☆☆☆ドストエフスキー統一スレッド①☆☆☆at BOOK
☆☆☆ドストエフスキー統一スレッド①☆☆☆ - 暇つぶし2ch508:吾輩は名無しである
21/02/14 14:32:09.34 m4Af8ISd.net
>>505
>そもそもトルストイやドストエフスキーが偉大なのは頭で作り上げた小説ではないからだ。
>彼らの世界は体験から創出されている。
>これらを解説書や学術的研究からアプローチしようとするのは根本的誤りであろう。
>信心しかない!
あのねぇ、じいさん、小説家と言うものは体験だけで書くものじゃないんだよ、厖大史料を必要とするんだ
だから、それを読む方にもかなりの知識が必要とされるのである
ドストエフスキーもしかり
例えば、『カラマーゾフの兄弟』の原案である『大いなる罪人の生涯』についての書簡を見ろ
1868年12月 マイコフへの書簡
いま私の頭の中にあるのは、『無神論』という題の厖大な長編です。
しかしこの長編にかかるためには、その前に、無神論者や、カトリックや、正教信者の本を、それこそ一蔵書分も読破しなければなりません。
この長編は、たとえ仕事の間完全に生活を保証されていても、少なくとも二年先でないとできません。
人物はいるのです。われわれの階層に属するロシア人で、かなりの年配、それほど教養はないけれど、無教養というのでもなく、ある程度の官位ももっているのですが、それが突然、もうかなりの年になってから、神への信仰を失ってしまうのです。
一生涯、彼は勤務ひとすじに打ち込んできて、軌道を踏みはずすこともなく、45の年まで、これといって目立ったところのない人物でした。
神への信仰の喪失は巨大な作用を彼に及ぼします。
彼は新しい世代、無神論者、スラヴ派、西欧派、ロシアの凶暴な狂信者、隠者、聖人たちを訪ねて放浪します。
ときにはジェスイットのポーランド人、挑発者のわなにかかりもします。
そこから鞭身派の深みへ降りてもいきます。
そして最後にはキリストを、ロシアの大地を、ロシアのキリストとロシアの神を獲得することになるのです。


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