12/04/18 08:16:48.89 YZBMSWFQ
「乾いている」
少女達は駅の回りでたむろしていた
少女達は皆乾いていた 全てのものが 無機質な情景の中で 既に前からそこに居た様に まるで物体のように乾いていた
見えない虫の魂のようなものだけが ボウと浮かび上がり
それはまるでカゲロウのように切ない
時代が怪物のようにゆっくりと動き出していた
全てが病み あらゆるものがあらゆる事柄に飽きていた
私も同じように乾いていた
まるで湿り気を帯びていない 骨や肉を軋ませながら動いているにすぎなかった
私が乾いているから少女達も乾いて見えたのだろう そう思いたかった
少女達はモノクロームのチラシのように あちらこちらに散乱し引き千切られている
時代の老廃物とともに外に弾き出され 皆乾ききってしまっていた
回りの情景は乾いた少女達と同化し 皆それぞれただ時を止め やはり乾いていた