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ワナビ談義スレッド Vol.3 - 暇つぶし2ch134:デンドロビウムファレノプシス ◆NaMORuhNce4w
16/04/17 22:10:44.11 .net
 何故僕がこんなに大西智子のぱちぱちを気に入ったのか……。分からない。
でも突き詰めていくと何か答えが出るかもしれない。と、一つ言葉が出てきた。僕は「切なさ」が大好きだ。
僕のバイブルであるノルウェイの森やさようなら、ギャングたち、斜陽、西村賢太の作品群、全てにおいて共通するのは「切なさ」だ。
 すごく切ない。ミハシ、十季子、二人の生きている世界は三十になった今でこそ正反対だが、根本は同じだ。
ミハシはヤンキーで馬鹿そうに見えるけれど、過去にキツイ過去を背負っている。しかもたくさん。十季子は結婚をし子供をもうけたが、
夫との関係は冷め切り、姑は自分を子供を産む機械だとしか思わず、主婦という立場に疲れている。子供だけが生きがいだ。
 十季子だって十分に「切ない」。が、僕はミハシにすごく心を打たれた。
 ミハシを庇いながらも見下して哀れんでいいた十季子の事をミハシは分かっていたという点、十季子の不倫を止めようとした点、二人が保育所で
話し合っていたのを揶揄した主婦に殴りに行った点。ミハシの不器用な一直線の愛情を感じた。
 そして最後は「お互いがお互いの事心配してたからこういう事したんだよね」って昔に戻った瞬間が「切ない」。
これから十季子はたぶん夫と姑に捨てられ、息子とも会えなくなるだろう。でも、ミハシと十季子の関係性が復活して、友情を確かめ合ったから、
>十季子たちは口汚く罵り合い、際限なく続く悪口の応酬を楽しみ、そして、笑った
 に繋がるんだろうね。
 最後になるが、僕は「切なさ」も大好きだが「人間をきちんと描けている」という点を重視している。
それはこの作品を読み通せば、ミハシと十季子の人間をちゃんと描けているというのがわかるだろう。
 この作品に出会えて良かった。文學界高いけど買って良かった。


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