【本心】平野啓一郎 part33【三島論】at BOOK【本心】平野啓一郎 part33【三島論】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト2:吾輩は名無しである 21/02/04 10:45:55.31 tt7+VN+O.net 平野啓一郎 part 28【マチネの終わりに】 [転載禁止](c)2ch.net http://peace.2ch.net/test/read.cgi/book/1432690468/ 平野啓一郎 part 27【空白を満たしなさい完結】 http://peace.2ch.net/test/read.cgi/book/1339810277/ 平野啓一郎 part 26【新訳サロメ】 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1330860938/ 平野啓一郎 part 25【彫心鏤骨の文体】 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1323342507/ 平野啓一郎 part 24【分人主義】 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1321882226/ 平野啓一郎 part 23 【空白を満たしなさい】 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1318500099/ 【かたちだけの愛】平野啓一郎 part 22【発売】 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1284024698/ 平野啓一郎 part 21【かたちだけの愛2】 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1262945904/ 3:吾輩は名無しである 21/02/04 10:46:14.09 tt7+VN+O.net 樹液が蒸発し果ててその音が聞こえなくなり、煙が紛紜と溢れ出した。 烟影は先程とは殊なる濁った黒い色をしている。細風の戦吹く度に、薪の山が幽かに紅潮する。 焔は知らぬ間に、内部で肥っていた。恰も一個の飯櫃な生き物であるかの如く。 火は時折素早く触手を伸ばしてみては、外に積まれた薪を?み、己が腹中に収めむとする。 しかし、その多くは成功しない。徒に幾条かの不吉な跡を残すのみである。 すると、突然癇癪を起こしたように、二三の小さな薪を好き飛ばしたりする。 焔は俄かに勢い附いていった。間歇的に鳴っていた薪の破裂する音は、次第に絶え間なく、降り 始めの驟雨が地を撲つように、続け様に響き出した。木片が、幾つも周囲に零れている。 -日蝕p174-175 石筍は、真直上方に伸び四半分程を剰して一度括れた後に、一層大きく膨み、 その儘緩やかに先端を結んでいる。対を成す鍾乳石も殆ど同じ形である。 丈は各が人の三倍もあろうか。二つの滴石は、将に触れ合い、溶け合わむと する刹那の所で、纔かに指二本分程の隔たりを保っている。 間隙は存在の予感に閃き、爛熟し、存在以上の充実した緊張を孕んでいる。 -日蝕p128 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch