18/10/13 07:56:12.29 8R4ynBbF0.net
陣羽織っぽいパーツがウィングに変形した。
背中には二対の筒が見え、炎を噴き出すとその鋼鉄の身体が浮いていく。
そして、拳をつきだし水平姿勢へと移行。
突っ込んでくる、そう予想はできた。けれど。
「何ッ!?」
あまりの速さに対応できない。
迫ってくる殺意に私はどうすることもできず―。
「極星よ、俺に速さを!」
見えたのは、赤い人影。
来る筈の衝撃はなく、気がつけばロボさんは地面に叩きつけられるようにして機能を停止している。
「皆の者、大事ないか?」
機械の紛い物は、あえなく本物の吉備津さんによって止められたのだった……。
―――
「いやあ、ヤシャオー調整の余りで組んだんだけど思ったより調子良くての?」
犯人はやっぱり多々良ちゃん。
リンがあんなに危ないのは禁止ですわ、ってお説教してる。
闇吉備津さんは動かなくなったロボさんを何度か見てた。
物凄く強かったから修行に使いたいのかもしれない。そして。
「ふむ、鉄のからくりか。確かに俺にそっくりだ」
「うん……でも、やっぱり違う。だって、機械はこんなに暖かくないもん、ね……」
私はいつもの場所に収まったのでした。