ドストエフスキーPart51at BOOK
ドストエフスキーPart51 - 暇つぶし2ch450:吾輩は名無しである
20/09/13 18:21:13.15 s9z1FDgE.net
同じく横失ですが、亀山訳
~唯一の例外ではないが、偶然の現象である、の箇所から
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むろん、彼にはわかっていた。今の社会では、ソーニャが置かれている境遇が、不幸にして、唯一の例外的な現象とはいえないにせよ偶然の現象であるということを。が、ほかでもない、この偶然性、いくらかの教育、そしてこれまでの人生の重みは、この唾棄(だき)すべき道に一歩足を踏みだしたとたん、彼女を死に追いやりかねなかったはずだ。では、いったい何が彼女を支えてきたというのか?まさか性の快楽じゃあるまい?なにしろこの恥辱は、どうみても、たんに機械的に彼女をかすめただけのことだ。ほんものの性の快楽など、まだ一滴だって彼女の心にはしみこんでいない。彼はそれがわかっていた。現に彼女は、目の前に立っているのだ......。
<<彼女の道は三つだ>>彼は考えた。<<運河に身を投げるか、精神病院に入るか、それとも......それとも......いっそのこと性の快楽に身をゆだね、理性を麻痺させて、心を石にしてしまうか>>最後の考えは、ほかの何にもましておぞましかった。


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