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福島県ハイテクプラザ（郡山市）は、プラスチックと金属を混合させ、放射線遮蔽効果が高い
プラスチック複合材料を開発した。
通常のプラスチックと同様に加工が可能で、建物の内装やブラインドカーテン、除染廃棄物の
保管容器などへの応用が期待できるという。同プラザでは製品化に向け民間企業との連携を
進める。
同プラザの菊地時雄主任研究員によると、複合材料の金属にはスズと銀の合金である
「鉛フリーはんだ」を使う。融点が２００度程度とプラスチックに近く、入手も容易という。プラス
チックと金属を溶かした状態で混合させる際、金属は大きくても数マイクロ・メートル程度の
粒子状にして樹脂中で均一に分散させることで、高い放射線遮蔽効果が得られた。
はんだは同じ体積でプラスチックの約８倍の重さがあり、体積比でプラスチック１０対はんだ１の
割合で混ぜた複合材料を作った場合、重さはプラスチックの約１・８倍になるものの、放射線遮蔽
効果は約８倍になるという。エックス線（１００ｋｅＶ）を使った実験では、厚さ３ミリで約７５％の遮蔽
効果があった。
混合させる際に技術が必要になるが、複合材料はシート状にも糸状にもでき、プラスチック製造
企業であれば既存の成型機などをそのまま利用できる。
同プラザは「応用範囲は広いので民間企業に技術移転し、製品化を進めたい」としており、すでに
１０件程度の問い合わせがあるという。
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