24/03/05 13:36:31.16 5u51o0PB0.net
>>302
前スレより アニメではカットないし短縮された説明パート
殿下と立ち会う前
『私、今回の件で痛感いたしました。この体は体力に乏しく、早急に鍛錬をする必要があると』
婚姻の儀まではおよそ二か月半しかなく、そのあいだにやるべきことは山積みだ。それを片付けるのに必要なのは、時間と体力である。
体力も筋力も心肺機能も、騎士としての人生には遠く及ばない。始めてすぐに身に付くものではないが、これからのことを考えれば、少しでも早く鍛錬を始めたかった。
『アルノルト殿下や、近衛騎士の方々が行っている「特別な訓練方法」を、私にもお教えいただけませんか?』
『何故分かった?』
『私の畑は、騎士団訓練場の近くにありますから。何度か各隊の訓練風景を拝見しましたが、アルノルト殿下の近衛騎士だけ、明らかに動きの熟練度が違いました』
訓練のときだけではない。彼らがリーシェの護衛をする際、ふとした瞬間の体捌きひとつ取っても、彼らには一切の隙がないのだ。
ガルクハイン国の騎士が全員そうだというわけではない。アルノルトの近衛騎士だけが、その卓越した技術を持っている。そうくれば、その状況を作り上げた男が誰なのかは明白だ。
何せ、その近衛騎士たちよりも遥かに隙のない人物が、彼らの主君なのだから。