24/10/24 11:41:50.04 Fd1DXqz90.net
>>241
この発汗の有無による使い分けは、発汗作用のある麻黄が桂枝湯には含まれておらず、葛根湯や麻黄湯には含まれていることと関係しています。
ただ、この使い分けを古代中国の人々がどう理解していたかに思いを巡らせることも、漢方薬を理解するにあたっては重要です。
あくまでイメージの話になりますが、実証の人は頑丈なので、体力が落ちた時も肌が引き締まっていて、体の中に水分をとどめる力があると考えます。
一方で、虚証の人は虚弱なので、体力が落ちた時には肌が緩んでしまい、体の中に水分をとどめきれず、じっとり汗が出てきてしまいます。
そして、汗が出ると、脱水にもなりやすいですよね。
つまり、虚証の人に麻黄湯を使って発汗させすぎてしまうと、脱水を起こして重症化することがあるわけです。
このような状態を壊病(えびょう)と言い、『傷寒論』には以下のように記されています。
太陽病、三日、已(すで)に汗を発し、若しくは吐(と)し、若しくは下し、若しくは温針し、仍(なお)解せざる者は、これを壊病となす。
この意訳は「脈が浮いていて頭痛のある人に対し、発汗させてはいけない時に発汗させ、吐かせてはいけない時に吐かせ、下してはならない時に下し、あるいは温針を使って発汗を促し、病気が治らずに重症化してしまったものを壊病と呼ぶ」となります。
感冒初期の患者さんに対する過剰な発汗を戒めるものです。