12/02/04 20:22:57.19 5tZ/K/J1
「自己愛」
波の音がする。潮の香りがする。ここではないどこかで。
私は真っ赤な記憶をしぼって笑い続けている。
機械人形のような日々の生活に追われて。
金銭の争いや愛欲関係に浅はかな報復を望みながらまた、怯えている。
笑い声がだんだん涙声のようになってきた。
波の音を消し、海の上を渡り、海の中に沈んでゆく。
そこで見えたのはピエロの姿をした俺が泣いている。
自己愛という痛みが、私の血管を通して目に作用させている。
波の音は、さびしい音をたてながら、海岸を洗う。
僕は、目から苦い体液をだしながら、歳をとってゆく。
ここではないどこかで。