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変わる被災地の水産業 消費者ニーズ見極め 流通は極力シンプル
日本の水産業は、消費者の魚離れや漁業者の高齢化・後継者不足、海外からの安い水産物の輸入などで
危機的状況といわれてきた。東日本大震災による東北地方沿岸部の津波被害はこれに追い打ちをかけた。
だが、震災を機にこれまでの水産業のあり方を見直し、新たな取り組みで消費者を獲得しようという動きも出てきた。
「気仙沼ふかひれ濃縮スープ」「気仙沼チャウダー」「白身魚のトマトクリーム煮」-。
震災後、宮城県気仙沼市の水産会社「阿部長商店」は、震災前には扱っていなかった水産物の
レトルト食品の生産を始めた。阿部泰浩社長(48)は「気仙沼といえばフカヒレ。長年かけて築き上げた
地域ブランドを守りたかった。レトルト食品など加工食品の方が、刺し身など鮮魚のまま売るよりも
利益率が高い。気仙沼全体の復興のためにも水産物の付加価値を高める商品作りは不可欠だった」と話す。
同社は地元のカツオ一本釣り漁船「亀洋丸」と組み、冷凍カツオを使った新たな商品開発も始めた。
東京に営業拠点を開設し、首都圏での販路開拓や通信販売による直販も強化。
目指すのは、消費者ニーズにあった商品開発と、中間業者を極力少なくしたシンプルな流通だ。
「漁業者が望む価格で魚を売り、消費者が欲しい商品を納得のいく価格で手に入れられるのが理想。
それには、委託販売が中心のこれまでの売り方ではだめだ。まだ試行錯誤の段階だが、
やってみないと結果は生まれない」と阿部社長。
水産物の流通には、産地と消費地それぞれに卸業者や仲卸業者といった複数の中間業者が存在することが多い。
このため、水揚げしたときには1尾25円だった魚が、消費者が買うときには100円ということも珍しくない。
中間業者は魚の「目利き」の役割などを担っているとはいえ、非効率な流通経路への
批判は以前からあり、見直す取り組みは広がっている。
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