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東日本大震災から11日で1年半。時は過ぎても、大切な人の帰りを待ちわびる家族の
気持ちに終わりはない。その思いに応えようと、津波被害を受けた沿岸部の水中で
行方不明者を捜し続けるボランティアがいる。大森裕彦さん(35)もその一人だ。
警察や自衛隊の捜索が縮小された今も連日、暗い水の底に手探りで潜る。
夏の終わりの強い日差しが照らしても、水中に視界はほとんどない。水面に顔を出し、
船上の漁師に伝える。「屋根が見えるけど、引き揚げは難しい」
宮城県石巻市の長面浦(ながつらうら)。児童74人が犠牲になった大川小に近い入り江だ。
9月4日、大森さんがすくい上げたのは、家屋の一部や大木など。だが望みは捨てていない。
「真っ暗で潜れていない場所もまだある。遺体が見つかる可能性は残っている」
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