24/11/08 23:47:45.76 HqX8V9iL.net
>>980
まず第一に、全翼機が全翼機であることの問題点はあのくらい(一人乗りかせいぜい2人乗りくらい)の大きさの機体なら人力制御かごく単純な自動制御装置の補助でどうにかなる、というのがある。
4発爆撃機クラスのサイズになるとそれでは制御し切れない(制御して機体の挙動に反映させるのが間に合わない)ので問題が大きくなりやすい。
YB-35やYB-49は大型も大型、巨人機のレベルの機体なので、全翼機としての問題が当時の技術ではカバーできないレベルになりやすかった。
ただ、YB‐35はいろいろありはしたけれども「離陸して水平飛行して着陸するだけ」ならそんなに問題ではなく、-35で問題だったのは大馬力の多列エンジンをたくさん積んだのでその振動が大きすぎて機体が十分に吸収できない
(全翼機形式でなければ「翼がブレる」「翼がガタる」という形で分離できるけど、全翼機は翼=胴体なので、機体全体の問題になる)こと、更にはエンジンの装備位置の問題(翼断面の一番厚いところにエンジン入れないといけない(そうしないと翼の表面にエンジン収容バルジのでっぱりができるので空力特性が悪化する)けど
これだと推進式なので翼の後端のプロペラまで長いシャフトが必要になる。もちろん大馬力エンジンから長いドライブシャフト伸ばしたら振動が酷い、ということで、この問題が解決できなかったことだ。
でも推進式じゃないと効率が悪すぎる上にプロペラ後流で空力特性ががががあー!ということになる。
ということで「ジェットにするしかない、というかジェットこそが本命」で作ったのがYB-49だけど、機体全体の設計をほとんど変えないまま「エンジンだけジェットにした」ので、理想的な位置に推進源が配置できず、水平に飛ぶのも機動するのも大変で喜多院に無理な力がかかる、という結果になった。
結局試験飛行中に「ただ飛んでるだけ」ではない状態にしたら制御不能になって分解して終了、という悲劇に。
まあどちらも上で書いてくれてる人がいるように、全翼機の特性上「大容量の燃料タンクが設置できない」「デカくてかさばる爆弾が内蔵できない(=大型原爆とか水爆が積めない)」って根本的問題があったので、「テンテンボマー」としては致命的だったのだけれども。
たとえ飛行特性上の問題がなかったとしても、全面的に採用されることはなかっただろう。