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「意味不明ポニョ4~バレンタインver.~」
別れ際のあなたの笑顔が忘れられない
2011年3月
陽光射す画廊で僕らは最後のキスをした
「ポニョ、元気でね」
あなたはそう言うと、絵画の住人となった
それは永遠が施した体温の刻銘であり、
長い長い物語の終焉であった
僕らは混沌に立ち向かい混沌に飲まれ
混沌の中で愛を語り合った
常識と名のつくものは幻想となり
中空を漂い続け、地面に足をつける者は闘争の奔流に押し流された
画廊はそこだけが唯一の安楽の地であるように
暖かく光り続け、僕らはそこで逢瀬を重ねた
そして荒廃した世界に横たわる暗黒の歴史が僕を死地に向かわせたが、
神によって唯一、体温を許されたあなたの手が僕を救った
「女というものは果たしてこんなにも温かいものだっただろうか」
僕はその疑問を反芻したが、あなたの左手は霊性を伴って
柔らかく発光していた
それは夜空に揺らめく海月のごとき官能であり
あなたという存在の疑う余地のない煌めきであった
「ポニョ、愛してるよ」
暗闇の中で囁くあなたの声はこれからも
僕を強固に支え続け、僕を導いてくれるだろう
僕の歴史の中であなたの笑顔は永遠であり
その輝きは女神のように完全なのだ