16/08/12 15:53:31.51 Don29hXg0.net
リンとミクサは再びシンデレラ世界にて、王子への謁見に挑んでいた。
「さて、本日の謁見はどのようなご用件ですかな? レディ・リン殿」
「王子様、本日はご機嫌麗しく…」
「私も忙しい身の上でね。手短に本題に入ってもらおうか?」
軽い会釈であいさつを述べようとするリンを王子が阻む。
謁見の間には前回と同じ面子がそろっている。
ただ、前の謁見と違う点として王子はリン達を歓迎してはいなかったし、
そのような態度をわざと出していた。
今のリン達を支援しても見返りがないと王子は判断しており、その評価は正解だ。
国をまとめるものとしては自国の利益を優先に考えなくてはならない。
利益が望めない相手に時間をさく必要はないという露骨な姿勢は、王子の外交的手段であり、
王子の考えが理解できている姫騎士達もそのような態度を咎めたりしない。
ただ、純白の騎士サンドリヨンだけは言葉にはしないが曇った顔で王子への不満を示していた。
「わかりましたわ。本日は王子様に前回の約束を遂行して頂きたくまいりましたの」
王子の不遜な態度に動じず、リンは営業スマイルで答える。
リンの言葉に王子の眉がかすかに反応する。
「前回の約束というと、かぼちゃの馬車を出すというモノだったか?」
「ええ、そうですわ」
「出せといわれれば、出したいが、そちらはヴィラン討伐の戦力は整っていないと
聞いている。無謀な作戦に我が部隊を出すことはできんな」
冷たくあしらう王子をリンは顔を崩さず対峙し続ける。
その横でミクサは内心ひやひやしながら、リンに言われたとおり黙って立ち続けた。