2ch厨房が新書等のベスト 5冊目at BOOKS
2ch厨房が新書等のベスト 5冊目 - 暇つぶし2ch132:無名草子さん
10/12/18 12:27:05 .net
>>122
ドイツ史ということで、浜本隆志『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)を読んでみた。
ドイツ史の裏面に流れるカルトの水脈を辿り、ナチスと関連付けたもの。
第一章は子供十字軍、異端審問、鞭打ち苦行、「舞踏病」、ポグロムについて。第二章は「ハーメルンの笛吹き男」、
第三章は魔女狩り、第四章ではナチス、第五章では群集心理・集団妄想についての社会学・社会心理学的な総括。
第六章ではドイツの基層文化を宗教学・民俗学的に分析し、ドイツの民族文化にカルトに感染しやすい特殊性があると主張している。
この本では、古代中世以来の前近代的カルトと近代の惨禍であるナチスとの連続性を強調しており、
差異に関してはあまり注目していない。近代合理主義の暴走という側面を強調する近代批判の論調は多いので、
そちらの方はスルーしたのかもしれないが、片手落ちの印象がある。
ドイツ文化のカルト親和的な特殊性というのも、直感的にはありそうではあるが、実証的根拠はどうなのかとも思う。
細かいところだが、一章で出てくる集団ヒステリー性の舞踏症状を「舞踏病」と称するのはいかがなものか。
神経性疾患としてのハンチントン舞踏病とはっきり区別するように注記すべきではないか。
2004年発行だから、割と新しい本なのだが、分析の枠組みが素朴すぎるような気がする。個々の事例は面白いし読みやすい。
普通のドイツ史に興味あるなら『ハプスブルク家』(講談社現代新書)あたりを最初に読んだほうがいいでしょう。


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