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北海道新聞 ＞ 道内
北海道南部の大雨 ＪＲ札幌―函館間復旧、乗客は疲労濃く（08/10 06:10）
（※画像：疲れた様子で臨時特急の発車を待つ乗客＝９日午後７時４０分、ＪＲ函館駅）
道南地方を直撃した９日の記録的な大雨で運休が続いていたＪＲ北海道の札幌―函館間の特急は
同日夜、運行を再開した。ＪＲは土砂が流された渡島管内八雲町内の線路の復旧作業を急ピッチで
終わらせ、お盆時期に混乱が続くのを何とか回避した。しかし臨時特急の乗客や代わりの移動手段の
確保に奔走した出張者らの間には、徒労感が色濃く漂った。
同日早朝、１時間で１００ミリ超の激しい雨に見舞われた八雲町内。ＪＲ函館線山越―八雲間の
下奥津内橋梁（きょうりょう）では線路下の砂利が流出し、函館などから集められた作業員約３０人が
暗闇をライトで照らしながら、土のう積みや砂利敷きなどの作業を続けた。現場近くの小規模授産
施設「かつら共同作業所」を運営する矢羽々京子さん（８２）は「数年前も同じような場所で被害が
あったが、今回の方がひどい」と話した。
懸命の復旧作業により、札幌―函館間は夜になって運行を順次再開した。ＪＲ函館駅では
午後７時４１分、札幌行きの臨時特急が出発。定員約３９０人が、長時間にわたって再開を待ち望んだ
乗客でほぼ満席に。青森市の会社員田中健さん（２４）は「青森駅でも５時間待った。今ごろは札幌で
友人と食事している予定だったのに」と話した。
一方、札幌―函館間の都市間バスはお盆を前に予約で満席状態。ＪＲを諦めてキャンセルを
待ち続けた函館市の会社員飯嶋隆さん（５７）は「仕事でＪＲをよく利用するが、運休は３回目。今後は
車の移動を考えたい」と、疲れた様子でバスに乗り込んだ。＜北海道新聞８月１０日朝刊掲載＞
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