21/07/15 10:15:20.42 ea9DZGl2.net
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昨今は戦争を1回の大規模な武力戦争で決着をつけるという認識はほぼ無くなっています。
戦争-平和で認識するのではなく、武力行使-競争状態と認識します。
そもそもWW2のようなどちらかの国が降伏するまで行う戦争として絶対戦争とは別に、一定の条件を取り合う制限戦争こそが現実の戦争であるということはクラウゼヴィッツも論じています。
過去においては大規模な武力行使による勝敗で戦争が決まりましたが、それが1回の会戦(バトル)では決まらず、何回もの会戦を経る戦役(キャンペーン)で戦争が決着する。
という認識が作戦術の基礎認識のひとつでもあります。
(このあたりはソ連作戦術の発達経緯を理解してるとわかりやすい、連続作戦うらー)
が現在はこの認識がさらに拡大され、戦争以外も含む、国家の常態としての状況概念に至っています。
つまり、武力行使と競争状態をふり幅や時間を変動要素として振り子のように何回も行き来しつつ、複数の勢力(国家含)が戦略状況を優位に持ち込むべく行動する。
したがって長い時間をかけ少しづつ、相手に対し優位を気付くという考え方になっています。
その為、1回の武力行使も、小はテロ、示威、数発のミサイル発射、国境紛争から、大は軍規模を投入する正規戦までさまざまな状況が含まれます。
いずれも一度で決定的な状況を得るとは限らず、少しづつ優位に持ち込むことが想定されます。
(一度の大規模紛争で決定的な状況をえることが、全くない訳ではない、これは否定されない振り子の極大状態を示す)
この認識は米軍のMDB、MDOの基礎認識でもあります。