12/01/30 18:09:09.37
『ソイツは一体何なんだよォッ!? そんな、どこから湧いて出たかも分かんないような“力”を使ってまで、
俺を受け入れたくないってのかよオオオォォッ!?』
ウルサイ。
何が受け入れたくないだ。ありもしないデタラメしか言わなかったクセに。
どこから湧いて出た? なら、お前もどこから湧いて出てきたんだよ?
いい加減、自分と同じ姿で騒がしく喚くそいつが鬱陶しくなってきた。
その心情を悟ったかのように、カグツイザナギが刃の燃え盛る矛を袈裟懸けに構える。
―消えちまえ、化け物。二度と俺の前に現れるな。
カグツイザナギが、矛を振り抜いた。
それによって生まれた炎の波が、もう一人のシンを飲み込み、巨大な火柱を発生させる。
その火柱が消えた後には、焦げ付いたアスファルトの地面のみが残っていた。
それを見届けてすぐに、シンの視界がぐにゃりと歪んだ。
全身が、思い出したように痛み出した。瞼も鉛に変化したかのように重い。
カグツイザナギの体が細かな光となって四散し、元のカードに戻るのが見えた。
どうやら、限界らしい。
それを悟るや否や、自分に駆け寄る集団を視界に入れる間も無く、シンの意識は
深い闇の中に猛烈な速さで沈んでいくのだった。