12/02/28 07:19:56.39 6fo5w2Po0
「両方走れるなんて不思議やね」。線路の上を走り始めると、小松島市から参加した女性(73)が
感心する。列車のように「ガタンゴトン」と音が響く。道路では時速50キロほどで走っていたが、
線路上の最高速度は65キロ。揺れはほとんど無く、後ろに傾く姿勢に慣れれば、列車に乗った感覚と
似てなくはない。
列車はJR3駅と阿佐海岸鉄道の海部駅を通過し、宍喰駅に戻った。さらに駅の車庫から道路に降り、
高知県東洋町の道の駅などをめぐった後、再び宍喰駅に戻った。試乗時間の2時間半はとても短く
感じた。
この日と12日の2日間の試乗会には126人の定員に対し、県内外から556人が応募。4倍を超える
人気となった。中には岡山県や広島県から参加した鉄道ファンもいた。前出の2人の小学生を連れて
参加した高知県東洋町の林清美さん(34)は「子供は楽しんでいた。走れば人気は出そう。でも
日常的に使うとなると、やっぱり自家用車かなあ」という。
県は今回の試験運行の費用として、国、高知県と合わせ約5千万円を負担。DMVは無償貸し出し
だったが、運搬費や人件費などにかかった。県交通戦略課は「今回の試験運行で、阿佐海岸鉄道
での走行が可能と判断された」とし今後導入に向けた準備を進めるという。だが、DMVを徳島県で
導入するには、JR北海道の営業運行が前提。その営業運行の時期も「実現のめどは立っていない」
(JR北海道)という。
DMVは確かに不思議な魅力がある。機会があればもう一度乗りたいと思わせる。でも開業以来、
19年連続赤字のこの鉄道の起爆剤となるには、まだまだ遠い道のりがありそうだ。(川原千夏子)
URLリンク(www.asahi.com)