12/08/20 17:27:08.17 5pMkqPpB
CE23年 2月23日に木星探査船「ツィオルコフスキー」は、地球に帰還した。
地球と地球の人々に宇宙開発の更なる未来と可能性(当時は再構築戦争時の軌道爆撃等の影響で
宇宙開発は軍事面のみが注目されてしまっていた)を示したが、同時に地球に新たなる
衝撃と混乱をもたらす物体を持ち帰っていた。
「エヴィデンス01」・・・後にそう名付けられたそれは、CE22年、木星探査中に
ジョージ・グレンが発見した地球外生命体の化石であり、机上の空論でしかなかった地球外生命の確固たる証拠
であった。
その化石となった生物は、クジラに似た骨格に1対の羽状の器官が生えている・・・という形状で
その形状から、一般に「はねクジラ」、「クジラ石」、「天使」と呼ばれた。
958:ユーラシア兵
12/08/20 17:52:51.51 5pMkqPpB
CE30年、1月3日 一般にアブラハムの宗教と呼ばれる3つの宗教共通の聖地
が存在する中東の都市 イェルサレムで、世界各地の宗教の関係者が集結し、
ジョージ・グレンの告白とその後の「エヴィデンス01」発見による混乱を終結させるべく、
パレスティナ公会議を行った。
(この際、当時のブルーコスモス幹部でもあったプロテスタント系牧師も
参加していたとされているが、詳細は不明。)
・・・この宗教会議が失敗したことで、一時的に宗教の権威は失墜した。
その影響で「コーディネイター寛容論」「遺伝子操作アレルギー論」が、広まり、新興富裕層を
中心に我が子をコーディネイターにするものが現れ始め、CE35年には、穀物や家畜の遺伝子改良
を行っていた大企業がコーディネイター化事業に参入することとなった。
959:ユーラシア兵
12/08/20 18:23:09.25 5pMkqPpB
この混乱の時期に単なる環境保護団体だったブルーコスモスは、コーディネイター団体へと変貌することとなる。
以前より、遺伝子操作作物による遺伝子汚染(再構築戦争期には、一部の国家が、遺伝子操作によって強化された雑草を
敵の穀倉地帯に散布する作戦が行われたこともあった。)を懸念していたブルーコスモスにとって
人間の遺伝子操作を行うコーディネイター化は、グレンの意図がどうであれ、倫理にもとる行為であったからだ。
ブルーコスモスはまたこの時期、「遺伝子操作アレルギー論」の影響で勢力を盛り返しつつあった宗教と結びつきを深め始める。
そしてブルーコスモスの数々のロビー活動によって55年のトリノ議定書で大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国等の国家で
正式に遺伝子治療等を除く、コーディネイター化の禁止が採択された。
この時期、コーディネイターの人口は1300~2000万にまで達しており、コーディネイター同士の子供、
第2世代コーディネイターも誕生し始めていた。
960:ユーラシア兵
12/08/20 19:30:16.84 5pMkqPpB
食事で投稿が遅れてしまいました…続きです。
遺伝子操作により誕生した彼等コーディネイターは、遺伝子操作が施されていない人類、
ナチュラルを遥かに上回る身体能力と知的能力を発揮し、様々な分野で活躍した。
企業の中には、コーディネイターを優先的に雇用しはじめるものまで現れ始めた程であった。
だが、非合法に生み出されたということもあってか社会との軋轢の軋轢の末、コーディネイターの中には
犯罪に走るものも現れた。
ナチュラルを遥かに上回るコーディネイターの能力に警察では、対処しきれない場合も多く、
正規軍が派遣されることさえあった。
コーディネイターの登場で職を失った人間やコーディネイター犯罪の被害者らを中心にコーディネイター脅威論が唱えられたが、
当初は、コーディネイター脅威論などは、旧西暦の黄禍論やユダヤ人陰謀論と同レベルにしか見做されては
いただけだった。
だが、CE54年、S2インフルエンザの大流行によって事態は変わり始める・・・・
961:通常の名無しさんの3倍
12/08/20 20:34:34.78 K8+hWMqK
ユーラシア兵さん、続編の投下乙、そしてGJ!
レスが1000までいくか容量が450KBを超えましたら、真・次スレに移動願います。
いくら吹き飛ばされても、僕らはまた真スレを立てるよ・・・きっと。
新人職人がSSを書いてみる 23ページ目
スレリンク(shar板)
962:ユーラシア兵
12/08/20 20:45:30.93 5pMkqPpB
CE54年に全世界で猛威を振るった伝染病 S2インフルエンザ(S1は再構築戦争期に発生)は、
再構築戦争の被害が回復していなかったアフリカ等を中心に、多くの人間を死に至らしめた。
だが、遺伝子操作によって生み出されたコーディネイターは全く犠牲者が出なかった・・
コーディネイターがナチュラルに取って代わるのではないか?というコーディネイター脅威論拡大の
原因となった。
S2インフルエンザ自体は、当時、ジョージ・グレンを中心とした科学者たちによって設計され、
34年から建設が開始され始めた工業スペースコロニー群、プラントのコロニーの一つであるフェブラリウス市
CE55年10月29日にワクチンが開発され、その後、地球でもワクチンが大量生産されたことで終結した。
だが、薬学ノウハウがナチュラルに比べて劣っているコーディネイターがワクチンを開発
(誤解されているが、S2ワクチンの開発には、ナチュラルも参加している)したという事実は、
コーディネイターの犠牲者がゼロだったということと合わせて、53年にファースト・コーディネイター
ジョージ・グレンがナチュラルの少年に暗殺されたことに対する報復ではないのか?という陰謀論も出始め、
各地でコーディネイターとナチュラルの間で対立が生じ、コーディネイターに対するテロが発生した。
多くのコーディネイターとそのナチュラルの家族達は、反コーディネイター感情が比較的少ない太平洋のオーブ連合首長国や
スカンディナヴィア王国に移民するか、当時、建設が進められていたプラントに移住することとなった。
これが、プラントが実質上、コーディネイター居住区となる要因となった。
この時期、プラント建設に従事していた
963:ユーラシア兵
12/08/20 21:21:20.53 5pMkqPpB
この時期、プラント建設に従事していたコーディネイターの権利向上のために結成されていた
政治団体 Zodiac Alliance of Freedom Treaty=自由条約黄道同盟(ザフト)が勢力を拡大し、
プラント理事国からの独立を唱え始める。
当初、ザフトは、旧プラント理事国から非合法組織と見なされており、
地下組織として活動していた。
CE57年、ザフトが合法化されるとプラント自治評議会(後のプラント最高評議会)
に後のプラント指導者となるシーゲル・クライン、パトリック・ザラを初めとする黄道同盟
メンバーが次々と当選した。
プラント理事国も他コロニーの開発事業の影響でコストカットを迫られており、
プラントにある程度の自治権を認め、駐留軍の規模縮小を行った。
964:ユーラシア兵
12/08/20 21:51:50.28 5pMkqPpB
だが、プラント市民とザフト関係者の多くがこの監視付きの自治に満足することはなかった。
ザフトは、独立に向けて、招聘したコーディネイター傭兵(遺伝子調整が上手くいかなかった
等の理由で失敗作として捨てられたコーディネイターを引取り軍事訓練を施す組織サーカス
や軍事企業によって作られた戦闘用コーディネイターがその主体)を教官として党員に軍事訓練を施した。
その一方で、プラント理事国の強大な軍事力(大西洋連邦だけでも当時4個宇宙艦隊を保持しており、他国も宇宙軍拡を進めていた)
に対抗すべく、63年に宇宙開発用作業機器として開発されていた宇宙機器「モビルスーツ」を改良し
機動兵器化する研究を始めた。
CE65年にその研究は、モビルスーツ試作第1号「ザフト」の開発として実を結ぶこととなる・・・・・
965:ユーラシア兵
12/08/20 22:31:46.07 5pMkqPpB
CE68年、プラント自治評議会議長にシーゲル・クラインが就任した。
なお、この当時、地球でもコーディネイター過激派と思われるテロが頻発し、
ブルーコスモスの盟主に、ブルーコスモスの創始者の一族でもあるアズラエル家
当主となったばかりの24歳の若手 ムルタ・アズラエルが就任した時期でもある。
12月には、プラントが南アメリカ合衆国の企業から食糧の不正輸入を図り(当時、プラント以外の従来型コロニーや月面都市では、
食糧の生産が行われていたが、プラントはその形状が農業生産に向いていないとされ、食糧生産が禁止されていた。)食糧を
輸送する途中だった輸送船マンデルブロー号が大西洋連邦
宇宙軍の静止を振り切って逃亡を試みデブリに衝突して大破するという事件(マンデルブロー号事件)
が起こった。
シーゲル・クラインは、食糧の自主生産のため、69年、プラントはユニウス市の7〜10区(ユニウスセブン〜10コロニー)
を穀物生産プラントに改装した。
この改装にユニウス市が選ばれたのは、元々ユニウスは、農林水産学の研究設備が存在していたため、
食糧生産用に短期間で転用することができると考えられたからであった。
966:ユーラシア兵
12/08/20 22:58:00.05 5pMkqPpB
これらのプラントを私物化するかのごとき行動にプラント理事国の世論は、激昂した。
地球にいるプラント理事国の国民からすれば、今まで資金や食糧、資源を提供してもらっておきながら、
宇宙軍が駐屯(各国宇宙軍は、プラントに迫るデブリや隕石の処理も行っていた)しているだけである。
にもかかわらず、勝手に工業生産ノルマを圧政だと主張し、プラントを改装し独立を図るなどというのは、
恩知らずの泥棒以外の何物にも見えず、当然ともいえた。
この世論を受けてプラント理事国は、実力行使してでも排除すると、駐留宇宙艦隊を中心に編成した鎮圧部隊を投入した
・・・・この時点では、誰もがプラント理事国が鎮圧を成功させると見ていた…
だが、宇宙艦隊は、改装作業用の作業機器とみられていたモビルスーツによって半数が撃破され、残りの艦隊は
近くの駐留拠点に退却させられてしまうという結果に終わった。
967:通常の名無しさんの3倍
12/08/20 23:31:34.92
MS開発前の話か?
楽しみだなあ
968:ユーラシア兵
12/08/21 00:43:55.65 0vbpTGE2
これに衝撃を受けたの者たちの中で未来を見据えていたのは当時、月面最大の軍事拠点 プトレマイオス基地の艦隊
に所属していたドゥエイン・ハルバートン大佐の派閥とブルーコスモスであった。
ハルバートン大佐は、鎮圧艦隊敗北の原因を鎮圧艦隊がスペースコロニー群を背にしているザフト軍に対して
ビームによる艦砲射撃が行うことが出来なかったことであると判断し、今後、
高威力兵器の仕様が限定されるスペースコロニー周辺、内部での戦闘ではMSが威力を発揮すると考え、大西洋連邦軍もMS開発すべきであると提唱した。
ブルーコスモス、特に盟主ムルタ・アズラエルは、まだMSを開発せずとも、従来の機動兵器 MAによる一撃離脱戦法で
対処可能であると判断していた。
(ちなみにMAの元祖は空軍時代のジョージ・グレンがテストパイロットとなった宇宙戦闘機である。)
69年9月、大西洋連邦軍の試験型MA TS-MA2mod.00 メビウス・ゼロを発展させた TS-MA2 メビウスが
ロールアウトした。
このモビルアーマー メビウスは、MA共通の弱点である運動性を補うために
2基のメインスラスターユニットを稼働させることで迅速な方向転換を行うことが可能であった。
対モビルスーツ戦を初めて視野に入れて開発されたMA メビウスは、アズラエル財団傘下の軍事企業を
中心に大増産が開始され、他のプラント理事国の艦隊にも供与された。
969:ユーラシア兵
12/08/21 01:05:38.30 0vbpTGE2
これらの動きにプラント自治評議会を改称したプラント最高評議会は、
パトリック・ザラを初めとする武闘派は、ただちに独立宣言を発表すべきだと、最高評議会議長
シーゲル・クラインは、時期尚早である と判断していた。
この当時、ザフト軍の装備は、モビルスーツを除けば、輸送艦改造の武装艦や駐屯艦隊からの鹵獲品が
大部分で、仮設武装艦の装備は、デブリ除去用のミサイルとレーザー砲のみで
到底艦隊戦など出来るはずもなかった。
後にザフト軍の主力艦艇として活躍するナスカ級、ローラシア級は、近い将来、火星圏、木星圏で
の宇宙開発のために建造が進められていた宇宙船を転用したもので
ドックで建造が進められていたが、まだ2隻が就航したばかりであった。
970:ユーラシア兵
12/08/21 02:15:43.38 0vbpTGE2
CE70年 2月5日、プラント理事国とプラントの間で緊張が高まる中、国際連合の仲介で
月面都市コペルニクスでプラント理事国とプラントとの間で会議が開かれることとなった。
だが、テロによってその会議は、血で染められることとなった・・・
会議が行われるはずだったコペルニクスのビルで爆弾が炸裂、会議参加予定の理事国側代表
と国際連合事務総長を含む国際連合首脳陣は全員死亡し、難を逃れたのは、シャトルが途中で故障
したために付近の月面都市に入港していたシーゲル・クラインらプラント代表のみであった。
CE70年 2月7日 大西洋連邦を初めとするプラント理事国は、コペルニクスの爆弾テロ
を「コペルニクスの悲劇」と名付け、プラントによるテロと断定、これを地球各国とそれに属する
ナチュラル、コーディネイターに対する宣戦布告であると見做すと発表、
先の事件で事実上崩壊した国連に替わって、プラント理事国を中心とした新たなる国際調停機関
地球連合が創設された。
加盟各国軍は、地球連合軍として、軍服、戦艦から小銃に至るまで装備の共通化が進められた。
各国宇宙軍にも、大西洋連邦のメビウスが供与されはじめ、大西洋連邦では辺境資源衛星、コロニー守備軍を除く
全ての宇宙艦隊にメビウスが装備されることとなった。
月面で
971:ユーラシア兵
12/08/21 02:17:48.03 0vbpTGE2
ここで投稿は終わりです。
月面で というのは、コピーミスですので気にしないでください、あと
最後の文の各国宇宙軍というのは、ユーラシア連邦、東アジア共和国を除く
地球連合加盟国のことです。
972:通常の名無しさんの3倍
12/08/21 03:55:20.27
支援
973:通常の名無しさんの3倍
12/08/21 09:39:05.43
射撃支援
974: [―{}@{}@{}-] 通常の名無しさんの3倍
12/08/22 23:27:31.00
てs
975:ユーラシア兵
12/08/26 09:14:42.91 SMDGsiC4
>>969
にミスがあったので修正と加筆をさせていただきます。
これらの動きにプラント自治評議会を改称したプラント最高評議会は、
パトリック・ザラを初めとする武闘派は、ただちに独立宣言を発表すべきだと、評議会とプラント市民に
訴えたが、自由条約黄道同盟時代からの盟友であり、プラント最高評議会議長
のシーゲル・クラインは、まだ時期尚早である と判断していた。
この当時、ザフト軍の装備は、モビルスーツを除けば、輸送艦改造の武装艦や駐屯艦隊からの鹵獲品が
大部分で、仮設武装艦の装備は、デブリ除去用のミサイルとレーザー砲のみで
到底艦隊戦など出来るはずもなかった。
後にザフト軍の主力艦艇として活躍するナスカ級、ローラシア級は、
近い将来、火星圏、木星圏で の宇宙開発のために建造が進められていた宇宙船を転用したもので
ドックで建造が進められていたが、まだ2隻が就航したばかりであった。
流石に、まだプラント市民の世論の大部分も理事国の強大な艦隊と戦争により、生活が脅かされることへの不安から
この時点では地球と本格的に武力衝突を望んではいなかった。
976: 忍法帖【Lv=19,xxxPT】
12/08/27 23:01:20.31
>>171
あ゛(
977:通常の名無しさんの3倍
12/09/01 00:54:51.76
規制解除キター
職人氏GJ