21/06/30 12:10:27.30 C4f9Plis.net
国を背負って優劣を競いあう競技などと、選手たちがそれを意識した瞬間にスポーツであることをやめてしまう。
(蓮實)
蓮實重彦はかつて、ドイツの国立大教員は国家公務員の身分だ、
日本もそれに倣うのがいいのでは、などということを言ったことがある。
学者が国家公務員になるのはよくて、スポーツ選手が「国を背負う」意識を持つことがよくない、
というのは、いったいどういうことか。
わたくしには、先生の言い草は、無定見にみえ、
ひじょうにいい加減な感じがするわけである。
蓮實重彦は、知識人の頂点の地位にあったものが、いかにも無定見だというあり方を示すことで、
知識人などというもののいうことなど、まともなおつむの人間がまじめに聞くに値しない、ということを
身をもって示したのではないかと思うのである。
先生のやったことは、みずからいい加減さに徹することによる、
一種の啓もう活動だったのではないだろうか。