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N 新潮2016年4月号掲載 蓮實重彦『伯爵夫人』感想
惹句には「伯爵夫人とは何者なのか。寝台の上の淫蕩な戦士? 戦火の預言者?
映画めいた世界の均衡を揺るがす、驚嘆すべき小説家の登場!」とあるが、確か
蓮實の小説は、「陥没地帯」「オペラ・オペラシオネル」につづいてこれが三作目
であるはずで、前の二作は読んでいないから、蓮實の小説を俺が読むのはこれが初体験。
ネットでいくつか見た「伯爵夫人」に関する噂によれば、最初から最後までエロな語り
しかないポルノであるということであった。だがしかし、各所に「熟れたまんこ」
「きんたま」「青くせえ魔羅」という卑猥な単語がちりばめられてはいるが、それらは
すべて同様に、小説に奉仕するべくその役割をあらかじめ作者によって定められた役者として
その役割を十分演じているね。つまりこれはポルノであるよりははるかに純文学に近い小説と
いえるね。
(つづく)