17/03/17 23:34:24.47 PXRW+4mL.net
さて、映像の中で彼は「先の先、対の先、後の先」と説明されているが、意表を付いて逆に「先の後」で対抗する手もある。一例を挙げれば、接近する2秒前に胡椒を真上に投げて、数秒後にじわじわ落ちてくるとの寸法だ。
他にはコインを入れたハイ・ソックスを振り回し、防御された上で、相手の後頭部や肩甲骨を時間差攻撃するのも有効かもしれない。先程紹介した眼鏡を曇らす代謝攻撃も「先の後」に入るだろう。
つまり先に仕掛けておいて暫く後に効いてくる技で、さりげなくといったポイントが勝敗の分かれ目になるのだ。基本は、それぞれの格闘術にある特徴ー利き腕と構え・体捌きの方向性に注目したい。
晩年の塩田剛三氏の構えは、なんと両足を揃えて常に正面を向いており、一見不利なだけになるほどと感心したものである。
映像の中では他に、ここぞとばかりにナイフ術を披露しているが、あの動きは実に脅威であり、拝見後に思わず首を撫でてしまった。映像に出てくる特殊なナイフだが、現物がないので詳しくは分からないが、形状から察するに一度引っ掛けられるとジ・エンドであろう。
また回転により瞬時に持ち変える事が可能なようで、距離感が非常に掴みにくい。手首の返しだけで重症を負わされ、また中央にある突起物も攻撃・防御の両方に利用可能なようで、実に恐ろしい実戦的な武器と言える。
正にゼロレンジ用で、映像には無かったが、投擲にも向くに違いない。
何しろ動作が実に素早くタイミングが抜群で、おまけに人体の急所のみを的確に攻撃しているのだ。ルーク・ホロウェイ氏のナイフ術にも一脈通ずるものがあるようで、稲川氏はこの格闘術を考案するまでに、種々の格闘技を経験したに違いない。
もし私なら、彼のような柔軟な戦い方をする者と対決する場合は事前に準備運動と称してマエケン体操を実施したい。肩甲骨を動かすマエケン体操に幸いにも興味を示したなら、互いに意気投合すること請け合いで、最早戦う理由など無いと言えよう。
その晩は一杯飲みながら、私のグリンベレー時代のエピソードで盛り上がるのは言うまでもない。