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>>240
これでしょ、アシュトンマニュアル P16 から
永続的な脳の損傷は?
構造的損傷 断薬した多くのベンゾジアゼピン長期服用者が、多彩で、一見
不可逆的にみえる精神症状、身体症状を訴え、それらが薬によってもたらされ
た永続的な脳の損傷に起因していると考えます。しかしながら、ベンゾジアゼ
ピンが脳に損傷をもたらすか否かについては、未だ解決されていません。1982
年に、マルコム・レイダー教授とその同僚達が、CT (コンピューター断層撮影)
を用いて、ベンゾジアゼピン長期服用者14 人における脳スキャンを対照被験者
群と比較した、小規模な研究の結果を報告しました。ベンゾジアゼピン服用者
のうち2 人に、明らかな脳皮質の萎縮が見られ、他の5 人では境界領域の異常
が見られましたが、その他の人々は正常でした。1984 年に、20 人の患者を対象
に行われたレイダー教授による別の研究でも、結果は再び示唆に富むものでし
たが、CT スキャンの結果とベンゾジアゼピン服用期間との関連性は認められま
せんでした。この研究では、「研究結果の臨床的意義は不明確だ」と結論付け
られました。その後の1987、1993、2000 年に行われたCT スキャンを用いた研
究においても、ベンゾジアゼピン長期服用者に一貫した異常を見出すことは出
来ませんでした。そして、ベンゾジアゼピンは脳の構造的損傷(例えば、神経
細胞の死亡、脳の縮小や萎縮など)を引き起こさないという結論を出しました。
後に開発された、より精度の高い脳スキャンであるMRI(磁気共鳴画像診断)に
ついては、ベンゾジアゼピン服用者を対象にした、体系的な研究はなされてい
ないようです。しかし、MRI もCT 同様、構造的変化を示すだけのことで、こう
した技術を用いても、その病態が解明されることはなさそうです。ベンゾジア
ゼピンの長期服用歴があり、まだ後遺症状が残っている多くの患者をみても、
そのMRI は正常なものでした。