13/03/23 12:20:29.53 .net
『ライ麦畑でつかまえて』
I went down by a different staircase, and I saw another '- you' on the wall.
I tried to rub it off with my hand again, but this one was scratched on, with a knife or something.
It wouldn't come off. It's hopeless, anyway.
If you had a million years to do it in, you couldn't rub out even half the '- you' signs in the world.
It's impossible.
[野崎 孝訳]
僕は、来たときと別な階段を下りたんだけど、そこの壁にもまた「オマンコシヨウ」が書いてあった。
僕はもう一度手でこすって消そうとしたけど、今度のやつはナイフかなんかで、彫ってあるんだな。
消したって消えるもんじゃない。そうでなくたって、絶望だね。
かりに百万年かけて消して歩いたって、世界じゅうの「オマンコシヨウ」は半分だって消せやしないんだから。
不可能というもんだよ。
[村上春樹訳]
僕はべつの階段を下りたんだけど、そこの壁にも「ファック・ユー」っていう落書きがあった。
また手でこすって消そうとしたんだけど、それは刻み込んであった。ナイフとかそういうものを使ってね。
だから消せなかった。どのみちきりがないんだ。
たとえ百万年かけてたところで、君には世界中にある「ファック・ユー」の落書きを半分だって消すことはできないんだからさ。
要するにさ、そんなことできっこないんだよ。