11/12/13 21:23:55.38 85UkBFVE
(前略) She did not come home because it began to rain
確かにこの文は、「雨が降り始めたので彼女は帰宅しなかった」と「彼女が帰宅したのは雨が降り始めたからではない」の2通りの意味に取れるが(中略)多くの文法書は「このように1文では分からない事があるか
ら文脈が大事だ」と書いてあるが、ここに重大な誤謬が隠されている。
つまり、この例文は、もしそれが単独で使われたとすれば、
意味が1つに確定できないという点で明らかに「誤文」ないし「悪文」なのである。
もし単独で書くにあたって他に表記方方がないなら仕方ないが、
実は単独で書いても意味を明確にする方法がある。具体的には前者の意味にするには Because it began to tain,shedid not come home(notは後ろしか否定しないので
Because節が前にあればそれを否定する心配はない)、
一方後者の意味にするには She came home not because it began to rain とか It was not because it began to rainthat she came home とすればいいだけのことなのだ。
そういう「よりよい表記方法」があるにも関わらず、
あえてそれを使わずに2通りに取れる文章を書いてしまえば、
その書き方自体が「下手」だということになる。
もう一度断っておくが、初めに挙げた例文が「悪文」なのはそれが「単独で使われた場合」である。
最初に書いたようにnotの位置がどこでもいいのはあくまで「誤解の無い範囲」であって、
はじめに挙げた例文が誤解を招いてしまう以上、これを単独で書くのは明らかに「誤り」なのである。
だが、実際にははじめに挙げた文は文章中に登場することがある。
その理由は、筆者がその表現でも「誤解のない範囲」に収まっていると考えているからに他ならない。
(ここでは「書く人が下手だ」というような愚かしい可能性は考えないこととする)。
考えてもみたまえ、どこの著者が、
自分の伝えようとする内容を読者に分かりにくいように書こうとするのか(特定の効果を狙っている場合を除けば)。