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彼の日課は朝誰よりも早く登校し、学校周辺の草引きから始まる。当時荒れていた学校なので、当然授業中に不良生徒が堂々と遅れて教室に入ってきた。彼は迷わず髪を掴むと、教室の外へ放り投げていたらしい。ここで終わると単なる暴力教師だが、彼の場合は違った。
フォローをしっかりと行い、家庭訪問も含めて保護者とも何度も話合ったのだ。学校が終わっても最後まで残り、自分で最後に鍵を閉める。その後、生徒の屯しそうな場所を巡回したり、喫煙する連中を注意して回った。その為か、彼の赴任する学校が徐々に変わったという。
不登校の生徒にも本気で向き合い、かなりの時間を割いていたのだ。その功績が認められたのか最終的には校長となり、また別の荒れた学校へと赴任する。一時は小学校も受け持ったが、物足りないと進言して、再び中学校を受け持ったのだ。ある時こんな事を聞いてみた。
「最近の中学生は凶器を持っているので、怖くないですか?」と。すると彼は笑顔で「まあ中学生なんて可愛いもんだよ」と。事実彼は柔道部の顧問もしており、体重も90キロほどあった。顔も厳つく、おまけに戦史が大好きで、酔えばそういった話をしていたものだ。
その彼が当時敵視していたのが日教組で、実際に何度もぶつかったという。その中には自衛隊の説明会に関してもあったようだ。祝日には彼の家に国旗が飾られていたが、別に何かの組織に所属していたわけでもなく、おそらく信念で行っていたのだろう。
彼の葬式に参加した時、彼の顔写真には圧倒された。何か凄みのようなものがあり、生きざまを感じたのである。イジメ撲滅にも真剣に取り組んだ彼だったが、彼が元いた学校周辺は、今では草が生い茂り、その中のいくつかの学校では学級崩壊が問題になっているという。