:40:04.50 .net
>>496
そんな出てるんだ、知らなかった

498:無名草子さん
12/05/18 17:20:16.52 .net
>>488->>489
久しぶりにこのスレ覗いたんだが・・・ちょっとそれ買ってくる。

499:無名草子さん
12/05/18 20:33:49.62 .net
毎日見ろよカス

500:無名草子さん
12/05/18 20:46:17.56 .net
500

501:無名草子さん
12/05/18 20:47:13.80 .net
めったに書き込みないから3ヶ月に1回見れば充分

502:無名草子さん
12/05/19 00:39:19.32 .net
主題の近い新書を三冊紹介します。
塚原史『人間はなぜ非人間的になれるのか』(ちくま新書)。これはタイトルから予想される内容としては、
人間の残虐性を人類学的・社会心理学的に分析したようなものかと思ってしまうが、かなり異なったものであった。
近代芸術史をたどりながら、近代の人間主義の中から非人間的な観念や現実が生じてくる逆説を追ったもの。
問題意識としては、アドルノとホルクハイマーの『啓蒙の弁証法』と似たものだと言えるが、なぜかそれはほとんど参照されていない。
第一章では、個から全体へと題して、近代における都市化と群集の現象を見る。
第二章ではダダや未来派などのアヴァンギャルド芸術運動とファシズムやナチズムとの関係。ここでは「無意味」がキーワードとなる。
第三章では岡本太郎の太陽の塔の謎をバタイユからの影響を元に解明する。この謎解きは面白いので必読。この章では「未開」がキーワード。
第四章では精神分析とシュールレアリスムの出現を見る。ここでは当然近代知における「無意識」の発見が鍵となる。「私」という主体の自明性が疑われてくる。
終章ではベンヤミンとボードリヤールを参照し、「シミュラクル」に満たされた高度消費社会の非人間性に焦点を当てる。


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