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混沌世界
世界は一冊の物語のようなもので、美しく創り上げること。
それが世界を創造するために最も重要なことだった
。
いうなればそれはユートピア。
けれど美しさなんてすぐに剥ぎ取られてしまうその脆さ。
町は夕日が燃え尽くして、
残された黒い残骸は果てのない夜と
なって、
いけにえの十字架たちは戯れて。
お話たちはページごと旅立ち、
あの夕焼けの元へと黒こげになること
をせがむ。
それは己自身の望みなのかもしれない。
この地を歩いていても、
どこからか硝子を通してこの世界を見る自分がいる。
客観的に見たこの混沌に、もう愛していないよと言葉はのどを突き破って。美しく創ったはずだったのに。
結局描いたユートピアなどというものは曖昧なものなのだ。
広く広く創ってしまってはいけなくて、余るほどの思い出も持ち合わせてはいけない。
そして心は空虚であるほどにこの場所ではちょうどよい。
愛してもいない、
心もつぶしてしまう、
美しさの消滅…
ではこの地を創造するは何の為に?と聞かれれば返す言葉もなくおしまいだ。
よくわからない何か、混沌とした私の世界という正体であるだけしか成立しえないのだから。
でも、
私のこの目は踏みしめた黒い大地の下に眠るかもしれない輝きをしらない。