16/09/24 22:43:05.79 0HLwjj0Dr.net
悪夢にうなされているミクサ。
その傍らに、夜の闇に紛れるように悪夢の化身が佇む。
ナイトメア・キッドは眠るミクサを見つめ、その悪夢を覗き見ていた。
夢の中でヴィランに敗北し倒れるミクサ。
起き上がることもできず、今まさに力尽きようとしながら、闇に染まる世界を見る。
守るべき人々が、町が、…世界が闇に覆われていく。打ちひしがれて涙をこぼす少女。
やがて目覚めが近づき、夢の中の世界は輪郭をなくしていく……。
夢を見ながら眠るミクサの頬を涙が伝う。
その涙をナイトメアが指で拭う。
リン「ナイトメアさん? …なにをしていますの?」
気付けば部屋の入り口にリンが立っていた。
不審そうな目でナイトメア・キッドのことを窺う。
ナイトメア「別に。こいつの泣き顔を眺めてただけだ」
リンは部屋に立ち入ると、警戒するようにナイトメアとミクサとの間に入る。
リン「ミクサさんには優しくしてあげてくださいまし」
ナイトメア「こいつには優しく? へへっ。ならかわりに、お前に悪夢を見せてやろうか?」
脅かすように意地悪く嗤うナイトメア。
リン「ミクサさんがいつも見る悪夢から解放されるなら、構いませんわよ」
ナイトメア「そんなに、こいつのことが大切かよ。自分のアナザーのことがよ」
アナザーキャスト……自分とは異なるもう一人の自分。
ナイトメアは、自分自身の片割れを思いながら、不意に語気が荒くなるのを自覚する。
その声が耳に障ったのか、ミクサが目を覚ます。
ミクサ「ん……。…リンちゃん。それに、ナイトメアさん…?」
険悪そうな二人の態度に、戸惑うミクサ。
リン「おはようございます。ミクサさん、まだ眠り足りないお顔をしてますわよ?」
ミクサを安心させるように笑顔を作るリン。
夢の終わり。もう、この場に用も興味もなくなり。
ナイトメア「さて、俺は行くとしようか。さっきの言葉、忘れるなよ」