20/12/04 22:50:00.59 1OkFp2aV.net
押忍!千夏姉さんとピロキ
悩める女
あたしは千夏。気合の入った職人系女子だ。相棒はピロキこと冬月博紀。超一流企業の商社マンだ。あたしは博紀より勉強はできないが、頭の回転が速いし勘が鋭いなんて言われている。
それに比べてピロキは頭はいいのに絶望的に勘が悪いし世間を知らない。そんなピロキは今日は飲み会だと言っていた。そして、早く帰るといっていたのに終電の時間を過ぎた。イライラして待っていると、玄関がガチャコンと開く音がした。そしてリビングに入ってくると、小さくて可愛い女を連れていた。あたしぽっかーん。相手の女もぽっかーん。
「あのさ、彼女実家住まいなんだけどさ、家に帰りたくないって泣くんだよ、千夏ちゃん相談乗ってあげて」
空気が凍りついた。しばしのあと、絶望的に空気を読めないピロキ。
「きっと複雑な事情があるんだよ」
いや、複雑な事情はあるが、お前に通じてないだけだ。あたしは溜息をついて女を見た。
「そういうわけだ、諦めな、お嬢ちゃん」
わけがわからずきょろきょろするピロキ。泣き出した女。
「まあ、風呂にでも入ってさっぱりするがいいさ、今日は泊まっていきな」
泊まる気満々だったろうけどさ。
女はおつまみ食い散らかしてビール飲んで寝た。
ご都合主義
あたしとピロキは商社が海外に建設するプラントの基礎をあたしが設計した事で出会った。一目惚れだとかなんだとか、そんな事始めて言われたあたしもまんざらな気持ちではなかったが。ピロキは見た目はカッコイイし、高収入だが、どうも野性味が足りない。
はっきり言ってタイプではなかった。なのにある日告白されてしまった。普通の男はあたしが土木関係の仕事だと言うと去っていくが、ピロキにそれは通用しない。どうしようか迷った挙句、嘘をついた。
「千夏さんが好きです、付き合ってください」
「あーえーと、実は好きな人がいるから」
「え! それってもしかして僕の事!?」
ちげーよそんなフラグ立てた覚えねーよ。