12/04/14 08:46:19.73
「する」の例で考えると,「トランプをする」「調査をする」のヲ格の意味は,「す
る」の具体的な内容であり,「彼を叩く」「ケーキを食べる」のようなヲ格とは異
なる。一方で,フィルモア(1975)に「判断,想像のような心理事象の内容」が
対象格にあることを考えると,このような「動作の内容」が対象格の範疇であっ
ても整合性がないわけではない。ところが,「青い目をしている」のヲ格は意味
を抽出することが難しい。動作の内容でも,動作の対象でもなく,このヲ格名詞
句は動詞に対して対等な要素として存在するとは考えられない。あえて言うなら
ば,「述語の表す状態の具体的内容」である。この他に「問題とする」「医者にす
る」のト格,ニ格は事柄の認定の目標,変化の結果を表すので,目標格とした。「頭
痛がする」のガ格は動作の表す具体的な内容とすれば対象格となる。ただし,こ
こで断っておきたいのは,これらを既存の意味格の中に位置づけようとすると些
かはみ出す形となり,特異な存在であることが浮き彫りにされることである。こ
れが「する」という動詞の特質でもある。
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