トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard)at BOOK
トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard) - 暇つぶし2ch2:吾輩は名無しである
16/03/27 17:25:28.51 .net
トーマス・ベルンハルト 著『消去』
URLリンク(twitter.com)

3:吾輩は名無しである
16/03/27 17:28:34.70 .net
Fujimoto
ベルンハルト『消去』新装版買いました。
日本でも著作集を出したいという動きが出てきているとか。 @ ジュンク堂書店 大阪本店
2016年3月22日

4:吾輩は名無しである
16/03/27 17:32:23.56 .net
私のもらった文学賞
トーマス・ベルンハルト
URLリンク(www.honzuki.jp)
ウィーン学術アカデミーのグリルパルツァー賞を受賞するにあたって背広を買わなければならなくなった。
というのも授賞式の開始があと二時間に迫ったときになって急に、
この明らかに特別な式典にズボンとセーター姿で臨むわけにはいかないと気づいたからだ。(p.3)

5:吾輩は名無しである
16/03/27 17:39:40.05 .net
>>1乙!
パート1ためになり過ぎだわ
10年前か

6:吾輩は名無しである
16/03/27 19:36:30.69 .net
>>1
乙!!!!!

7:吾輩は名無しである
16/03/27 21:16:00.47 .net
ヴィトゲンシュタインの甥
URLリンク(tractus.jugem.cc)
人間はみじめで愚かでどうしようもなく死から逃れられず、それに向き合うことなど到底出来はしない、
年老いてからはなおさらのことであり、年老うからこそ、死の影から逃げ、衰えからの撤退を試みる(むろん、衰えの方が人間より足は早い)
何がしかの案件に、勇気を振り絞って立ち向かうなどと期待してくれたもうな、実際を知れば、理想など幻影だったことが知れるもの、
たとえそれが、唯一無比の友人に訪れた死の影であろうとも、彼のそばに近寄るのすら、私は恐怖を感じる。
タイムズとル・モンドとまともな新聞が読めない場所は、人がすむには価しない。
自然なんぞ大嫌いだ、何故、これほどまでに素晴らしい大都会を捨てて糞田舎になど引っ込むのか私には理解できない

8:吾輩は名無しである
16/03/27 21:19:28.30 .net
文学に見る障害者像 48
トーマス・ベルンハルト著
『ボリスの祝宴』
URLリンク(www.dinf.ne.jp)

9:吾輩は名無しである
16/03/27 21:21:33.87 .net
960 名前:吾輩は名無しである [sage] :2016/03/24(木) 17:42:08.32
やっと届いた!(^O^)
楽しみですわ。今月中に上巻を読み終えたい
URLリンク(uproda.2ch-library.com)
963 名前:吾輩は名無しである [sage] :2016/03/24(木) 19:51:58.21
>>960
えっ、ものすごいネタじゃね?なんで2冊買ってるのwwwwww

977 名前:吾輩は名無しである [sage] :2016/03/26(土) 07:18:58.16
トーマス・ベルンハルト
URLリンク(ja.m.wikipedia.org)

10:吾輩は名無しである
16/03/27 21:22:03.96 .net
トーマス・ベルンハルト - 消去 【新装版】
URLリンク(www.amazon.co.jp)

11:吾輩は名無しである
16/03/27 21:22:30.90 .net
978 名前:吾輩は名無しである :2016/03/26(土) 10:33:21.38
DER DEUTSHE MITTAGSTISCH 1978年 Thomas Bernhard (1/2)
時間をいただかなくてはならない
食べる前に、考えて欲しい
私たちの母のことを
そして彼女の母のことを
その母の母のことを
私たちの母のことを
私たちの革命は死に絶えた
このようなスープを飲めることはもうない
もはやジャガイモはない
ドイツのどこにもジャガイモはなくなった
誰もが発癌の恐怖におびえている間に
そしてNATOの早期警戒管制機(AWACS)だ
新しいドイツ大統領は
ナチだ
そして前のドイツ大統領も
ナチだ
ドイツ人はみなナチだ
政治の話はおいて、スープを飲んで
全てのスープにナチが隠れている
ナチのスープ、ナチのスープ、ナチのスープ

12:吾輩は名無しである
16/03/27 21:22:59.32 .net
979 名前:吾輩は名無しである :2016/03/26(土) 10:35:03.73
DER DEUTSHE MITTAGSTISCH 1978年 Thomas Bernhard (2/2)
そこにあなたの帽子もナチの帽子でしょう
あなたはナチの帽子をかぶっている
ナチの帽子
ドイツの父のナチ帽
私たちは恥じねばならない
神よ、恥じねばならない
前大統領ヴァルター・シェールのように、シェールのように、シェールのように
そして現大統領カルステンのように、カルステンのように、カルステンのように
そうでなくてはならない
円卓についているだれも、麺入りスープにナチスを見ない
この毎日食卓に乗るおいしいナチスープ
愛するあなた、話を聞いて
いまやドイツには麺すらもない、ナチスだけを除いて
麺を買うことも出来ない、未だにナチスからを除いて
未だにナチスはあふれている
何を料理してもナチスがあふれ出すがわたしはそれになにもできない
母さんを休ませて
最後にはあなたたちはみんなナチスのスプーンで食べる

13:吾輩は名無しである
16/03/27 21:23:27.97 .net
984 名前:吾輩は名無しである :2016/03/26(土) 16:09:01.63
>>980 >>981
こういう日本語になってない短い戯曲(Dramolotte)が傑作だらけなんだよ
気に入ったらぜひ「消去」や最近新訳のでたインゲボルグ・バッハマンの「三十歳」(岩波文庫)とか買ってみておくれ
背景はあんまり書かないけど、2代続けてドイツの大統領がSSや元ナチス疑惑があり、再軍備にむけて進行していくドイツ
オーストリアの作家がこういう戯曲を書いて、実際に国立劇場で上演して発禁を食らう
言葉の本当の意味で体制転覆の危険な作家扱いされていた
人間嫌いでウイーン嫌いでカフェ嫌いでありながら毎日カフェの決まった席に座り、自分に語られるのでない言葉に耳を傾け続けた
情報を収集すればするほど拡散していくイメージを自己に溜め込み、呪詛を吐き出し続ける
URLリンク(www.youtube.com)
Thomas Bernhard - "Der deutsche Mittagstisch" in Zell am See

14:吾輩は名無しである
16/03/27 21:23:57.71 .net
991 名前:吾輩は名無しである :2016/03/27(日) 01:37:35.18
ベルンハルトの自伝五部作は、決して長くはないんだけど翻訳は結構先だと思うよ
とにかく訳しにくい文体だし。
Thomas Bernhard 「Ja」 (1978年) 冒頭
「スイスと彼の女性の友人が不動産業者モリッツの家に現れたのは、ちょうどその時、私が初めて、
モーリッツに私の感情的、精神的な病気の症状を概説し、徐々にそれらを科学的に解明しようとしていただけでなく、
当時おそらく最も近い人だったモーリッツの家に行って、全く突然に、最も冷酷な方法で、私の内部の秘密を、
たんに病的にというよりも完全に病気に取り付かれた方法で、そのときまで彼は表面的にしか知らず、
それゆえそのときまでは、何らかの形で警告するものがあったにせよ、
過度にいらいらすることもなかった私の内部の存在を明らかにしてしまう、それによって不可避的に彼に、
突然の非常に残虐な私の事業によって驚き、ぎょっとさせることとなり、その事実によって、その日の午後に、
私は完全に覆いを剥ぎ取られ、さらけ出し、丸10年にわたるモーリッツとの知己と友情にわたって、隠し通してきたこと、
実際にその期間にわたって私は数学的な計算の元に隠し通してきたこと、
彼に(そして哀れむ価値のないことに私自身に対してまで)いつも隠し通してきたこと、それも彼、モーリッツ、
ごく僅かに私の内部を見ることでも、根本的に彼を恐れさせるであろうが、
私はその内部のメカニズムを暴露させることで彼から向けられる恐怖を認めたくなかった、そのメカニズムの暴露は、
その午後に、もちろんその天気にも影響されたのだが、実行に移され、そして徐々に、その午後に、わたしは、
まるでほかの選択を持っていなかったかのように、まったくの突然にモーリッツに精神的な強襲をしかけ、
私に関わる全てをさらけ出し、隠すべきこと全てをさらけ出し、明らかにするべきこと全てを明らかにすることになった
ここまでがセミコロンでまだ続いてあと1ページほど一つの文で延々続く
最初のピリオド見つけて安堵したらまたしばらくない、ひたすら入れ子構造の文が延々関係代名詞使ってつながっていく

15:吾輩は名無しである
16/03/27 21:25:09.42 .net
>>9-14は以下より引用
ドイツ文学総合スレ 3
スレリンク(book板)

16:吾輩は名無しである
16/03/27 22:11:08.53 .net
なんか「消去」大きめの書店でも在庫僅少だったりするんだけど部数少ないんだろうか・・・?
売れているだけだと信じたい

17:吾輩は名無しである
16/03/27 22:16:15.27 .net
「消去」は全人類が読むべき文学。

18:吾輩は名無しである
16/03/27 23:23:33.22 .net
ほんまかいな

19:吾輩は名無しである
16/03/27 23:33:10.31 .net
まじまじ。間違いないよ。

20:吾輩は名無しである
16/03/27 23:34:07.72 .net
>>10が売れないなら、「文学」なんて滅んでしまえと思う。

21:吾輩は名無しである
16/03/29 04:39:47.34 .net
「自分の巣に砂をかけるもの」と呼ばれた
オーストリアで自分の小説を出版しないように自分で言い残したのは珍しい
全人類のうち半分には決して読まれない(体制側には絶対立たない)作家
ある意味、今の時代に広く読まれうるかは分からない気もする
1990年以前の強烈に影響の強い毒のある「文学」で、ポスト冷戦の時代にどう読まれるんだろうか?

22:吾輩は名無しである
16/03/29 08:59:53.34 .net
消去を買ったが実家の悪口だけで延々進んでいくなw

23:吾輩は名無しである
16/03/29 11:48:04.14 .net
そういう意味ではひどい小説だよな(笑)

24:吾輩は名無しである
16/03/29 20:51:03.76 .net
「英雄広場 Heldenplatz」から(池田信雄訳)
この災いに満ちた成り行きに対いて
反対の声が上がり反対の文章が書かれないわけではない
日々反対の声は上がり
反対の文章は書かれている
しかしその
反対の声や反対の文章は
聞かれもせず読まれもしない
オーストリア人はもはやなにも聞かず何も読まない
というより彼らは破局的情勢について何を聞いても反対せず
破局的情勢について何を読んでも反対しない
オーストリア人は自国の破局的情勢に対して
完全に無関心な国民になりはてた
死ぬ数ヶ月前、ナチス併合50周年に発表され、右翼が劇場を汚物で取り囲み、名指しされた著名人や政治家が席を立ち、中止キャンペーンを張った新聞メディアは低俗ゆえに価値があるとこき下ろされる。50年前よりもウイーンにはナチスが多い、など刺激的な言葉が並ぶ。
ナチスに所属していた過去を暴かれたばかりの連邦大統領ワルトハイムは「オーストリアの人々への総侮辱」と抗議し、イェルク・ハイダーは演出家に「ろくでなしとともにウイーンを出て行け」と叫ぶ。

25:吾輩は名無しである
16/03/30 01:20:06.43 .net
ツイートしたいくらい

26:吾輩は名無しである
16/03/30 20:35:10.14 .net
消去には、主人公であるムーラウの恋人として女流作家マリアが登場する。(150ページくらいしないと出てこないが)
「現代ドイツ語圏最大の詩人」、「同時代にドイツ語で生み出されたどんな詩より優れた詩を書いたこの世紀全体の頂点」、「偉大で、空前絶後」。「後世に残るのが君の文学なら私たちは百年たっても恥じる必要がない。」
賛否を惜しまれないこの女性は実は唯一実在の人物、インゲボルグ・バッハマンその人である。
ベルンハルトよりも5歳年長(1926年生まれ)で同じくオーストリアに生まれ、1973年に47歳で早世した。
戦後ドイツ語圏において、作品を出すたびに文学賞を総なめにし、散文を書き始めた頃にはあまりにも詩がすばらしいので詩に専念してくれ、との評価も出た作家である。
アウシュヴィッツを生き延び、アウシュヴィッツ後の詩をぶち上げたパウル・ツェラーンとの交流は没後20年を経て明らかになり、往復書簡集が発表された。
ベルンハルトとバッハマンが付き合っていたという事実はないし、小説内で書き始めている「消去」やほかの小説の原稿を読んで批評してもらった、ということはない。ベルンハルトがバッハマンに「消し去る人」「精神に不逞を働く者」と呼ばれたという事実も(おそらく)ない。
そもそも作品発表時点では既に故人。(下手すれば柳美里のモデル裁判沙汰になってもおかしくないし、現に別の小説で裁判になっている)
しかしナチス・ドイツのウィーン侵攻を喚起の渦で迎えた1938年にあって、絶対的なトラウマとして語るバッハマンは、「英雄広場」で50年がたってもヒトラーを歓迎した人々の熱狂を幻聴してしまう女性を書いたベルンハルトにとって重要な作家である。
この二人に共通するのはハプスブルグ・オーストリアとナチスの神話。
この二人を自分の精神的指導者としたエルフリード・イェリネク、ペーター・ハントケや他国ではあれ、ケルテース・イムレ(オーストリア・ハンガリー帝国!)などは自国の傷をえぐる作品を書き続ける。
オーストリア二重帝国から生まれた、エリアス・カネッティ、ヘルマン・ブロッホ、カール・クラウス、シュテファン・ツヴァイク、フーゴ・フォン・ホフマンスタール、ロベルト・ムージル、ヨーゼフ・ロートといった硬骨の作家・編集者たちの系譜

27:吾輩は名無しである
16/03/30 20:58:01.02 .net
あなたそれだけ内容のある文章を、なぜ2ちゃんねるに書くの?凄すぎるよ。尊敬するわ。

28:吾輩は名無しである
16/03/30 22:22:31.12 .net
>>27
大した理由もないけど、なんか上巻で満腹になっちゃう人多そうだから下巻にも面白さ、ユーモアいっぱいあるぞ、と。せっかく1巻になってくれたことだし。
好きな作家なもんで、好きになる人がいてまかりまちがって作品集でたらいいなと思って。

29:吾輩は名無しである
16/03/30 22:28:55.02 .net
>>28
もし次スレが立つなら、あなたのレスはテンプレとしてコピペするわ。文学板にあなたみたいな人がいる事が嬉しいよ。また書いて下さいね。

30:吾輩は名無しである
16/03/31 00:26:25.36 .net
>>29
個人的にベルンハルト熱が再燃しているからなんか面白そうなのあったら書き込みますわ

31:吾輩は名無しである
16/03/31 01:23:36.11 .net
オーストリアこそ20世紀の隠れた文学大国。
シュニッツラー、ホフマンスタール、ブロッホ、ムージル、ロート。
その系譜の掉尾に連なるのがベルンハルト。
人間の精神の軌跡を魅力的な文体で後世に残した作家たち。

32:吾輩は名無しである
16/04/01 11:51:46.39 .net
「東欧の想像力」にベルンハルトの項あり
自伝五部作の最終作「ある子供」を松籟社から今井敦訳で刊行予定。

33:吾輩は名無しである
16/04/01 13:15:50.54 .net
東欧の想像力
URLリンク(www.amazon.co.jp)

34:吾輩は名無しである
16/04/02 02:29:35.11 .net
ケルテース・イムレが死んだ。
パーキンソン病に苦しんでいることは知っていたが、存命作家で五本の指に入る好きな作家だった。
ケルテースのベルンハルト評:Bernhardは常に、自分を犠牲者と共にいることを明確に自己規定し(彼の人生の最後はユダヤ人たちと共にいた)、そして彼のインスピレーションを書いていた。

35:吾輩は名無しである
16/04/02 07:30:42.36 .net
URLリンク(news.tbs.co.jp)
ホロコーストを生き延び、ハンガリー人として初めてノーベル文学賞を受賞した
作家のケルテース・イムレ氏が、31日、亡くなりました。86歳でした。
1929年、ハンガリーの首都・ブダペストで生まれたイムレ氏は、14歳の時、
ポーランドのアウシュヴィッツ強制収容所に送られ、第2次世界大戦終結まで収容所で過ごしました。
戦後は新聞社などでの勤務を経て、ドイツ語圏の哲学書などを精力的にハンガリー語に翻訳し、
その後、自身も作家の道を選びました。
最初の長編作品『運命ではなく』をはじめ、自身の収容所体験を下敷きにした作品群が高く評価され、
2002年にハンガリー人として初めてノーベル文学賞を受賞。
その後もホロコーストからの「生還者」として、小説・評論などの執筆活動を続けました。

36:吾輩は名無しである
16/04/09 16:18:48.55 .net
『消去』買ってしまった…
しかしこの分厚さ、暫く積読だな…

37:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/09 20:31:05.43 .net
マジで面白いよ。

38:吾輩は名無しである
16/04/10 01:15:50.16 .net
ほんまかいな

39:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/10 08:00:02.66 .net
ごめん、正直に言うと下巻まだ読んでなくて、昨日図書館から借りてきた(笑)ちなみに上巻は持ってる。上巻は骨肉の争いを予感させるシーンで終わっていて、続きがめちゃくちゃ気になります。新装版が欲しいな。

40:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/11 00:20:15.07 .net
主人公がガンベッティに語りかける言葉を引用してツイートしまくりたい。メンションツリーにしたい。主人公がドイツ文学などを教えている生徒の名前が「ガンベッティ」という名前だったかどうか定かではないけど。

41:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/11 00:21:56.89 .net
>>40は「消去」の話。上巻について、読んだ人がいたら、お話したいな。下巻の感興が削がれない範囲で。

42:吾輩は名無しである
16/04/11 04:52:11.46 .net
ベルンハルトは10年くらい前に『ふちなし帽』を買って積ん読になったままだった
先週近所の古本屋に『ウィトゲンシュタインの甥』が2000円、ブックオフに『破滅者』が1250円で売られていたので即購入した
別の古本屋には『消去』の上下巻セットがあったけどこれは8000円だったからスルーした
自宅から2km圏内の古本屋でこうも連続してベルンハルトに遭遇したとなると今が読みどきなのかもしれない

43:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/11 07:39:51.41 .net
それ全部欲しいな…

44:吾輩は名無しである
16/04/11 08:35:47.89 .net
『石炭工場』て何であんなに高値なの?

45:吾輩は名無しである
16/04/11 10:23:55.75 .net
>>44
品薄だからね。

46:吾輩は名無しである
16/04/11 17:32:48.16 .net
ハヤカワ・リテラチャー(Hayakawa Literature) 1977-1981年
01 『ラグタイム』 Ragtime E・L・ドクトロウ(E.L. Doctorow)
02 『鬼』 Ogre ジャック・シェセックス(Jacques Chessex)
03 『狂気もまた愛に渇く』 マリオ・トビーノ(Mario Tobino)
04 『第八の日に』 ソーントン・ワイルダー(Thornton Niven Wilder)
05 『アーダ (上)』 ウラジーミル・ナボコフ(Vladimir Nabokov)
06 『アーダ (下)』 ウラジーミル・ナボコフ(Vladimir Nabokov)
07 『これからの一生』 エミール・アジャール(Emile Ajar)
08 『犬は吠える』 トルーマン・カポーティ(Truman Capote)
09 『女のいる群像』 ハインリッヒ・ベル(Heinrich Boll)
10 『孤児たち』 チャールズ・ヴェッブ(Charles Webb)
11 『生は彼方に』 La vie est ailleurs ミラン・クンデラ(Milan Kundera)
12 『旅の神話』 アルベルト・ベヴィラックァ(Alberto Bevilacqua)
13 『ラ・メカニカ』 カルロ・エミリオ・ガッダ(Carlo Emilio Gadda)
14 『砂の男』 ジャン・ジュベール(Jean Joubert)
15 『贅沢な人びと』 Expensive People ジョイス・キャロル・オーツ(Joyce Carol Oates)
16 『セント・アーベインの騎士』 モルデカイ・リッチラー(Mordecai Richler)
17 『他人の娘たち』 リチャード・スターン(Richard G. Stern)
18 『海辺のある夏』 アンヌ・フィリップ(Anne Philipe)
19 『ジゼーラ』 カルロ・カッソーラ(Carlo Cassola)
20 『火と燃える王国』 ジャック・シェセックス(Jacques Chessex)
21 『氷河時代』 マーガレット・ドラブル(Margaret Drabble)
22 『ニッケル・マウンテン』 Nickel Mountain ジョン・ガードナー(John Gardner)
23 『通勤路』 マリー=ルイーズ・オーモン(Marie Louise Haumont)
24 『ポルポリーノ』 Porporino ou les mysteres de Naples ドミニック・フェルナンデス(Dominique Fernandez)
25 『石灰工場』 トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard)

47:吾輩は名無しである
16/04/12 22:25:46.29 .net
>>46
35年くらい前か
アーダといい攻めまくったラインナップだよなぁ

48:吾輩は名無しである
16/04/13 21:13:53.23 .net
全部ハヤカワepi文庫に入れて欲しい
クンデラとカポーティはなってるな

49:吾輩は名無しである
16/04/17 18:32:39.47 .net
「消去」読もうと思ってるんだけど読前に読んどいたほうがいい書籍とかある?

50:吾輩は名無しである
16/04/17 21:57:25.07 .net
ムージルの『特性のない男』

51:吾輩は名無しである
16/04/17 22:37:33.71 .net
>>50
訳はどれがいい?

52:吾輩は名無しである
16/04/17 23:15:51.57 .net
新潮社版

53:吾輩は名無しである
16/04/17 23:52:48.31 .net
>>52
どうやら古書らしいね
神保町に行ったときにでも探してみます

54:【重要な後発事象に関する注記】
16/04/18 02:10:24.63 .net
キャピタル・パートナーズ証券株式会社(第16期)
URLリンク(www.capital.co.jp)
貸借対照表(平成27年3月31日現在)
【重要な後発事象に関する注記】
当社は、平成27年5月21日付で東京地方裁判所において訴訟の提起を受け、同年5月29日に訴状
を受領しました。
(1) 訴訟の提起の内容
原告は、当社が金融商品を販売するにあたり説明義務違反及び適合性原則違反があったとして、
不法行為、債務不履行及び金融商品販売法に基づく損害賠償請求金473,968千円を求める訴えをお
こしたものです。
(2) 今後の見通し
当社は、原告に対し説明義務を果たし、適合性原則違反はなかったものとの認識であり、これに
沿った主張を行ってまいります。

55:吾輩は名無しである
16/04/19 01:48:05.77 .net
>>42
破滅者は邦訳がひどすぎるよ
あんなひどい翻訳初めて読んだ
同じ言い回しをバカのように何百回も使ってる
「彼は~したと思った」だったっけ
それがなくても意味は通じるから、全部黒く塗りつぶして読んでる

56:P ◆.uKag/vUmY
16/04/19 21:07:03.63 .net
「消去」の翻訳は素晴らしいよね。訳者は有名な人なの?

57:吾輩は名無しである
16/04/20 00:05:02.75 .net
>>55
釣りなのかマジなのかわかりづらいな
アレはベルンハルトがわざと執拗に繰り返してるんだからそれを尊重したんだよ

58:吾輩は名無しである
16/04/28 12:46:43.01 .net
クノタカヒロ
「最近面白かった本」に『消去』(ベルンハルト)と書いた新入生がいて、思わず声をかけてしまった。
聴くと、母に勧められ何となしに読んだら面白かったのだという。イイネ!
『ふちなし帽』は?と昂ぶるアラサーを前に、2001年生まれの彼女は何を思ったのだろう。
2016年4月21日

59:吾輩は名無しである
16/04/28 23:28:47.98 .net
キモいな

60:吾輩は名無しである
16/04/29 00:03:17.94 .net
みすず書房
先月新装版を刊行、即重版のベルンハルト『消去』は、中原昌也さんの愛読書でもあります。
「(小説で)何が一番好きなのか、むずかしい。(略)『消去』はすごい、と思った。
読み終わるまでとても時間がかかる、ひどい小説だけれど」(『死んでも何も残さない』より)504頁だけれどすごいのです。
2016年4月15日

61:吾輩は名無しである
16/04/29 00:12:01.44 .net
即重版とはマジなのですか?

62:吾輩は名無しである
16/04/29 08:23:01.22 .net
中原昌也ってまだ生きてるの

63:吾輩は名無しである
16/04/30 01:48:23.85 .net
>>58
大学生じゃなくて高校一年生かい
それは声をかけざるを得ない気持ちは分かる

64:吾輩は名無しである
16/04/30 15:02:16.15 .net
金のある内に消去を買っておこうと思ったけど重版されるならまだ絶版まで猶予あるな
復刊した火山の下を先に買おうか悩む

65:吾輩は名無しである
16/04/30 15:02:57.07 .net
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           ,. -ー冖'⌒'ー-、
          ,ノ         \    
          / ,r‐へへく⌒'¬、 ヽ
          {ノ へ.._、 ,,/~` 〉  } 
         γ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j==く
         (ヽ-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}_     /     }ー┐           r┐   \
         ヽ;;∵r;==、、∴'∵; シ      {     ノヽ / __  ヽ  /  |/    }
            . \   こ¨`    ノ   `    \ ツ   /         、_/   O    /
.     , -‐  ´  个-、__,,.. ‐'´ 〃` -、
    /  __   ∧       |    ∧
.    〃 ,. --ミヽ /∧         i   |/ハ
   ji/    ̄`//, ..__、〃    ,   ___!__j_______
.   {{      '/   // '‐-、  ′ | i´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `i
   レ, /        ,        ∨   | |                 |
   //7//―ァ/‐/7/ ̄{     iっ  | |   ┌――┐    |
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     |        )     レ/____ー‐―┤:::::::::: |―┘
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             ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{二二二二l____|二二}

66:吾輩は名無しである
16/05/01 13:37:48.83 .net
奥村ペレ
文中に「ワインボトル用コルク栓製造業者」というフレーズが73回出てくる。これがミソだ。
文中に「住所を教えてくれ」というフレーズが16回出てくる。こちらはオルハン・パムクの『黒い本』。「ワインボトル用…」はトーマス・ベルンハルトの『消去』。
2016年4月4日

67:P ◆.uKag/vUmY
16/05/02 08:14:52.62 .net
「と私は考えた」っていうフレーズが頻出するのは何なのですか?

68:吾輩は名無しである
16/05/02 12:30:01.31 .net
原文は?

69:吾輩は名無しである
16/05/02 15:51:10.37 .net
>>68
>>57

70:吾輩は名無しである
16/05/02 16:34:43.84 .net
ループ

71:吾輩は名無しである
16/05/02 21:10:56.97 .net
ところが1982年、上の妹ツェツィーリアが叔母の紹介で結婚し、その相手というのは「狐が<こんばんは>を言いかわし、
ドイツ的愚かさが勝利するシュヴァルツヴァルト」からやってきた太ったワインボトル用コルク栓製造業者なのであった。
URLリンク(home.att.ne.jp)
親戚たちは彼曰く「彼らにあるのはぞっとする上っ面であり、とりわけ頭の中には約束された老後と車のことしかないのだ」。
ツェツィーリアの新郎、ワインボトル用コルク栓製造業者。
「他の人間も発達するという錯覚の中で生きているが、それはあくまでも錯覚であって、
たいていの者は立ち止まったまま、まったくどちらの方向にも発達しない。
彼らは良くも悪くもならず、ただ年をとっただけのことで、誰の興味もひかない人間になってしまう」。
URLリンク(the-cosmological-fort.hatenablog.com)

72:吾輩は名無しである
16/05/04 12:20:01.54 .net
Works (in translation)
Novels
Frost (1963), translated by Michael Hofmann (2006)
Gargoyles (Verstörung, 1967), translated by Richard and Clara Winston (1970)
The Lime Works (Das Kalkwerk, 1970), translated by Sophie Wilkins (1973)
Correction (Korrektur, 1975), translated by Sophie Wilkins (1979)
Yes (Ja, 1978), translated by Ewald Osers (1991)
The Cheap-Eaters (Die Billigesser, 1980), translated by Ewald Osers (1990)
Concrete (Beton, 1982), translated by David McLintock (1984)
Wittgenstein's Nephew (Wittgensteins Neffe, 1982), translated by David McLintock (1988)
The Loser (Der Untergeher, 1983), translated by Jack Dawson (1991)
Woodcutters (Holzfällen: Eine Erregung, 1984), translated by Ewald Osers (1985) and as Woodcutters, by David McLintock (1988)
Old Masters: A Comedy (Alte Meister. Komödie, 1985), translated by Ewald Osers (1989)
Extinction (Auslöschung, 1986), translated by David McLintock (1995)
On the Mountain (In der Höhe, written 1959, published 1989), translated by Russell Stockman (1991)
主要作品
小説
霜(Frost、1963年)
アムラス(Amras、1964年)
石灰工場(Das Kalkwerk、1970年)
理由(Die Ursache、1975年)
地下室(Der Keller、1976年)
呼吸(Der Atem、1978年)
寒さ(Die Kälte、1981年)
子供(Ein Kind、1982年)
ヴィトゲンシュタインの甥(Wittgensteins Neffe、1982年)
破滅者(Der Untergeher、1983年)
木を刈る(Holzfällen、1984年)
消去(Auslöschung、1986年)

73:吾輩は名無しである
16/05/04 16:53:47.30 .net
ベルンハルトの消去、高すぎだわ。あかん。

74:吾輩は名無しである
16/05/04 17:53:53.20 .net
「出版社が潰れてもいいの?」厨が来るから、それは言っちゃ駄目…

75:吾輩は名無しである
16/05/04 18:40:29.22 .net
ベルンハルトの消去、高すぎだわ。あかんわ。

76:吾輩は名無しである
16/05/04 21:17:05.62 .net
5000したけどいい買い物でした

77:吾輩は名無しである
16/05/04 21:30:47.58 .net
ベルンハルトの消去、高すぎます。あきまへんわ。

78:吾輩は名無しである
16/05/04 22:08:24.10 .net
しつこい!

79:吾輩は名無しである
16/05/04 23:45:32.59 .net
ベルンハルトの消去、高すぎでんがな。だめぽ。

80:77
16/05/04 23:49:28.92 .net
言っとくけど、79はコピーキャットだぜ。

81:吾輩は名無しである
16/05/04 23:49:56.88 .net
うせろぼけ!

82:吾輩は名無しである
16/05/05 01:21:15.10 .net
5千円なんてはした金だあな

83:吾輩は名無しである
16/05/05 04:10:32.89 .net
そうですかな。たかが本ごときが、一冊5000円。それをはした金とおっしゃるのか。

84:吾輩は名無しである
16/05/05 04:39:08.97 .net
一万円札なんてたった紙切れ一枚なのに一万円もするんだぜ

85:吾輩は名無しである
16/05/05 04:44:16.64 .net
消去一冊を数十時間は読むことになる
一時間100円もしない。ただし9割の人間が二章まですらたどり着かない。

86:吾輩は名無しである
16/05/05 06:20:26.71 .net
そんな根気はさいわい持ち合わせていないのが、よりさいわいだというわけだ。

87:吾輩は名無しである
16/05/05 06:23:16.74 .net
一万円札では、文庫本が20冊は買えるであろうが、ベルンハルトの
消去で、いったい何冊の文庫本が買えるかな?

88:吾輩は名無しである
16/05/05 07:22:30.57 .net
まあ、将来、ベルンハルトの消去が文庫本にな
ったら読んでみますよ。

89:吾輩は名無しである
16/05/05 07:53:11.77 .net
ある子供 単行本(ソフトカバー)
トーマス ベルンハルト (著), 今井 敦 (翻訳)
¥ 1,728
単行本(ソフトカバー): 158ページ
出版社: 松籟社 (2016/5/20)
没後四半世紀を経ても多くの読者を魅了する恐るべき作家トーマス・ベルンハルト、その全作品をとく鍵と言われる〈自伝〉五部作のひとつ。
母親、祖父母とともに暮らし、貧しい生活の中で、無名の作家であった祖父から決定的な感化をうけた少年時代をふりかえる。
(Thomas Bernhard, 1931-1989)
20世紀オーストリアを代表する作家のひとり。私生児として生まれ、貧しい少年時代を過ごしたが、
そのいっぽうで無名の作家であった祖父からは決定的な感化を受ける。
長じて音楽と演劇学を修めたのち創作をはじめ、1963年に発表した『凍え』によってオーストリア国家賞を受賞。
一躍文名を高める一方、オーストリアへの挑発的言辞ゆえに衆目を集めた。
以後、『石灰工場』『古典絵画の巨匠たち』『消去』『座長ブルスコン』などの小説・劇作を数多く発表。
1988年に上演された劇作『英雄広場(ヘルデンプラッツ)』でオーストリアのナチス性を弾劾するなど、その攻撃的姿勢は晩年までゆるがなかった。
1989年、58歳で病死。

90:吾輩は名無しである
16/05/05 10:38:38.22 .net
>>88
文庫化はまずありえない。『石灰工場』古本が高値安定なのを見よ。

91:吾輩は名無しである
16/05/05 10:49:29.71 .net
ところで、素朴な質問だけど、なんでそんなに
高いの? 理由は?

92:吾輩は名無しである
16/05/05 11:11:59.16 .net
文庫化はありえない
貧乏な俺が無理して買ったばかりだし

93:吾輩は名無しである
16/05/05 13:52:25.63 .net
みすず書房の本は高額少量出版だから。

94:吾輩は名無しである
16/05/05 14:00:24.88 .net
ちくま文庫か古典新訳文庫に期待

95:吾輩は名無しである
16/05/05 14:03:51.59 .net
石灰工場の版元は早川だからepi文庫で出る可能性もないとは言えない気がする

96:吾輩は名無しである
16/05/05 14:04:27.70 .net
>古典新訳文庫
池田信夫訳を新訳するハードルは異常に高いぞ

97:吾輩は名無しである
16/05/05 14:45:04.46 .net
何か言いたいことが喉まで出かかっているんだが。
おとなだから我慢する。

98:吾輩は名無しである
16/05/05 14:49:44.52 .net
frobergue
ウィーンではトーマス・ベルンハルトの通ったというカフェ、ブロイナーホーフへも。
窓にはベルンハルトの写真が貼られ、彼の席はどこの席かと聞けば、ウェイターが指差して教えてくれました。
トーマス・ベルンハルトの「ヴィトゲンシュタインの甥」という小説ではこのブロイナーホーフ、そしてザッハーがしばしば出てきます。
ヴィトゲンシュタインの甥であり、ベルンハルトの親友でもあるパウルは、このブロイナーホーフの上に住んでいました。
晩年に交友の少なくなってしまったパウルのことを、ベルンハルトはここに座って度々思ったそうです。
「ヴィトゲンシュタインの甥」はベルンハルトがそのパウルのことをふらふらと語る、不思議な小説です。
ガイドブックにも乗っているカフェですが、観光客は少なめでしょうか。
URLリンク(www.instagram.com)

99:吾輩は名無しである
16/05/05 21:22:15.52 .net
文庫化とか何冊にもなって結局値段は変わらなさそう

100:吾輩は名無しである
16/05/05 21:37:41.03 .net
うむ
貧乏な俺が無理して買ったのだから
文庫化で安くなるのはありえない

101:吾輩は名無しである
16/05/05 21:46:56.62 .net
じゃあ、みすずも三分冊にしてくれれば、1ぐらいは買えた
(我ながら、しつこいな。。)

102:吾輩は名無しである
16/05/06 07:40:42.82 .net
今そんな高いんだ。売っぱらっちゃおうかな。

103:吾輩は名無しである
16/05/06 08:09:06.34 .net
拒絶の精神としてのメタファー
URLリンク(eprints.lib.hokudai.ac.jp)
真実の世界に属するものたち
① 主人公ムーラウ
② ゲオルク叔父
③ 村の人々
④ ガンベッティ
⑤ マリア
⑥ ローマ
⑦ 地中海諸国
⑧ イタリア語
⑨ 自然な生き方
⑩ 植物的人間、庭師
⑪ 音楽家ハイドン
歪曲された倒錯的世界に属するものたち
① 両親
② 兄ヨハネス、姉(ツィツィーリア)妹(アマーリア)
③ 姉の夫ワインボトル用コルク栓製造業者
④ ヴォルフスエック
⑤ ザルツブルク、オーストリア料理、ドイツ、オーストリア(中欧諸国)
⑥ ドイツ語
⑦ 証明書と肩書き願望病
⑧ 動物的人間
⑨ 国家社会主義、元ナチス党員
⑩ カトリック教会、ハプスブルグ家、ヴァティカン大司教スパドリーニ
⑪ 結婚式、20代の若者世代
⑫ 葬儀

104:吾輩は名無しである
16/05/07 20:23:50.29 .net
感想があんまりないね
皆消去はとりあえず買って寝かせてるのかな

105:吾輩は名無しである
16/05/07 21:11:11.06 .net
『破滅者』 トーマス・ベルンハルト
「グレン・グールドに知り合わなかったならば、私はきっとピアノをやめてはいなかっただろう」
「ナンバー・ワンに出会ったときには、私たちは諦めるよりほかはない」
「自分はヴィルトゥオーゾというものに耐えられないのだということがわかったのだった。
というのも私は、なににも増して聴衆というものが嫌いだったし、この聴衆というものに関連したすべてが嫌いだったのである」
「ピアノ芸術家というものは、天才に出会っても、自分が萎えてしまうほどに心を動かされてはいけないんだ」
「アメリカ・カナダ的率直さで、グレンは、ヴェルトハイマーをいつもウンターゲーアー、破滅者と」「呼んでいた」
「ウンターゲーアーのヴェルトハイマーは、グレンからすると、いつも下(ウンター)に向かって歩んでいた。間断なく下に向かっていた」
「ヴェルトハイマーは、自分じしんを唯一これきりの存在と考えることができなかった。
これは、絶望したくなければ、誰もができ、またしなくてはならないことだ。どんな人間であれ、唯一これきりの存在なのだ」
URLリンク(leparadis.fc2web.com)

106:吾輩は名無しである
16/05/08 12:09:55.03 .net
『ヴィトゲンシュタインの甥』
トーマス・ベルンハルト
「ラテン語の中に身を隠して、そのラテン語を、堂々と、何百年も前から彼らの先輩たちがしてきたとおり、
ただただ自分たちの無能力を取り繕ってペテン師ぶりをカモフラージュするために、
自分と患者とのあいだの越えることのできない頑丈な防壁として用いてきた」
「その診療の方法たるや、誰もが知っているとおり、非人間的で血なまぐさく命取りにもなりかねない代物なのである」
「主要な町と世に言われている多くの町々で、それもザルツブルグでさえ、
ノイエ・チャルヒャー・ツァイトゥングを入手できなかったというこの事実に、
反動的で偏狭、田舎根生でいて同時にほとんど不愉快なまでに誇大妄想的なこの国に対する怒りが私たち皆にこみあげてきた」
「当然のことながら私たちは、私たちに嘘をつく人たちを軽蔑し、私たちに真実を言ってくれる人たちを尊敬する」
「人間はみじめであり、確実に死ぬのだ」
「パウルは落ち着きのない、いつも神経がぴりぴりした、絶え間なく自制のきかない人間だった。
もの思いに沈みがちで、絶え間なく哲学的にものを考え、絶え間なく人を咎め立てする人間だった。
パウルは信じがたいほどに年季を積んだ観察者だったので、
そして、時とともに観察の芸術というべきものにまでなっていたそうした観察法によってまったく情け容赦のない人間になっていたので、
つねに人を咎め立てするあらゆる根拠にこと欠かなかった」
「私は性格のいい人間ではない。とにかくけっして性格のいい人間ではないのである」
URLリンク(leparadis.fc2web.com)

107:吾輩は名無しである
16/05/08 17:52:43.78 .net
クラファンならこの本は読んどけ!2冊目
スレリンク(classical板)
191 :名無しの笛の踊り:2010/09/13(月) 09:24:10 ID:vPLT2N65
トーマス・ベルンハルト『ヴィトゲンシュタインの甥-最後の古き佳きウィーンびと-』『破滅者-グレン・グールドを見つめて-』
468 :名無しの笛の踊り:2012/01/21(土) 21:12:28.69 ID:p8FABZmx
岩下眞好は実際に会うとガラ悪いぞw
トーマス・ベルンハルトの講義受けたけど、
さすがベルンハルトを訳してるだけのことはあるという毒舌ぶりだった
美山さんは人はよさそうだが、講義は???
許のあんちゃんは・・・知らねw
469 :名無しの笛の踊り:2012/01/21(土) 21:25:06.54 ID:p8FABZmx
おっと、ここはお勧めの本を紹介するスレだったな
ということで、トーマス・ベルンハルトはとりあえず読んどけ
代表作は「消去」だが、
岩下訳の「破滅者」、「ヴィトゲンシュタインの甥」もいい(現在は古本でしか手に入らないようだ)
岩下訳の2冊のうちのどっちに書いてあったか記憶が定かではないが、
ベルンハルトのカラヤン評は、宇野珍のようなおかしな精神論に陥っておらず、慧眼

108:吾輩は名無しである
16/05/08 19:22:46.20 .net
トーマス・ベルンハルト『リッター デーネ フォス Ritter Dene Voss』
URLリンク(www.isc.senshu-u.ac.jp)
 私達がこのパイを初めて食べる
 そうすると
 そうするとパイはいつも吐き気ものになる
 これ以上に嫌なものはなくなる
 クリーム・パイほど嫌なものはない
 私達がクリーム・パイを
 他の何よりも愛していると
 例えそのようにいつも言われていたとしても
 (姉に対して)
 私がクリーム・パイを食べるとお前は思っている
 そうだ、もしかしたらクリーム・パイだって私は食べるかもしれない
 もしかしたら食べるかもしれない
 悪魔が叫ぶ
 クリーム・パイを食べろ
 お前の姉が焼いたのだ
 悪魔が叫ぶ
 悪魔が叫ぶ
 そしてルートヴィッヒはそれを食べる
  (中略)
 こんなに吐き気もののクリーム・パイ
 こんなに嫌悪すべきクリーム・パイ 
 私の大好きなデザート
 みていろ    

109:吾輩は名無しである
16/05/08 19:26:01.18 .net
  絵を描かせる
  財産のために絵を描かせる
  沢山の金のために絵を描かせる
  (大声で叫ぶ)
  アフリカでは何百万もの子供達が飢えているんだ
  それなのにお前らは自分の絵なんぞを描かせている
  (自分に)
  絵を描かせる
  私の姉妹が自分の絵を描かせる
  ちょうど両親が絵を描かせたのと同じように
  芸術のパトロン、ああ、なんて嫌ったらしい
   (中略)
  醜い絵だ
  芸術的じゃない
  趣味が悪い
  絵を描かせる
  自分の絵を描かせる
  絵の芸術
  最低の芸術
  全くもって下劣な芸術

110:吾輩は名無しである
16/05/09 22:36:46.56 .net
「ドイツとポーランドの演劇におけるユダヤ人迫害の記憶」
演劇と文化的記憶との相互関係は現代演劇と演劇学の重要なテーマです。
第二次世界大戦中にユダヤ人迫害を行ったドイツ語圏諸国の戦後演劇においては、
ペーター・ヴァイスの『追及』やトーマス・ベルンハルトの『英雄広場』などがこうしたテーマを扱った代表作として知られています。
ポーランドの演劇としてはタデウシュ・カントールの『死の教室』が代表作です。
URLリンク(www.chuo-u.ac.jp)

111:吾輩は名無しである
16/05/10 23:50:07.30 .net
安倍「ダブルセックスでインフレウハウハw」

112:P ◆.uKag/vUmY
16/05/11 01:12:10.24 .net
>>110をツイートさせて頂きました
URLリンク(twitter.com)

113:吾輩は名無しである
16/05/11 20:03:43.17 .net
Café Bleu Library : Thomas Bernhard
URLリンク(www.cafebleu.net)

114:吾輩は名無しである
16/05/14 00:33:52.19 .net
りなっこ(イグアナリナコ)
兄のお気に入りの言葉が、徐々に「穀物」「豚」「とうひ」「赤松」といったものになっていたのに対し、
私のお気に入りは、「パリ」「ロンドン」「コーカサス」「トルストイ」「イプセン」などになっていった。(トーマス・ベルンハルト『消去 ある崩壊』)
#2016page58
2016年5月8日

115:吾輩は名無しである
16/05/14 00:45:50.48 .net
仕方ない、消去は図書館で読もう。。。

116:吾輩は名無しである
16/05/14 07:57:28.40 .net
悪循環w

117:吾輩は名無しである
16/05/15 00:35:01.46 .net
[No.8390] 【京都】国際マンガミュージアム/マーラー漫画パーク 投稿者:明日香 光二/馬場 投稿日:2015/01/14(Wed) 23:29:46
 四条河原町に近い京都国際マンガミュージアムでは、オーストリアの漫画家の展示を開催中です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆「愛すべき無理難題-マーラー漫画パーク-」~2/8(日)
    水曜休館
    本展のみは無料 
 現代文化をユーモラスに描いたり、オーストリア文学をコミカライズしたりするなど、
様々な試みで世界的に注目されつつあるオーストリア・ウィーン出身の新進気鋭の漫画家・ニコラス・マーラーを紹介する展示。
1.コスプレやフィギュアなど日本のポップカルチャーをテーマにした一コマ漫画、アメコミ業界や引きこもりを皮肉ったりしたストーリー漫画
2.哲学的な言葉を視覚的に面白おかしく描いたイラスト作品(原画含む)
3.オーストリア文学として有名な長編小説(ロベルト・ムージル作『特性のない男』、
トーマス・ベルンハルト作の『古展絵画の巨匠たち』)をストーリー漫画化した作品
4.オーストリアにある「クレムス市漫画博物館」の展示を中心とする、オーストリア漫画事情の解説パネル読書コーナー

118:吾輩は名無しである
16/05/15 02:49:27.96 .net
消去、買ったまま何年も読んでないが、いいよな?

119:吾輩は名無しである
16/05/15 03:00:01.13 .net
もちろん、いいよ

120:吾輩は名無しである
16/05/17 11:57:49.44 .net
南森町三郎
トーマス・ベルンハルト『消去』新装版には、訳者がオーストリアのヴォルフスエックを訪れた「新装版に寄せて」という短い文章が追加されています。
2016年5月14日

121:吾輩は名無しである
16/05/18 06:24:35.35 .net
いくら話題がないからって他人のつぶやきを勝手に貼るのはやめて

122:吾輩は名無しである
16/05/18 06:28:20.42 .net
他のスレに勝手にレスをコピペするのもいい加減やめてほしい

123:吾輩は名無しである
16/05/18 06:45:52.45 .net
みすず、貧乏人は蒸しか?

124:吾輩は名無しである
16/05/18 10:22:57.34 .net
貧乏人は本など読まずに働き続けよ。
どうしても読みたきゃ図書館へ行け。
ベルンハルトがなきゃ別の本でいいじゃん。

125:吾輩は名無しである
16/05/18 10:38:34.33 .net
「うちの近所の公民館にある図書館コーナー、小さいんだけど結構面白い本がおいてある。
お金払わずに済んだから節約したご褒美にへそくり増やす。」主婦

126:P ◆.uKag/vUmY
16/05/18 11:20:10.72 .net
ベルンハルトの『消去』新装版、以前の上下巻と訳文に違いない様子で、訳者による新装版あとがきのみ追加。ここに、本邦でもベルンハルト著作集刊行の動きがある、とあって狂喜。

127:P ◆.uKag/vUmY
16/05/18 11:20:43.10 .net
>>121
なんであなたが仕切ってるの?

128:吾輩は名無しである
16/05/19 03:05:41.83 .net
うざい

129:吾輩は名無しである
16/05/19 11:46:48.58 .net
Romane
①Frost. Frankfurt/Main: Insel 1963.
②Verstörung. Frankfurt/Main: Insel 1967.
③Das Kalkwerk. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1970.
④Korrektur. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1975.
⑤Die Ursache. Eine Andeutung. Salzburg: Residenz Verlag 1975.
⑥Der Keller. Eine Entziehung. Salzburg: Residenz Verlag 1976.
⑦Der Atem. Eine Entscheidung. Salzburg: Residenz Verlag 1978.
⑧Die Kälte. Eine Isolation. Salzburg: Residenz Verlag 1981.
⑨Ein Kind. Salzburg: Residenz Verlag 1982.
⑩Beton. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1982.
⑪Der Untergeher. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1983.
⑫Holzfällen. Eine Erregung. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1984.
⑬Alte Meister. Komödie. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1985.
⑭Auslöschung. Ein Zerfall. Frankfurt/Main: Suhrkamp 1986.

130:吾輩は名無しである
16/05/19 13:34:00.14 .net
Werkbeschreibungen ausgewählter Erzählungen
①Amras (1964)
②Ungenach (1968)
③Watten. Ein Nachlaß (1969)
④Gehen (1971)
⑤Ja (1978)
⑥Der Stimmenimitator (1978)
⑦Die Billigesser (1980)
⑧Wittgensteins Neffe. Eine Freundschaft (1982)

131:吾輩は名無しである
16/05/19 14:00:43.95 .net
Werkbeschreibungen ausgewählter Theaterstücke
①Ein Fest für Boris. (1970)
②Der Ignorant und der Wahnsinnige. (1972)
③Die Jagdgesellschaft. (1974)
④Die Macht der Gewohnheit. (1974)
⑤Der Präsident. (1975)
⑥Die Berühmten. (1976)
⑦Minetti. (1977)
⑧Immanuel Kant. (1978)
⑨Der Weltverbesserer. (1979)
⑩Vor dem Ruhestand. Eine Komödie von deutscher Seele. (1979)
⑪Über allen Gipfeln ist Ruh. (1981)
⑫Am Ziel. (1981)
⑬Der Schein trügt. (1983)
⑭Der Theatermacher. (1984)
⑮Ritter, Dene, Voss. (1984)
⑯Einfach kompliziert. (1986)
⑰Elisabeth II. Keine Komödie. (1987)
⑱Der deutsche Mittagstisch. (1988)
⑲Heldenplatz. (1988)
⑳Claus Peymann kauft sich eine Hose und geht mit mir essen. (1990)

132:P ◆.uKag/vUmY
16/05/19 21:01:33.97 .net
アムラスは「消去」の中でガンベッティに語られる「偉大なるドイツ文学5選」のひとつでもある。読みたい!!

133:吾輩は名無しである
16/05/19 21:25:41.61 .net
お話はこんな感じ↓
カナダで亡命生活を送っている男が母親の葬儀のためにエルサルバドルに一時帰国した。
この男が、モヤという名の人物に延々と語り続ける...その内容というのが、なんと悪口。
「モントリオールに移住したのは戦争を逃れるためでも経済的によりよい生活をしたいわけでもない。ただエルサルバドルにいることが嫌なのだ。
Esta país no vale la pena nada.(この国には何の価値もない)」とまで言い切る。
祖国の悪口から始まり、友人、兄弟親族、大学、マスコミ、文化、医師、交通機関、食べ物までありとあらゆるものに対し悪態をつく。
章立ても改行もなく、延々とこの罵詈雑言文章が続くので、
終いには(もう、いいかげんにしれくれ~)とイヤになってくるのだけれど、我慢して読み続けましたよ。
で、最後の数ページが、、、、まあ、なんと面白いこと!
すわ! パスポートの紛失!?
「このパスポートがなければカナダに帰国することができない」とパニックに陥る男の姿にただただ笑ってしまうのです。(ブラックな笑) 
で、見つかったかどうかは読んでのお楽しみ、ということに。 最後のオチ、これはややネタバレになってしまうけれど、この男、
トーマス・ベルンハルト という偽名を使っていたというところがミソ。
ただ、この トーマス・ベルンハルト を知らないと、この小説のユーモアは伝わらないかもしれません。
といかにも知ったかぶって書いているけれど、これはあとがきにあるロベルト・ボラーニョの書評を読んで知ったこと。(^^;)
以下、調べたこと
トーマス・ベルンハルトはオーストリアの作家で、自国をあからさまに非難するなど数々のスキャンダルを引き起こした。 
彼が書いた『消失』という小説のなかでもオーストリアの読者の神経を逆撫でするような毒舌がたっぷり味わえる。
というわけで、この "El asco" はベルンハルトのパロディーになっているんですね。
あ~、面白かった。スペイン語は簡単で大変読みやすいです。
"EL ASCO"
【著者】Horacio Castellanos Moya
【出版社】Tusquets Editores 139p
ISBN 978-84-8383-027-7
URLリンク(oirahaanko.exblog.jp)

134:吾輩は名無しである
16/05/19 22:21:06.70 .net
“ 80年代に上演回数ならびに発行部数が最も多かった作家はトーマス・ベルンハルトで、
その寓話性の強い戯曲や短編・長編小説はきわめて否定的な世界を描き出しており、サミュエル・ベケットを思わせる。
『ボリスのためのお祝い』、『狩猟の会』、『演劇人』、『リッター、デーネ、フォス』、『英雄広場』などの戯曲では、
生の否定がバロック的な饒舌で描き出されている。
トーマス・ベルンハルトに大きな影響を及ぼしたのは、イギリスに渡ったオーストリアの哲学者ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの言語批判である。

135:吾輩は名無しである
16/05/20 06:14:43.68 .net
Thomas Bernhard
URLリンク(www.wien.gv.at)

136:吾輩は名無しである
16/05/20 06:28:57.31 .net
例えば1988年/89年の劇作については37名の劇評家によって、以下のような結果が出ている。
 
Botho Strauß: Die Zeit und das Zimmer (12) Berlin Schaubühne 
Volker Ludwig: Ab heute heißt du Sara (6) Berlin Gripstheater
Thomas Bernhard: Heldenplatz (5) Wien Burgtheater
Peter Turrini: Minderleister (3) Wien Akademietheater
Matthias Zschokke: Blut (2) Bonn Schauspiel
Botho Strau : Sieben T ren (2) Stockholm Stadttheater  
Botho Strau : Besucher (1) M nchen Kammerspiele
とりわけ以下の三つの作品が重要と思われる。
まずボート・シュトラウスの『時と部屋』、次にトーマス・ベルンハルト『英雄広場』、そしてペーター・トゥリーニ『職無しのろくでなし』である。
 トーマス・ベルンハルトは1970年から劇作を始め、25年前の1974年にボート・シュトラウスと共にミュルハイマー劇作家賞を獲得した後、
二人とも70年代と80年代を代表する劇作家となったのだが、ベルンハルトは18作目の『英雄広場』をウィーンで初演した翌年の1989年に死去する。
ナチズムの過去を決着させないオーストリアの現状を告発するベルンハルトの<罵倒モノローグ劇>は、
最後に響く<ハイル!>の歓呼の高まりによって<戦後>のヒットラー・トラウマを挽歌として集約し、
同時に壁崩壊後の社会意識(ユダヤ人排斥→外国人排斥)への不安な予兆の宣言ともなっている。
ただしベルンハルトの劇作は、そのような政治批判をはるかに超えたダイナミックな表現特性を開拓しているだろう。
以上の三人の劇作家は、いずれも1968年世代的な批判意識を背景としながら、戦後の経済的繁栄を謳歌するドイツ・オーストリアの抑圧を描き続ける。
すなわち戦争責任 (ベルンハルト)、人間関係の希薄さ (シュトラウス)、 失業 (トゥリーニ)などを通して、
戦後の経済的繁栄の裏に潜む人間不信を描き出そうとする。
ただし告発の表現に自己相対化の視点が交じり合っていること、対話がモノローグへと閉塞する傾向が顕著なこと、
内容の深刻さにもかかわらず言葉や舞台形象に皮肉な軽味のあることなどに、60年代のイデオロギー的な政治告発とは異なった劇的展開が見られる。
URLリンク(www.isc.senshu-u.ac.jp)

137:吾輩は名無しである
16/05/20 06:38:12.27 .net
『ふちなし帽』
[原題] Die Muetze
[著者名] トーマス・ベルンハルト(Thomas Bernhard)
[訳者名] 西川 賢一
本書は、短篇集 "Prosa." と "An der Baumgrenze." を完訳し、さらにいくつかの作品を加えて編まれた短篇集である。
ほかに、子供向けに書かれた「ヴィクトル・ハルプナル 冬のメルヘン」や、
刑務所生活のなかで小説のようなものを書き続ける男の話「クルテラー」など、11篇が収められている。
どの作品も暗い調子で、人生への絶望や自殺が描かれているものが多い。
しかし、そんなふうに人生に翻弄される人間は、傍から見ればこっけいなものなのかもしれない。
「喜劇? 悲劇?」という作品の中には、「この世はまるごと監獄です。
そして今晩、うけあって言いますが、あすこの劇場で演じられているのは、あなたが信じようと信じまいと、喜劇です」というセリフが出てくる。
この言葉がベルンハルト作品の本質を言い当てているのではないだろうか。
 ベルンハルト(1931~89)はオランダのヘールレンで生まれウィーンで育ち、主にオーストリアで執筆活動をした。
その作品には短篇や長篇、戯曲などがあり、1970年にはゲオルク・ビューヒナー賞を受賞している。
改行の少ない特異な文体と、カフカやベケットに通じる不条理な雰囲気を特徴とし、W. G. ゼーバルトの作風にも影響を与えた。
URLリンク(litrans.g.hatena.ne.jp)

138:吾輩は名無しである
16/05/20 06:44:57.18 .net
悩んでいた時にトーマス・ベルンハルトの演劇を観たら
あれ?あれれ?あれれれれ?
ドイツ語わかるぞ・・・
ドイツ語がわかるというだけでハマった訳ではないが
トーマス・ベルンハルトの
オーストリアや演劇に対する憎悪に満ちた愛
ブラック・ユーモアとも言いにく暗い厭世観や
容赦なく人をバカにする(しかも実名で)態度とか
オーストリア人はみんなナチスでアホだ、という
極端だが、もしかしたらそうだったのかも、と思わせる内容に
一時期、どっぷり浸かって
トーマス・ベルンハルトの作品が上演されると聞くと
せっせと通っていた時期がある。
で、クラウス・パイマンって誰だ?
1979年からドイツのボッフムの劇場のダイレクターとして活躍し
ベルンハルト以外にも
ペーター・ハントケやエルフリーデ・イェリネックの作品を積極的に上演。
1986年から1999年にかけて
ウィーンのブルク劇場のダイレクターとして
ともかく、スキャンダルと物議を醸し出した。
ベルンハルトの「英雄広場」の初演の大事件とか
(実名バンバン出てくるので
 招待された政治家たちが席を蹴って帰っちゃって
 次の朝の新聞は第一面で大騒ぎだった)
ブルク劇場の俳優さんたちの抵抗とかも色々。
(労働契約の変更とか、ドイツ人の俳優を多用したとかエトセトラ)
「パイマン時代」というのは、良くも悪くも
オーストリアで一番ダイナミックな演劇の時代だったと思う。
URLリンク(happawien.jugem.jp)

139:吾輩は名無しである
16/05/20 13:15:35.28 .net
Werke in 22 Bänden: Band 1: Frost
Werke in 22 Bänden: Band 2: Verstörung
Werke in 22 Bänden: Band 3: Das Kalkwerk. Roman
Werke in 22 Bänden: Band 4: Korrektur
Werke in 22 Bänden: Band 5: Beton
Werke in 22 Bänden: Band 6: Der Untergeher
Werke in 22 Bänden: Band 7: Holzfällen
Werke in 22 Bänden: Band 8: Alte Meister
Werke in 22 Bänden: Band 9: Auslöschung
Werke in 22 Bänden: Band 10: Die Autobiographie
Werke in 22 Bänden: Band 11: Erzählungen I
Werke in 22 Bänden: Band 12: Erzählungen II
Werke in 22 Bänden: Band 13: Erzählungen III
Werke in 22 Bänden: Band 14: Erzählungen. Kurzprosa
Werke in 22 Bänden: Band 15: Dramen I
Werke in 22 Bänden: Band 16: Dramen II
Werke in 22 Bänden: Band 17: Dramen III
Werke in 22 Bänden: Band 18: Dramen IV
Werke in 22 Bänden: Band 19: Dramen V
Werke in 22 Bänden.: Band 20: Dramen VI
Werke in 22 Bänden: Band 21: Gedichte
Werke in 22 Bänden: Band 22: Journalistisches Reden Interviews

140:吾輩は名無しである
16/05/20 17:23:03.76 .net
ツイッターのファン
『消去』、家族と故郷の悪口ばっか言ってるかと思えば本人に会って認識を改めたり改めなかったり
ラスト近くになってからワナビの言い訳みたいなこと言い出したりして最高
こんな内容だから改行一切なしのノンストップ文体が採用されているのは必然ですね
トーマス・ベルンハルト『消去』、読みました オーストリアに向けた怒涛の誹謗中傷に漂う只ならぬグルーヴ感よ
"消去"に対する(おそらくベルンハルトではなく)ムーラウの考え方、ナボコフが似たようなこと書いてた気がするけどあまり覚えていない
2016年5月15日
URLリンク(pbs.twimg.com)
URLリンク(pbs.twimg.com)
URLリンク(pbs.twimg.com)
URLリンク(pbs.twimg.com)

141:吾輩は名無しである
16/05/22 11:11:29.16 .net
消去を読まずに語っている人間ばかりだが、今井敦訳の「ある子供」はすばらしい!
自伝という「物語」に強く傾斜する形式を、ひたすらに「物語」や「言葉の自律性」に対する距離をとろうとし続けたベルンハルトの「特性」が現れている。
蓮實重彦が、「消去」の翻訳者である池田信夫の達成に静かに感嘆していたことを思い出す。
言語の自律性に抗った時代の空気を吸って生きた作家たちであり、それでもなお言葉から離れて物語的説得力を持ってしまう説話論敵装置への抵抗を表現しながら、言語によって真実を表現できないことを主張しながら「真実へ向かうことの態度」だけは放棄しなかった作者なのだ。
言語と表現されるもの、達成されるものの間にある絶望的な齟齬はあらゆるベルンハルトの主人公に共有されており、にもかかわらず作品を完成させない彼らは無意味ではない。
ありふれた、といっていいこのような読解においてもなお「新しいもの」を持っているベルンハルトの新しさはテキストの総体においてのみ現れる。

142:P ◆.uKag/vUmY
16/05/22 22:04:59.32 .net
しかしベルンハルト『消去』の訳は本当に労作だが、文芸誌上では蓮實重彦がインタビューで言葉少なに感嘆の声を上げていた以外(当然「書評」や「紹介」レベルではない)思い出される評価がなされたいない。
あれはいつだったろう。柳美里とアンゲロプロスの対談が載った号周辺の「新潮」だったような。
URLリンク(twitter.com)
2010年8月のツイート

143:吾輩は名無しである
16/05/23 01:04:58.05 .net
>>141
何を言っているのか、さっぱりわからん。0点

144:吾輩は名無しである
16/05/23 03:07:16.08 .net
あら、ベルンハルトスレあったのね。読みました?
2016/5/20発売 『ある子供』トーマス・ベルンハルト
没後四半世紀を経ても多くの読者を魅了する恐るべき作家トーマス・ベルンハルト、
その全作品をとく鍵と言われる〈自伝〉五部作のひとつ。
母親、祖父母とともに暮らし、貧しい生活の中で、
無名の作家であった祖父から決定的な感化をうけた少年時代をふりかえる。

145:P ◆.uKag/vUmY
16/05/23 22:47:26.15 .net
>>144
まじか探してツイートするぜ

146:P ◆.uKag/vUmY
16/05/23 23:07:53.18 .net
煽りツイートしといた(笑)
URLリンク(twitter.com)

147:吾輩は名無しである
16/05/27 00:54:26.84 .net
ゼロモチベーション済藤鉄腸
後、トーマス・ベルンハルトの自伝「ある子供」が本屋にあって超ビックリ。今後自伝5部作全部翻訳するそうでヤバい。
2016年5月26日

148:吾輩は名無しである
16/05/27 11:43:53.79 .net
Gert Voss - Best Of - Ritter, Dene, Voss
URLリンク(www.youtube.com)

149:吾輩は名無しである
16/05/27 12:08:09.18 .net
Thomas Bernhard
in English: works, essays, reviews
URLリンク(www.thomasbernhard.org)

150:吾輩は名無しである
16/05/28 14:09:07.03 .net
阿部英樹
トーマス・ベルンハルト『ある子供』読了。自伝五部作の一つで少年時代の回想ということもあり呪詛は控えめ、
敬愛する祖父の多大な影響と家族への愛憎、子供ならではの多感な栄光と絶望。
段落改行無しで切れ味鋭い著者のお家芸炸裂の文体で、時に美しくも残酷な現実を的確に描写する、甘くはない快著。
トーマス・ベルンハルトの書く「否定」を、ぼくは肯定していたいなあと思う。
ベルンハルトの愛読者は多かれ少なかれその「否定」の美に惹かれるところがあるんじゃないだろうか。
なんつうか、くどいほどにキレッキレなのがカッチョイイと思うのですよ。
2016年5月26日

151:吾輩は名無しである
16/05/29 10:44:56.24 .net
二十九日にピンチオの丘で教え子のガンベッティと落ち合い、五月の授業日程の打ち合わせを終えた私は、
とフランツ‐ヨーゼフ・ムーラウは記す、ヴォルフスエックから戻ったばかりのそのときも改めてガンベ
ッティの高度な知性に目を見張る思いをさせられ、大いに感激したこともあって、コンドッティ街からミネ
ルヴァ広場に直行するふだんの道を通らず、フラミナ街からポポロ広場経由でコルソへ抜ける道をとった
のだが、オーストリアでなくローマこそ自分の住処だと思いはじめてもう久しくなると考えるうちにだんだ
ん気持ちがはずんできたので、しばらくコルソをぶらついてから家に戻った矢先の午前二時頃、両親と兄ヨ
ハネスの死を告げる一通の電報を受け取ったのだった。「両親とヨハネス、事故にて死す。ツェツィーリア、
アマーリア」私は電報を両の手に開いたまま、さめた頭でがらんとして人気のないミネルヴァ広場を見おろ
す窓辺へゆっくり歩いていった。ガンベッティには、数週間以内に彼に有用かつ必要なものになるはずの本
を五冊渡し、その五冊、つまりジャン・パウルの『ジーベンケース』、フランツ・カフカの『審判』、トーマ
ス・ベルンハルトの『アムラス』、ムジールの『ポルトガルの女』、ブロッホの『エッシュもしくは無政府主
義』を細心の注意を払い、彼の場合特に守らなければならないゆっくりした速度で読みこんでおくよう言っ
てあった。

152:吾輩は名無しである
16/05/30 09:42:27.71 .net
2016.5.28 09:33
【週間ベストセラー】
首位は「古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば」 〈5月24日 東京堂書店 総合〉
〔1〕森達也 青木理の反メディア論
               森達也、青木理著(現代書館・1700円+税) 
〔2〕古い洋画と新しい邦画と 本音を申せば
                  小林信彦著(文芸春秋・1750円+税)
〔3〕ランチパスポート神保町・水道橋・御茶ノ水 Vol.5
      DRCマーケティング著(スイートチックオムレツ・907円+税)
〔4〕漫画家、映画を語る。9人の鬼才が明かす創作の秘密
              島田一志編(フィルムアート社・1800円+税)
〔5〕日本会議とは何か 「憲法改正」に突き進むカルト集団
                   上杉聰著(合同出版・1000円+税)
〔6〕ギケイキ 千年の流転   町田康著(河出書房新社・1600円+税)
〔7〕昼ベロ酒場 明るいうちから呑める安くて旨い店 東京編
              居酒屋散策同人会監修(辰巳出版・800円+税)
〔8〕ある子供
       トーマス・ベルンハルト著、今井敦訳(松籟社・1600円+税)
〔9〕村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝
                   栗原康著(岩波書店・1800円+税)
〔10〕ロッキング・オン天国 増井修著(イースト・プレス・1500円+税)
URLリンク(www.sankei.com)

153:吾輩は名無しである
16/06/01 22:16:12.29 .net
ここの住人はコピペばっかりで誰もベルンハルト読んでないんだな
それとも読んでもコピペしかできないのか

154:吾輩は名無しである
16/06/01 22:19:54.80 .net
主人公は一見、世界を憎悪し、家族への恨みに粘着しているようでいて、
実はすべての感情や思考をサラサラと水のように流し続けていて、
その中身にはまったく捉われていない(もちろん小説としては捉われている風に描かれていますが)。
刻々と襲ってくる暗い思い出やうんざりする感情といったものを、自らの中で明確に認識し、味わい、瞬刻ごとに落としている
(ムーラウがそうしているというよりは読者に与える効果がそのような物であるという意味)。
この延々と続くモノローグの記録は、この浄化のための手段ではないかとさえ思える。
つまりムーラウが直面しなければならないストレスに満ちた個人的体験を乗り切るためには
このように絶え間ないモノローグによって自らの体験を「消去」し続けるような文体を選択するしかないという必然性が伝わってくる。
URLリンク(happy.ap.teacup.com) 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:87f20c3c9ee883ab649a4d7f8b996d63)


155:吾輩は名無しである
16/06/01 22:34:11.76 .net
>>153
これ、たぶんひとりの人がえんえんとコピペしてるんだよ
ほかのスレもやられてる
本人はこうして文学板を盛り上げているつもりなんだろうが

156:P ◆.uKag/vUmY
16/06/02 21:09:58.48 .net
>>153
「自分でやってみせろ」っていうツッコミが想定できてないのがすごい。
>>155
同上

157:吾輩は名無しである
16/06/02 21:23:57.74 .net
ググれば誰でも見付けられるコピペの羅列とか邪魔なだけなんだけど?

158:P ◆.uKag/vUmY
16/06/02 21:41:37.85 .net
>>157
僕はそれを貼った人の意思を決して否定しない。彼/彼女の前に誰も貼らなかったのがおかしい。

159:P ◆.uKag/vUmY
16/06/02 21:42:49.18 .net
ググれよ。真実が書いてあるとは限らないが、多くの場合は読まないよりもまし。

160:吾輩は名無しである
16/06/02 21:50:11.15 .net
次スレからはワッチョイ必須だな ちょいちょいレス乞食が沸くから

161:吾輩は名無しである
16/06/03 00:01:30.11 .net
クソコテとコピペ馬鹿は同一人物か

162:P ◆.uKag/vUmY
16/06/04 00:12:58.88 .net
違うよ。どうでもいいから、率先してベルンハルトの事を書いてくれ。

163:吾輩は名無しである
16/06/13 23:59:08.46 .net
ツァ
『消去』でベルギーの画家としてデルヴォーとアンソールが挙げられてる一節があったな
2016年4月26日
私にアンソールやデルヴォーの芸術を教えてくれたり、
ブリュッセル近郊の美しい別荘に連れていってくれた。
haben mich mit der Kunst Ensors und der
Kunst von Delvaux bekanntgemacht, mich mitge-
nommen auf die schönen Landsitze in der Brüsseler
Umgebung.

移民の子どもたちの水泳教室に批判相次ぐ「移民は溺れ死ねばいい」 オーストリア [無断転載禁止]©2ch.net [764086481]
スレリンク(poverty板)
71 : 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイW 2348-oU5x)2016/06/12(日) 08:03:13.55 ID:V+XGDKmX0
ボルフスベルグってベルンハルトの「消去」の場所じゃん

164:吾輩は名無しである
16/06/17 19:09:48.12 .net
最初に僕にトーマス・ベルンハルトを推薦したのはアスビョルンだった。
彼はノルウェーの文芸愛好家が彼に言及しはじめる十年も前に出版されたイッレンダール出版のヴィータシリーズで『セメント』を読んでいたが、
僕はアスビョルンの感じるこのオーストリア人作家の魅力を当初はほとんど理解できなかった。
が、それから十年経ってようやくノルウェー文学界の残りの人々と共にその作家の偉大さを見出した。
アスビョルンの才能は「鼻が利くこと」で、僕はこれまで彼のような人に会ったことがない。
しかし、学生としての存在以外の場所では、それが何になるだろうか?
わが闘争 父の死
カール オーヴェ クナウスゴール (著), Karl Ove Knausgård (著), 岡本 健志 (翻訳), 安藤 佳子 (翻訳)
出版社: 早川書房 (2015/9/19)
父の訃報を受けて故郷に帰った作家は、緊張と不安に満ちていた少年時代を回想する。
ジェフリー・ユージェニデス、ゼイディー・スミス、ハリ・クンズル絶賛。ノルウェーの大人九人に一人が読んだ自伝小説の傑作!
想像を絶するほど赤裸々に描かれる家族の肖像と、青春の日々。世界を席巻した破格の自伝的小説。
執筆に励む作家カール・オーヴェ・クナウスゴールは、十年前の父の死を回想する。
冷たく専制的だった父は、少年時代にも、そしてその後にも、どこか遠い存在だった―。世界の読書人を熱狂させたノルウェー人作家のベストセラー。

165:吾輩は名無しである
16/06/23 23:21:39.64 .net
----そうした人たちは、どんどん多く、そしてどんどん次から次へと、自分たちの精神的財産を(自分たちの頭の)窓から投げ出してゆくのであるが、
その精神的財産は、自らが(自分たちの頭の)窓から投げ出すのと同じ速度で、頭の中で増殖してゆく。(略)
そしてついには(自分たちの頭からの)精神的財産の投げ出しのほうがもう間に合わなくなってくる。(略)
これらの頭の中ではついに絶え間なく、そしてじっさいに次からと次と精神的財産が生まれ、
しかもその速度は、彼らがそれを(彼らの頭の)窓から投げ出すよりもはるかに、残酷なほど速いのである。
そのためにある日、頭が爆発し、彼らは死んでしまう。
『ヴィトゲンシュタインの甥』(岩下眞好訳・音楽之友社)
----写真の映像が、と私はガンベッティに言った、世界規模の白痴化を作動させたのだが、
そのプロセスは、写真映像が動きはじめた瞬間、人類にとって致命的な速度に達した。
人類はこの数十年来痴呆のようにそういった致命的な写真映像だけを眺めているうちに、麻痺させられたも同然の状態になっている。(略)
そういう痴呆状態の支配する世界に生きるのはどだい無理だ、ガンベッティ君、と私は彼に言った、と私はいま開いた墓を前に考えた。(略)
思考を糧に思考を通して生きる者が二千年期の終わる前に自殺を「遂げる」ほど論理的なことはない。(略)
と私はガンベッティに言った、と私はいま開いた墓を前に考えた。
『消去』(池田信雄訳・みすず書房)

166:吾輩は名無しである
16/07/05 01:35:48.79 .net
パウル・ヴィトゲンシュタイン 投稿者:kiyo  投稿日:10月 9日(木)
これに関連してひとつお読みになったことのない方のために本を紹介しておきます。
ウィーンの劇作家のトーマス・ベルンハルトが書いたパウル・ヴィトゲンシュタインの回想録で音樂の友社から邦訳が出ていたと思います。
ここに登場するパウルとはかの有名な哲学者のルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの甥にあたる人物です。
二人の出会いのとき最も中心的な話題になっていたのが前日にムジークフェラインで聴いたSchurichtの指揮するロンドンフィル
(実際にはロンドン交響楽団と思います)のMozart ハフナー交響曲だったのです。
ベルンハルトはこれ以上の音楽的体験はこれまでしたことがないというほどと絶賛しています。
パウルはその数学的なまでの対称性の美しさと完璧さを賞賛しています。
その他に中庭でいっしょにラインを聴いてそのすばらしさに感動したエピソードなんかも出てきます。
ベルンハルトはSchurichtとカラヤンを絶賛しており
‘私はSchuricchtを心から愛していたがカラヤンにはいつも小さい頃から現場で接して感服していた’と述べています。
何か気持ちはわかるような気もします。
対照的にパウルはカラヤンをとことん毛嫌いしています。そもそも彼は典型的なオペラ人でありオペラ的思考の持ち主であった。
裕福な貴族の生まれの彼はその晩年に体を悪くしてからでさえオペラ座の立見席の一番前に最初から最後まで立ちつづけ
彼の先にも後にもないと言われるすさまじいブラボーやブーでその公演の成否を決定付けてしまっていたという
(カラヤンには通用しなかったようですが・・・)。
そんな彼がSchurichtを熱愛していたということはオペラというものを考えるにしてもある重要な意味を含んでいるのではないかと思うのです。
ベームなんかでワーグナーをきいたら二日酔いになっちまうよとクレンペラーを懐かしんで話してもいたようです。
このようにオペラでさえもかなりスタイルの好みをわかつものですが要するに交響曲を聴くときと同じように一概には扱えないものなのだと思います。
僕はSchurichtにMozartのオペラだけでも指揮してほしかったと心から思います。
URLリンク(www.asahi-net.or.jp)

167:吾輩は名無しである
16/07/23 15:53:52.83 .net
のべつ写真を撮りまくり、絶えずカメラを首にかけて
走り回っている人間を私は軽蔑する。そういった連中は四六時中モチーフを探していて、何でもかでも、こ
のうえなく馬鹿げたものでさえも手当たり次第、写真に撮る。彼らの頭にあるのは、身の毛もよだつような
仕方での自己演出だけだが、もちろん自分ではそのことに気づいていない。そうやって彼らの写真には倒錯
的に歪曲された世界が定着される。それは倒錯的に歪曲されているという点でしか現実の世界と通いあうと
ころのない世界である。彼らは自らの世界の歪曲に手を下したのだ。写真という下品な中毒症は、徐々に全人
類をまきこんだ。人類は歪曲と倒錯がたんに好きでたまらなくなったばかりか、すっかりそれに血道をあげ、
写真を撮りまくるせいで、歪曲された倒錯的な世界だけが真実の世界だと思いこむ結果になっている。写真を
撮る人間は、犯されうる犯罪の中でもっともたちの悪い犯罪を犯す。というのも写真の中で、自然は倒錯
的でグロテスクなものに変えられてしまうからだ。写真に写っている人間は、正体不明なまでにねじ曲げら
れ、ぶざまにされた滑稽な人形でしかない。それがびっくりした表情をして、レンズを覗いているから、馬
鹿ばかしくて腹が立つ。写真は、地上のすべての大陸のすべての住民を虜にした下賎な情熱であり、全人類
を冒した、癒える見込みのない病である。写真術の発明はあらゆる技術のうちもっとも人類に敵対的なも
のを発明したのだ。自然とその中に生きる人間が決定的に歪曲され自然の渋面と人間の渋面に変わってしま
ったのも、みなその発明家のせいだ。私はいまだかつて写真の中で自然な人間、真に実在する人間にお目に
かかったことがないし、真に実在する自然を目にしたこともない。写真は二十世紀最大の不幸だ。(20ー21p)

168:吾輩は名無しである
16/07/31 12:37:00.72 .net
にゃおバス
数年前からピアニスト、フランチェスコ・トリスターノは私のイチオシで
来日したらコンサートは必ず行ってるんだけど最近私の周りで認知度が上がって嬉しい。
ちなみに彼のイチオシ小説はベルンハルト「消去」とインタビューで言っててこれはしばらく廃刊だったんだけど最近復刊されました。
2016年7月30日

フランチェスコ・トリスターノ・シュリメ インタヴュー
URLリンク(www.kojimacm.com)
私が最も好きな作家はトーマス・ベルンハルトです。彼の作品は日本語にも訳されているはずです。
『破滅者』はグレン・グールドと彼のゴールドベルク変奏曲のレコーディングを著しています。
この本と出会ったとき、私はおそらくまだ若すぎたように思います。でもこの本をきっかけに私はトーマス・ベルンハルトの小説はすべて読みました。

169:吾輩は名無しである
16/08/02 19:46:49.03 .net
”ブロイナーホーフではすぐに思考がもうもうたるタバコの煙と調理場の臭いと、
昼頃にやって来ては社会的憤激をぶちまけるウィーンの4分の3知識人、半知識人、4分の1知識人達のおしゃべりによって窒息してしまう。
ブロイナーホーフでは人々の話し声が私には大きすぎるか小さすぎるかのどちらかで、
給仕のサービスも私には遅すぎるかはやすぎるかのどちらかである。
よく考えるとブロイナーホーフは私が日々自分のために果敢に要求している全てのことに背反している。
ウィーンのカフェーハウスを嫌っていたにもかかわらず、あるいはまさにずっと嫌っていたがゆえに、
私はウィーンではずっとカフェーハウス通い病にかかっていたのである。
他のどんな病気よりもこのカフェーハウス通い病に苦しめられている。
そして私は今日でもなおカフェーハウス通い病に悩んでいる。”
「ヴィトゲンシュタインの甥」
URLリンク(images.derstandard.at)

170:吾輩は名無しである
16/08/04 09:58:54.20 .net
『Woodcutters ― 伐採 ―』ポーランドの巨匠が国と芸術のあり方に警鐘を鳴らす。
■タデウシュ・カントル、ピーター・ブルックにならぶヨーロッパ演劇界「現代演劇界の巨匠」クリスチャン・ルパの作品が日本初上陸。
■1984 年にオーストリアで実際に起きた話に基づいた小説をポーランドに置き換え、国と芸術のありかたに警鐘を鳴らした作品。
■ルパが仕掛ける退廃的でスタイリッシュな時空間に潜む、痛烈な4 時間20 分。
 ヨーロッパ演劇界「現代演劇界の巨匠」クリスチャン・ルパの作品がフェスティバル/トーキョー16でついに日本初上陸を果たします。
ルパが生涯にわたって取り組み続けているオーストリアの作家トーマス・ベルンハルトによる同名の小説を翻案・演出した本作
『Woodcutters ― 伐採 ―』は、2014 年ポーランド国内の演劇賞を総なめにし、フランス等で上演され、
世界的な成功を収め続けた上演時間4時間20分の大作です。
●あらすじ:舞台は自殺した女優の葬儀後に開かれた「アーティスティック・ディナー」会場。
女優の旧友たちであり、社会に翻弄され芸術的理想を忘れた過剰なエゴにまみれた芸術家たちが集う。
友人の弔いをよそに飲み続け、酔って互いの本音を吐露し、辛辣な批判や自虐、激しい怒りをぶつけ合います。
●作品概要
翻案・美術・照明・演出:クリスチャン・ルパ 作:トーマス・ベルンハルト
東京芸術劇場 プレイハウス / 10 月21 日(金)~ 10 月23 日(日)計3ステージ
URLリンク(prw.kyodonews.jp)

171:吾輩は名無しである
16/08/10 11:22:05.74 .net
俳優を演じる俳優 : ベルンハルト・ミネッティについて
URLリンク(dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp)
ミネッティの晩年を華やかなものにしたのはベルン
ハルトの作品で収めた成功だが,ベルンハルトにとっても多作にして芳醇な
70年代から80年代にかけての活動をもたらしてくれたのは, ミネッティとの
出会いであったのだ。

172:吾輩は名無しである
16/08/20 19:55:03.59 .net
ゲルハルト・ランペルスベルク:室内楽作品集
URLリンク(honto.jp)
シュライヤーマッハー率いるアーティストたちによるアヴァンギャルドな音楽
ゲルハルト・ランペルスベルクはウィーン音楽大学で作曲を学び、ヴェーベルン後の高度な12音階を使用した作曲家です。
特にトーマス・ベルンハルトの心理的な細密な独白と厭世的な世界観など、ウィーンの有名な前衛作家たちに大きく影響を受けました。
1950年代よりアヴァンギャルド的才能が開花し、特に「沈黙」「瞑想」「熟考」という基本表現をもつ室内楽の分野で高い評価を得ました。
 アンサンブル・アヴァンギャルドは、ジョン・ケージ全集などで有名な現代音楽専門ピアニスト、
シュテッフェン・シュライヤーマッハーによって設立されたアンサンブル。
詩と連携された感情的な衝突や、万華鏡のような光と沈黙など、当時の最先端の前衛音楽が収録されています。(ユニバーサルIMS)
Bernhard Portal / Portale Bernhard
URLリンク(bernhardiana.blogspot.jp)
alphabetisch nach Autorennamen
URLリンク(www.meine-lieblingsbuecher.de)

173:吾輩は名無しである
16/08/23 10:40:10.07 .net
本を買う金はあるのに買いたい本がない。
ベルンハルト小説全集でも出れば全巻買うのに。

174:吾輩は名無しである
16/08/23 13:40:00.50 .net
>>133
コピペに返信してもむなしいけれどこの小説が英訳された
よい小説

175:吾輩は名無しである
16/08/26 01:50:22.00 .net
『石灰工場』新訳版出ないかな?

176:吾輩は名無しである
16/08/31 01:54:39.52 .net
消去の主人公はドイツ文学を馬鹿にしてるけど
カフカやパウルは好きなのか

177:P ◆.uKag/vUmY
16/08/31 17:26:58.04 .net
ドイツ文学自体をバカにしてはないんじゃないですか。ベルンハルトはドイツ語をバカにしてて、その困難な言語表現を通過したドイツ文学は素晴らしいものになり得るのだ、みたいに書いてなかったっけ。

178:吾輩は名無しである
16/09/01 12:56:36.54 .net
ドイツ文学は他の国の文学より劣ること語ってたね
本心ではないと思う

179:P ◆.uKag/vUmY
16/09/01 14:29:37.35 .net
ベルンハルトのオーストリア人に対する憎悪は凄まじいものがあるよね

180:吾輩は名無しである
16/09/01 20:13:51.00 .net
オーストリアの自然は素晴らしいのに人間は酷いって

181:P ◆.uKag/vUmY
16/09/01 20:21:26.17 .net
オーストリア人を悪魔化してるよね(笑)

182:吾輩は名無しである
16/09/02 00:09:47.22 .net
ヒトラーはオーストリア人

183:吾輩は名無しである
16/09/02 10:40:42.06 .net
オーストリア人はドイツ人

184:吾輩は名無しである
16/09/02 12:10:30.22 .net
トーマス・ベルンハルトは生まれがあれだからねw
捻くれたんだと思う。
Pも在日朝鮮人として生まれたから
トーマス・ベルンハルトを理解できるんだろうねw
チョンだからw

185:吾輩は名無しである
16/09/02 12:28:23.13 .net
バカだから理解できていないだろうw

186:吾輩は名無しである
16/09/08 21:37:53.40 .net
未訳小説の新訳を出してくれないかな?
6000円くらいなら買うからさ。

187:吾輩は名無しである
16/09/10 00:20:12.13 .net
age

188:吾輩は名無しである
16/09/10 08:16:24.42 .net
ある子供の訳者解説で、売れ行き次第では残りの自伝4作品出すみたいなことを仄めかしとったぞ

189:吾輩は名無しである
16/09/11 09:41:42.62 .net
自伝はいらない。創作を読みたい。

190:P ◆.uKag/vUmY
16/09/11 10:04:32.63 .net
自伝が読みたい。自伝とは言え単なる自伝じゃないに決まってるんだから。

191:吾輩は名無しである
16/09/22 20:40:49.58 Vrmelgb3.net
vol.4 クリスチャン・ルパの『伐採』    池田信雄
URLリンク(www.festival-tokyo.jp)
ポーランドの演出家クリスチャン・ルパは自ら翻案したトーマス・ベルンハルトの小説『伐採』を、
国立ヴロツラフ劇場の舞台に掛け、2014年のポーランドの演劇賞を総なめにした。
ルパがベルンハルトの作品を手がけたのは、1992年に小説『石灰工場』を翻案し演出したのが最初で、
次が1996年に戯曲『リッター・デーネ・フォス』、同じ1996年に戯曲『イマヌエル・カント』、
そして5年を隔てて2001年にベルンハルト最後の長編小説『消去』の翻案を舞台に乗せている。
『伐採』の上演の前年に小説『混乱』をフランスで演出し、
2015年には小説『伐採』にまさるとも劣らぬスキャンダルを巻き起こした戯曲『ヘルデンプラッツ』を上演している。
小説が4つ、戯曲が3つである。
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、リルケの『マルテの手記』、ローベルト・ムジールの『特性のない男』、
ヘルマン・ブロッホの『夢遊病者たち』、ゴンブロビッチの『フェルディドゥルケ』等、
ルパはベルンハルト以外にも長編小説の傑作を舞台化するのに長けた人だが、
とりわけベルンハルトを自分の本領と考えていることは確実である。

192:吾輩は名無しである
16/10/18 22:36:33.80 AcxQdM5b.net
vol.7 『Woodcutters ― 伐採 ―』 鴻英良×ピョトル・ルツキ対談
URLリンク(www.festival-tokyo.jp)
ルパにとって、何より重要なインスピレーションの源泉となっているのはベルンハルトです。
『石灰工場』『英雄広場』など、ルパは多くのベルンハルト作品を演出してきました。
彼は非常にペシミスティックな小説家で、人間にも、芸術家にさえも希望を与えることはありません。
しかし、それは、これから変わっていくかもしれない道のりへの第一歩でもあるわけです。
ですからルパは、ベルンハルトが書く絶望こそを、
私たちが現在おかれている状況から外へと踏み出す唯一の希望だ、と捉えているのだと思います。
この芝居は、パーティーを開いたホストの妻と、(客人の一人であった)ベルンハルト本人との対話で終わります。
そこで妻は「ここで今夜見たことは書かないでください」という。しかし、ベルンハルトは実際にそれを書いていますよね。
リハーサルでルパは、このシーンについて「ベルンハルトはこの世界の外側にいるように存在する」と言っていました。
彼も芸術家たちのサロンの一員ではあったけれど、自ら身を売るようなことはしまいと意識していた。
だからといって彼が特別優れているわけではなく、多少はましだというだけですが。

193:吾輩は名無しである
16/10/25 17:22:31.94 CP5bMxmE.net
自己の発見
70年代には、多くのドイツ語作家が自己の個人的生活をその作品のテーマにした
(マックス・フリッシュ「日記帳」、ヴォルフガング・ケーペン「青春」、トーマス・ベルンハルト「原因」「呼吸」「寒気」、エリアス・カネッティ「救われた舌」)。
70年代半ば以来独自の女性文学も生まれ
(カーリン・シュトゥック「クラスの恋人」、ヴェレーナ・シュテファン「脱皮」、ブリギッテ・シュヴァイガー「どうして塩は海に入るか」)、
これらの作品は今日までその地位を保持している。一方ドキュメント文学では、政治的な要素と自己存在への反省が交差している
(ウーヴェー・ヨーンゾーン「年輪」、ヴァルター・ケンポウスキー「ターデルレーザー・ウンド・ヴォルフ」、ギュンター・ヴァルラフ「最底辺」)。
近年では、小説よりも詩(ヴォルフ・ヴォンドラーチェック、ニコラス・ボルン、ウッラ・ハーン)やドラマ(ボートー・シュトラウス「再会の三部作」)
のほうが日常性への傾斜の色彩が強いが、それと並んで、「ポエジーへの逃避」も常に存在している。
80年代末の「大家」の作品は、雑誌小説・評論の執筆依頼その他の生活のための仕事が主流となっている近年の文壇でも、
大量生産から超然とできることを示している。
例えば、1972年ノーベル文学賞を受賞したハインリヒ・ベルは「川のある風景の女性たち」を、ギュンター・グラスは「雌ねずみ」を書いている。
URLリンク(www.chs.nihon-u.ac.jp)

194:吾輩は名無しである
16/10/25 19:33:17.88 2uaKs2Re.net
みんな伐採見に行った?
二幕目の罵倒大会ぶりは楽しかったなぁ

195:吾輩は名無しである
16/10/25 20:14:42.23 CP5bMxmE.net
トーマス・ベルンハルト『伐採』
Chiho Tamura
URLリンク(twitter.com)

196:吾輩は名無しである
16/10/30 15:42:09.05 KDEcuShC.net
Thomas Bernhard: Failing To Go Under: An essay on the 10th anniverary of his death
URLリンク(www.spikemagazine.com)

197:吾輩は名無しである
16/10/30 16:19:34.41 cs/kb0ke.net
たまには自分の言葉で語れ

198:P ◆.uKag/vUmY
16/10/30 20:08:51.41 N6rCwvxl.net
この情報貼ってくれてる人は本当に凄いと思う。

199:吾輩は名無しである
16/10/31 03:51:10.68 yKRa/OtK.net
よりにもよって、この作家のスレでインターネットで検索したお手軽な情報をコピペする
(しかも他のスレでも同じ事繰り返している同一人物らしい)
実際に読んでいるわけでもないやつと会話が成り立つ気はしない
他の書き込みも、到底読んでいるとも思えない、下らない読み方しているコテハン
この二人がほとんどの書き込みしているようなスレで、まともに書き込みする気にはなれない
結構マジでこの二人は嫌いだ
ベルンハルトの反ー物語性から著しく遠い

200:P ◆.uKag/vUmY
16/10/31 08:35:07.62 iLJCl4Dr.net
お前が書いたベルンハルトに関する情報「反ー物語性」ってとこしかないけど、偉そうに書いたんだから自分の言葉で何か語って見せろよ。

201:吾輩は名無しである
16/10/31 11:43:52.01 P9qBGs40.net
コピペさんの情報は有意義で優れているのでコテつけてくれるとうれしいな

202:吾輩は名無しである
16/11/05 00:25:21.51 43TmTpJ1.net
On a Park Bench with Thomas Bernhard
URLリンク(www.nybooks.com)

203:吾輩は名無しである
16/11/07 09:26:31.38 SDC0THyv.net
THOMAS BERNHARD: HIS WORK AND LIFE
URLリンク(faculty.webster.edu)

204:118
16/11/10 20:08:15.04 YHYm1mgb.net
今日から『消去』を読み始めた。
いつ読み終わるか、数年先になるかもしれないが、
読み終えた時、このスレがまだ残っていたら、必ず感想を書く。

205:吾輩は名無しである
16/11/15 14:27:08.39 cmYYYiwy.net
「伐採」を翻訳出版してほしい。1万円以内なら買う。

206:吾輩は名無しである
16/11/16 20:26:51.21 5R5P2LH4.net
Chiho Tamura
なんと。『伐採』、著作集で約200頁ある小説のほぼ真ん中100頁目でようやく晩餐が始まるのだが、
その後、アウエルスベルガー夫妻とブルク劇場の俳優、
ウィーンのヴァージニア・ウルフと揶揄される女性作家以外の人物が紹介され始めるのがさらにこの後半のちょうど真ん中、つまり150頁目辺り。
2016年10月29日
これ。1840頁!のペーパーバック(笑)。長編7冊分入ってる(笑)。「個別で買うより71%お得」と謳ってある(笑)。
聖書みたいな薄い紙に小さい文字びっしりだな(笑)。めまいが…買おうかな(笑)。Die Romane
URLリンク(www.amazon.de)
ちがう、9冊分か。『消去』、『伐採』、『石灰工場』、『破滅者』、『古典絵画の巨匠たち』、+4作。
2016年10月30日
面白い。『伐採』に続く小説が『古典絵画の巨匠たち』なんだけど、冒頭が双子のようにそっくりで、いずれも11時半に人と待ち合わせしてる。
ただし前者は夜の、後者は昼の。で、『伐採』の英訳はその数字をあっさり省略しているんで、なぜそんなことするのかなあと。
2016年11月13日

207:吾輩は名無しである
16/11/16 20:56:49.00 x5cEgeoM.net
たまには自分の言葉で語れ

208:P ◆.uKag/vUmY
16/11/16 21:16:26.39 3Pcbvhxs.net
>>206
探してリツイートしました!いつもありがとうございます!

209:吾輩は名無しである
16/11/16 22:09:19.57 5R5P2LH4.net
西ドイツ文学35年の展開
-西ドイツ文学特集にあたって-
早 崎 守 俊
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
しかし, 70年代後半から80年代にかけての「西ドイツ」の文学でもっとも注目され
る作家は, フランスのヌヴォ・ロマンの影響をうけたオーストリア人ペーター・ハント
ケ, スイス文学の伝統を守りつづけるアドルフ・ムシュク, 死の都市ザルツブルクを舞
台に自閉的な自伝小説を書きつづけるオーストリアの作家トーマス・ベルンハル トであ
ることは皮肉な現象である。かれらの文学がオーストリアやスイスの風土に育ちながら
も,「西ドイツ」の70年代の諸傾向を内包し,「西ドイツ」の作家たちや詩人たちと同
様, 1977年に『アクツェンテ』誌上で論ぜられた, いわゆる「新主観主義」の作品系列
に並べられるのである。東ドイツにおいても, 70年代にはいって, クリスタ・ヴォルフ
やヘルマン・カント, 西ドイツに移ったユーレック・ベッカーなど, 自己形成に挫折し
ていく省察の文学が散見されるが, 内外を問わず, 総じて「新主観主義」の名のもとに
一括される「新しい内面性」の文学の多くは, なぜか個人の受難史とい う運命をもつら
しい。 この挫折感のあと, とりわけ40年代生まれの若 い作家たちの苦い自己省察が, い
つ, いかに開花するか-1980年代のそう遠くない年が開花への転換期となることはま
ずまちがいあるまい
ドイツ文学 (70), p1-9, 1983
日本独文学会

210:吾輩は名無しである
16/11/16 22:11:19.13 NMKVqLCg.net
ムキになるなよwwww

211:吾輩は名無しである
16/11/16 22:18:06.59 u0+x+baB.net
日本にも内向の世代があったな。

212:吾輩は名無しである
16/11/17 11:05:53.36 DHI/751+.net
『消去』は邦訳で1000枚ちょっとあるが、これより長い小説ってあるの?

213:吾輩は名無しである
16/11/17 14:57:29.82 tMos3U9S.net
釣り?たくさんあると思うよ

214:吾輩は名無しである
16/11/17 15:49:44.56 QiKW3yz0.net
作品名挙げてくれ

215:吾輩は名無しである
16/11/17 23:37:36.54 tMos3U9S.net
>>214
作者名ドスト、トルストイ、ユゴー、ラブレー、デュマ、etc

216:吾輩は名無しである
16/11/17 23:58:47.82 DHI/751+.net
>>215
アホか。ベルンハルト限定で『消去』より長い小説を挙げてみな。

217:吾輩は名無しである
16/11/18 23:56:05.00 P8b/NvXy.net
『フォーエヴァー・モーツアルト』を観るために
浅田彰
URLリンク(www.mube.jp)
実のところ、ヴィッキーも初めはこの旅に参加するのだが、途中で脱落することになる。
同行を求められたヴィッキーは、「提案」として「ヘミングウェイの家」に言及し、
ザルツブルグの作家トーマス・ベルンハルトにそこに招かれたことがあるかのようなことを言う。そこで落ち合うという「提案」だろうか。

218:吾輩は名無しである
16/11/19 15:47:11.65 FklMSRd8.net
Amazonで買おうとしたら「消去」も「ある子供」も品切れだった。

219:吾輩は名無しである
16/11/20 01:19:51.40 NOom701P.net
Amras 1964
Thomas Bernhard
URLリンク(meme0502.jugem.jp)
作品紹介
戦後オーストリア文学を代表するトーマス・ベルンハルト(1931-1989)による初期の作品。
両親の自殺により、「私」と「ヴァルター」はおじによってアムラスにある塔に軟禁されてしまう。
なぜなら、その街の法律は自殺を禁じており、自殺者の出た家族も重罪となってしまうから。
2人の兄弟の狂気じみた生活、過去の回想、病気、自殺、あるいは人へ送った手紙などが作品の主な内容となっている。
現在、未翻訳。今後翻訳されることを切に望む。

感想
すごい作品。こんなの今まで読んだことない。
今日本で翻訳されているベルンハルト作品で一番古い『石灰工場』(1981 短篇除く)よりも、より密度が濃く、緊迫し、空気が張りつめている感じ。
文章全体が狂気じみている。読んでるこっちまで頭おかしくなりそう。…それくらい文章は力強い。
ベルンハルト作品全体に共通する自殺、病気や遺産などから、劇の衣装(Der Italiener Fragment.邦題「イタリア人 断片」に通じる)から
作中に出てくる「消去」という単語(Ausloeschung 邦題『消去』)まで、様々なベルンハルト的モチーフが散りばめられている。
塔の外から、ある人間の叫び声が聞こえてくるんだけど、それは最初誰だかわからなかった。
しかし、その声はだんだんと、しかしはっきりと両親の声だとわかったという箇所があるんだけど、
この箇所なんかはヘタなホラー小説読むよりも何倍も怖い。しかも「ヴァルター」は不思議にもこの叫び声に惹きつけられている…。
その他にも、「私」と「ヴァルター」の2つの異なった存在が一瞬境界が溶け合うような瞬間などなど、
注意深く読めば読むほどこの作品には発見が絶えない。
『石灰工場』からは彼の作品は、徹底的な間接話法や、祖国批判を繰り返すが、Amrasは一人称だし、政治的な内容は少ない気がする。
その分、死や狂気が全面に出され、読者を離さない。まさにこの作品が「死の鉤爪」のよう。
あ~、こんな作品を翻訳できたらいいな。

220:P ◆.uKag/vUmY
16/11/20 08:28:33.29 n7ve/WOm.net
「消去」で五大ドイツ文学作品が挙げられるけど、そのひとつがベルンハルト「アムラス」じゃなかったでしたっけ。まじで訳してください(笑)

221:吾輩は名無しである
16/11/20 10:12:53.64 2pdpdC0R.net
5大文学とくくってはいないね。主人公が弟子に読んでおくように言った5作品だ。
パウル『ジーベンケース』、カフカ『審判』、ベルンハルト『アムラス』、
ムージル『ポルトガルの女』(短篇集『三人の女』の1篇)、ブロッホ『エッシュもしくは
無政府主義』(長編『夢遊の人々』の第2部)がそれだ。
パウルとベルンハルトのその作品は読んでいない。自分としては、カフカは『城』、
ムージルは『特性のない男』、ブロッホは『ウェルギリウスの死』の方が好きだ。

222:P ◆.uKag/vUmY
16/11/20 13:54:29.03 Sl0kumT7.net
まあ「五大ドイツ文学はこれだ」みたいな書き方はしてないけどさ。

223:吾輩は名無しである
16/11/23 20:36:55.92 WgTLQrB7.net
持っているベルンハルトの小説
『消去』『古典絵画の巨匠たち』『破滅者』『ある子供』
もっと集めた方がいいかな?

224:吾輩は名無しである
16/11/27 13:51:52.74 UfCAlsma.net
Macht der Gewohnheit von Thomas Bernhard | Regie und Bühnenbild: Rüdiger Hentzschel
URLリンク(www.youtube.com)
Heldenplatz to go (Bernhard in 9 Minuten)
URLリンク(www.youtube.com)

225:吾輩は名無しである
16/11/30 00:38:48.43 +zXPrkXF.net
喜劇の仮面をつけた不条理の英雄たち--戯曲作品にみるト-マス・ベルンハルトの世界観と実践 (ドイツ現代演劇<特集>)
桑原 ヒサ子
ドイツ文学 (75), p26-35, 1985
URLリンク(www.jstage.jst.go.jp)
60年代後半ハントケが『観客罵倒』『カスパー』で全く新しい演劇形式を打ち
出し,1974年ベルンハルト,クレッツそしてシュトラウスが同時にハノーファー劇作家
賞を受賞するに到り,それぞれ独自性を見せながらも現代社会における人間を共通テー
マとする新しい世代がブリッシュ等の世代に取って替ったことは疑いない。
ここではテ
キストとして『大統領』(Der Prasident, 1975)を取り上げる。『ポリス』以来五年間ベ
ルンハルトが戯曲創作に専念し,拒絶と絶賛の入り混った評価を受けながら劇作家とし
て不動の地位を築いたこの時期の最後の作品である。
「アナーキストたちは/待っていればいいのよ/
何もせず見ていればいいのよ/だってあいつらが殺そうとしてる人たちは/自然に死に
絶えるんだから/死に絶える/死に絶える/(真珠のネックレスを再びあててみる)/順
番に/政府の偉い人は死んでゆくわ/無理矢理殺すことなんてないのよ/自然に死んで
いくんだから」
「何言ってるの/何か言って
ごらんなさいよ/ネェ言ったらどうなの/(ミセス・フレーリヒは一歩退く)/私を苦し
めてるのよ/あなたの存在は/私を苦しめるためだけにあるのよ」「だけど何か嫌悪
させるものがあるのよ/あなたが私の髪をとく様子/私が服を着るのを手伝う様子/あ
なたがドアから入って来る様子にはね/あなたが入って来ると/いつでも考えるの/何
故あの人は今入って来るのかって/だけどあなたは一言も説明しない/二十年間/一言
だって説明したことはなかったわ/(繰り返しアクセサリーを手に取っては化粧台に戻
す)/あなたは私を苦しめてる/私があなたを苦しめてる様にね/(大統領の方に向い
て)/そして私たち二人共彼を苦しめてるわ/あなたは無意識に/私は意識して/
(…)」「私たちの間にはなんて大きな違いがあるのかしら」

226:吾輩は名無しである
16/12/01 20:32:17.02 FTZ723Ih.net
The Philosophical Worldview Artist
Weltanschauungskunst für alle Weltanschauer
URLリンク(shirtysleeves.blogspot.jp)

The Genius of Bad News
Tim Parks
URLリンク(www.nybooks.com)

Thomas Bernhard’s Women
POSTED ON OCTOBER 15, 2014 BY ANATHANWEST
URLリンク(anathanwest.com)

THEATER 20. OKTOBER 2016
Eine Stunde lang saß unsere Autorin mit dem Theatermann Claus Peymann am Grab von Thomas Bernhard.
URLリンク(sz-magazin.sueddeutsche.de)

227:吾輩は名無しである
16/12/02 21:28:14.79 KQDcisxf.net
トーマス・ベルンハルトの場合 「伐採」について
佐藤俊哉
URLリンク(m-repo.lib.meiji.ac.jp)
このことは故人の希望によるものであるというが,1968年のオーストリア国家賞並
びに文部大臣奨励賞の受賞席上で述べた,感謝の辞が当時の文部大臣の激怒を招いたのを皮切りに,
スキャンダル,センセイションを常に身の周りに起こして耳目を集めた作家にふさわしい最後とも
いえる。
 この国家賞授与の顛末に関して1982年の小説「ヴィトゲンシュタインの甥」の中で触れられてい
る。少し引用してみる。「本省の引見の間で大臣が私へのいわゆる祝辞を述べたが,この祝辞は私
についてナンセンスなことばかり並べていた。それもそのはずで彼はただ,文学担当の役人の一人
が書きつけた一枚の原稿を棒読みするだけだったのである。たとえば私が南太平洋についての長編
小説を書いたというのであるが,むろん私はそんなものを書いたおぼえは一度もない。変わること
なくオーストリア人であったのに,大臣が言うには私はオランダ人だった。まったく思い当たるふ
しもないのに,大臣の申したてによれば私は冒険小説のスペシャリストだった。(省略)それから
私が,いわば賞に対する感謝の言葉として,ほんの少しばかりの文章を,それは受賞式の直前に大
急ぎで,しかもまったくいやいや紙に書きつけておいたもので,ちょっとした哲学的余話だったが,
それをいわば話して聞かせた。そこで私が述べたのは,人間はみじめであり,確実に死ぬのだ,と
いうことにほかならず,全部合わせても私の話は三分にもならなかった。するとこの話に,かの大
臣が,私が言ったことなどそもそもまったく理解できなかったのに,憤慨して席を立ち,私の鼻づ
らにげんこつをつきつけたのだった。そして怒りに息も荒げ,出席者全員の前で私を犬呼ばわりし,
広間から出て行った。ものすごい力でガラス扉を閉めたので,ガラスが粉々になって砕け散るあり
さまだった。

228:吾輩は名無しである
16/12/04 08:47:57.52 pe5ClWp3.net
S. KNZW
ベルリナーアンサンブルでトーマス・ベルンハルトの遺作「クラウス・パイマンはズボンを買って私と食事に行く」。
「クラウス・パイマンはボーフムを去りブルク劇場の舞台監督としてウィーンへ行く」と
「ズルツ草原のクラウス・パイマンとヘルマン・バイル」もセット。
クラウス・パイマン役は現在ベルリナーアンサンブルの座長であるパイマン本人だが、
そもそも役者ではないので台本を見ながらの演技、さらに高齢のせいか常に息を切らしており、観てて心配になる。
内容は文字通りの意味での楽屋ネタ。
セルフパロディーすれすれの、あたかも手癖で書き散らしたような相変わらずのベルンハルト節だけど、
見方を変えれば熟練の極みに達したテクストとも言えるか。
つまりこれを楽しめるかどうかは、本人出演という権威(あるいはパイマンに対する「キャラ萌え」)およびベルンハルト的お約束という、
極めて限定されたコンテクストの理解に掛かっている。
のパイマンと本人のパイマンが一致することで生まれる(譬喩的な意味での)ロゴス中心主義の原理によって支えられた上演ということになる。
一方でシャウビューネの『石灰工場』は、主体の死んだエクリチュールと対決し、誤配の可能性に賭た。
どちらも演劇であるし、演劇のみが両者の併存を可能にする。
26 Mar 2015
URLリンク(twilog.org)
Thomas Bernhard
URLリンク(twitter.com)
Beril Odile Ünal
Thomas Bernhard 😊
Fotoğraf: Sepp Dreissinger -Viyana,1988
URLリンク(pbs.twimg.com)
2016年11月29日

229:吾輩は名無しである
16/12/04 23:48:46.66 pe5ClWp3.net
DATEN DER DEUTSCHEN LITERATUR
URLリンク(www.lehrer.uni-karlsruhe.de)
トーマス・ベルンハルト(1931~1989)
座長ブルスコン(1984)
池田信雄訳
ハントケやイェリネクと並んでオーストリアを代表する作家、劇作家であるベルンハルトの作品は、長大なモノローグをもってなる。
よほどのヴィルトゥオーゾ級の役者でなければこなせない長台詞が延々と続く。
『座長ブルスコン』は、そのベルンハルトの代表作であり、そもそも演劇とは、悲劇とは、はたまた喜劇とは何ぞやを問うメタドラマでもある。
ヘルデンプラッツ(1988)
池田信雄訳
オーストリア併合から50年を迎える年に、ヒトラーがかつて演説をした英雄広場でユダヤ人教授が自殺。
それがきっかけで吹き出すオーストリア罵倒のモノローグ。半世紀前の悪夢が甦る。ベルンハルトの最後の作品。
URLリンク(theaterprojekt.a.la9.jp)
トーマス・ベルンハルト『座長ブルスコン』
URLリンク(d.hatena.ne.jp)
ガキのころから罠ばかり仕掛けてた(38ページ)
 座長ブルスコンは妻と二人の子供を連れて各地を巡り、自作の芝居『歴史の車輪』を上演している。
田舎の村ウッツバッハの宿のダンスホールで、上演前の準備をしつつ、ブルスコンは宿の亭主や家族を相手にしゃべり続ける。
 240ページの戯曲のほとんどをブルスコンの台詞が占める、おそろしく饒舌な劇。役者は台詞を覚えるのに苦労しただろう。
 台詞の中身は演劇論から政治風刺まで。腹を立てたと思えばすぐ機嫌を直してしまうブルスコンのキャラクターはすこぶる喜劇的。
宿屋の亭主やブルスコンの家族による、淡々とした応答や合いの手とブルスコンのお喋りの長大さの対比もなんともおかしい。
 とはいえ、愚にもつかないことを喋っていると思えば、いきなり鋭い警句が混じったりもするのでなかなか油断できない。
演劇に関する演劇という面も強く、
そしてわしの喜劇の
台詞ときたら尋常の長さではないのだ(23ページ)
 こんなふうにセルフパロディもお手の物。


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