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これが司法
◆東京地裁(福島政幸裁判長)東電の主張を大筋で認め、除染を求めたゴルフ場の訴えを退ける
※放射能はだれのものか。この夏、それが裁判所で争われた。
8月、福島第一原発から約45キロ離れた二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」が東京電力に、
汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に申し立てた。
ーー事故のあと、ゴルフコースからは毎時2~3マイクロシーベルトの高い放射線量が検出されるようになり、
営業に障害が出ている。責任者の東電が除染するべきである。
このゴルフ場の芝を検査機関が検査したところ1キロあたり23万5千ベクレルの放射性セシウムが検出され、
17日には芝や土から1キロあたり98ベクレルの放射性ストロンチウムも検出された。
対する東電は、こう主張した。
ーー原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東京電力は除染も何も一切の責任がない。
答弁書で東電は放射性物質を「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」としている。無主物とは、
ただよう霧や、海で泳ぐ魚のように、だれのものでもない、という意味だ。つまり、東電としては、飛び散った放射性物質を所有しているとは考えていない。
したがって検出された放射性物質は責任者がいない、と主張する。
さらに答弁書は続ける。「所有権を観念しえるとしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に符号しているはずである。つまり、
責務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない」
飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地にくっついたのだから、自分たちのものではないと東電は主張。
決定は10月31日に下された。東京地裁(福島政幸裁判長)は東電の主張を大筋で認め、ゴルフ場は「営業に支障はない」と判断、賠償請求も退けた。