何度もくりかえし読んでいる本を書き込むスレat BOOK
何度もくりかえし読んでいる本を書き込むスレ - 暇つぶし2ch280:吾輩は名無しである
16/04/30 09:18:12.87 .net
>>278
『明暗』は、「則天去私」という理想に近い登場人物は誰か?という謎解きミステリー小説として
読める。漱石は其れを追及したのだが、彼の死によって其の追及が挫折した。
その謎解きを引き継いだのが水原美苗『続明暗』。普通に考えれば其の人物は
「清子」だが、『続明暗』では其の人物になり得る人間としては実は「お延」だと
暗示させて終わっている、と俺は読んだ。勿論、漱石が、そう考えていたかは分からない。
ただ、言えることは、津田由雄他は相変わらず『我』にとらわれたエゴイズムのみで、
その後の人生を生き続けるのは確実だろう。

281:P ◆.uKag/vUmY
16/04/30 18:19:55.69 .net
「続明暗」はそういう視点から書かれているのか。教えてくれてありがとう。読んで確認してみたいな。

282:吾輩は名無しである
16/05/01 21:38:18.14 .net
『明暗』読んだばかりだけどエゴイズムとかなんとか感じなかった
面白い心理描写、心理戦の本。心理と言っても神や内面的正義の追求ではなく面子となるのが日本らしい
あくまでも社会の中の関係性、体面。論理や正義を全く掘り下げていないという点では極めて表層的な相対的せめぎ合い
登場人物が作者の理想の代弁とか全然感じなかった
まあ自分が日本の文学にほぼ興味が無いからかもしれないけど

283:吾輩は名無しである
16/05/07 09:11:59.62 .net
>>282
人それぞれ

284:P ◆.uKag/vUmY
16/05/07 19:07:56.97 .net
そうだね。ドストエフスキーの小説は日本が舞台では書けないんだよ。漱石はそれを「明暗」でドストエフスキーとは違う形でやろうとしたんじゃないかな。って柄谷行人が言ってなかったっけ。

285:吾輩は名無しである
16/05/07 20:15:12.45 .net
まあ『明暗』すごく面白かったけどやっぱ当時の西洋の文学とぜんぜん違う
エゴイズムとか関係ないね。つうかあの小説に我とかエゴなんて無い
世間、体面重視の触手的網の目の細やかな神経質的攻守の事に、エゴという核が出来るように錯視するだけ

286:P ◆.uKag/vUmY
16/05/08 01:17:53.51 .net
柄谷行人の漱石評すべてに同意するわけではないけど、「明暗」において明らかに漱石は変わった、という説は実感として理解できる。漱石は「明暗」で明らかに新しい方向に向けた文学を作り上げようとしていた。僕もすごく面白かったよ。女性が人間として描かれているよね。

287:吾輩は名無しである
16/05/08 08:35:24.17 .net
『明暗』は女性の心理描写が細やかで面白かったけど、ここにいるのは西欧的な意味での人間ではないと思う
外面的な世間体と借りてきた常識で外界を測定する超精巧センサーって感じ
その測定装置の反応を描く細やかな筆致が素晴らしい
映画『エイリアン2』の冒頭で先遣隊がエイリアンに襲われる場面をモニターして
エイリアンの脅威を実感する本部のような切迫感

288:281
16/05/08 10:33:10.73 .net
唐突だけど、漱石の「則天去私」と、鴎外のアノ有名な「resignation」の表白。、
日本の近世人にとって、この両者を対比して捉えると面白いと俺は思う。
鴎外は『西洋の「自我」というモノの不在に痛切に心の空虚を感じ、
いわれもない寂しさを覚える』と書いているのだから。

289:吾輩は名無しである
16/05/08 12:14:36.24 .net
日本人に西洋流「自我」はないかも知れないが、いわゆるエゴは有るんじゃあないの。

290:吾輩は名無しである
16/05/09 08:13:05.71 .net
石原慎太郎『わが人生の時の時』。毎年必ず読んでるいる。

291:吾輩は名無しである
16/05/09 23:10:49.29 .net
死にゆくものへの祈り

292:P ◆.uKag/vUmY
16/05/10 23:29:13.59 .net
石原慎太郎を読むのやめようよ!

293:吾輩は名無しである
16/05/11 10:20:07.64 .net
>>292
なんという、上から目線の言い草なのだ!! おまえは!! そもそも文学云々を語るに足りないことを自覚せよ!!
つまり、おまえは文学なるモノをなにも知っていないことを暴露しているのだぞ。

294:吾輩は名無しである
16/05/12 09:48:04.73 .net
やめろよ!
なら上から目線だろうけど
やめようよ!
では上から目線には見えないな

295:吾輩は名無しである
16/05/12 10:22:50.65 .net
>>294
気味悪いネ

296:吾輩は名無しである
16/05/13 10:10:08.56 .net
石原慎太郎『わが人生の時の人々』の三島由紀夫の話が面白い。
ペギー葉山が三島を評して、「あの人、大きな声で笑う人ね」と言ったとか。

297:吾輩は名無しである
16/05/13 11:19:48.43 .net
三島はチビだけど声がデカかったな。
劣等感と自己顕示欲のかたまり。

298:吾輩は名無しである
16/05/13 23:21:06.33 .net
優雅でいいねえ

299:吾輩は名無しである
16/05/14 11:20:35.96 .net
>>297
三島由紀夫のボディービルへの傾斜も、石原慎太郎は「そんなフェイクなものを」と批判というより残念がっている。
あの体つきは確かにフェイクだよ。肉体が貧弱なら其の貧弱さをバネにして三島文学を深化させたら、
という意味のことを石原は書いていて此れも残念がっていた。
このスレでは石原を厭う人がいるが、石原は三島の本質的なトコロを認知していた、と俺は思う。

300:吾輩は名無しである
16/05/15 09:27:00.27 .net
>>1
本というより短篇だが森鴎外の『百物語』。この短篇の何処に惹かれるのか説明が難しいが俺は好き。
この短篇での鴎外の有名な「自己分析」に惹かれるのではなくて、この短篇のもつ或る「乾いたもの」とでも言ったらいいだろうか。
日本の小説にありがちな湿度がない。特に此の短篇の最後のほうの文章。
---
『僕は黙ってたって、舟から出るとき取りかえられた、歯の斜めにへらされた古下駄をはいて、ぶらりとこの化物屋敷を出た。
少し目の慣れるまで、歩きやんだ夕闇の田圃道の草の蔭で(こおろぎ)がかすかに
鳴きだしていた。』(注:こおろぎを漢字で書くと文字化けする)
---
この文章の余韻が実に良い。何故か? これも説明が難しい。


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch