25/09/28 16:15:04.37 .net
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「明日はないですね。練習将棋は休みます」
私はいつも永瀬の取材の最後には、翌日の研究会について質問してきた。「将棋の鬼」の永瀬は、タイトル戦の翌日に限らず、出発日でさえも平気で研究会の予定を詰め込んでいたものである。
それが最近、永瀬にこの質問をしても「ないです」という返事が増えた。7月に理由を尋ねたところ、驚きの言葉が返ってきた。
「正直、今後、研究会の数を減らそうかどうか悩んでいます。意味のある感想戦をできる人が少ないと感じています。基本的な変化や評価値を不勉強で知らなかったり、読み筋について質問しても大して読んでいなかったりすることが多いんです。藤井さんはまずそういうことがないので」
このセリフを吐ける棋士は永瀬しかいないのではないか。現状、この悩みにはどういう結論を出したのだろう。
「一定数はやりつつ、増やすことなくって感じです。勉強の課題が山積みになっているので、人と指すばかりの時期は過ぎたのかなという感じがしています」
一人でAIに向かう時間が確実に増えているのだ。
(中略)
率直な言葉を聞けることへの喜びと、その内容の厳しさと強さの衝撃で、私は思わず黙ってしまった。その瞬間、「みんないい人ばかりなんですよね」と以前に永瀬がポツリと漏らしたのを思い出した。先ほど紹介した、研究会を減らそうかと悩んでいた時期に発した言葉だ。それについて言及すると、「そう、私が一緒に研究会をやりたい方の条件は、第1に人柄ですから」と続けた。
そしてこうも話した。
「将棋の棋力は誰にでもつくと思っているので。だから性格や人柄が一番大事なんです」