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>>72に続く平行世界もの
◎国鉄711系2000番台電車
1978年
○1976年に長崎本線と佐世保線が交流電化されたが、旅客列車は特急以外気動車いわゆる架線下DCが顕著。
国鉄の財政悪化の影響で高価な交直流用電車の新造自体が、特急料金で償還出来る特急専用車以外は見送られたが、
会計検査院に電化の必要性を問われ、そこで交直流よりも安い交流電車で普通から急行の汎用運用可能なのを新造投入。
それは、優等料金徴収列車体系にて急行廃止・特急統合という国鉄の長期経営戦略に基づき、
車両の想定寿命中に急行運用消滅後を見据えて急行形は新造せず、後述の近郊形711系の新派生番台となった。
車種はクモハ/サハ/クハ/サロ711-2000(Mc/T/Tc/Ts)の四種。
Tsは将来の特急形への編入前提故にTs481そのもの。
車両製造と誘導障害対策の費用の抑制や新型車不信の労働組合対策により枯れた技術を採用する事となり、
0番台と異なり、サイリスタ位相制御ではなく、0系新幹線やED76と同様の低圧タップ制御とし、
1M2Tを基本ユニットとし高価な電動車の比率を下げたので、最高速度はキハ58等のDC並に割り切って
歯車比を103系等の通勤形と同じにして加速度を上げた。60Hzのみ対応。
冬期の排雪抵抗上編成中央に中間電動車を置いた0番台と異なり、編成短縮に備えクモハを用意。
TcとTsのみにトイレと洗面所を設置し且つ空気バネ台車とし、他の車種はコイルバネ。全車冷房搭載。
車両の意匠は0番台を暖地向けにしたものでユニット窓と集中式冷房装置が大きな違いで、接客設備も0番台に準じた
固定クロスシート主体で車端の乗降デッキ寄りにロングと、同時期のキハ48や50系客車とも共通項がある。
0番台とは異質過ぎるので新形式を付与すべきだが、労働組合対策で711系にされ暖地向けだから115系に倣い2000番台に。
落成後、博多と長崎・佐世保を結ぶ急行出島・弓張の一部に就役し、普通運用にも。
結局、増備されることはなく、架線下急行・普通DCは残存。
711-2000使用の急行は鉄道愛好者の一部から遜色急行と叩かれた。
82年急行の特急への吸収統合に伴い急行運用は終了し、Tsは485系に編入され、他普通列車専用に。
87年にJR九州承継後、性能上高速列車高密度路線での運用には不適切で閑散路線で専ら使用され、
後年二両編成化でTは廃車。