12/01/14 17:51:58.74 LNZ2KvYT0
カードキャプター佐倉投下
杏子「父さん、母さん、知世・・・あたし・・・やったよ」
伊坂を封印した杏子が感慨深げにつぶやく
杏子「ねぇ・・・褒めてよ。よく頑張ったなって・・・・。ねぇってば!!」
その問いかけに答えてくれる者は・・・いない
杏子「うっうっうわぁぁぁぁぁぁぁぁん」
押し寄せてくる現実に・・・遂に堰を切ったように泣き出した
復讐のために張りつめ、抑え込んでいた悲しみはまだ幼い少女の心には・・・重過ぎた
杏子「うわぁぁぁぁぁぁん・・・?」
不意に、誰かの手で頭を撫でられた。
杏子「橘・・・さん」
それは、変身を解いた橘だった
橘の大きく暖かな手で撫でられ、少しずつ落ち着きを取り戻す杏子
橘「よく頑張ったな」
撫でながら掛けられた言葉に、再び杏子の目に涙が滲んだ
杏子「わぁぁぁぁぁぁ」
そのまま橘の胸に顔を埋め、泣き崩れる。
杏子「うっ、でも、でも・・・幾ら復讐を・・ひっく、果たしたからって・・父さんも・・母さんも、うっ、知世も、帰ってなんて・・来ないんだよ」
橘「大丈夫だ、みんな生きてる・・・!?」
ドンっと唐突に突き飛ばされて面食らう橘
杏子「・・・あたしの心の中で生きてるってのかよ」
俯いていて表情は見えないが、その声音からは激しい憎悪が伝わってくる
杏子「そんな慰めいるか!!、ふざけんな!!」
顔を上げ鋭い目つきで橘を睨みながら怒りの言葉をぶつける杏子。
激しさとは裏腹に・・・その目からはとめどなく涙があふれていた
杏子「くそっ!!」
橘に背を向け、立ち去ろうとする杏子
橘「待て!!、話を・・・」
杏子の肩を掴み、その場に留めようとする
杏子「触んな!!」
橘の手を振り払い、杏子はそのまま走り去ってしまった
剣崎「橘さん・・・」
橘「難しい物だな」
振り払われた手を見つめ、溜息を洩らす橘
さやか「それより早く追わないと、今の状態で一人になんてできないですよ!!」
橘「ああ、そうだな」
ここまで乗って来た車に乗り込む橘とさやか
橘「剣崎、早くしろ」
隣に止めてあるブルースペイダーに乗ろうとしない剣崎を橘が急かす
剣崎「橘さん、そっちはお願いします。俺は行く所があるので」
橘「そうか。解った。」
そのまま車を発進させる橘。