16/08/02 01:16:31.66 2MA9p7MU0.net
「ドルミールお姉さまの様子がおかしいですわ！」
バン、と勢いよくテーブルを叩いてリンは立ち上がった。
「色々なお誘いを全部断ってらっしゃるようです、それに、おっぱ…こほん、お肌の張りもありませんわ！」
「おい、ちょっと待てリン、何言ってんだ」
「言い間違えましたわ！細かいこと気にしてはいけないのですわ」
ソファの上で胡座をかき、何故かその膝の上にシャリスを乗せているヴァイス──曰く、シャリスは猫の代わりだ、らしい──の突っ込みをものともしないリンの発言に、アシェンプテルが「ふむ…」と一つ頷いた。
「一昨日だったか…、サンドがお茶に誘ったそうだが、とりつく島もなく断られたと言っていたな」
「ピーターも昨日、アリスと私のお茶会にドルミールちゃんも誘ったらしいけど、断られたって言ってたにゃー」
ヴァイスの膝の上のシャリスも、どうしたのかな、と首を傾げる。
「一昨々日、シレネッタが海に誘ったみたいだけど、調子が悪いって言ってたらしいわよ」
顎に手を当て、思い出したようにメロウも告げた。
「以前ハ、断ラレルコトハソウ多クナカッタノダロウ？」
「我のくりすますの誘いはいつも断られているがな…」
「テメェは黙ってろ」
闇吉備津の眉間目掛けて、鋏が飛ぶ。さっと身をかわして闇吉備津はそれを避ける。その妙にこなれている感にツクヨミは小さく笑ったが、その後すぐ、なにかを思い出したらしく表情を曇らせた。
「ここ数日…丁度、四日ほど前からだったからのぅ…。夜半、ドルミールをよく外で見掛けるな。何をするでもなく、空を見上げて呆けているようであったが…」
「珍しいですわね…、ドルミールお姉さまが夜出歩くなんて…」
「確かに…。今まで、夜出掛けてることなんて見たことないにゃ。大聖ちゃん、何か聞いてる？」
「否…」