12/01/31 23:11:27.13
国防相も含めて一同が苦笑いする。そう、これだけの臨時措置を重ねたために、来年には各国で選挙をやる手はずになっている。
この作戦が失敗しようものなら、とんでもないことになるだろうことは容易に想像できる。
エクスマス提督の言葉で、一応全体の総意はとれた雰囲気になったが、私としては事前の計画書より明らかになっていた件で確認しなければならないことがあるのだ。
私が挙手をすると、一同の視線が集まる。国防相に促されて立ち上がって発言した。
「ロンデニオンのブライトです。これは、意見というよりここで明確にして欲しいことです。
私の指揮下には、連合軍とオーブ軍が入るわけだが、両艦隊の指揮官には私の命令に絶対に従ってもらうようにして欲しい。
不遜な言い方で申し訳ありません。ですが、連合軍とは過去に不幸な交戦を経験しているし、オーブ艦隊の総指揮は私と同じく国家元首です。
そこは確約が欲しい。戦局を決するべき戦力が、統率に難ありでは諸提督方におかれても不本意でしょう」
だいたい、サザーランド少将などというブルーコスモス最強硬派をこちらに回すこと自体がばかげている。
向こうには向こうの言い分はあるのだろうが、任された方はたまったものではない。カガリ・ユラについてもそうだ。それにユウナ・ロマもいる、好きに動かれてはたまらん。
「もっともなご意見だ。連合宇宙艦隊司令長官の責任において、両特務艦隊指揮官には提督の命令に従うことを徹底させよう。
そしてこの世界で見せた獅子奮迅の役割を期待している」
キャナダイン大将の言葉に安心する一方、こき使ってやるぞという意志も伝わり、私は無言でうなずく。マクファースン元帥が続ける。
「今は友邦なのだ。その心配は不要と思われたい。サザーランド君、君がブルーコスモスであることは誰もが知っている。
君の思いを発露する機会だからとはいえ、命令系統を無視することの無いように頼むぞ」
「もちろんであります。青き清浄なる世界のために、この戦いが重要であることは認識しています。そのために混乱を起こして友軍を危険にさらすようなことはいたしません」
「青き正常なる世界のため、か。そう願うのであれば、この戦争に勝つことだ」
国防相が締めくくると元帥が最後に発言を求めた。
「諸君!!!」
元帥が全員に檄を発する。
「これだけの戦力で戦争してまともに勝てないというなら、我々は無能ものと罵られ生涯を過ごすことになる!!!!
国民が高い税金を払ってこれだけの戦力を用意したのは勝つためである!!!すでに一年間もの長きにわたり、我々は無能だの、税金泥棒だの、所詮はナチュラルだのと蔑まれてきたのだ!!
そのときより我々は確実によい条件で戦うことになる。もう言い訳は許されん!!諸君!!勝利するぞ!!私からは以上だ。最善を期待する」
元帥の言葉に全員の気持ちが引きしまる。あるものは戦争を純粋に終結させるために、あるものは青き清浄なる世界のために、そして我々は戦後の安定によって帰還の方策にメドをたてるために、この戦いを終わらせねばならないのだ。