18/01/03 23:06:58.08 PhWsvP+n.net
昔火砲スレに書いた記憶
764 :名無し三等兵:2015/12/03(木) 21:23:06.41 ID:NSNADdPS.net
>>734
運用能力の貧弱さは事実だろうが、デリック(起重機)の能力も重大な問題の一つであったと思う。
特に敵に近い場所で揚陸する場合、再組み立てなどの手間は可能な限り取りたくない(そのために大発や特大発があるわけだし)。
第1 開戦前に於ける船舶輸送司令部の状況
C14020185700
これは戦後になって大本営船舶参謀が当時の情勢を回顧した資料だが、
大戦前には特大発(自重17トン)を搭載可能な輸送船は20隻程度しか用意できず、
さらにフィリピン攻略戦に従事した輸送船の大半は起重機の能力5トン以下。
これでは特大発や中戦車はおろか大発すら動かせないので、宇品の起重機を追加搭載するとともに、
鉄材運搬船を特種船として急きょ徴用し必要な能力をまかなっている。
更に戦車を揚搭できたとしても、能力がギリギリだと他の作業に支障をきたす。
別冊第2 将来参考となるべき事項
C14110746300
ジャワに上陸した歩兵第四連隊の史料だが、
動力を共用しているためか、戦車を揚陸する間、当該輸送船の他の起重機は使用不能だったとある。
外洋航行可能な輸送船の戦車揚陸能力の不足という問題を根本的に解決するには、1942年に竣工する機動艇を待たなければならない。