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週刊ポスト 2013/10/25号
■小泉純一郎「原発ゼロ」の裏に米石油メジャーという陰謀史観
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◇脱原発で得をする巨大石油資本
そうした石油資本からみれば、安倍首相の原発再稼働方針は自らの利益と相反する政策ということになる。
菅沼氏が続ける。
「日本は福島原発事故以来、火力発電所を稼動させるために石油をどんどん輸入している。石油メジャー
にとっては好都合な状況で、原発再稼働で石油の消費を減らそうとしている安倍政権の方針は損失を招く。
小泉氏は首相時代に日米関係強化に力を入れ、郵政民営化は米国の思惑に沿う政策だった。今回の
脱原発発言も、米国石油メジャーの利害と一致する。これは関係があると考える必要があるかもしれません」
小泉首相は米国のブッシュ政権と深い関係を結び、そのブッシュ元大統領は石油会社を経営していたことが
あり、石油メジャーのシェブロンの役員だったコンドリーサ・ライス氏を国務長官に起用するなど石油資本との
関係が深いことで知られる。ちなみにイラク戦争で米国が勝利した後、最初に現地に到着したタンカーは
国務長官の名前が付けられた米国の「コンドリーサ号」だった。”ブッシュの戦争”と呼ばれたイラク戦争は
石油利権獲得のためという定説だが、それに賛成し、米国の要請を受けて自衛隊を派遣したのは小泉元首相
その人である。その石油メジャーは現在、安価なシェールガス革命で石油価格低下の危機に晒され、原発推進
による一層の石油離れをなんとしても阻止したい状況にある。
こう見ていくと、このタイミングで小泉氏が反原発姿勢を強めている背後に、奇しくも旧ブッシュ政権 →
米国石油メジャーという政治的人脈と思惑が１本につながってくる。
「脱原発」で得をするのは誰なのか。その視点から見た場合、小泉発言を単なるパフォーマンスと捉えるわけ
にはいかない。ましてや、仮に、小泉発言の背後に石油メジャーがいるとなれば、その意向に反して原発を
推進する安倍政権は大きな危機に直面することになる。