25/06/07 21:13:37.18 R+sYVvCK.net
第一話「勇者召喚されたけど、スキルが終わってた件」
気づいたら、白い空間にいた。
「……ん、どこだここ?」
目の前に立っていたのは、金髪の少女とローブ姿の老人。そして周囲には数人の兵士のような人たちが並んでいた。
「勇者様……ついに、我が国へ来てくださったのですね!」
金髪の少女―おそらく王女っぽい人が、涙を流しながら俺に抱きついてきた。
いや、待て。状況が分からん。
「ちょ、ちょっと待って! 俺は、ただ帰り道にコンビニ寄ろうとして―」
俺、**日向 蓮(ひなた れん)**は、普通の高校生。特に運動も勉強もダメで、唯一ゴミ当番だけ真面目にやってたくらいのモブ人生だった。
そんな俺が、なんで異世界っぽいところで、姫様に抱きつかれてるんだよ!?
「勇者様には、神より祝福されたスキルが与えられております」
そう言って、ローブの老人が俺のステータスを読み上げる。
【日向 蓮】
スキル:《ゴミ収集》
レベル:1
職業:無職(勇者候補)
場が、凍った。
「……え? ゴミ?」
「えーと……なんかの隠しスキルとか?」
「いや、ただの……ゴミ収集ですね。戦闘能力ゼロ」
「…………は?」
数時間後、俺は王都の外に捨てられていた。
「使えねぇ勇者は要らんってか……」
人生、終わったと思った。
だけど、その日、俺は拾ったんだ。
ゴミ山の中にあった、一振りの黒剣を。
【捨てられた神剣《ユグ=エリス》を入手しました】
※この世界の“理”を改変する権能を秘めています。
この瞬間から、俺の世界は動き出す。
「スローライフ、って言ってたじゃん……! どこが平和だよ、この世界!」