とにかく吉行淳之介at BOOK
とにかく吉行淳之介 - 暇つぶし2ch500:吾輩は名無しである
16/01/25 20:27:34.75 .net
「暗室」の冒頭は、現代文学屈指の名文だと思う

501:493
16/01/25 23:32:48.56 .net
「暗室」は吉行さんの最高傑作だと思うんだが。
短編は……「出口」を推す。
「寝台の舟」「青い花」も好きだ。
「暗室」は吉行さんらしさが結晶した傑作。
ソリッドで乾いた文体。鮮烈なイメージ。
それらが脈絡無く重ねられていく構造的実験。
立ち昇ってくるニヒリスティックな死のイメージ……
最初、読んだ時は混乱したね、
散りばめられたエピソードが
伏線として回収されないからw
確信犯であることは読後に分かったけど。
ラストも見事だと思う。

502:吾輩は名無しである
16/01/28 22:35:40.05 .net
吉行の小説で感心したものはひとつもない。
女にはモテたようだが、付き合った女で羨ましくなるような美女はいない。
どこかズレてるな、この男は。

503:吾輩は名無しである
16/01/28 23:42:46.49 .net
なんか独特の魅力があるように思うけど、安岡章太郎を読んだ時のような「すんげえ」って感じはないよな。

504:493
16/01/29 00:13:07.61 .net
俺は逆だな。安岡でスゲえって思ったことない。
好みの違いだろ。
テメエの好み押し付けんなってことよ。

505:吾輩は名無しである
16/01/29 00:42:13.24 .net
はい!肝に銘じます!

506:吾輩は名無しである
16/01/29 00:59:36.30 .net
第三の新人で「すんげえ」「スゲえ」って感じたり思ったことはないw

507:吾輩は名無しである
16/01/29 08:50:35.90 .net
安岡章太郎は狂ってるよ

508:吾輩は名無しである
16/01/29 22:40:53.20 .net
第三の新人はまず
戦後でみんな自信喪失してるという前提がわからないと
全部わからなくなるよなあ
遠藤周作だけは例外として

509:吾輩は名無しである
16/01/29 23:14:15.51 .net
むしろ今の日本人がなぜ日本に自信を持てるのか全くわからない。現実の否認でしかない。80年代~00年代ならともかく。

510:吾輩は名無しである
16/01/30 00:00:09.96 .net
戦後派のように大風呂敷を広げたりはしない。
各人がひたすら私的関心領域を掘り下げていくわけだけど
虚無しかないわけね。

511:吾輩は名無しである
16/02/01 12:17:16.12 .net
あなたは40代ロサンゼルス府警工場作りですか?ドーハの悲劇「横浜衝撃イヤフォン」「横浜悪夢イヤフォン」ですか?
それともいくつですか?huluさん?
それともいくつですか?huluさん?
それともいくつですか?huluさん?

512:吾輩は名無しである
16/02/09 16:02:49.15 .net
第一次・第二次戦後派の人たちは
やっぱり思想とかなんだよね。
右にせよ左にせよ。
第三の新人の人らは、
その辺をまず頭から信じてない、
つか、信じられない。
梅崎春生や島尾敏雄は
どちらかと言えば資質的に
第三の新人に近かったから、
仲も良かったんじゃないかな。

513:吾輩は名無しである
16/02/09 21:09:28.98 .net
島尾敏雄って第三の新人ではないんだ?

514:吾輩は名無しである
16/02/09 23:28:29.48 .net
第三の新人に含む、
って考える人もいるかもね。
ただ文学史的に言うと
戦後派じゃないかな。
そもそも第三の新人って
作風はバラバラだからね。

515:吾輩は名無しである
16/02/10 00:56:27.05 .net
内向の世代もそうだよね

516:吾輩は名無しである
16/02/10 01:16:04.92 .net
梅崎春生はなぜか遠藤周作と
付き合いが深かったし。
島尾敏雄は……
吉行淳之介が尊敬してたみたいね。
第三の新人の兄貴分みたいな
感じだったのかなあ。
第三の新人は
安岡章太郎と吉行淳之介が中核の
ような気がするんだよね。
遠藤周作はキリスト教が真ん中に
ドーンとあるんでちょいと毛色が違う。
個人的好みで言うと
吉行さんが好きだな。

517:吾輩は名無しである
16/02/10 02:02:19.52 .net
僕も「原色の街・驟雨」しか読んでないけどすごくよかったよ。その直後に「海辺の光景」を読んだけどマジでブッ飛んだ。ヤバかった。

518:吾輩は名無しである
16/02/11 12:28:34.25 .net
「海辺の光景」はいいね。
安岡さんは作風を徐々に変えて行ったでしょ。
吉行さんは変わらないのよね、基本。
元編集者だし、出版社とか読者に
受けがいい企画も読める。
「第三の新人」って評論家が侮蔑的に
発言したのが始まりだけど、それを逆手にとって仲間の
売出しに利用するアイデアを先導したのは吉行さんだと
俺は見てる。後押ししたのが
群像編集長の大久保房雄かな、と。
「軽薄のススメ」とか吉行さんが軽薄エッセイ
を出しまくってた時期、遠藤さんや安岡さん、
阿川さんなんかもエッセイ集を次々と出した。
交遊記とかね。これ、戦略的なもんだと思う。
「第三の新人」のセット販売だね。
エッセイとか対談とか器用に稼いで
作家として生き延びたように見えるけど、
本質的に頑固な人だと思う。

519:吾輩は名無しである
16/02/11 12:29:29.37 .net
こと「文学」に関して言及する場合は
かなり辛辣だし正直。
「女好き」「遊び人」のイメージと反するけど
ストイックですらあると思う。
例えば、遠藤周作や阿川弘之はテレビCMや
広告に出たりしたけど、吉行さんは出ない。
簡単に金になるし、彼のイメージからしたら
やって当然に思えるけど、やらない。
まあ小説の中身とは全く関係無い話しだけど
いい仕事するには、作家は生き方も大事なんでね。
そういうとこも好きだね。

520:吾輩は名無しである
16/02/11 12:45:16.57 .net
長くて申し訳無かったけど、
「第三の新人」が作風も個性もバラバラ
なのに長く存在感があるように思われてた理由は
上記のような事だったんじゃないか、と。
若い頃は毎日のようにツルんでたらしいけど、
作家として売れた後はそんなでもない。
阿川さんとはコイコイを毎日やってたみたいだけどねw
たぶん、吉行さんからしたら最も自分と作風も
人柄も違う阿川さんだから良かったんじゃないかな。
「文学」の話で喧嘩にならない。
安岡さんと晩年は疎遠になったのは、
お互いに書いてる小説に思うところが
あったのではないかと邪推する。
吉行さんはたぶん、こと文学に関しては「違う」
と思ったら、言わないではいられない。
適当に話しを合わせてご機嫌取りはできない。
ストイックな作家だと思う。

521:吾輩は名無しである
16/02/11 15:53:51.98 .net
安岡の、カソリック入信、が疎遠になった原因かも。
吉行は、信仰を「卑猥」とまでいったからね。

522:吾輩は名無しである
16/02/11 15:57:23.93 .net
「卑猥」でなく、「猥褻」であった。
遠藤との対談で。
大事な事なので、訂正しました。

523:吾輩は名無しである
16/02/11 20:33:44.98 .net
吉行さんは「信仰」みたいなものから
出来るだけ距離を置いて生きたい人だった
のではないかな。
思想や信仰や政治……
生涯かけてマイナーポエットとして
突き抜ける覚悟というか、
大きな存在に身を委ねて安心感を
得ようとする誘惑から逃れて
個人として踏み止まること。
ぐにゃぐにゃ根性、と呼んでたかな、確か?
去年、オークションで吉行さんの
ファンレターへの返信の手紙、ってのが出品された。
まあ、貰った本人が出品してたから
偽物ではないだろうと思う。
私信を売るのは如何なものかとは思うがね。
素人相手だから、本音を正直に書いた可能性もある。
文面には「自分の内奥にあるのは虚無だけだ」と
書いてあった。
「暗室」を読めば分かるけどね。
戦争中に勝利に歓喜して校庭に集まる同級生を
見つめて教室に一人居残った吉行さんは
ずっと変わらなかったと思う。

524:吾輩は名無しである
16/02/12 21:02:52.82 .net
吉行さん、と書く貴殿は、スレを立てたおれより、吉行を熟知していると感じた。
羨ましいことだ。
ぶれない人、吉行。
『暗室』も素晴らしいが、『焔の中』でも、ぶれない吉行がいる。
ぶれないから、対談なども、可能だったのだと思う。
まあ、なんちゅーか、酔っ払いのたわ言だが。

525:吾輩は名無しである
16/02/14 20:13:03.12 .net
吉行さんは対談の名手と言われてるけど、
白眉は淀川長治との対談だと思う。
アラン・ドロン主演の映画「太陽がいっぱい」を
巡る遣り取りなんだが……
世界初の同性愛映画と主張する淀川さんに
疑問を呈する吉行さん。
そこで……普段は人の良いお爺ちゃんを演じてる
淀川さんが一瞬、居合抜きの様に見せる怖さ、凄み。
その読みの深さ、恐ろしさに思わず恐れ入る吉行さん。
名人同士の一瞬の一期一会の勝負。
カッコいいと思ったなあ。
名人は名人を知る、というか。

526:吾輩は名無しである
16/02/21 19:47:49.37 .net
遠藤周作が吉行との交友を書いた文章。

「紙きれ
もう十五年ほども前に胸をやられて長い間、
入院していたことがある。…恢復一向にはかばかしくなく、二度にわたる大手術にも失敗すると、さすがに意気消沈してしまった。原稿が書けなくなると入院費はおろか、家族の生活費もなくなってしまったのもこたえた。なにしろ三年間、病院にいたのだから。
その時、九官鳥を飼った。病室に九官鳥をおいて真夜中、こやつだけに本心を話しかけた。…
家族も見舞客も医者も看護婦も、私がなぜ、九官鳥を飼ったのか、もちろんわからない。退屈をまぎらわすため、と考えていたようだ。…私は三度目の手術の危険は予想していたから、ひょっとすると今度はおさらばかもしれぬと寂しく思った。

527:吾輩は名無しである
16/02/21 19:48:42.92 .net
私が死ぬ。空が晴れている。その時、この九官鳥が突然、私の声で一言、二言、なにか面白いことを言う。そうすると皆、びっくりするだんべえというのが私の最後の悪戯になる筈だった。
三度目の手術が迫ってきて、私が検査か何かで部屋にいなかった時、吉行がたずねてきてくれた。
部屋に戻った私は彼が来たことを、ベッドの上においてある小さな紙で知った。
吉行は九官鳥に目をつけ、すぐに私がなぜこんな鳥を飼ったかを見ぬいて、オヌシハ気ガ弱クナッテオルヨウダ、というような意味の言葉を紙きれに書いていた。彼の眼力にもおそれ入ったが、その優しさにじんときた。あの紙きれのことは忘れることはできぬ。
…吉行にはいろんな意味で優しくしてもらった。」

528:吾輩は名無しである
16/02/21 19:53:37.72 .net
長くてスマンです。
吉行さん、いろいろ難しい人でも
あったみたいだけど、
このエピソードは好きなんで
アップさせて貰いました。
吉行淳之介エンターテイメント全集
の付録月報に吉行・遠藤対談と併載。

529:吾輩は名無しである
16/02/21 21:34:28.48 .net
吉行のエンタメっつーと、
『街の底で』とか『すれすれ』とかかな。
『街の底で』は、今でいう、ストーカー女が出てくる。
あれは怖かった。

530:吾輩は名無しである
16/03/05 18:58:10.71 .net
徹子の部屋 ゲスト予定
3月7日 月曜  奈良岡朋子 岡本健一   出会いは「放浪記」意外な!?仲良しカップル
3月8日 火曜  江戸家猫八 江戸家小猫  黒柳も感激! 親子で動物モノマネを披露
3月9日 水曜  吉行和子         享年107‥母あぐりさんの豪快人生
3月10日 木曜  綿引勝彦         僕の命を救った妻・樫山文枝の必死な訴え
3月11日 金曜  麻木久仁子        脳梗塞、乳がん‥度重なる病気で断捨離を

531:吾輩は名無しである
16/03/13 22:15:05.84 .net
原色の街は中公文庫に入ってるのがよいな
ちょっとコミカルな感じで

532:吾輩は名無しである
16/03/19 17:14:59.29 .net
いちど吉行さんに会ってみたかったな……。
恐らく、文学の話などしてはくれなかっただろうが。
吉行さん、色川武大さん、田中小実昌さん、
この三人と酒飲みながら、話してみたかった。
新宿か浅草がいいな。
おかまバーでもいい。
吉行淳之介文学館に行ってみようとは
思ってる。東京から遠いのが困るがw
色川さんの墓参りにもまた行こう。
谷中で近いしw

533:吾輩は名無しである
16/03/19 20:49:34.34 .net
好みの合う人って、いるもんだな。
おれも、この三人を、なんちゅーか、一セットというか、3兄弟というか、
そんな風に考えている。
長兄吉行、まん中色川、末っ子小実昌。
上野毛の吉行邸も、親父さんが穴を掘った、新潮社裏の色川邸も、
練馬の小実昌邸も、クルマを運転して、見に行ったものっす。
吉行邸は、モダンな家屋だったが、いつしか、増築し、無残になってしまった。
色川邸は、同じ家屋が二棟並んでいて、おそらくは、片方に、弟家族、もう片方に、
あの親父が住んでいたと思われる。
小実昌邸は、以外にもモダンで、ちょっと意外だったなー。。。

534:吾輩は名無しである
16/03/20 01:59:11.41 .net
>>533
527ですがw
矢来町は見に行ったなあ。
上野毛は場所は分かってるけど
まだ行けてないですわ。
練馬もまだだなあ。
色川さんの墓参は何度か行ったけど、
読者が結構来るみたいね。
静岡の吉行淳之介文学館には
書斎が再現してあるみたいだけど、
あの吉行さんの椅子に座ったり出来るみたい。
てんとう虫の足置きとかw

535:吾輩は名無しである
16/03/20 08:02:13.05 .net
色川さんの墓参りするとギャンブル運が回ってきそう

536:吾輩は名無しである
16/04/10 20:31:08.60 .net
安岡章太郎の「文士の友情 吉行淳之介の事など」が
新潮文庫に入ったんだね。
今日買ってきた。

537:P ◆ZLBBb2oY8k
16/04/11 07:41:25.41 .net
安岡章太郎 - 文士の友情: 吉行淳之介の事など (新潮文庫)
URLリンク(www.amazon.co.jp)

538:吾輩は名無しである
16/04/15 16:29:52.25 .net
『手毬』
これ、すごいだろ。
なんで、誰も、言及しないの?

539:P ◆.uKag/vUmY
16/04/15 18:41:57.77 .net
吉行淳之介「手鞠」が収録されている書籍
URLリンク(webcatplus.nii.ac.jp)

540:533
16/04/15 20:04:49.93 .net
>>539
よく調べたな。
ところで、おまえって、ピース?
A賞受賞の。。。

541:P ◆.uKag/vUmY
16/04/15 21:48:35.30 .net
A賞ってなんですか怖い!ピースです。

542:吾輩は名無しである
16/04/15 22:52:09.32 .net
イヒヒヒヒと笑う女ってエッセイに出てきたような

543:吾輩は名無しである
16/05/10 15:31:08.62 .net
「手毬」はいいよね。
でも俺は怖いのが好きだから以前にも書いたけど
「出口」を推すな。
うなぎ→近親相姦、ってヌメヌメした気持ち悪さ……
ワザと冒頭を寓話的に書き出してるのも好きだし。
裸で抱き合い血まみれでうなぎの肝を吸い合い
雨戸まで閉めて近親相姦を続ける兄妹って
壮絶なイメージ。
「暗室」の隠された屋根裏部屋を徘徊する
知恵遅れの兄妹に近いイメージだよね。
なんつーか、生きてる事のどうしようもなさ。
「手毬」にもそれはあるね。

544:吾輩は名無しである
16/05/11 21:28:04.64 .net
ふむふむ。
なんだか、『出口』が良く思えてきたっす。
おれは、元々『出口』が好きだけど、
読み返してみようかな。
『手毬』は、『暗室』の逃避行中らしき幼いカップルを思い出す。
生殖を目的としない性。
それでも、子供は生まれてしまう。

545:吾輩は名無しである
16/05/12 13:44:32.87 .net
俺の好みを書いても意味無いけど……
あなたも吉行好きみたいだし過疎ってるから
まあいいか。
「出口」以外なら、
「青い花」と「寝台の船」かな。
(一連の娼婦小説は別格として除く)
たぶん俺はニヒリズムが底流にある
吉行さんのシュールだけどドキッとする
ほどリアリティを感じる閃くイメージが
好きなんだろな。
唐突だが…俺は
吉行さんと三島由紀夫に興味がある。
吉行さんは1924年生まれ。
三島由紀夫は1925年生まれ。
吉行さんは静岡高校を一年休学してるから、
三島は1944年秋、吉行さんは1945年春に
東京帝大に入学してる。同時期に在学してたワケだ。
すぐに吉行さんは中退しちゃうけどw
結論から言うと、どちらもニヒリズムの極北
徹底したニヒリストだったと思ってる。
表出の仕方が真逆で、対比して考える人は少ない
と思う。

546:吾輩は名無しである
16/05/12 13:46:26.82 .net
俺の独りよがりな解釈だから笑って貰っていいけどさw
信じられるモノなど一切無い、一切空を貫き通した
吉行さんと、信じらるモノが欲しくて堪らなくなって
天皇だの日本文化だの日本だの、って信じてもいない
思想を信じたフリして自裁する直前の「天人五衰」で
破綻してやっぱ無だ、と死んで行った三島由紀夫……
俺は吉行さんの精神のタフネスに圧倒される。
そしてリスペクトするんよね。
リスペクトじゃ軽々しいなw尊敬だなw

547:吾輩は名無しである
16/05/12 19:14:33.76 .net
いやいや、おれは笑わないよ。
だって、三島をほとんど読んでないから。
アンソロジーに載ったのを2~3読んだだけ。
『音楽』という短編が印象に残ったが、
他に読もうとは思わなかった。
おれは、あの猟奇的な死がいやで、三島に近づくことはなかった。
『スーパースター』は読んだけど。
『寝台の舟』は、好きだね。
覚醒剤だかヒロポンだか、静脈注射しても、無反応な「私」。
体形が、加齢により、男性的になりつつある男娼の勃起が白眉だね。
なんか、おれは、まわりに本読みがいなかったせいか、若いころに親しんだ吉行作品を、
おれのほかにも、読んでいる人がいるのが、信じられない、というか、嬉しい。
おれが好きなのは、『鳥獣虫魚』。
珍しく、ハッピーエンド。

548:吾輩は名無しである
16/05/12 19:49:44.80 .net
今や第三の新人ですら、
書店の文庫本棚に少なくなってるからねえ。
遠藤周作はかなり残ってるかな。
吉行さん、安岡章太郎クラスでも寂しくなってる。
読まれなけりゃ無いのと一緒だからね。
若い奴らがラノベとか読んでるヒマがあるんなら
もちっと昔の純文学でも読んでみたら
新鮮なんじゃないかと思うがね。
まあ、50代の先輩でラノベが、AKBが、
とか言ってる知り合いも居るから、
世代じゃないんだとは思うけど。

549:吾輩は名無しである
16/05/12 20:39:46.76 .net
本屋に吉行作品が少ないのは、やっぱりさみしいね。
図書館の書庫で、全集を漁るしかないのが現状。
遠藤は、むかし、結構読んだけど、あまり記憶に残っていないっす。
安岡は『海辺の情景』のインパクトが強すぎて、他は忘れてしまった。
あと、近藤啓太郎の漁師物も、いくつか読んだ記憶がある。
後年になって、小島信夫『うるわしき日々』を読んで、ビビったなー。
読み返すのは、やっぱ、吉行なんだよね。
感じすぎる人間でありながら、男っぽさを忘れない吉行が好きだね。

550:吾輩は名無しである
16/05/12 23:49:44.25 .net
吉行さんはストイックだよね。
文体もドライ。
いろいろ飲み込んであんまり愚痴をダラダラ書かない。
その点、三島由紀夫より遥かに禁欲的。
三島はやたら文章で理屈こね回して言い訳する。
まあそれが芸になってるとも言えるかも。
吉行さんはそんな野暮な事はしない。
自分の中のどうにもならない虚無(青臭い言い方だがねw)
を曝け出さないね。
美学というか、ね。
自分が読んだ中で割と露骨に吉行さんの
ニヒリズムが出ちゃってるのが「暗室」で。
三島由紀夫の「鏡子の家」は
「私のニヒリズム研究」とか三島本人が言うような小説だけど、全編理屈だね。自分の虚無を一から十まで
延々と説明して正当化を試みてる。
嫌いな小説ではなくて、むしろ好きだけどさw
あれ読んで三島も大変だな、と。
あんなヘンテコな感性じゃ長くは
生きられなかっただろなとは思った。
吉行さんはそんな無粋な事はしない。
男としてグッと堪える。
三島みたいに不自然な高笑いもしない。
大物ぶったり、豪放磊落を装ったり、
思想とかイデオロギーを頼ったりもしない。
あれだけ、文武両道だの武士だのがなりたててた
三島が精神的に子供で如何にひ弱いか……
吉行さんは大人の男なのだよね、三島より。

551:吾輩は名無しである
16/05/16 09:19:32.62 .net
三島は天才少年がそのまま大きくなったタイプで
吉行は安岡流に言えば不良型の秀才だし
年齢的に吉行は三島よりちょっと上だというのも大きいね
あの世代の作家は戦争があったから、僅かな年齢差でも大きく差が出るんだよな

552:吾輩は名無しである
16/05/16 14:00:19.27 .net
まあスレチになるかも知れないから手短に言うがw
武田泰淳は三島由紀夫と割と仲が良かった作家だが、
三島より11~12歳年上だ。
中国に送られて実際に兵隊として戦争に参加してる。
そして、最近になって遺された従軍日記で
中国人を何人か銃殺していることが判明している。
大岡昇平にしろ、武田泰淳にしろ、
ナイーブな三島の観念的世界をどう見ていたのか。
全部脳内観念だからね、三島は。
もちろんそこが三島由紀夫らしさ、で
彼の作品の意味もそこにあるんだけど。
生きてる実感が死ぬ瞬間にしか得られない、
ってとこまで行っちゃった観念地獄を
戦後25年間も耐えたんだから。
むしろ今的な精神状況の先駆けと思う、三島は。

553:吾輩は名無しである
16/05/16 23:31:56.68 .net
スレチからちょっと戻すと
前に別の場所でちょっと書いたけど
吉行の雑文の相当部分は裏返しの人生論みたいなところがあったように思う
人生の達人とかいうやつ
かつての人生論が過去のものになって、変則的人生論だった吉行のエッセイもあまり読まれなくなったのは自然なのかもしれない
ただ、吉行は純文作家の中では観念派の作家と妙に縁があるのがまた面白いね
中井英夫とか澁澤龍彦とか森茉莉とか

554:吾輩は名無しである
16/05/17 03:22:41.02 .net
吉行さんは……
元編集者ならではの営業戦略かも知れないが、
対談や共著など含めて、他の作家との
交友関係はかなり広かったように思うね。
まあそこが「文壇の人事部長」とか
言われた所以かも。文壇なんてものは
かなり昔に崩壊してたと思うけどねw
第三の新人や島尾敏雄あたりは割と
初期の親交で、編集者時代は水上勉とかね。
以降は
開高健や山口瞳、の元コピーライター勢。
村松友視、色川武大あたりの元編集者勢。
色川さんだけじゃなく麻雀人脈で
川上宗薫とかもいるね。
芥川賞系も直木賞系も遊び系も
基本的に分け隔てはないように見える……
が、最期を看取った終生の友人・阿川弘之の本や
愛人だった大塚英子の本によれば
(信用できる話しかどうか、は分からんが)
自分が認めていない友人作家の本は贈られても
読みもしなかったらしい。
阿川弘之の記述では、吉行さんと親交が深い作家でも
本人が聞いたら真っ青になる
ような辛辣な評価を下していたようだ。
人生論やエッセイ、対談の類いは余技として
効率よく稼いでくれる営業品目だったけど、
「文学」に関しては決して揺るがせにしない。
厳しくストイックな人だったと思うけどな。

555:吾輩は名無しである
16/05/31 01:50:02.24 .net
驟雨

556:吾輩は名無しである
16/07/24 20:26:21.00 .net
驟雨とか原色の街に出てくるような娼婦が昔は本当にいたのかしら
それとも結局は男の哀しい幻想に過ぎないのかな

557:吾輩は名無しである
16/07/24 21:38:07.72 .net
いたと思う。
フランスに、元娼婦の作家がいたと聞く。
男だけど、ジュネみたいのもいるし。

558:吾輩は名無しである
16/09/19 19:18:51.11 7qiNc5qW.net
今後も読まれるんだろうか?

559:吾輩は名無しである
16/09/20 10:15:52.53 h5zYpwaE.net
読み継がれる価値のある作家だし作品群
だと思うけど…いかんせん若い読者が
吉行さんを知らないんじゃないかな。
もう亡くなって22年だからねえ。
新潮文庫や講談社文芸文庫あたりが
書店で手に入る間は、まだ大丈夫じゃないか
とは思う。偶然手にして吉行さんの世界に
入ってくる世代も多少は居るかと。
文庫が無くなると、図書館で全集でも
借りないと…なかなか目に触れなくなる。
そうなったら厳しいかもね。

560:吾輩は名無しである
16/10/05 21:34:25.45 S0D5r2Zi.net
今日、新潮文庫の短編集『娼婦の部屋 不意の出来事』を買った。
アタマから読みだして『娼婦の部屋』『寝台の舟』に、魂震えたぞ。
小僧のころから愛読してきたが、この作家を選んだおれは、偉かった。
全13作とも、何度も読んでるが、そのたびにいいなーと溜息。
幸せに浸りながら、今夜はもう寝る。

561:吾輩は名無しである
16/10/06 13:29:25.26 OSe1fL/Y.net
「寝台の船」は傑作。
何度読んでもいい。
ラストの文章がまたいい。
長編なら「暗室」が頂点かなあ…
何度読んだか分からんw

562:吾輩は名無しである
16/10/08 20:32:12.12 xRhYBhfm.net
『鳥獣虫魚』読んだ。
この作品の欠点は、巧すぎることだとおもうのだが、どうだろうか。
技巧が前に出すぎていて、読んでいて酔えない。
『寝台の舟』の後に読んだからからかもしれないが。
次は『青い花』だが、これも、、一語一句、かみしめて読もうと思う。

563:吾輩は名無しである
16/10/09 13:27:52.91 6p1BCvh2.net
「青い花」は好きな作品だ。
後半に出てくるシュールな展開、
幻想なのに生々しい描写の感覚の鋭敏さ
は吉行さんならではかと。

564:吾輩は名無しである
16/10/10 15:25:19.71 kmzsOF26.net
『青い花』読んだ。
いやー、やっぱ、巧いな。
これは、冒頭の睡眠薬と、若かりし日の思い出の地の
高原と湖、心中、くらいしか憶えていなかったけれど、
今読んでみて、この作品は、〆切に追われて書かれたって印象。
タイトルの青い花は、ラストで出てくるけど、
それまでに重ねてきたディテールを、回収しきれていない気がする。
このシーンだけ、浮いているような。
『次は海沿いの土地で』読みます。

565:吾輩は名無しである
16/12/12 20:03:03.03 mE4cHN+Z.net
師走age

566:吾輩は名無しである
16/12/20 02:35:00.92 6p409lIz.net
>>564
降って湧いたような断片を回収する小説の方が圧倒的に少なくないか

567:吾輩は名無しである
16/12/20 02:36:28.17 6p409lIz.net
>>556
エッセイで書いてるがモデルの娼婦とは
その後カタギになってからも何度か会ってるらしい

568:吾輩は名無しである
16/12/20 02:37:46.47 6p409lIz.net
>>554
出不精でほとんど出歩かない作家が営業戦略とか

569:吾輩は名無しである
16/12/20 20:41:09.82 EdjavkyY.net
出不精か?
娼館や銀座クラブには通っただろ。
基本的に、人嫌いなのは分かるが。

570:吾輩は名無しである
16/12/23 23:47:20.75 wW2xR6nb.net
吉行はいろいろな病気に悩まされていたが
その多くはコミュニケーション障害に引き起こされた心身症だったんじゃないか
肺炎など明らかに違うものもあるけれども
多くの人が触れている気配りも飼いならされた対人恐怖症ではなかったのか
本人は鬱のせいだと言っているが
「湿った空乾いた空」の挨拶のエピソードなど疑わしい話が多い
非常に寛容な性格で人と接しているようで
客に気を使わせるホステスを強く批判していたり

571:吾輩は名無しである
16/12/24 19:43:18.13 H2cyCeqw.net
喘息が語られていない時点で

572:吾輩は名無しである
16/12/26 23:50:52.75 NHOWOEvX.net
吉行の時代だと喘息にしても皮膚アレルギーにしても
アレルゲン同定の検査ができたと思うがどうだったのか
> 皮膚と心の関係がすこぶる密接になっている。
> あるいは、この症状は精神に関しての一種の危険信号かもしれぬと思う。
なんてことを言ったりしてるが

573:吾輩は名無しである
17/02/08 18:55:56.79 Yo8Z7yiC.net
URLリンク(plaza.rakuten.co.jp)

574:吾輩は名無しである
17/02/16 03:57:52.69 +GwYGAWo.net
吉行って、ひとつもいい作品がないよね。長短編いろいろ読んだんだけどね。
蓮實重彦と同じことを言っているって? 俺は蓮實教信者ではないよ。
ちなみに俺は志賀直哉、大江健三郎、中上健次を高く評価している。

575:吾輩は名無しである
17/02/25 12:00:47.23 PBrzk1tV.net
URLリンク(youtu.be)

576:吾輩は名無しである
17/03/16 19:10:37.50 grDYdm4g.net
『風景の中の関係』と『夏の休暇』。
どっちが渋いかな?

577:吾輩は名無しである
17/07/25 19:44:10.35 nG14l0xf.net
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、公的年金と
生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、ベーシックインカムの
導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば財源的には可能です。
ベーシックインカム、でぜひググってみてください。お願い致します。☆☆

578:吾輩は名無しである
17/09/20 20:51:54.95 NDYcEapY.net
映画化してるのを本人はどう思ってたのかな?

579:吾輩は名無しである
17/09/21 15:44:30.69 TDQyG9gW.net
>>578
『暗室』については
小説家の無頼な日常が上手く描かれていた
とエッセイに書いてた。

580:吾輩は名無しである
17/09/21 19:42:57.91 nO6M0b3R.net
砂の上の植物群についてはなんて言ってたのか気になるな

581:吾輩は名無しである
17/09/24 12:42:55.53 bY0IbicD.net
どの映画でも俳優は吉行役を演じてるようなものだよね

582:吾輩は名無しである
17/11/20 12:46:45.47 wtn+s+h9.net
「浮気のススメ 女の裏窓」
この映画も原作は吉行淳之介なんだね

583:吾輩は名無しである
17/11/21 02:20:40.65 eZvTGUfg.net
いてもいなくてもどうでもいい作家

584:吾輩は名無しである
17/11/21 19:05:42.52 M7BDnFGy.net
亡くなってるからなぁ
そういう感想持つよね

585:吾輩は名無しである
17/11/21 23:56:32.19 eZvTGUfg.net
いや、存命中からどうでもよかった
テクスト論的に

586:吾輩は名無しである
17/11/22 16:17:39.52 nuG2FTtU.net
いい作家だったけどな
オトコマエだったからブサオタが嫉妬してるんかな

587:吾輩は名無しである
17/11/22 21:25:26.92 92worPHo.net
男前だけど案外女にモテてなさそうな

588:吾輩は名無しである
17/11/23 11:18:49.16 ty7jVwtF.net
>>585
後からだと何とでも書けるしね
死人に言ってやっても仕方ないし

589:吾輩は名無しである
18/01/30 20:18:25.42 PRIVbHuw.net
テクスト論、とか恥ずかしげも無く言える
感性の鈍感さが
既に吉行的じゃないからねえ…
貴方には必要無い作家、だろね。
大江でも読んでなよ。

590:吾輩は名無しである
18/02/08 21:51:20.12 gSU5+Y7R.net
30代半ばから禿げてたみたいだけどそれについて自分で何か言ってた?

591:吾輩は名無しである
18/08/14 19:12:04.35 JyjLuJGZ.net
URLリンク(www.asahi.com)
出生の様子がどうだったか全部記録されてたらしい
祖父が不満だったという吉行の出征の挨拶についてもなんか書かれてたんだろうな
終戦後に焼却処分命令があったらしいが
残していた人もいたという報道
赤髪配布する人が記録人でもあったのかな

592:吾輩は名無しである
18/08/14 19:16:20.05 JyjLuJGZ.net
>>585の二行目はテキスト論という前提のもとにどうでもいいという主張なわけだ
どうしてそうなのかはさっぱり分からない書き込み
またテキスト論という前提がないとどうなのか、それもよく分からない
主張したいことが分からない変な文章

593:吾輩は名無しである
20/08/01 15:18:38.77 TYqGKsetj
うんちうんちうんち!


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