【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part74【変な女】at BOOKALL
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part74【変な女】 - 暇つぶし2ch357:この名無しがすごい!
15/10/08 06:57:10.68 d+HzBiSr.net
>>356
住み分けできてるとこに今さらしゃしゃり出てこられても…という感じ
自由にさせてほしいなあ

358:この名無しがすごい!
15/10/13 23:16:05.15 SRkKUZAw.net
ざまああwwwwwwwメシウマ
権利侵害にに天罰ですな

359:この名無しがすごい!
15/10/31 18:19:56.38 0v+w68D+.net
クリスマスに続き魔改造されたハロウィンについて佐々木さんに聞いてみたい

360: 【吉】
15/11/01 14:55:49.08 i9MNc39r.net
今月の運勢

361:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/11/01 23:24:04.33 qff5O9+F.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その54
 昨日の昼にお邪魔した時は、縁側でお茶をごちそうになったが、今、俺達は、笹木野さんの家の離れである小さな茶室みたいな部屋
に案内されていた。
 俺達と同じく朝の散歩をしていた笹木野さんと、偶然小川の畔で会った後、笹木野さんはお茶に誘ってくれたのである。
 「アーリーモ―ニング・ティ―といったところかしらね」
 ハルヒはそういったが、まあ。ここで出るのは紅茶ではなく緑茶である。
 囲炉裏があり、そこに小さな熾火があり、鉄瓶から湯気が出ている。
 この家の主である笹木野さん自ら俺達に出してくれたのは、少し濃いめだが、苦みはそれほどなく、むしろ旨味と甘味と調和した感
じの、お茶の旨味を感じさせるものだった。
 「本当に美味しいです」
 「とても美味しいわ」
 「昨日いただいたときも美味しいと思いましたが、今日のお茶もとても美味しいです」
 淹れる人によってお茶はうまくもまずくもなるとはよく言うが、本当にこの人が淹れてくれるお茶の旨さを、俺達は素直に称賛した。
 「それにしても、この茶碗、これはひょっとして、楽焼、それも光悦風の白楽ですか?」
 自分が飲み干した後の御茶碗をしばらく眺めていた佐々木が、笹木野さんに尋ねる。
 「ええ。私が焼いたものなの」
 そういわれて、俺とハルヒも自分たちの茶碗を見る。
 「そういえば、嵐山瑞兆の会長さんもこれにそっくりの御茶碗を持っていたわ。光悦の作品だとか言っていたけど」
 「楽焼の作品の特徴はろくろを使わず、手捻りで形を作ることだが、光悦の作品にはもう一つ特徴があって、刀で削った様な直線的な
形が見受けられるんだが・・・・・・これは光悦の作品と言われてもわからないぞ」
 佐々木と、佐々木の教え子・立花香織のおかげで、最近俺はある程度焼き物の事もわかるようになってきたが、笹木野さんが作った茶碗の
出来栄えに、舌を巻く思いだった。
 「でも、それはすべて失敗作というか、売りに出せない品物なの。焼いていると、やはりいくつか窯傷が生じたものが出てくるから、家で
使ったり、繕いをして、近所で使ってもらったりしているのよ」
 「これが?」
 笹木野さんに言われて俺は改めて、見てみたが、なるほど、ひびが入った所を金粉漆によって修繕した後が見えるが、しかし、それがまた
違った味を出していて、むしろ失敗作というよりは趣のある作品に見える。
 今光悦と呼ばれている人だが、本家光悦の作品にもこのような作品があり、改めてこの人の力量を見せつけられた様な気がした。
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362:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/11/01 23:24:58.88 qff5O9+F.net
]それにしても、長東の家と言い、笹木野さんの家と言い、茶室、あるいは茶室風の建物を好んでいるようだけど、やはり茶道の本家がある所
だからな?」
 「嵐山瑞兆のお店の敷地にも茶室はあるわよ。結構使われているみたいだけど、やっぱり伝統と和の雰囲気を大切に、て事かしら」
 「それだけでもないような気がするんだけどね」
 俺達の会話を、笹木野さんは、微笑みを浮かべて聞いていたが、
 「おもてなしの心というのも間違いではないけど、茶道の神髄は、安土桃山時代に来日した宣教師が記しているように、俗世のしがらみを断ち切り、
自分を無の境地にし、新たな自分に生まれ変わって、また俗世に戻るというものなの。闘茶という、いわば一種の賭け事遊びより始まったものが、全く
違ったものへと変質していった過程は興味深いけど、戦国時代の影響があるのかもしれないわね」
 「そういえば、昨日長東が似た様な事を言っていました。"花背は京の北方浄土、隠れ里とも称される土地。昔からこの地に来る人は、ここで世俗のしがらみを落とし、新たな自分となって、また現世へ帰
っていく。条暁寺や神社仏閣は、人々の背負う現世のしがらみを浄化し、すべてを無に帰すために存在する、て昔聞かされたことがある",と」
 「そうね。由希ちゃんが言うとおりなのかもしれないわね。、花背の郷もまた自体が巨大な茶室なのかも。私がここへ来たのも、しがらみを、過去を断ち切りたかったからかもしれないわね。あんまり
断ち切れていないようだけど」
 一瞬、その言葉をつぶやいたとき、笹木野さんの表情が自嘲気味に見えたような気がした。
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 昨日、俺と佐々木は笹木野さんの作品を見せてもらったのだが、ハルヒは昼寝をしていて、ここにきていなかったのでギャラリ-で作品を見せてもらうことになったのだが、その作品にすっかり
魅了されたらしく、古泉から「もうすぐ朝食の準備ができるようです」との連絡が来ても、なかなか動こうとはしなかったが、今度また連れてくると俺が約束をして、何とか納得し、宿に戻る
事にした。
 「いつでも遊びにきてどうぞ」
 そんなハルヒの様子を、笹木野さんは微笑んでみていた。
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 帰り際に、昨日と同じように笹木野さんは私達を玄関まで見送ってくれた。
 「貴方達三人を見ていると、昔の自分達を思い出すわ。立花君や晶と一緒にいたころの時を」
 お礼を言ってその場を去ろうとしたとき、笹木野さんは私達を見て、懐かしそうな表情を浮かべて、そうつぶやいた。
 

363:この名無しがすごい!
15/11/02 07:43:44.35 N/zFLBHS.net
支援
ここにみくるも居たらなあとちょっとだけ思ってしまう
きっと誰より真剣にお茶の淹れ方教わったに違いない

364:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/11/10 21:20:26.94 yg1jXolG.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その55
世の中は自分の思い通りにはいかない。
 自分の選択がはたして正しいものだったか。人は生きているうちに、幾度も悩み、自問し、何か釈然としない気持ち
を抱えながらも前に進んでいる。
 だけど、心の奥底に、何か滓のようなものを抱えて生きているのだろう。
 花背の東郷(あずまざと)を訪ねる人々は、その心の滓を浄化し、白にして、また日常への世界へと変えるという。
 茶道の神髄もまた同じだと笹木野さんは言った。
 立花さんのお父さん、同級生であり、最高の親友である立花貴洋さんへの想いをいまだに抱いて、笹木野さんは生きている
のだろうか。その想いが消えることはなく、むしろその想いをいだいたまま、この花背に住んでいるのだろうか。
 人を好きになる。
 人から好きになられる。
 その思いが人を動かし、歴史を紡ぐ。
 紡がれることがなかった歴史は、幻として消えていく。
 ”私の思いは・・・・・・”
 一度あきらめた想い。叶わなかった淡い夢。
 ”けれど・・・・・・”
 歴史がいくつもの物語を紡いできた土地・京の地で、私は再会した。
 途切れた時間が再び繋がり、新たな物語を紡いでいく。
 ”今度は・・・・・・”
 心に滓を貯めることなく、私はまたこの花背の郷を訪れてみたいと思った。
 ――――――――――――――――――――-----------------------------------
 
去来庵に戻ってきたとき、すでに朝食の準備は出来ていた。
 俺達の嘲朝食を準備してくれたのは長東の一番上のお姉さんの恵美さんだった。
 最初に出されたのは、自家製梅干しを使った梅葛湯と手作りの朧豆腐。
 「何というか・・・・・・普段食べている豆腐とは別物ですね」
 古泉が一口食べてしきりに感心している。
 「これだけ旨い豆腐には早々お目にかかれないね」
 「斯の豆腐だけでも来る価値があるわ」
 俺達の賞賛の言葉を聞いて、恵美さんは笑顔を浮かべていた。
 朝食後、俺達は長東の案内で花背の郷を散策することにした。
 「条暁寺は清水寺のモデルになったと言われているお寺で、歴代の住職は清水寺で修業するのが慣わしになっているの」
 「人里離れた山奥の古刹と知名度抜群のお寺が繋がっているのは何かすごいな」
 「花背は北方浄土とも言われていた土地だと昨日聞いたけど・・・・・・浄土というと何か日常生活とかけ離れた印象があるけど、
昔の人間にとって、生も死も表裏一体で、日常的なもので、それこそ化野や羅生門の話を出すまでもなく、人々は死を身近なものとして
意識していた。浄土はどこか遠くの別の場所にあるんじゃなくて、この世と繋がった近くに、日常の身近にあったんだろうね。この世の寺
が清水寺で、浄土の寺が、条暁寺ということだろうね」
 佐々木の推測に俺達は、なるほどとうなずいた。
 条暁寺の横の登山参道を登りきると、その頂上から、花背の郷が見下ろせる。
 眼下にのどかな風景がひろがり、京の都とは違う時の流れが流れているような気持ちになる。
 「ホント、心が洗われるような景色だわ」
 ハルヒはその景色を見て満足げにつぶやく。
 「また来てみたいですね」
 「ああ。確かに。でも、今回は長東の好意で泊めてもらったけど、次回は実費だな」
 「しっかりバイトしなければいけないね。家庭教師や他のバイトを増やさなきゃならないね」
 「なかなか煩悩にまみれた現世とは縁が切り離せないという事ですかね」
 古泉の言葉に、皆が声を立てて笑った
 
 

365:この名無しがすごい!
15/11/10 22:04:46.84 S2Fu+E28.net
支援
最後のやり取りが身に染みる
やっぱりお金も大事だねぇ…

366:この名無しがすごい!
15/11/15 19:34:18.73 54w2DS1V.net
未だにホホジロザメという呼び方に慣れないのですよ佐々木さん
図鑑ではホオジロザメで載っていたのでそれで覚えてるのですが、いつ頃からテレビ等での呼称が変わったんでしょうか

367:この名無しがすごい!
15/11/23 18:46:01.68 sKATa6JK.net
マイナンバーのアレが来ちゃいましたよ、ほぼ行政の一利のために百害あること確実なアレが
今後どうなっちゃうんでしょうね佐々木さん

368: 【大吉】
15/12/01 23:46:45.07 6FzYZYRB.net
今日の運勢

369:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/08 21:46:01.08 ec+Pg6sB.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その56
「それでは、お世話になりました」
古泉のアクセラに乗り込み、見送りに来てくれた長東3姉妹に俺達は頭をさげる。  
長東は黄金週間が終わる直前までは花背の故郷に残るそうだ。
「それじゃ、長東。休み明けにまたな」  
 「うん」
  俺の言葉に長東が大きくうなずき返事する。
 「キョン君、いつでも遊び人来てくださいね。何なら休みが終わるまで滞在してもらって構わないわよ。その方が
妹も喜ぶから」
 「お姉ちゃん、変なこと言わないで!」
 仲の良い姉妹の絡みを見ていると何故かこちらもほのぼのとした気分になった。
 ――――――――――――――――――――――――--------
 帰り道、車は笹木野さんのアトリエの前を通った。
 私とよく似た名前のその人の姿が一瞬だけ見えた。
 ”私がここへ来たのも、しがらみを、過去を断ち切りたかったからかもしれないわね。あんまり 断ち切れていないよう
だけど”
 今朝の笹木野さんの言葉が私の脳裏によみがえる。
 車の前の席で、キョンは古泉君と話していて、その会話に涼宮さんが聞き耳を立てては、時々口を挟んでいる。
 ”貴方達三人を見ていると、昔の自分達を思い出すわ。立花君や晶と一緒にいたころの時を”  
 何となく、立花さんのお父さんとお母さん、そして笹木野さん達が、私達と重なるような、そんな気分になる。
 後ろを振り向くと、笹木野さんの家はもう見えなくなっていた。
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 自然豊かな花背の郷から千年の都・京の地へ戻って来て、それからあまり間をおかず、俺達は自分達の地元に里帰りした。
 ミヨキチが勉強を習うために家に来たりしたが、基本的には黄金週間後半は実家でだらだら過ごしていた。
 花背の郷で精神のリフレッシュを行い、実家で学生生活の疲れを取り、大学に戻る時には、心身共にこれ以上ないというほど
調子が良かった。
 「それは良かった。またK大で勉強に集中できるということだね」
 今回も花背の時と同様、古泉が行きも帰りもアクセラで送ってくれるというので(俺のミゼット2では無理がある)、その好意
に甘え、俺、ハルヒ、佐々木は駅で待ち合わせ、そこへやってきた古泉の車に乗り込んだ。
 ハルヒも佐々木も俺と同様、花背と地元で心身をリセットし、また始まる学生生活に向けて気合を入れていたようだ。
 
 「しばしの別れだ、わが故郷」  
 少しふざけた口調で俺がうそぶき、古泉がアクセラを発進させた。
 

370:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/08 21:52:59.92 ec+Pg6sB.net
 
 五月の連休が終わり、長東も戻って来て、慣れ親しんできたK大の学生としての日常が再び始まった。
 あと少し時間が経てば、梅雨が来て、そして暑い夏がやってくる。
  大人になるにつれ、時間が過ぎるのが少しずつ早くなっていくような気がする。
  ”少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずるべからず”の意味が最近、身を持って実感できるようになってきた。 
  学ぶ事、考えることの大切さ。
 自らの進路を決めるうえで大事な専門課程へ移行する為の下準備を、そろそろしておかねばならない。
  そういう時に、佐々木が俺と同じ専門課程を選んでくれているのは正直ありがたかった。  
 
 「ここはこういうことだね。おそらくこれは僕らが進む学科では必修の部類に入るだろうから、これはもう少し掘り下げて履修 する必要がありそうだ」
 「図書館で調べてみるか?確か教授が書いた本があったはずだ」
  「そうだね、昼食を食べた後に行ってみよう」 
 
  そんな感じで、最近の俺は、このK大キャンパスにおいては、必然的に佐々木と一緒に行動する時間が増えていた。   

371:この名無しがすごい!
15/12/08 22:41:34.37 aPhCKmja.net
支援
長東姉め公式な彼女が側にいるのにそんな台詞を吐くなんて度胸あるどころじゃないw

372:この名無しがすごい!
15/12/08 23:17:47.68 ER3oZ6UZ.net
支援したい

373:この名無しがすごい!
15/12/13 09:40:41.41 MZXw5OCS.net
⌒(`Д´)⌒<天気予報に裏切られたのです!確率10%だったのにガッツリ雨が降ってるのです!!

374:佐々キョンAA 原点回帰?
15/12/13 20:27:50.44 arzrDDKV.net
>>373
 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| くっくっくっ                           |
| この突然の雨、あのときのことを思い出すね         |
| なぜだか、この冷たい雨も、心地よくなってきたよ     |
| キョン、すまないが、途中君の家に寄らせてもらいたい.|
| シャワーと着替えと僕の成長を/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 \__  _________| 安心しろ、もうあのときの俺じゃない |
|      ∨      i        | こんなこともあろうかと          . |
  i        |i       l  l      | 傘ならちゃんと持って来たぞ。2本. .|
 i  |i       li       |   \__  ____________/
 |        |     l     |i     |/     li
    i  |i         i      |l      l        |i  |
 l        , -‐- 、      ,. ‐-ー- 、         |i  li
  li       ,'. /  ト、 ヽ  ノ /    ヽ  |i     l    |i     |  i
  |   l   i. ((从ソ 从〉. ノハハハハハ !
l          l. (|┳ ーi!l  !|─ ─ ,iリ)!   i  ll  l      ゴブサタ
  l   il  ハNiヘ'' ー ノハ!  ’ 、-  ノルrュュ       |i     シツレイ デアル
      i   (')"ー'゙i).    <'}i´|iY|iつ{ii}ii}  |i        l   ∧∧
 il          ソュュュュゝ     'ヽ´T.i  YY     |  |    i  (-x- )
    il     ノ_,ハ_,>  i  l <_,ヽ__〉   l  i  i   i  l    w  )~


   ! | |! !|! |: : ! !!  | !:|! |! | |! !  ! |  ! |!:    ! | |! !|! |: : ! !!  | !:|!
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: .i|:i}  ー 、 {辷ア' |i ¨¨! ¨¨¨|¨¨¨}i}\丶 :|! !! |! !: ○ !! | !:    | |! | |!  !!
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\i|:i} i/i ii },ri|  {i/i}  i {i/i}  }i}//}¨  .! | :|! ,r.it、 ! !! | ! !!| |!| |! !| ! !! | ! !!|
、 .ムi l!  ,ィ升f、 i!   ┌i  i!  ┌i 込、/}=ri|  |  i}|圦 !!! | r=i   _ _|-‐ i!¬冖宀≠
 乂i}_!_/  /乂}  |i   ¨   i!  ¨  r‐t辷*。__!_i}/i}  `i、 !:| !| イ,少'´  ̄¨ l !  !! l!
 /}、込ム__//iillム-|‐冖宀|¬'¨||   l! |\_i!_斧'i} i!  }   | /i  |i| ! | : :|! !! : |!
 !|.\彡ヘ/_/i| ! | : :|! !!  .......i|  | |乂_}}イ'    i}   /..{/ ,.zー‐- 、、 :|! !!! | | /}
    }、//}、_/  |  ! |!:|! !! ! ............i|  | |i/\ i!\=‐、i}¨i_/. / ノバ  ; ヽヾ!! | l //
    iト、/ム !|   ! : !| !!! :l  ! | |{ li / ̄ ̄ヽi!_ノフ7劣! ハミ((ノノリ从)ゝ | /イ_l!__
    / i}斧ム  |!  |!   l i..|...!..i|  | |i\/:.:.:.:.:.:./i}/ ̄ ̄|i | i(| -- (::; |!| ‐'./   /
       i}、州i}\ |! !  i ...........li.....i|  |i. |≧=‐-≦「_イ´ ̄ ̄¨¨Nトリ、|| ヮ||ノ'!| _.ィ....l!...../
       ≧=≦ム==f宀 冖、i, 冖¬'¨¨ ̄ 、i,  ,、     r‐ュ    /{_;}{\}_;} メ  ´ ̄¨ ¨ ¨
      /厂≧=‐\  、i ,   ,    ゜             とく;'_U_i,ンJ
                                   /|
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                    | 師走の雨と 佐々木さん空間完徹は 応えるのです… |
                    \______________________/

375:この名無しがすごい!
15/12/13 20:49:02.66 TJHpcXnq.net
久々にAAの人! AAの人じゃないですか!
相変わらずのフラクラさんw

376:この名無しがすごい!
15/12/13 22:01:15.85 MZXw5OCS.net
素晴らしひ、そしてネタに使ってくれてありがとー!!
きょこたんも浮かばれまする

377:この名無しがすごい!
15/12/13 22:51:37.88 gwLRY/hV.net
 |        |     l     |i     |i     li
    i  |i         i      |l      l        |i  |
 l        , -‐- 、      ,. ‐-ー- 、         |i  li
  li       ,'..#  ト、 ヽ  ノ /    ヽ  |i     l    |i     |  i
  |   l   i. ((从ソ 从〉. ノハハハハハ !
l          l. (|;;;;;;;;;;;i!l  !|へ へ ,iリ)!   i  ll  l      ゴブサタ
  l   il  ハNiヘ'' ー ノハ!  ’ 、-  ノルrュュ       |i     シツレイ デアル
   .≪≫===⊂)"ー=======⊂}i´|iY|iつ{ii}ii}  |i        l   ∧∧
 il          ソュュュュゝ     'ヽ´T.i  YY     |  |    i  (-x- )
    il     ノ_,ハ_,>  i  l <_,ヽ__〉   l  i  i   i  l    w  )~

378:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/15 23:03:23.76 3eyio69E.net
   カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その57
梅雨の時期に入り、雨の日が多くなってきた。
 ただ、今年の梅雨は、最近多い豪雨型ではなく、そこまで強くない雨が降り続いた後、何日か晴れ間が見れる、
どこか穏やかな感じの梅雨だった。
 今朝も雨が降ったが、夕方には止んで、雨雲が薄くなっていくのが薄闇の中に見えた。
 俺は、今日は居酒屋の方でなく、Yショップの方のバイトに入っていた。
 時計を確認すると、時刻は午後7時を過ぎていた。
 店内にお客の姿はなかったので、俺はある作業に取り掛かる。
 売り上げ管理システムが組み込まれたタブレットを使い、店内の商品の賞味期限を確認し、期限が近づいた
商品に割引シ-ルを貼る作業である。
 その中の商品の一つを、俺は陳列棚から外し、籠に入れる。
 時計の針が午後自粉を過ぎたころ、一人のおばあさんが店内に入ってきた。
 「いらっしゃいませ」
 そういって、俺はそのおばあさんに頭をさげる。
 レジの前に値引き商品のいくつかを並べているのだが、おばあさんはその中の一つ、半額になったあんぱんを
手に取り、さらに居酒屋で手作りしている、半額になった「お昼弁当」を手に取った。
 「合計355円になります」
 実はこの人は近所に住む常連さんで、ほぼ毎日やってきて、安くなった商品を買って行ってくれるので、俺とも
顔なじみであり、俺も長東もこの人の好みを覚えているので、商品を確保して、おばあさんが必ず買うことが出来
るようにしている。
 一人暮らしで(息子さんは宇治にいるそうだ)、動けることは動けるが、ス-パ-は少し距離があるので、近所
であるうちのYショップを利用するのだそうだ(まあ、おじさんの方針と努力で、コンビニにしては、うちはお買
い得ではあるので、スーパ-に行くよりも合理的なのかもしれない)。
 ”だけど、老人が買い物に行くのも大変なことではあるんだよな”
 K大の教養課程の中に社会公共福祉学(これは全学生必修)というものがあるが、つい先日、買い物困難者の問題
という議題で講義があったのだが、高齢者の事故の増加に伴う、あるべき交通システムの在り方、それを実現するために
どういう技術を開発・実用化させるかというテ-マで、それぞれ自分達が学ぶ、あるいは選択する専門課程をどのように
活かすかという討議(ディスカッション)があったのだ。
 そんなことがあったばかりなので、頭をさげて店を出ていくおばあさんの姿をしばらく見送っていた。
 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 

379:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/15 23:04:12.07 3eyio69E.net
梅雨の中休みの如く、空が晴れ渡り、夏の到来を感じさせるような強さを感じさせる日差しから守るように、大樹の影が
落ちる、大学構内の外のカフェテラスで、俺は佐々木と講義の復習をしながら、コ-ヒ-をのんでいた。
 もうすぐ正午になるが、ハルヒと古泉が履修している選択科目が終了しておらず(俺達の方は休講だった)、俺と佐々木
はここでハルヒ達を待って、一緒に昼食を食べる予定を組んでいた。
 「佐々木さん」
 そんな俺達に、上級生と思しき女性が声を掛けてきた。
 「阿蘇品(あそしな)先輩」
 名前を呼ばれた佐々木が頭をさげる。
 「知り合いか?」
 「うん。同じ寮に入っている人でね。工学部の四年生。自動車の自動運転研究の第一人者・坂村教授のゼミに所属されて
いるんだ」
 佐々木と同じ寮に入居しているという、長身で細身のスタイル、そして何故か髪をポニーテールにしている上級生は、俺と
佐々木を交互のやり取りを聞いていたが、
 「ああ。君が噂のキョン君?初めまして、阿蘇品美久(あそしなみく)と言います。君がいるんだったならちょうど良かった
。頼みたいことがあったんだ」
 そういって、阿蘇品と名乗った上級生は、空いている(ハルヒと古泉が座る予定)の椅子に腰かける。
 「俺にですか?」
 いささか戸惑いながら、俺は彼女に尋ねる。
 「佐々木さんに聞いたのだけど、あ、キョン君、て呼んででいいのかな」
 それはあだ名だというのも何かめんどくさくて、俺はいいですよ、といった。
 「君の愛車はミゼットⅡのカーゴカスタムだと聞いたのだけど、今も乗っているのかしら?」
 「ええ。点検も怠らず、毎日というわけではありませんが、乗り回していますよ」
 「このまえ、私も乗せて寮まで送ってもらいました」
 「なるほど、状態はよさそうね」
 何故か、満足したように阿蘇品先輩は笑みを浮かべる。
 「実は君のミゼットⅡを譲ってほしいの。もちろんただでとは言わない。対価をきちんと払うから」
 

380:この名無しがすごい!
15/12/15 23:07:19.66 3eyio69E.net
>>374 ,367,素晴らしいAAです。どうやったらこんなAAを造れるようになるのでしょうか。

381:この名無しがすごい!
15/12/15 23:54:40.17 QeXOZu0L.net
支援
朝比奈さんの(名前が)そっくりさん?実際にこんな苗字あるんだねググッたよ
容姿や性格に類似点は今のところ見受けられないがさてはて

382:この名無しがすごい!
15/12/16 01:16:59.93 LZu7pD0r.net
>>379
これである意味では「全員、揃った」、ということになりますか。
物語の構造がそろそろ動きそうな予感に期待。
そして、いつもながら思うのですが、いったいどれだけの教養をお持ちなのですか。
逆立ちしたってこんなの書けない……

383:この名無しがすごい!
15/12/16 01:18:32.35 LZu7pD0r.net
>>374
この完璧なるフラクラ……!!
久々に素晴らしいAAを堪能させていただき、楽しいやら懐かしいやら

384:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/18 00:26:57.53 WA8CYJM5.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その58
「俺のミゼットⅡをですか?またなんの為に?」
 「多分、キミたちも先日講義を受けたと思うのだけど、社会公共福祉学の議題、買い物困難者の問題だったでしょう?」
 それこそ昨日の夜、バイトをやっていた時、常連客のおばあさんをみて思い出した事であり、それがまさかこの先輩の口から出た
偶然に、俺は少し驚いた。
 「あの問題の解決策としてはいくつかの方法があるのだけど、政策学的な方法、巡回バスや乗り合いタクシ―、あるいは流通業者
による格安有料送迎サ-ビス、指定移動販売事業者認定制度の普及といったマクロ的な制度整備の方法ではなくて、公費負担、所謂
税金投入、補助金支給といった要素を排除し、技術的な側面において解決できる方法があるわ。何かわかる?」
 「自動運転技術、あるいは運転支援システムの開発、無人航空機(ドローン)による配送ですか?」
 佐々木の答えを聞いて、阿蘇品さんは満足したような表情でうなずく。
 「高齢者の運転ミスによる事故の増加、あるいは少子化に伴う労働力の、特に配送関係における労働力の不足に対応する意味でも、
自動運転技術、運転補助技術(ドライブアシスト)は必要となってくるわ。トヨタやGM、VWといった自動車メ-カ-だけでなく、
グ-グルなどのIT産業―むしろこちらの方が中心で物事を進めている印象も受けるけど―も参入しているけど、世界中の大学も
その研究に取り組んでいるわ。もちろんK大も坂村教授が中心となって、国内メ-カ-と組んで研究しているの」
  「運転補助技術(ドライブアシスト)はずいぶん普及してきましたよね」
 「スバルのアイサイトとかな。他のメ-カ-も、最近の新車は結構いろいろついているよな」
 「ええ。だけど坂村教授が研究しているのは、現在あるサイズの自動車ももちろん対象だけど、超小型車(マイクロモビリティ)と
自動運転を組み合わせたシステムなのよ」
   

385:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/18 00:30:19.09 WA8CYJM5.net
「超小型車(マイクロモビリティ)?ああ、トヨタのコムスみたいな車ですか」
 某コンビニの配達車として この京都でもよく目につく車だ。
 「そうね。その超小型車(マイクロモビリティ)を地方自治体と組んで、将来の交通システム構築のための実験に使う動きが広まっている
わ。メーカ-が最近、超小型車(マイクロモビリティ)の開発に力を入れているのはそういう事情もあるの」
 「なるほど」
 「だけどね、超小型車(マイクロモビリティ)の利用に関して、不満の声もあるのも事実なのよ。K大と幅広い分野で提携している武田
総合メディカルグル-プに高齢者や女性に利用してもらう実験を頼んだのだけど、狭すぎるとか、積載量が少なすぎるとかいう不満が出た
わけ。特に郊外の方の高齢者は買い物とかでまとめ買いをしたりするから、超小型車(マイクロモビリティ)では難しいところもあるの」
 「そうなんですね。それでキョンのミゼットⅡに目を付けたわけなんですね」
 「そのとおりよ。軽自動車よりもさらに小回りが利き、ある程度の使用の多様性を確保できる車体という条件、それにはミゼットⅡが条件
にいちばん近い車なわけ」
 「しかし、ミゼットⅡは生産は中止していますけど、それなりに出回っているはず。なぜ外部から購入しないんですか?」
 「予算執行上の手続きの問題があるのよ。外部購入となると手続きが色々煩雑なの。ああ、それと一番肝心なことを言っていなかったわね。
さっき話した対価をきちんと払う、という意味は、お金ではなくて、うちの工学部が保管して整備してある車と交換するという事なんだけど」
 「車の車種は何ですか?」
 「軽のスバルR2タイプSス-パ-チャ-ジ。うちのゼミで改造して、装備も向上させたカスタムカ-なんだけど、運輸局の証明書も取得済みよ
。教授の奥様が使われていたけど、新車購入の際にうちに寄付していただいて、新システムの実験車として使用してた車で、走行距離は1万5000
キロ。車検も2か月前に終わったばかり。もしこの話をのんでくれるのなら、登録証明や保険の手続きに関してはこちらでやるわ」
 阿蘇品さんの話を聞いて、俺は少しの間考えたが、
 ”悪くない。いや、むしろすごくいい話じゃないか”
 ミゼットⅡは俺も気に入っている(一年以上乗り回しているからな)が、ハルヒや佐々木達を乗せていると一応二人乗りの車なのだが、いささか
狭くて、体がくっつくこともある。古泉のアクセラに載せてもらうと、広いな、と思うくらいで、軽ではあるが、ハルヒや佐々木に狭苦しい想いを
させなくてすむようにのなるのなら、この話は乗るべきだろう。
 「わかりました。その話、お願いしていいですか」
 「決断が速いね。気に入ったわ。ならば、二日後の講義終了後、工学部棟の外にある第5車庫に来てもらっていいかしら」
 「はい」
 「商談成立ね」
阿蘇品さんは取引に成功したキャリア-ウ-マンのような笑顔を浮かべ、席から腰を上げた。
 「それじゃ、二日後に、よろしくね」

386:この名無しがすごい!
15/12/18 07:10:40.34 u8yEvyqd.net
支援
佐々木さんは運転席とくっつかなくなって残念がるのでしょうか

387:この名無しがすごい!
15/12/20 00:33:12.97 fACWDh4x.net
お疲れ様です。
>ハルヒや佐々木に狭苦しい想いを
>させなくてすむようにのなるのなら、
おいこら待てキョンそれやっちゃいかん変更

388:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/20 01:44:52.30 xQTM/pkO.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その59
  それから二日後。
 受講を終えた俺は、家に戻り、ミゼットⅡでバイトに行くというハルヒを送り、指定があった工学部の、
第5車庫 へ向かった。
 大正初期に建てられた、いわゆる東京駅に見られるような、赤レンガの洋風建築(辰野式)を保存、改
修した工学部の建物は、K大の歴史とも相まって、なにか神殿のような威厳を感じさせる。
 第5倉庫はそこから少し外れたところにあった。
 入口の扉は空いており、ミゼットⅡをその中に入れて停車させる。
 「約束の時間通りだね」
 そこに阿蘇品さんと、そして何故か佐々木の姿があった。
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 「いや、どんな車か興味があったのでね。キョンには悪いけど、先に見せてもらったよ」
 そういう佐々木の横には、新しい俺の愛車になるネイビーブルーメタリック(工学部の特別塗装らしい
)色のスバルR2の姿があった。
 「スバルR2タイプS。私達はK大の工学部の改造という事で、R2SKⅢの名称で読んでいたの。ナビとメディ
ア再生機は変えてあるわ。それと足回りも強化しているし、後、工学部の試作品だけど、高解度カメラと紫外線LED
、対人センサ-を組み合わせた警報機を積んであるの。走行速度を計算して、車間距離が一定の距離より短くなると、
警告音を出すの。他の車にももちろん搭載できるのだけど、スバルがアイサイトを出したから、商品価値に疑問符がついて、
開発をやめた代物だけど、充分使えると思うわ」
 警告するだけでも、事故に繋がる可能性を減少できるので、運転する上では大いに価値があるとは思う。
 ドアを開けて運転席に乗り込む。
 アナログな速度計などのメ-タ-は、航空機を思わせるような感じで、なるほど、この車を早く運転してみたいような感じにさせる。
 エンジンを作動させると、ナビのモニタ-が作動し、現在の位置を示した。
 このまま、試運転をさせてもらおうとしたとき、
 「僕も乗せてほしいね、キョン」
 そういって佐々木が助手席に乗り込んできた。
 「シ-トベルトを締めろよ、佐々木」
 「了解」
 佐々木がシ-トベルトを締めるのを確認して、俺は車を発進させた。
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 「どうだったかしら」
 試運転を終えて、第5倉庫に戻ってきた俺達に、阿蘇品さんが声を掛けてきた。
 「いや、すごくいいです。運転しやすいし、反応もいいですし。気に入りました」
 「そう、良かった。気に入ってもらえたようでこちらも嬉しいわ。大事に使ってね」
 「はい。もちろんです」
 
 それから、俺はいくつかの書類を書き込み(R2の車両保険の会社の担当者は、偶然にも俺の担当者と一緒だったので、手続きは早く
済むということだった)、そして、ミゼットⅡの鍵を阿蘇品さんに渡した。

389:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
15/12/20 02:59:02.55 xQTM/pkO.net
  四条河原町にある喫茶店「フランソア」は佐々木が家庭教師をしている教え子の立花から教えてもらったお店で、
最近の佐々木のお気に入りのお店だそうだ。ただ、俺もハルヒも古泉もまだこのお店にはいった事がなかった。
 新しい車に変更しては角ドライブという事で少し長い距離を走った後、「キョン、今日は僕が奢ってあげるよ」と
言いだし、俺をここへ案内したのだ。
 和の雰囲気が通りに強く漂う通り一角の中に、白いレトロな雰囲気の、窓にステンドグラスがはめ込まれた洋風の
建物が異彩を放って、静かに、しかし確実な存在感を持ってそこにあった。
 店内に入ると、ドーム型の白い天井に、赤い天鵝絨(ビロ-ド)の椅子が目につき、控えめの照明と相まって、高級感と
静寂さを漂わせている。
 席について、佐々木はコーヒ-セットと紅茶セット、サンドイッチを頼んだ。
 程なくして注文した品が運ばれ、コーヒ-セット(これは俺)にはブル-べり-ソ-スのかかった白いレアチ-ズケ-キ、
紅茶セット(こちらは佐々木)にはタルトタタン(リンゴのタルト)がついていた。
 「いいお店じゃないか」
 「もともとこのお店は色々と歴史的な逸話の多いお店でね。創業者は文化人サロンを意識して作ったそうだよ。うちのK
大ともかかわりがあって、学者や文化人が多く集まってたそうだよ。かの洋画家・藤田嗣治(レオナルド・フジタ)は創業者
都は友人だそうでね。このメニューに描かれた踊り子の絵は彼の手によるものだそうだよ」
 いかにも京都にある喫茶店らしいエピソ-ドではある。
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 「しかし、キョン。良かったね。新しい車が手に入って」
 「まあね。だけど、半分は佐々木のおかげだな。阿蘇品さんにミゼットⅡの話をしてくれていたから、いい話が舞い込んできたわけだし」
 「いや、本当に偶然なんだけどね。でも、かなり運転しやすい車だし、涼宮さんや古泉君も乗せられるようになったし、いいものを手に
入れたね」
 「まあ、ミゼットⅡも悪くはなかったが、佐々木やハルヒに窮屈な思いをさせてきたし、これからは楽になるかな」

 ”君と身を寄せ合う事が出来なくなるのは残念なんだけどね”

 「確かに僕もあの車気に入っていたけど、積載量の点では少し問題があったからね」
 「それと皆で出かけるときは古泉に頼りぱっなしだったからな。これで古泉にも遊びに行くときは楽させてやれる」
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 「ところで、キョン。どうやら阿蘇品先輩は、キミの事を気に入ったようだよ。結構いろいろと質問されたよ」
 「別に俺は興味を持たれるようなことは何もないと思うんだがな。ところであの人、もう4年生なら就職活動で忙しいんじゃないか?」
 「もう決まっているそうだよ。自動車会社に内定していると言っていたけど」
 最近、就職活動の時期に関して色々と問題になっているようではあるが、どうやら阿蘇品さんは早々と内定をもらったらしい。
 「・・・・・・しかし、考えたら、後二年もすれば、俺達もいろいろ就職活動とかで忙しくなるんだろうな。まあ、未来の事なんざ、そう、簡単
決まらないような気はするが」
 「これから僕らがどういう未来を生きていくのかはわからないけど、その時になってみないと何とも言えないね」
 「勉強だって、まだ専門課程というわけじゃないからな。でも決断する時はすぐ来るな」
 「確かにね」

 それからしばらくの間、俺と佐々木はその店で自分達の将来について長話をしていた。
 
 
 
 

390:この名無しがすごい!
15/12/20 07:15:47.94 zG0KtzbS.net
支援
やっぱり寂しいのね佐々木さん>席の広さ

391: 【1145円】 【鹿】
16/01/01 06:47:10.49 pHry5m4q.net
あけましておめでとうございます佐々木さん
本年もよろしくお願いいたします

392: 【1189円】 【だん吉】
16/01/01 06:53:20.36 pHry5m4q.net
鹿って何だろう…

393: 【1427円】 【大吉】
16/01/01 06:54:05.92 pHry5m4q.net
よいしょ

394:この名無しがすごい!
16/01/01 13:15:16.67 mI4kTAsV.net
あけましておめでとうございます。
今年もよろしゅう。
今年は一本ぐらいSS描きたいなあ。
前にプロットだけ書いて、
本文書けなかったのを何年も塩漬けしてしまっている

395:この名無しがすごい!
16/01/02 15:38:40.18 aPqerUgL.net
こんな神スレがあったとは&#8943;

396:この名無しがすごい!
16/01/02 19:08:50.96 2b5Q5Bn9.net
>>394
期待してまふ

>>395
よろしくお願いします
新鮮な話題提供してくれるとありがたい

397:この名無しがすごい!
16/01/06 17:54:25.85 7NBwL0MY.net
くっくっ

398:この名無しがすごい!
16/01/06 19:36:27.33 Zznr1KML.net
はちじゅういちっ

399:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/01/10 23:35:12.01 By9Jgto/.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その60

前年に続き、今年の梅雨も最近の傾向とは違い穏やかに終わるかと思っていたら、本当に終わりごろになって
豪雨に見舞われて、郊外のほうで災害が発生し、K大生を始めとする大学生連合のボランティア活動に参加した
り、学業やバイトに励んでいたら、京都の街に、祇園祭りの時期がやってきた。
 (K大生にとっては、それは同時に試験が近づいてきたことを意味しているが)千年のこの古き都の優雅な、
しかし裏にどこか狂乱にも似た熱気をはらんだ祭りを、去年と同様に試験勉強の合間に、息抜きを兼ねて、観光客
や地元の人とともに俺たちは楽しんでいた。
 
 7月の半ばごろ、鴨川沿いの木屋町通りで、俺たちは西御座:八柱御子神 (やはしらのみこがみ)の神輿巡業を
見物していた。
 「キョン」
 俺の左隣に立って巡業を見ていた佐々木が俺の体をそっとつつく。
 「?」
 佐々木が視線を向けるほうへ俺も目をやると、その先には、仲睦まじく並んだ男女のカップルの姿があった。
 ”あれは”
 薄く化粧をして、髪形も普段とは違いその長い髪をなびかせていて、服装も大人の女性を感じさせるがカジュ
アルな衣装を身に着けた阿蘇品さんの姿があった。
 隣にいる男性は長身の、俺達より五つぐらいは年上に見えるが、かなり落ち着いた雰囲気のなかなかのイケメン
だった。
 「普段も美人だと思うけど、ああやっておしゃれしていると、阿蘇品先輩は美人度が何倍もアップするんだね」
 「髪形が違っていたから、一瞬わからなかったよ」
 「社会人の彼氏かな。本人に直接聞いたことはないんだけど、先輩だった彼氏がいるとは周りから聞いたことが
あるんだ」
 「どうりで大人っぽいわけだ」
 阿蘇品さんは彼氏の腕に自分の腕を絡めて、どことなく満足したような表情で巡行を眺めている。
 ”だけど……”
 なぜかその表情に、墨を一滴落としたようなかすかな陰りを俺は感じていた。
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
 
 

400:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/01/10 23:36:02.80 By9Jgto/.net
 私が家庭教師のバイトを始めて二年目になるけど、その教え子である立花香織さんも高校二年生になり、刻一刻
と受験の時は近づいてきていた。
 彼女の目標である京都工芸様式大学に合格するために彼女は実によく勉強していたが、それ以外の時は適度に息
抜きもしていて、勉強のやり方としてはよくバランスが取れている。
 彼女は私とキョンのことを気に入っていて、いろいろな所へ遊びに行きましょうと誘ってくれる。
 彼女の叔母さんに当たる立花遥子さんは、遥子さんが経営するファッションブランドのモデルに私とキョンを
起用したりと、私と彼女との付き合いはかなり深いものになっていた。
 
 祇園祭が終盤を迎えた土曜日の夜。
 私とキョンは、遥子さんに招待されて、以前に食事に来た「鳥極(とりきわ)」にやってきた。
 実は今日は遥子さんと、彼女の”親友”であり公私に渡って彼女を支えてくれている”千秋さん”が結婚する
ことになり、親しい人を集めての報告会ということだった。
 千秋さんはごく平凡な容姿をしているが穏やかな感じのする人で、遥子さんと話しているときも、優し気に彼女を
見守っているといった感じで、とても好感が持てる人だった。
 周囲から祝福されて二人はとても幸せそうだ。
 「どんどん食べてね。今日は私たちのおごりだから」
 その言葉に甘えていろいろ食べていたが、
 「どうもこういう場は、なんかこそばゆいな」
 キョンが遥子さんたちのほうを見て私にこっそりとささやいた。
 「俺がいてもいいのかね、こういう場に、という感じがするんだよな」
 「でも、キョン。遥子さんのブランドのファッションモデルを僕とともに務めたんだ。それを依頼したのは遥子
さんだし、君も十分関係者なんだよ」
 「そんなもんかね」
 
 それからあと、いろいろな人がやってきたが、その中に名古屋から来たという女性がいた。
 ”かなり若いわね”
 話を聞くと、遥子さんのお店が今年の春に新たに出店した、名古屋の松坂屋百貨店に勤めているという女性で、K
大の卒業生ということで、つまりは私たちの先輩ということになる。
 ”遥子さんと同じキャリアウ-マンて感じがする”
 「どう、仕事のほうは?」
 「おかげさまで順調です。あ、それから秋の人事異動で京都の大丸のほうに来ることになりました」
 「あら、じゃあ、ようやく彼氏君と一緒の職場になるのね」
 「はい。今まで遠距離でしたけど、また京都に住めるようになりました。立花さんにもこれまで以上にお世話に
なります」
 「今日は一緒じゃないの?」
 「少し遅れてくるとか言っていましたけど、もう来るはずです。あ、ほら、噂をすれば」
 お店の扉が開き、一人の男性が入ってきた。

 ”え?”
 
 その人の顔を見て、私とキョンは、一瞬言葉を失った。

 ”あの人は……”
 祇園祭の巡行の時、阿蘇品先輩の隣にいた男の人だった。
 
 

401:この名無しがすごい!
16/01/11 06:54:02.60 MAqWy9xR.net
支援
キョンも佐々木さんも目が良いな

記憶力も良いな羨ましい

402:この名無しがすごい!
16/01/11 09:14:28.16 xx/B+q7G.net
                                 -‐…‐-
                             : ´: : : : : : : : : : :: ` :
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                  /:i:|.: .:|: :_」_:/,ノイイ}:/´ ¨'‐-\从イ:.: :.: :.i:::
                    /: 从: :i| ´ Ⅳ `  ノ′  芹示㍉.:|rマ: :.乂
                      /: /: ハ小 i ィ芹心      Vrソ .:.:.|) ソ: : i : ヽ
                      : /.: : : : :i }从 Vrソ     ::::::::: i: : : |f´: /:从 ハ}
                 i: ハ.:i: : : :.|i : : ヽ::::::::::: '  , 、_ムイ :八ノイ ノ'  '
                   八{人{Ⅵハ从: : :ト、:...   `    >‐彡イ..)
                    ヽ/'´    ゙\{ ヾ^ ≧  イ  ト(
                 /          }\    |
. 、               /      '    L_ >≧ミ、                  そういうわけだから
  \            _/ヘwヘ_   /      辷/ 只<}}、
、   \              |     L_/   :r;:   ヽ_」:|-|::|ん\              そのあついおちんちんを僕の中に!!
 V    \          /_    /{          '.L!. Lj   ヽ
  ヽ     >     /´    V 八          }     }  }ドキ          
   、     `>、    /    _/:|  `          ノ      ヽ/_
   `、   `> \ 〈   ´ ̄\             ヽ      Y
    `、   _>  ヽヽ      \   u.        '.     }
      ヽ / >    `、..、._     \               i     ノドキ
        V / \      V  ヽ /     ヽ_           ├‐‐<
       V> ̄     ヽ  /        `、ー         ! /
       ヽ          /         '.   ` 、   / /
       「      / /〉       八       ∨ /        __
          |      〈__/ /  /      {  '.   _,. -―<_  ̄ ̄ ̄      ̄ `
          |        /  / /´ 〉、  ∧  レ'´      <           ,. '
          |        | / /_,.ノ〈 }  } ヽ__)      <            ,. '
         |        し' /-‐ ゙゚{./ / {          <       /
        |       { {し': : :,.': 八_/ くぱぁっ     <_       /
        |         ヽヽ: :/; ;ノ'´  /       u.   < {{   , '
.        !、       } }_,. '´ _,.  '´              ∠ _ヽ.,.'
、        ! ヽ、      -、´ ' ´                    <_/
.'.          '.  >― 、                _,. < /             /
 '.  _,.  ---ヽ       \          _,. <´    ,.'            /
  〉'´三三三三ミ、          >  ..._...  -≦        , '        /
  V/      `ヽ                      /        /

403:この名無しがすごい!
16/01/17 05:53:05.51 8Iq5wXM1.net
>>402
ウウッやめてくれ

404:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/01/18 00:12:02.69 nKwBxETX.net
         カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その61

 鳥極(とりきわ)を出た時には時計の針は、寮の門限を過ぎていた。
 明日は休日というわけで、寮に戻らない学生も多いけど、管理人に連絡を入れておく必要はある。試験の時の合同学習の時と同じように、
今夜はキョンの部屋に泊めてもらうことにした。
 スバルR2SKⅢのLEDヘッドライトの光がすっかり暗くなった京の夜の闇を切り裂き、調整改造されたスーパーチャージャーエンジンの力強い
走りが、街を駆け抜ける。
 この前、涼宮さんと交代交代でこの車を運転させてもらったが、軽自動車でありながら加速の感触はすごくいい。キョンの以前の車、ミゼット
Ⅱも私は好きだったが、この車はさらにいい感じで、涼宮さんも気にいったらしく、最近涼宮さんがちょくちょく借りに来るそうだ。
 「それにしても、遥子さん、幸せそうだったな」
 「そうだね。千秋さんからプロポ-ズされたときは本当に嬉しかったといっていたからね」
 「親友として付き合ってきた、でも本当は、遥子さんは千秋さんのことを一人の男性として好きだったわけだから、気持ちが通じたときはなおさらだろうな」
 「これからは、仕事上の重要なパ-トナーという意味に加えて、人生においてもパ-トナーというわけだね」
 「お互いがお互いを支えあう。ある意味において、理想の関係かもしれないな」
 どちらかが相手に依存するのではなく、お互いが助け合い、ともに高めあい、充実した人生を生きる。理想の男女の関係はなかなか存在しないけど、遥子さんたちは
きっとうまくいくだろう。それはある意味確信のようなものだった。
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 キョンの部屋にはまっすぐ戻らず、私たちは喫茶店「フランソア」によることにした。
 R2SKⅢを手に入れた日、キョンとここに来て以来、このお店がキョンはすっかり気に入り、私たちはよくここによるようになった。
 時間が遅かったので、メニュ-はドリンクとケ-キ類だけだったけど、鳥極で食べていたので、私たちはコ-ヒ-だけを頼んだ。
 クラシック音楽が流れるレトロな空間に、この時間にしてはお客さんも多かったけど、大声でおしゃべりをする者はおらず、店内は落ち着いた雰囲気を保っている。
 キョンと向かい合って、色々なことを取り留めもなく話していたけど、ふと話題は鳥極で見たあの男性、すなわと祇園祭りの神幸行列の時に、阿蘇品先輩の隣に
いた男性に話になった。
 「阿蘇品先輩は、あの男の人の彼女の存在を知っているんだろうか?」
 キョンは少し黙りこんだ後、口を開いた。
 「おそらく知っていると思う。それを承知で付き合っている可能性のほうが高いな」
 「どうしてそう思うんだい?」
 「祇園祭りのときの、阿蘇品さんの表情だ。あの男の人といて、阿蘇品さんは満足したような表情をしていたけど、少し陰りのようなものを感じたんだ。不安の表れだろう
な。男の人の彼女が今日言っていたよな。秋には京都の大丸に人事異動で来るから、て。そのことも知っているんだろう。男の人から聞かされているのかもな」
 キョンは(女心には超×3がつくくらい鈍いが)人の表情を読むことにたけている。わずかな表情の変化から感情を読み取ることが得意だ(高校時代に身につけたらしいけど
どうやってそんなことができるようになったのか、謎だ)。
 「阿蘇品先輩の恋愛の先行きは……あんまりいいものじゃなさそうだね」
 「正直どう転ぶかわからんが、俺の個人的意見を言わせてもらうなら、俺も佐々木と同じように思うよ。先行きなんて決まっているものじゃないけど、結末としては阿蘇品さんが
望むものになるとは到底思えない。これ以上は、な」
 「傷つかないうちに、か」
 阿蘇品先輩もわかっているのだろうけど、恋愛は理屈じゃない。人は理屈だけでは動かない、感情の生き物だ。最近、ようやく私はその意味が分かってきたような気がする。
 店内に流れていたクラシック音楽が止まる。どうやら閉店時間が来たようだ。
 「帰るか」
 キョンがそういって席を立ち、私もうなずいてそれに続く。
 お店を出ると、ほどなくして店内の照明が消えていく。
 車に乗り込み、エンジンをかけて夜の街へと走り出し、キョンの部屋へ向かう。
 開けた車窓から、夏の夜風が吹き付けてきて、私の体を通り過ぎていった。

405:この名無しがすごい!
16/01/18 08:27:23.55 tL8PuMsF.net
支援
これ相手の男性思い切り二股…

406:この名無しがすごい!
16/01/18 19:01:01.07 tL8PuMsF.net
全国的に天気が大荒れの予報で10分前行動を心がける佐々木さん

いやほんと大変なことになりそうですね
皆様大事なきようお祈りしてます

407:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/01/21 23:26:29.68 OwPwPd8I.net
 カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その62

 8月も半分を過ぎたころ、俺たちは試験も終わり、地元へ帰ってきていた。
 今年は俺のスバルR2SKⅢにハルヒと佐々木が乗って、そのあとを古泉がアクセラでついてくるという、
いささか変則的な乗り方で帰ってきた(しかも俺の車を運転したのはハルヒだった)。
 こちらに帰省して3日間が過ぎたある日の朝。
 「それじゃ行ってくる」
 「キョン君、お土産忘れないでね」
 「ああ、わかっている。追加があったら携帯にメッセ-ジ入れておけよ」
 そういってR2SKⅢに乗り込み、駅前に向かう。
 駅に着くと、そこにはハルヒと佐々木と古泉の姿があった。
 「待たせたな」
 「いや、ほとんど待っていませんよ。僕らも今着いたばかりですし」
 そういう古泉の傍らには中型のスーツケ-スがあったが、ハルヒと佐々木の傍らにも同じようなスーツケ
-スがあった。
 「R2に載るかな」
 俺のスーツケ-ス も載せていていささか不安だったが、他の三人の荷物も何とか荷室に詰め込み、皆が乗
り込んで車を発進させた。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 ことの始まりは、まだ京都にいたころの話である。
 試験も無事に終わり、夏休みに突入する直前、ハルヒに電話がかかってきた。
 かけてきたのは鶴屋さんだった。
 「ハルにゃん、元気にしているかい?」
 それからしばらくハルヒは鶴屋さんと話していたが、そのあと、目を輝かせて俺たち(ちょうど俺の部屋で
昼食を食べていた)のほうへ向き直り、鶴屋さんから聞かされたことを話し出した。

 「九州旅行?」
 「そ。鶴屋さんの家の会社が買収したリゾ-トホテルが九州にあるんだって。それも一軒だけじゃなくて、
グル-プ企業みたいだったから、九州内にいくつもあるみたいよ。そこに行かないかい、だって。しかも宿泊費
はタダでいいって」
 「それはいい話だな」
 鶴屋財閥が買収したホテルがどの程度かはわからないが、少なくともカプセルとかビジネスとかのホテルでは
ないだろう。
 「でも、涼宮さん、どうやって九州まで行くの?」
 「それがさ、鶴屋さんの家所有のビジネスジェットで神戸空港から九州の空港まで行って、そっからレンタカ-
で九州巡りて話よ。面白そうじゃない!」
 「豪勢な話ですね。さすが鶴屋さんです」
 「まあ、面白そうな話だな。ん?待てよ、当然国木田も来るのかな」
 「たぶんそうじゃないの。鶴屋さん、そこは何も言わなかったけど」
 「それで日時はいつなんだ」
 「日時はね……」
 幸いにもその日からしばらくは全員予用事はなく(帰宅したばかりで予定も何も入れることもできていない)、
十分旅行を楽しめる時間はある。
 全員異存はなく、すぐにハルヒは鶴屋さんに連絡を入れ、俺たちは九州旅行に行くことを決定した。
 

408:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/01/21 23:27:18.29 OwPwPd8I.net
 -----------------------------------------------------------------------------------------------
 最新式の小型ビジネスジェット機・HondaJet(ホンダジェット)に乗り、神戸空港から離陸し(空港の客と違
ったとこから乗り込み、しかも自家用ジェットで)空の旅が始まるというのは、なんとも贅沢な気分である。
 乗客は、俺、ハルヒ、佐々木、古泉、鶴屋さん、そして国木田である。
 「最初は阿蘇熊本空港におりるっさ。そこからレンタカ-でまずは熊本市観光だね。そのあと阿蘇に向かう。
阿蘇観光の後はホテルに向かい、まず一日目はそこで終了だね」
 「ホテルはもちろん温泉付きよね?」
 「そこは抜かりないっさ。有馬も悪くないけど、うちが買収したホテルは折り紙付きだよ。なんたって九州は
温泉王国だからね」
 「まあ、確かに火山の数は、九州は近畿とは比べ物にならないですしね」
 「そういえば、k大の地球熱学研究施設、ようは 火山の研究センターなんだけど、阿蘇と別府に研究所を設け
ていたね」
 「当然別府も行くよ。まあ、そこらへんはお姉さんに任せなさい」
 そんなことを話しているうちに、飛行機の窓の外に、広い草原と噴煙を吐く雄大な山々が見えてきた。
 「まもなく当機は着陸態勢に入ります」
 飛行機は高度を下げていく。
 管制官の誘導に従い、飛行機は滑走路に入っていく。
 軽い衝撃。タッチダウン。
 俺たちは熊本に到着していた。
 
 
 
 

409:この名無しがすごい!
16/01/21 23:52:59.03 2DRkGTAI.net
支援
8月後半の九州とかちょっと暑そうだ
台風はどうだろう最盛期はもう少し先かな

410:この名無しがすごい!
16/01/22 13:30:27.82 9zKE0KW4.net
総合評価 30pt
ブックマーク登録:15件    【全作品は官能&ライトノベル&コメディー作品だよ】
71,201アクセス
【義母特別編・早漏VS遅漏】      晒し中  商社【1】 晒し中

性転換【Ⅹ】                晒し中  商社【2】 晒し中
総合評価 200pt
ブックマーク登録:73件
『290,287アクセス』         【全作品は官能&ライトノベル&コメディー作品だよ】

【なろうサイト内で検索OK】       晒し中
【グーグルで検索OK】          晒し中
【ヤフーで検索OK】           晒し中
【縄奥で検索OK】               
                             
【高校生】                   晒し中
誘拐【Ⅳ】                   晒し中
生まれ変わり                 晒し中
畜生!! 続編               晒し中
畜生!!                   晒し中
正月帰省                   晒し中
性転換【ⅩⅠ】                晒し中
義母Ⅶ【白鳥千里と息子の俊介】     晒し中
【強姦魔・杉山郡代と被害者・小池夏美】 晒し中
真行寺由真と誘拐された新田佳織    晒し中
河野博史と姉の美沙             晒し中
鮎川麻里子と達也              晒し中
中村健二と妹の美歩             晒し中
柿崎純子と沢村一樹             晒し中
大杉健三と木山順平             晒し中
お仕事                      晒し中
義母VS義息                  晒し中
性同一性障害【Ⅱ】         晒し中    
性転換【ⅩⅡ】            晒し中
大家                  晒し中
ブラジャー【Ⅶ】           晒し中
性同一性障害            晒し中
義母【番外編】            晒し中
義母【Ⅵ】               晒し中
発端                  晒し中
心と身体は別物…          晒し中
女装男と侵入者           晒し中    
お兄ちゃんダメエェー! Ⅱ     晒し中
【お兄ちゃんダメェ…】Ⅰ      晒し中
本日も客足なく【サバイバル】   晒し中
お兄ちゃんダメエェー…【Ⅲ】   晒し中
鬼畜の美食家【総集編】      晒し中
鬼畜の美食家【下巻】        晒し中
鬼畜の美食家【中巻】        晒し中
鬼畜の美食家            晒し中    
性転換ⅩⅢ              晒し中
中堅商社・島崎部長         晒し中
義母監禁そして調教・其の二   晒し中
義母の小保方晴美と俊二     晒し中
義母監禁・調教そして折檻     晒し中
性転換ⅩⅡ【エクストラ】      晒し中
義母監禁そして調教         晒し中
【タブー・心と身体は別物・Ⅱ】   晒し中     
ザッ! 監禁そして調教      晒し中
【タブー】                晒し中

411:この名無しがすごい!
16/01/24 07:11:57.17 kRWwY6iX.net
⌒(゚∀゚)⌒<ユキデスヨササキサン!ユキガッセンシマショ!!


⌒(゚Д゚)⌒<ヘンジガナイ…

412:この名無しがすごい!
16/01/26 18:01:48.28 Qf6NMJbz.net
>>411
こんにちは

413:この名無しがすごい!
16/01/26 18:30:34.81 U8sypKUE.net
>>412
⌒(゚Д゚)⌒<モウシャーベットナノデス…

⌒(;∀;)⌒<グチョグチョノドロドロニナッチャウノデス…

414:この名無しがすごい!
16/02/02 07:54:36.59 bkz/kgFq.net
雪が降った。
俺の愛用している通学路は1面雪景色に変わり、積もった雪はきらきらと日を反射し、眩しく感じさせた。
登校中は、ハイキングコースどころか、遭難まっしぐらの冬山を登山しているような気分だぜ。
普段より三割増の辛さを感じながら登校していると、後ろから不意に声をかけられた。
「キョン!」
なんだ、と思いつつ振り返ると、飛んでくる白い塊が視界に入った。
その白い塊の正体を認識した時には既にそれは俺のおでこに命中し、
「のわっ!」
俺は情けない声をあげ、後ろへ仰け反った。
危うく尻餅をつきかける所でなんとか立て直し、それを俺めがけて投げて来た張本人を見る。
「くつくつ、キョン、こんなものも避けられないなんて、君も腕が落ちたね。」

415:この名無しがすごい!
16/02/07 21:28:04.50 j4e2ZLyr.net
いきなり雪玉ぶつけるとか、佐々木も随分酷いことするな。
親しき仲にも礼儀ありって知らないのか?
お返しに石入りの雪玉ぶつけられて額割られても、文句言えんぞ。

416:この名無しがすごい!
16/02/07 21:36:07.02 QVU8Iw4d.net
一面雪景色だからといって投げられたものが雪玉とは限らない

417:この名無しがすごい!
16/02/07 22:05:00.39 lMs4ZTXY.net
つまりバレンタインのホワイトチョコという可能性もあると

あと一週間ですよ佐々木さん

418:この名無しがすごい!
16/02/08 00:59:45.46 UzkgUuTj.net
給料三ヶ月分の石が入った雪玉ですね、わかります

419:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/09 22:36:29.97 ZBxm9RBl.net
          カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その63

 熊本に降り立った第一印象は「暑い!」の一言である。
 日本で、沖縄を除けば夏日と呼ばれる日が一番多いともいわれる土地らしいが、成程、さすがに火の国
と俗に言われるだけのことはある(京都も暑いといわれるが、熊本のほうが暑いと思う)。
 「さすがに九州は暑いですね」
 さわやかスマイルの古泉の額にも汗が浮き出ている。
 「この暑さはなかなかのもんだね。おね-さんにも少々こたえるね。早いとこ車に移動したほうがよさそ
うだね」
 空港ロビ-を出て、向かいの駐車場に行くと、そこに社員証をつけた二人組の男性がいた。
 「お待ちしていました」
 二人組は鶴屋さんの家の企業に属するレンタカー会社の社員だった。
 「長距離移動をかなりやるから、大きな車でないと疲れるっさ」
 車はトヨタ・ベルファイヤのハイブリッド車だった。これは鶴屋さんも所有し、正月に乗りまわしていた
、安心感のある車だ。
 鍵を受け取り、全員車に乗り込んだ。
 運転席に国木田。助手席に俺。後方座席の一番前に古泉。女性陣は座席を一部倒して広い席を作り、そこに
座る。
 「国木田が運転するのか?」
 東京では公共交通機関が発達し、車は運転する機会は少ないと思っていたのだが、
 「海外ボランティアで結構運転する機会は多いんだ。向こうは悪路が多くてね。トヨタのタコマとかランド
クル―ザ-とかのピックアップトラックとかSUV、それと小型バスとか運転しているよ。大型免許もいずれ
は取得する予定だけど、まあ、この手の車は運転するのは慣れている」
 しばらく会わないうちにずいぶんたくましくなったようだ。
 本日最初の行先は、九州のへそともいうべき、世界最大のカルデラ、阿蘇(空港にも名前が付けられている)
である。最初は熊本市観光を考えていたが、機内で話すうちに予定を変えて、阿蘇周辺を回ることにしたのだ。
 「そのあと、天孫降臨の地、神話の里・高千穂にいくっさ」
 「日本有数のパワ-スポットですしね。九州に来たならこの二つは抑えとかないと」
 古泉の”パワ-スポット”という言葉に、ハルヒが、高校時代に俺が見慣れた反応を示したが、とりあえず無
視しておこう。
 

420:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/09 22:38:10.61 ZBxm9RBl.net
 空港を出て左折し、さらに左折して直進すると、風車と小高い山が目に入ってくる。
 ナビを見てみると、俵山と表示されていて、風車は風力発電機のようだ。
 この山にトンネルがあり、そこを抜けると、阿蘇の外輪、南阿蘇村というところに出る。
 「へえ、いい景色じゃない」
 トンネルを抜け、少し走ると、南阿蘇の風景が車両の左手に見えてくる。
 阿蘇五山といわれる山々の麓に広がる草原と、人々が生活を営む村の景色が広がる。
 まだ少し青い稲が揺れる田んぼに交じり、畑に咲き乱れる白い花は蕎麦の花のようだ。
 阿蘇の山は現在も活動中で、火口周辺の立ち入り制限が解除されたのはつい先月のことだそうだが、噴火の煙は
よく晴れた夏空にたなびいている。マグマか三首頭の怪獣が地下にあるせいだろうが、阿蘇の活動は活発のようだ。
 「そろそろどこかトイレ休憩でもしようかね」
 ちょうど左手に道の駅らしき建物が見えてきたので、国木田はそこへハンドルを切り、駐車場に車を止めた。
 ---------------------------------------------------
 「南阿蘇道の駅 あそ望の郷 くぎの」というかなり長い名前の道の駅で、トイレを済ませた後、すぐに立ち去るつ
もりだったが、建物の裏手にある広大な芝生の広場と五山の景色に、つい心奪われ、少し休憩することにした。
 芝生の上に座って、山からの涼風に吹かれながら阿蘇の風景を眺めるというのも、なかなか乙なものである。
 ハルヒと鶴屋さん、古泉は芝生広場に隣接するドッグランにいた犬達(なにか大会でもあるのか、大型犬が多くいた)
と戯れている。
 「実に絵になる風景だね」
 俺の隣に腰かけている佐々木がそうつぶやく。
 美男美女故の三人なので、他の観光客の注目を集めており、そちらに視線を投げかけているのがわかる。
 「まあ、あの三人はどうしても目立つからね。特に涼宮さんは北高時代もいろいろ目立っていたしね。容姿だけではなく
他のことで、いろいろと」
 国木田が何か思い出したような感じで笑いながらそういった。
 「彼女は小学生の時から目立っていたよ。いづれにせよ、人の耳目を集める存在ではあるからね」
 そういや佐々木は小学生のときからハルヒを知っているんだった。
 「ところで、ここでのんびりするのもいいが、予定は大丈夫だろうな?」
 「心配ないよ。今回の旅行は予定なんかないようなものだから。最初の行先だって変更したわけだし、旅行会社のツ
ア-客じゃないんだから、僕らは。今日泊まるホテルには、夕方の5時までに着けばいいって鶴屋さんが言っていたか
ら、十分時間はあるよ」
 「そうだね。時間はまだ10時ちょっとだから、のんびり行こうよ、キョン」
 国木田と佐々木の言葉に、それもそうか、という気分になり、しばらくぼんやりとハルヒたちの遊ぶ姿と、南阿蘇の
景色を楽しむことにした。

421:この名無しがすごい!
16/02/09 23:28:59.40 XRDBWrWp.net
支援
阿蘇の草原は放牧されてる牛や馬の生理現象の産物を踏まないよう注意って言われた記憶がまず最初に(-_-;

422:この名無しがすごい!
16/02/11 15:18:46.00 lVtBxDYn.net
乙です

423:この名無しがすごい!
16/02/12 22:00:45.85 HdKCgzSv.net
きょこたんスレ落ちてる?

424:この名無しがすごい!
16/02/14 15:22:02.62 cTR6C/Dl.net
        , -‐- 、、
.      〃   ; ヽヾ
      ハミ((メノリ从))
..     _| i(| -- --|!|
    ノ\| トリ、|| ヮ||ノ!|ヽ
    \ノ| ̄ ̄○○ ̄|\
     \|_____|

この板でスレ落ちするなんてまさか思わなかったのです

425:この名無しがすごい!
16/02/14 16:57:13.43 420B9Jrd.net
どんまい

426:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/14 23:56:04.34 UCbSBnli.net
        カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その64

 一日目の夕方
 阿蘇・赤水温泉の一角にある、「ホテルオ-デン阿蘇赤水」の和室で、俺と古泉と国木田は荷物を
おいて、くつろいでいた。
 道の駅で休憩した後、草千里で乗馬を楽しみ、火口近くで大地のエネルギ-に圧倒され、高千穂の神社で
神話の世界を体験した後、ボ-トを漕ぎながら、溶結凝灰岩の柱状節理の峡谷に見とれ、阿蘇の火山が作り
出した自然を目いっぱい堪能した。
 「ホテルオ-デン阿蘇赤水」は、最近鶴屋さんの会社が傘下に収めたホテルグル-プに属し、阿蘇観光の
入り口の位置にある赤水温泉にその陣容を構えている。
 ハルヒご希望の露天風呂はもちろん、付属のゴルフ場もそなえており、俺達学生よりも、むしろ少し上の世代
や家族連れ、ビジネス絡みの客に使われそうな感じを受ける。
 客室は広大な日本庭園に面し、庭園委は桜の木や楓の木などが植えられ、阿蘇の山々を借景としていて、落ち
着いた雰囲気を感じさせる。
 「いいホテルですね」
 窓の外の景色を古泉は置きに召したようだ。
 「夕食前に露天風呂に入ろうか」
 「そうだな。結構汗もかいたしな。まだ食事の時間まで間があるから、今のうちに入っておくか」
 国木田の提案に俺と古泉はうなずいた。
 -------------------------------------------------------------------------------------------
 露天風呂で体の疲れを取ったあと、夕食は個室宴会場に設けられた特別席でとることになった。どうやら、
グル-プの親会社の社長令嬢である鶴屋さんへの配慮らしい。
 「さすが鶴屋さんね」
 ハルヒが感心したようにつぶやく。
 昼食は阿蘇の名物らしい、豆腐の田楽と郷土料理を高森町というところで(水がきれいなところだった)
を味わったが、夕食は阿蘇の草原で育った短角牛(赤牛)がメインらしい。
 「郷土料理も選べるのだけど、お昼に食べたからね。ここは定番らしく、ハルにゃんも好きなお肉と行こうか
ね、と思ったわけっさ」
 鶴屋さんによれば、このホテルでは値段は同じで料理を選べるようになっているそうだ。和食から洋風、中華
やイタリアンなどもあり、幅広い好みに対応しているらしい。
まずは飲み物が運ばれてくる。
 ウ-ロン茶とエビスビ-ル。全員のグラスに仲居さんがついでくれ、目の前に置かれる。
 「おおっ」
 続いて運ばれてきた料理の見事さに、思わず声が出る。
 このホテルグル-プは自社牧場や農場を持っており、そこから食材を仕入れ提供しているそうだが、「早く食
べてみたい」と思わせるような肉の艶が見て取れる(居酒屋でバイトしていると、自然、食材の良し悪しがわか
るようになってきた)。
 「それでは、皆さん。旅行第一日目、お疲れさんでした。乾杯~!!」
 鶴屋さんが乾杯の音頭を取り、グラスを合わせ、皆が乾いたのどに流し込み、のどを潤した。
 「ぷは~、美味いっ!!」
 勢いよくビ-ルをのどに流し込んだハルヒは、二杯目をグラスに注ぎ、実にいい飲みっぷりでそれをあおった

 「これもあけましょうかね」
 そういって古泉は今日手に入れた日本酒を取り出した。一つはこの阿蘇の地酒「れいざん」で、もう一つは高
千穂町で受け継がれてきた高千穂神社の神楽の時奉納されるという「舞」という酒だった。
 「持ち込みはいいんですか、このホテル」
 「客にもこだわりはあるだろうからね。このホテルにも地酒はそろえているけど、客の好みに合っているとは
限らないから、認めているんだわ。ホテルも客も方にはまりすぎているからね、日本の観光は。少しづつ時代に
合わせてやり方を変えていかないと」
 古泉から日本酒用のグラスに注いでもらい、俺も古泉のグラスに注いでやる。
 「キョン、僕にもいいかな」
 佐々木に頼まれ、佐々木のグラスにも注いでやる。
 「ハルヒはどうだ」
 「あたしはエビスが美味いから、まだこっちでいいわ。でも後で頂戴ね」
 古泉と佐々木のグラスに合わせ、日本酒を口に含む。酒の旨みがしっかり感じられるが、切れがよく、すぐに
次を飲みたくなるような、万人受けする味わいだ。叔父さんの居酒屋においても人気が出るだろう。
 ”長東への土産に買っていこうかな”
 

427:この名無しがすごい!
16/02/14 23:57:03.47 xZDv9kgC.net
ぶっちゃけ、きょこたんは驚愕から、株を下げっぱなしだからな。
キョンにもザコ扱いされたり、藤原&九曜に利用されている事にも、気づかなかった無能っぽいし。
陰謀の誘拐犯で登場した時は、クールな性格みたいに感じられたが、残念な娘になった。

428:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/14 23:57:06.82 UCbSBnli.net
 そんなことを考えていると、なぜか佐々木がエビスビ-ルの瓶を眺めて笑っている事に気づいた。
 「どうした、佐々木。もう酔ったのか」
 あんまり佐々木は酒に強いわけではない。
 「いや、ちょっと昔のことを思い出しただけだよ、キョン。ほら、国語の授業の時に、夏目漱石の『二百十日』が
題材で、君が『ほとんど会話劇だよな。そのまま秋の文化祭の朗読劇に使えるんじゃないか』とか言って、そのあと
君と僕で、文化祭の各クラスの出し物代表に選ばれそうになったことを、ね」
 過去の自分の愚行を思い出して、思わず俺は顔をしかめる。
 自分の不用意な一言をクラスの他の奴らに聞かれていて、俺と佐々木に文化祭でのクラスの代表に出そうかという
声が上がり、担任も乗り気になったが、さすがに無様な姿をさらけ出すのは(佐々木は心配ないが、俺が、な)いや
だったので、断り続け何とか免れたが。
 ただ、その小説の一説は、コント劇の様だったのでなぜか覚えている。
 『ビールはござりまっせん』
 口に小説の一部分を出してみると、佐々木が言葉を続ける。
 「ビールがない?―君ビールはないとさ。何だか日本の領地でないような気がする。情なさけない所だ』
『なければ、飲まなくっても、いいさ』
 口元が噴き出しそうになりながら、次のセリフを口にした
『ビールはござりませんばってん、恵比寿ならござります』
『ハハハハいよいよ妙になって来た。おい君ビールでない恵比寿があるって云うんだが、その恵比寿でも飲んで見るかね』
 佐々木のセリフのあと、二人同時にハルヒのほうへ視線をやり、グラスに何杯目かのエビスビ-ルを古泉に注いでもらって
て、満足した表情で肉をつまみながら飲み干す姿を見て、俺たちはおかしさがこみあげてきて(酒が入っていたせいもるだろ
うが)、大いに爆笑した。
 
 

429:この名無しがすごい!
16/02/15 07:31:14.40 3u/4ndoq.net
支援
日程なき日程詰め込みなような
ハルヒパワーが働いてそうな気がしてくる

>>427
クールなふりして森さんと相対した時、実は恐怖でおもらししてましたなSSがあったね
先見の明すごいw

430:この名無しがすごい!
16/02/20 12:13:42.14 Apxkegac.net
SSの途中で、割り込んでしまったな。申し訳ない。
それとついでに言わせてもらうと、俺はきょこたんの
「ハルヒは世界を滅ぼす危険があるから、能力を佐々木に移そう」の考えは
理解出来るし、悪いとは思わないけど、どうもその提案は賛同し難かったな。

パソコン奪われたコンピ研の部長氏や、映画撮影でハルヒにエアガンで撃たれた神主さんみたいな
ハルヒのワガママの犠牲者が言っているなら、共感できるが
以前の誘拐の件が無かったとしても、彼女も胡散臭くて怪しいとしか、感じられなかった。

だからハルヒが好き勝手振る舞う現状も、良くないけど、きょこたんの提案も、良いとは言えない微妙な気持ちだった。

431:この名無しがすごい!
16/02/20 14:42:57.07 d8OretnG.net
能力を全キャンセルならどうしてただろうね
たぶん歴史ごと変わるから無理かなやっぱ

432:この名無しがすごい!
16/02/21 11:21:07.72 qZrMhj6I.net
当の佐々木も、別にそんなのいらないと乗り気じゃなかったしね。
分裂で再会した時に「そんな顔しないでよ」なんて、キョンに発言するあたり
みくる誘拐に関しては、真摯に謝っているわけではないことが透けて見えた。

433:この名無しがすごい!
16/02/23 19:34:50.33 BoGV/dAW.net
にゃんぱすー

434:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/23 23:43:43.37 tqvXfqBC.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その65

 二日目の朝。
 昨夜の酒が少し残っていたせいか、何か頭に重いものでも乗っているような気分だったが、古泉や
国木田と朝風呂につかり、ホテルの庭園と阿蘇の山々を眺めているうちに気分もよくなり、上がる頃
には体調や思考能力も回復していた。
 「おはよう、キョン」
 朝食を食べるために女性陣三人と合流し、ビュッフェスタイルの朝食を提供するホテル内レストラン
に向かったのだが、夕べ一番飲んでいたはずのハルヒは、酔いの影響など毛頭見せず、元気いっぱい、食
べる気満々の戦闘態勢に入っていた。
 朝食はこのホテル名物、自家農場や牧場で収穫された野菜や肉を使った、自家製ハムやパンを中心とし
たドイツ料理と、和食がいいという滞在客のために用意された和食の惣菜が並べられたバイキングである。
 とりあえず自分たちの好みの品を取り皿にのせ、確保したテ-ブル席に座る。
 「……ハルヒ、お前、それ食べれるのかよ」
 一人だけ明らかに多く、山のように積まれた取り皿を見て、思わず俺はハルヒに尋ねる。
 「心配ないわよ。どうせ今日もあちこち行くんでしょう?体力つけておかないとね」
 「……昼飯も食べるんだぞ?」
 「大丈夫よ。こんなもんは序の口よ。昼食前には軽く消化を終えているわよ」
 俺の言葉を一笑に付し、ハルヒは朝食に手を付け始めた。
 ---------------------------------------------------------------------------------------------------
 ホテルをチェックアウト後、ベルファイアに乗り込んだ。今日の行先は熊本のシンボル、熊本城なのだ
が、その前に、昨夜の佐々木と俺の会話から、「二百十日」の舞台となった内牧温泉にある漱石記念館(
文豪の宿・山王閣という所にあった)を尋ねることになり、その後、この阿蘇の地を造った神様を祭る阿
蘇神社へ向かうことにした。
 「僕らも文豪になった気分だね」
 佐々木が機嫌よさそうな表情で、阿蘇神社の門前町の風景を散策している途中、そういった。
 「まあ、俺には文豪になれるような素質はないけどな。佐々木、お前なら書けるんじゃないのか?」
 俺の文才のなさは高校一年の時、実証済みだ。
 「小説は読んだほうがおもしろいよ。ただ、僕としては紀行文とか随筆とかのほうがいいかな。他人の
感性を知るという意味ではそれらはいい素材なんだよ。この前図書館でたまたま読んだ寺田寅彦の随筆は
面白かったよ」
 「物理学の随筆か?」
 「いや、『珈琲に関する哲学的考察』というものでね。もともと寺田寅彦は俳人としても随筆家としても一流の人物
だしね。とても興味ぶかく読みやすかったよ。明治の知識人は教養に優れていたんだね。彼らが書く紀行
文は面白い物が多くて、例えば、同じく明治時代の小説家・田山花袋の紀行文は当時の人々からも相当人
気を博していたそうだけど、今読んでも当時の時代の様子が鮮やかに蘇ってくるような感じを受けたね」
 「『蒲団』とか『田舎教師』とかぐらいしか知らないな、俺は」
 「まあ、あの印象が強すぎるからね。そういえば、田山花袋の父は西南戦争で戦死して、その墓参の為に
熊本県に来たことがあるそうだよ。彼の一生にはその父の死から始まる家庭環境の変化に伴う影響があると
いわれているけどね」
 「……いろいろな要素がまじりあって名作も文豪も生まれるということだな」
 そんなことを話しながら門前町を歩いていると、「水出し珈琲」の文字が書かれた暖簾が目につき、俺達
は乾いたのどを潤すために、そのお店に入った。
 
 

435:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/23 23:44:25.88 tqvXfqBC.net
------------------------------------------------------------------------------------------------
 阿蘇神社におさらばし、車を熊本城に向けて走らせることになったのだが、その途中、国木田が「寄りたい
ところがあるので寄り道していいかな」と言い出した。
 「どこに寄るんだ?」
 「熊本大学に」
 「大学に?またどうして」
 「僕が所属している海外援助のボランティア活動をしている学生団体のメンバ-がそこにいてね。今も協力して
もらっているんだけど、挨拶をしておこうと思ってね。それに今、僕らが関わっている援助プログラムの問題解決
に役立つ研究の資料がまとまったという連絡を、一昨日受けていたんで、それも受け取ってこうかと思って。三〇
分ぐらいで終わると思うけど、いいかな」
 「いいと思うよ。どうせ、この旅行は行先はそこまでしっかり決めていないんだし。国木田君の好きなようにして
いいっさ」
 「異存なしだ」
 「お昼に影響が出なければ問題ないわよ」
 「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて」
 それから国木田はナビを操作し、案内に従い、大きな幹線道路から支線に当たる道のほうにハンドルを切った。
 

436:この名無しがすごい!
16/02/24 07:00:16.51 e6Ee+Onf.net
支援
文学話の時はハルヒ絶対退屈そうな顔してたろうなwフォローの古泉がんば

437:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/24 22:43:18.97 rXMHRWn9.net
カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その66

  県道377号線という道路を走っていると、前方にいかにも大学の敷地です、というような感じの建物群が
見えてきて、事実、そこが熊本大学・黒髪キャンパスだった。
 大学の敷地に入り、駐車場に車を止めると、正面にレンガ造りの建物が見えた。
 「趣のある建物だな」
 「旧制第五高等学校・熊本大学 五高記念館と言って、この大学のシンボルみたいなものだよ。100年以上
前の建物だそうだよ」
 「立派なものだな」
 「国指定の重要文化財だと聞いているよ。ついでに言えば僕らの地元の旧県庁、現在では県公館として知られる
建物を設計した山口半六がこの建物を手掛けているそうなんだ」
 意外なところで俺たちの地元とつながっているんだな、と俺は感心する。
 「あの建物が待ち合わせの場所になっているんだ。ちょっと行ってくるね」
 そういって国木田は車を降りたのだが、
 「ちょっと待ってくれ、国木田。俺もついていっていいか?」
 好奇心が沸き起こり、よその大学のキャンパスを覗いてみたいという気になったのだ。
 「いいけど、そんなに長居はしないよ」
 「それでもいいさ。京都以外の大学に来る機会などそんなにないからな」
 「国木田君、僕も行ってみたいんだが、いいかい?」
 なぜか佐々木までが乗り気になって、国木田はちょっと首をかしげたけど、
 「いいよ。でも、用事はすぐに終わるよ」
 「それで結構だね」
 「他に行くやつはいないか?」
 俺が尋ねたが、ハルヒは首を横に振った。
 「三十分くらいなんでしょ。車の中で待っておくわ。もう日差しが強くなってきているし」
 「僕もここで皆さんをお待ちしておきます」
 「あたしも待っておくっさ。ハルにゃんとゲ-ムでもしているよ」
 古泉と鶴屋さんは残るといったため、とりあえず、俺と佐々木は国木田の後について、熊本大学にお邪魔する
ことになった。
 

438:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/02/24 22:44:10.47 rXMHRWn9.net
---------------------------------------------------------------------------------------------------
 ”彼”と佐々木さんと国木田君が出て行ったあと、涼宮さんは鶴屋さんと僕を交えてカ-ドゲ-ムを始めたが、ど
こか表情がさえない感じだった。
 「どうしたんだい、ハルにゃん。なにか悩み事でもあるのかい?」
 鶴屋さんもその様子に気づいたようで、涼宮さんに声をかける。
 「悩み、て程でもないんだけど……」
 珍しく涼宮さんの歯切れが悪い。
 「どうしたんだい、遠慮なくいってごらん。おね-さんは口が堅いっさ。古泉君はいないものと思って話して
みるっさ」
 少し無理がありませんかね、鶴屋さん。
 「うん……まあ、そんなにたいしたことじゃないけどさ、キョンと佐々木さんと国木田君達、ほんと仲がいい
よね」
 その言葉で本当は涼宮さんが何を言いたいのか、僕はピンときた。
 昨日もそうだけど、キョンと佐々木さん、何か別の話で盛り上がっていたし、今朝も佐々木さんの話を熱心に
聞いていたし、今は今で三人で出て行ってしまうし……」
 ほぼ国木田君は関係ないような気がするが。
 「まあまあ、ハルにゃん。そりゃ、もともとあの三人は仲がいいっさ。中学校は一緒だったんだし。国木田君は
高校も一緒で、佐々木さんは高校は別だったけど、今じゃキョン君とハルにゃんと古泉君と一緒の大学っさね。
国木田君が言っていたけど、キョン君や佐々木さんとは波長が合うみたいなこと言っていたっさ。それにキョン君は
女性に優しいしね。おね-さんのひいき目でもなく、キョン君は女性にとっても話しやすい感じがするからね。
でも、ハルにゃん、付き合いは佐々木さんや国木田君の方が早いかもしれないけど、キョン君と一番密度の濃い時間を
過ごしてきたのはハルにゃんじゃないのかい?おね-さんは高校時代の二年間、ハルにゃん達を見てきたけど、そう思う
っさ」
 確かに鶴屋さんのいうとおりだ。”彼”と涼宮さん、それに僕と長門さん、朝比奈さんは、少し前の、でも今では幻
のように思える高校時代の時を、密度の濃い、楽しい時間を過ごしてきた。その時間の中で、”彼”と涼宮さんは強く
結ばれたのだ。
 しかし……
 「ハルにゃん、細かいことを気にしていても、いらん気苦労を背負い込むだけだよ。どんと構えてりゃ問題ないっさ」
 豪快ともいえる笑顔で鶴屋さんは涼宮さんの心のもやもやを(高校時代だったら神人が出現していたかもしれないが)
笑い飛ばし、涼宮さんもしばらくして「そうね、鶴屋さんのいう通りだわ」といってうなずき、その後ゲ―ムに熱中して
いたが、何となく、僕の心の奥底に、形容しようがない滓のようなものが残った。
 
 
 
 
 

439:この名無しがすごい!
16/02/24 23:16:08.80 e6Ee+Onf.net
支援
文学話はタイムリーのフォローはなかったのか
腕が落ちたな古泉

でなければ、キョンとの距離が離れるのを無意識に歓迎してたのかもと解釈してみよう

440:この名無しがすごい!
16/02/26 00:07:34.80 e8lz5cZt.net
支援しえん

441:この名無しがすごい!
16/02/26 01:00:33.87 GhtU763F.net
蒲団しか読んでないわ……レベルたけえ

442:この名無しがすごい!
16/02/29 09:32:19.96 YJ/UsxpF.net
支援

443:この名無しがすごい!
16/02/29 19:45:17.09 ECndlHVq.net
閏日ですよ佐々木さん

444:この名無しがすごい!
16/03/03 21:15:11.19 SQ0dTbfh.net
ひな祭りですよ佐々木さん

445:この名無しがすごい!
16/03/11 02:31:03.87 clpdKMTG.net
もうすぐホワイトデーですね

446:この名無しがすごい!
16/03/11 07:39:36.67 cKMeddy+.net
震災から5年か……

447:この名無しがすごい!
16/03/13 01:39:46.37 QiolkYQw.net
       カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その67
 
 熊本大学も俺達のK大同様、夏期休暇に入っているのだが、大学生というのはいろいろな用事があるがゆえに
休暇中でも大学に出てくるものはそれなりにいる。
 熊大のキャンパス内にもそのような学生の姿が見られ、それゆえに他校の学生である俺達がいても、学生達は
気にも止めず(佐々木はその容貌故に視線を向けられていたが)、俺達は敷地内を通り、この大学のシンボルと
言われ、大学の歴史を体現している旧制第五高等学校・熊本大学 五高記念館の正面に立っていた。
 「今朝、キョンに話した物理学者・寺田寅彦も此処の卒業生だそうだよ」
 今回の旅はいろいろと歴史が感じられる旅のようである。
 
 赤門と地元の人に呼ばれているという門を通り抜けると、左手に学生会館らしき建物があり、そこにも学生の
姿があった。
 「もうすぐ待ち合わせの場所につくはずなんだけどね」
 そういいながら、国木田はスマ-トフォンの画面を覗き込んでいる。
 「姉羽さんの地図だと、大木の先に小泉八雲の碑があって、そこで待っている、と」
 姉羽さんという人がどうやら待ち合わせの相手のようだ。
 「ああ、その木だね。ということは……」
 「国木田君!!」
 国木田が再び画面から顔をあげたとき、国木田は名前を呼ばれ、目の前に女性が表れ、国木田に抱き着いた。
 「わっ!」
 勢いあまって、国木田はひっくり返りそうになり、すんでのところで俺と佐々木が支える。
 「あ、ごめんなさい、大丈夫?」
 「大丈夫です……ありがとう、キョン、佐々木さん」
 体勢を立て直し、国木田は女性に向かって頭を下げる。
 「お久しぶりです。姉羽さん」 
 「本当に久しぶり。3月にバナン共和国で別れて以来かしら」
 「そうです。あの時はお世話になりました」
 目の前の女性は、国木田に笑顔を向けて会話しているが、それにしても、かなり身長が高い女性だ。190Cm
はあるのではなかろうか。
 そして、その容姿から、彼女はどうやらハ-フのようである。
 「キョン、佐々木さん。紹介するよ。この人は姉羽クレインさん。熊本大学工学部建築学科の4年生で、僕らのサ-クル
『近江会』の外部連携協力者のメンバ-なんだ」
 「東大以外の学生でもお前の所属しているサ-クルは入れるのか?」
 「僕らのサ-クルの顧問をされている坂村教授は学外にかなりのつながりを持っていてね。熊大の教授にも協力者がいるんだ。
姉羽さんのゼミの担当教授の方なんだけどね。サ-クル自体もNPO法人(特定非営利活動法人)に組織を改編して、日本中の
大学とネットワ-クを作って連携しているよ。K大には参加メンバ-はいないけど、京都の大学には何校か参加してもらっている
んだ」
 「なかなか大がかりだな」
 「まあ、確かに。もうサ-クルレベルとは言えないくらい結構大掛かりというか、いろいろ案件が絡んできている
からね。それでNPO法人(特定非営利活動法人)に変えたわけなんだ。姉羽さんとはバナン共和国の支援活動を一緒に
させてもらっているんだ」
 「バナン、てどこの国だ?」
 「西アフリカじゃなかったかい」
 「正解。佐々木さん、よく知っていたね」
 「五日前ほどに経済紙で名前を見たからね。コルタンの大規模な鉱脈が発見されて、日本の商社が30年の独占採掘供給
権を結んだと書いてあったから」
 「コルタン、てレアメタル(希少金属)のタンタルの原料だったよな。コンデンサーに使われている」
 「その通り、バッテリ-に使用したりすると長持ちしたりと、情報化社会には欠かせない鉱物だよ。一時期ほどではないに
せよ。重要な物質であることには変わりはないね」
 しかし、西アフリカとはまたえらく遠いところではある。
 「なんでまたそこの国に援助に行ったんだ?」
 「教授とバナン共和国の大統領は東大の同期生なんだよ。東大を出た後、駐日大使になられて、そのあと、外務大臣、そして
大統領となられたわけ。東大にはバナンからの留学生も結構いるし、結びつきは強いんだ」
 「国木田君は頭もいいし、行動力もあるから、先生に気に入られているしね。私のゼミの先生もお気に入りだし、もちろん
私も、国木田君は大のお気に入り」
 そういって、姉羽さんはまた国木田にいささか過剰なスキンシップを試みる。
 ”この場に鶴屋さんがいなくてよかった”
 そんなことを内心思っていたが、佐々木は面白いというような表情を浮かべ、少し困ったような表情を浮かべている国木田を
見ていた。
 

448:この名無しがすごい!
16/03/13 08:48:54.07 +w2niawY.net
総合評価 30pt
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【義母特別編・早漏VS遅漏】      晒し中  商社【1】 晒し中

性転換【Ⅹ】                晒し中  商社【2】 晒し中
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【高校生】                   晒し中
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ブラジャー【Ⅶ】           晒し中
性同一性障害            晒し中
義母【番外編】            晒し中
義母【Ⅵ】               晒し中
発端                  晒し中
心と身体は別物…          晒し中
女装男と侵入者           晒し中    
お兄ちゃんダメエェー! Ⅱ     晒し中
【お兄ちゃんダメェ…】Ⅰ      晒し中
本日も客足なく【サバイバル】   晒し中
お兄ちゃんダメエェー…【Ⅲ】   晒し中
鬼畜の美食家【総集編】      晒し中
鬼畜の美食家【下巻】        晒し中
鬼畜の美食家【中巻】        晒し中
鬼畜の美食家            晒し中    
性転換ⅩⅢ              晒し中
中堅商社・島崎部長         晒し中
義母監禁そして調教・其の二   晒し中
義母の小保方晴美と俊二     晒し中
義母監禁・調教そして折檻     晒し中
性転換ⅩⅡ【エクストラ】      晒し中
義母監禁そして調教         晒し中
【タブー・心と身体は別物・Ⅱ】   晒し中     
ザッ! 監禁そして調教      晒し中
【タブー】                晒し中

449:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/03/13 22:59:32.34 QiolkYQw.net
        カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~その68

 「ところで、姉羽さん、あの資料は……」
 「ああ、ごめんなさい。国木田君にあえてうれしかったから、つい。はい、これ。鼻ぐり井手の構造と
それを応用した水路の研究に関するレポ-ト、それと通潤橋のシステムと建築に関する工法と考察、そし
て円筒分水の分析と数値応用に関する記録ね。このメモリ-のフォルダにそれぞれ分けて入れてあるから」
 「ありがとうございます。お手数をおかけしまして」
 「アクソン台地のガイブナ峡の数値に合わせてあるから、すぐにでも使えるわ。それはそうと、アイジャルヤニ
川のダム計画、決定したの?」
 「ええ。セミ・ハイドロリックフィル工法を使って行うそうです。日本政府のODA事業に認定されたと、つい
先日連絡がありました」
 「それはよかった。熊本に伝わる四百年前の技術が役に立ちそうね」
 「少し、いいかい、国木田君」
 国木田と姉羽さんとのやり取りをに興味深く耳を傾けていた佐々木が二人の会話に割り込んだ。
 「国木田君が関わっているのは灌漑事業のようだね。それもかなり大掛かりのような」
 「そうだよ。アクソン台地はバナン共和国の国土の四分の一を占めるサバナ気候の土地でね。首都の周辺が比較
的水に恵まれた土地なんだけど、アクソン台地はそうでもない。農業が中心産業なんだけど、水の問題で収穫量は
少ないんだ。そこでこの土地を灌漑し収穫量の増大を図るために、計画されたのがアイジャルヤニ川のダムと灌漑
水路計画なんだ。ただ、アクソン台地はバナン共和国北部のカリスマタン山が火山活動をしていた時に作られた凝灰
岩が中心の土地でね。サバナによくみられるラテライト(赤土)の土地じゃない。だからこそ農業がある程度できるわけ
なんだけど、凝灰砂岩の土地で水路を作った場合、土や砂利がたまりやすいんだ。それを解決するための方法が、水路に
鼻ぐりと呼ばれる特殊な形状を作って水の流れを生んで、堆積を防ぐ方法なんだ。姉羽さんから話は聞いていたけど、現
代に応用する研究があまりされていなかったんで、応用できる方法を姉羽さんに頼んで調べてもらっていたんだ」
 「しかし、四百年前の技術にしてはすごいものだな」
 「現代よりも発想的には優れているかもしれないね」
 「だけど、何でそんな昔の技術を使おうとしているんだ?」
 「構築した後、電気とか機械とかを使って管理修繕する必要がないからね。それともう一つ、この技術は極端な事を
言えば、時間はかかるけど、鑿や鶴嘴でこれを作り上げることが可能なんだ。つまりは発展途上国が自分たちの力だけで、
先進国の援助を受けることなく作れるということだよ」
 「?」
 自分たちの援助を否定しているようにも聞こえる国木田の言葉に、俺は首をかしげる

450:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/03/13 23:01:48.87 QiolkYQw.net
 「援助の現場というのは、なかなか厄介なんだ。お題目は綺麗でも、中身は、ね。ODAに絡む汚職はよく聞くだろうけど、
ほとんど報道されない援助の構造があってね。非政府組織(NGOs)と言いながら、その実、その団体の国の手先というか、
意向を反映しているようなものもある。まあ、僕らも純粋とは言えないけど、ようは援助することにより、その国の勢力範囲に
つなぎ留めておくようにする役目を担っている部分があるんだ。例えば、井戸を掘る仕事があるけど、井戸を掘ることは援助す
るけど井戸を掘る技術は教えない。掘る機械は貸すけど、機械そのものは与えないし、修理する技術は教えない。そうやって、
援助を受け続ける状態を継続させるんだ。それじゃ、いつまで立っても地元は自立できない。アフリカにある諺『飢えている友
達がいたら、魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教えてあげなさい』てあるけど、援助のうち、少なくない現場でこういう事
例があって、諺に反する状態になっている。バナンの大統領も坂村教授もこういう状態を断ち切るために、あえてそういう技術
を求めているんだよ。例えば、水を得る井戸掘りの技術は、人力で深い井戸を掘れる日本の古い技術の上総掘りを改良したものを
使って、今まで四〇本の井戸を掘っている。そのおかげで援助にかかる費用は大幅に削減できて、医療支援のほうにまわせている
しね」
 「ん?国木田君。だとすると、僕がこの前読んだ、あのレアメタルの記事、あれも日本の商社に決定した理由は援助絡みなのか
い?」
 「その通りだよ。コルタンの大規模な鉱脈は、ダム工事に伴う事前の地質調査の過程で発見された。もともとバナンは金やサファイヤの
鉱物資源の産地で、海側には天然ガスや石油があるといわれている国だから、可能性はあった。しかし、コンゴ民主共和国のようにその豊
富な地下資源が国の発展どころか、内乱のもとになっているケ-スも多い。海外勢力の介入が招かれないと考えた大統領は先手を打ったん
だよ。ダムや灌漑整備のODA援助を受けるのと引き換えにコルタンや鉱物資源の独占供給権を認め、精錬工場は地元に作らせることで、
地元住民の雇用を作り出した。日本側は紛争地域算出ではない安定したタンタルを得れて、バ何は雇用と外貨を手にれ、外国からの干渉を
減らして、自立できる。まさに『近江会』の理念に伴った援助ができるというわけだよ」
 国木田の話を聞いて、俺はつくづく感心した。同じ年なのに、国木田は先に先に進んでいるような感じすら受けた。
 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------

451:カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉~
16/03/13 23:05:13.69 QiolkYQw.net
 
 「それじゃ、国木田君、元気でね」
 「はい、姉羽さんもお元気で」
 国木田が頭を下げ、俺も佐々木も頭を下げる。
 「国木田君、今度会えるのは冬休みぐらいになるかな」
 「そうですね。援助隊と教授の報告会がそれぐらいになると思いますから」
 「楽しみにしているね。あ、それと国木田君、彼女と別れたらいつでも連絡頂戴ね。私は大歓迎だから」
 笑顔でとんでもない爆弾発言をかます姉羽さんの言葉に、冷や汗をかきながら、俺達はその場を離れた。

 「なかなか面白い人だな」
 「いつもああいう調子なんで、楽しいけど、疲れることもあるんだ……」
 「それにしても、国木田君は女性にもてるんだね。古泉君並みじゃないか」
 「よしてよ。鶴屋さんに聞かれたら……」
 「大丈夫と思うよ。ライバルがいようが、鶴屋さんには関係ないと笑い飛ばすと思う。国木田君を信じているからね」
 「でも、姉羽さん、感じ的には鶴屋さんに似ていなくもないような気がするんだけどな。俺の気のせいかね」
 「いや、僕もそう思ったよ。容姿は全然似ていないのにね。性格とかかな」
 「まあ、確かに似ているところはあるかもね」
 「あ、そういえば、彼女の名前、”クレイン”というのは、確か”鶴”という意味のはずだよ」
 「名前まで似ているとはな」
 俺達の言葉を聞いていた国木田が浮かべた表情は、今まで見たことがないような、複雑な感情を
浮かび上がらせていた。
 -------------------------------------------------------------------------------------
 「しかしね。キョン。国木田君お話を聞いて、僕は今までの考えを改めなくてはならないようだね」
 「うん?」
 「中学時代、ほらモラトリアムについて君に話したことがあったろう」
 そういえば、そんなことがあったな。
 「大学時代もモラトリアムは続くなんてことを言ったけど、大学生活は猶予期間じゃなく、走り出すための準備期間なんだね
。社会に出ていろいろ活躍するための。国木田君は学生だけど、もう社会に出て動き始めている。間違いなく社会を動かす一員
になりつつあるんだ」
 確かに援助に関する国木田の話を聞いて、佐々木と同じようなことを思った。
 「そういえば、僕らの住む京都が明治維新後の遷都の後、斜陽化してしまったのをよみがえらせたのは、僕らが哲学の道と呼んでいる
琵琶湖疎水の力によるものだと聞いているけど、それを設計したのは、当時の、僕らと同じ年の、工部大学、今の東京大学の学生だった
田邉朔郎だった。国を背負うというか、意気込みが僕らとは違っていたんだね」
 「……・・・…」
 「今日は少し考えさせられたよ。僕らが何のために学んでいるのか、という意味をね」
 それは俺も同じことだった。
 ハルヒたちが待つ車に戻るまで、俺は佐々木の言葉を何度も頭の中で反芻させていた。

452:この名無しがすごい!
16/03/13 23:46:48.45 5eowhTAT.net
前にも思ったんですが、これが書ける貴方がたは一体何者なんですか……


そしてこのシリーズ読んでると大学生活をやり直してくなってくる。

453:この名無しがすごい!
16/03/14 19:42:23.18 Hp0w8K7v.net
支援
ほんと、一体どこまで下調べしたんだと突っ込みたくなるw

454:この名無しがすごい!
16/03/16 21:05:04.40 W0j6kMe9.net
海外の地理、経済、歴史によっぽど精通してないと、この文章は書けないだろうな。
作者の博識ぶりには頭が下がる。

455:カルチェ・ラタンの迷い子たち 
16/03/18 00:24:27.90 BNl3oc1A.net
         カルチェ・ラタンの迷い子たち キョンと佐々木とハルヒと古泉&#12316;その69

 ベルファイヤは熊本大学の敷地を出て、熊本城へと向かっていた。
 「成程、通潤橋というのは、水道橋みたいなものか」
 タブレットに 、国木田君が姉羽さんからもらったデ-タ-を映しながら、キョンは国木田君に尋ねていた。
「そうだね。逆サイフォンの原理を応用した、農業用の水道橋だよ。作られたのはぺリ-来航の翌年だから、160
年ほど前のものだけど、これをアクソン台地のガイブナ峡の狭いところに合わせて5か所掛ける。ダムが完成した暁に出現
する人造湖より水を引く水道橋は全部で7つ作られる予定だけど、そのうちの5か所がこれを応用した石造単アーチ橋にな
る予定だね。もちろん江戸時代そのままではなく、ある程度は近代化された技術を使うけどね。ただ、そんな大掛かりな機
械を使わなくても、極端なことを言えば、人力でもできないことはないんだよ。そして鼻ぐり井手の水路を通して円筒分水
の技術で持って水利権争いが行わないように水を公平に分ける。計画だと、10万へクタ-ルの農地を造成することが可能に
なる」
 「10万へクタ-ルか。相当なものだな」
 「アクソン台地の面積の40%近くを農地に出来る計算でね。鳥取大学の乾燥地研究センタ-とイスラエルのキブツ(農場)
共同研究所の協力も得て、どんな作物が一番適しているかという調査も行っているよ」
 「いろいろなところと協力しているんだな」
 「自分たちだけじゃ出来ないことのほうが多いからね。自分たちの大学が一番だ、とか思っている学生は井の中の蛙だよ。
自分たちは知らないことの方が多いと謙虚に考えなきゃ、学問は身につかない、と教養課程の教授からいつも言われていた
よ。知の傲慢ほど厄介なものもないからね」
 キョンと国木田君の会話を聞きながら、タブレットを借りて、英語力を鍛えるために最近読むようになったニュ-スサイト
を開くと、ロイタ-通信の配信記事が表示され、しかも、その記事は、国木田君が関わっているバナン共和国のコルタン鉱山
の記事だった。

 

456:カルチェ・ラタンの迷い子たち
16/03/18 00:25:37.75 BNl3oc1A.net
 ”バナン共和国の政府と日本の住智商事、坂村MMC(マイナ-メタルカンパニ-)の合併会社が結んだコルタンに関する
契約は、いまだ混迷の状態にあり、大規模な人権侵害が今も絶えないコンゴ民主共和国(旧ザイ-ル)の状況を変える物にな
る可能性が高い。現在オ-ストラリアやブラジルで鉱山開発が進んでおり、また景気後退と電子機器の需要の落ち着きでコルタン
を始めとする『紛争鉱物』の価格は下落気味であるが、それでもいまだ産出量の8割近くを占めるコンゴ民主共和国産への、表に
出ない産地偽装の『紛争鉱物』の取引は活発であり、それは各武装勢力の資金源であり、彼らが(時には政府軍も含め)行う人権
侵害の資金源となっている。コンゴ民主共和国政府支配下の地域における鉱山での取引監視は進んでいるが、それ以外の地域における
実態は不透明のままである。
 今回、バナン共和国で発見された大規模な鉱脈は、埋蔵量はコンゴ民主共和国を上回るとみられ、
ス-パ-コルタン・ベルトと呼べるものである。バナン共和国は採掘に当たり、いわゆるエリ-ト・ネットワ-ク(政官軍の要人が
経営に関与する会社間の繋がり)を通さず、住智商事、坂村MMCを通し、また、両社は社外取締役として、紛争鉱物の問題に取り組むNGO
より人材を迎え、産地証明(紛争鉱物でないことを保障する)に正当性を持たせることで、結果的に武装勢力が関与するコルタン採掘に
大きな打撃を与えることになる。
 すでにIT機器メ-カ-の多くが、この取り組みに賛意を示し、住智商事の発表によれば、現在400社以上の取引先から契約締結
の打診があったという。
 バナン共和国のゾマホ-大統領はロイタ-の単独インタビュ-に対し、『この事業は豊富な地下資源を有しな
がら、それを生かせていない各国に対し、適切なモデルケ-スとなりえるものだ。国土がもたらす富は正当な手続きを以て、国民に
還元される物であり、一部の勢力のみが潤い、その他多数の者が踏みにじられる状況は許されるものではない。我が国は正当性をもって
国の発展に結ぶつけていくことを世界に知らしめていく』と自信を示した”

 国木田君達の活動は、混迷が続く紛争国に対し、一筋の光明をもたらすことになるのかも知れない。
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